にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

19/06/22 Japanese Racing

*Tokyo Good to Firm

Tokyo Jump Stakes (JG3) 3110m

雨が降り続いてそれなりに馬場は悪化していたようだ。人気はマイネルプロンプト、シンキングダンサーから。好スタートから先頭を伺うマイネルプロンプトを制してマイネルピクトルが先頭に行く展開。これを追いかけてマイネルプロンプト、シンキングダンサーなど。早々にハルキストン、シゲルボブキャットは落馬。2周目から徐々に位置を上げたシングンマイケルが残り2障害地点で先頭に立つと、そのまま追いかけてきたマイネルプロンプトの追い上げを制して勝利した。3着にシンキングダンサー。ラピッドシップが追い込んで4着。

シングンマイケルはこれで障害重賞初制覇とした。主戦の金子騎手から石神騎手への乗り替わりとなっていた。ここのところ乗りに乗れている石神騎手が2周目に入る辺りからじわじわと加速を掛けており、平地競走のような直線における瞬間的なスプリント能力勝負に持ち込まない土俵へと上げている。障害馬はその特性上、瞬間的なスプリント能力よりもスピードの持続力や耐久性を武器にすることが多く、それは比較的平地競争的な要素の強い日本障害競馬においても同様であり、平地競争から考えると一見「早すぎる」仕掛けによってこそ力を発揮する場合の方が多い。ここのところの石神騎手はこのようなかなりアグレッシブな騎乗を見せている一方で、その仕掛けのタイミングは障害競走としては正常範囲のものであり、日本の障害コースを熟知したパーフェクトなものである。それに応える5歳セン馬もまた障害馬としては高いポテンシャルを持った馬であるのだが、しばらく石神騎手の騎乗ぶりは現時点で最先端の戦術として非常に重要なものになるだろう。

中山グランドジャンプにて3着に入ったマイネルプロンプトは力を見せたのだが、どうにも飛越を丁寧に飛ぶことで障害設置範囲ではスピードに乗り切れないところが目立った。まだ7歳と若いのだが、この安定感を見ているとそろそろ日本よりもフランスなどの方が良いのではないだろうか。シンキングダンサーはどうにも動ききれなかった辺り、以前は府中で勝ち星のある馬なのだが、もう少し大型の障害が設置されているコースの方が良さを発揮するかもしれない。ラピッドシップは直線伸びてきて4着に入ったが、最終障害を飛越する時点でだいぶ後ろにいてはどうしようもない。スピードをつけて飛越していくことが出来ればさらに良くなる可能性のある馬だろう。飛越技術云々ではなくスプリント能力で勝敗が決するのであれば別にゲームとして障害を飛越する意味はないだろう。