にげうまメモ

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19/08/04 Australian Racing

*Ladbrokes Park Lakeside Soft6

Crisp Steeplechase 4200m

Set Weights plus Penalties. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. Track: Lakeside. Track type: Turf. Field limit: 12. 

https://www.racing.com/form/2019-08-04/ladbrokes-park-lakeside/race/1/results

It's A Clapathundaが先頭を伺う構えも、これにぴったりとFulmineusがついて行く。やや離れてDanzadoozie。Wellsは馬群の外から進める。2周目からFulmineusがペースを上げ先頭に。コーナーを回って追い上げてきたWellsが先頭に並びかけるも、ここから最後方にいたSlowpoke Rodriguezが接近。WellsとSlowpoke Rodriguezの激しい追い比べはWellsがハナ差残して勝利した。3着にはBit of a Lad。Fulmineusは4着まで残った。Lucky Tonight、It's A Clapathundaと続いた。

Wells自身はこれでCrisp Steeplechase自体は2017年に続き2勝目とした。Grand National Steeplechaseの4勝目を狙った昨年は、小さなアクシデントのためにここはスキップしている。今シーズンはMosstrooper Steeplechaseに続きこれで連勝。Mosstrooper Steeplechaseは3500mであり、そこから距離延長となるのは明らかにこの馬にとってプラスであったのだが、それ以上に昨年は落馬に終わったGrand National Steeplechaseに向けて良い状態にあると言える。Mosstrooper Steeplechaseでは若干のポカを感じさせた飛越も今回は安定していた。オーストラリア障害馬としてはすでに絶対的な立ち位置を築き上げている同馬だが、絶対的なスピード能力というよりは、飛越の器用さと重馬場を苦にしないパワーと持久力、それから強靭な精神力を兼ね備えた馬であり、70kgのトップハンデを背負いながらSlowpoke Rodriguezを退けたそのパフォーマンスの通り、その能力は12歳となった今年も衰えを知ることはない。

Grand Annual Steeplechaseでは案外な結果に終わっていたSlowpoke Rodriguezは今回は好走した。やや全体的に前掛かりになる中を後方からじっくりと進める戦法がうまくいった結果とも考えられるが、このくらい走れればそのうち大きな仕事をやってのけるポテンシャルは持ち合わせている。Brierly Steeplechaseの勝ち馬Bit of a Ladも格好はつけたが、どうにもタフな展開となると若干分が悪い印象。未勝利馬Fulmineusは積極的な競馬で見せ場を作った。Lucky Tonightは後方から進めるも最後は脚が上がり脱落。ニュージーランドからの移籍馬となるIt's A ClapathundaはFulmineusに散々絡まれ最後は苦しくなった。

 

Grand National Hurdle 4200m

Handicap. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. Track: Lakeside. Track type: Turf. Field limit: 12. 

https://www.racing.com/form/2019-08-04/ladbrokes-park-lakeside/race/6/results

Gobstoppperが逃げる展開もこれにParagonが絡んでいく。2周目に入る辺りでGobstoppperはアクシデントがあり後退、そのまま競争中止。代わってParagonが逃げる展開も、これにFirefree、さらにTallyho Twinkletoeが接近。残り2障害辺りから先頭に立ったTallyho Twinkletoeが、Euroman、Firefreeなどの追い上げを凌いで勝利した。Killarney Kidは4着まで。

Tallyho Twinkletoeは元々はニュージーランドでHurdleを走っていた馬で、母国ではGrand National Hurdle (PJR)勝ちを含む活躍を見せていた。その後は故障により3年近い休養をはさみ、昨年のRST OPN HDLで復帰したのち、その後また1年近い休養、今シーズンは復帰してMDN STPを快勝していた。これがオーストラリア移籍初戦なのだが、なんと水曜日の深夜にオーストラリアに到着したらしく、なんとも急なスケジュールである。ニュージーランドでは圧倒的なスピード能力で他をねじ伏せるような走りを見せていたのだが、さすがに故障と加齢もありかつてのような爆発力はないようだ。とはいえSTPを使うことで飛越技術はかなりの向上が認められており、かつてはスピード能力で圧倒していく粗削りなレース運びからは一変している。オーストラリアHurdleはどちらかというと平地能力の高いフレッシュな馬が活躍する傾向にあることを考えると、おそらくオーストラリアで戦うのであればSteeplechaseの方がよさそうな印象がある。ニュージーランドSteeplechaseは非常にタフであり、スピード能力よりもパワーとスタミナを要求されるため、おそらくSteeplechaseであればオーストラリアの方が戦いやすいだろう。Grand National Steeplechaseに参戦するという話もあり、現チャンピオンでCrisp Steeplechaseで迫力のあるパフォーマンスを見せたWellsとの対決は非常に楽しみである。

MDNから2連勝してきたFirefreeは強敵相手に見せ場を作った。HDLは案外長い馬だが、長らくMDNを勝てなかっただけに、MDNを勝つことで馬が完全に変わってきているように見える。Euromanは相変わらずスピード能力は高いようだが、どうにも飛越に粗さが残っており、この辺りが最後のワンパンチ不足に繋がっている感がある。Killarney Kidは後方からじっくり進めるも4着まで。今回は早めに前の方に取りついてないと厳しかったか。SA州のGrand National Hurdleを勝利してきたDouble Bluffは案外で、どうにもSA州とVIC州の間では同じGrand National Hurdleといっても水準の差が気になる。Emily Farr騎手が騎乗することで話題となっていたGobstoppperは途中棄権に終わったが、どうやら不整脈とのこと。