にげうまメモ

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19/10/15 Japanese Racing

*Tokyo Firm

Tokyo High Jump (JG2) 3110m

台風の影響で土曜に予定されていたレースが火曜日へと移動になったらしい。中の人はその頃プラハー東京間の飛行機に乗っていた。エミレーツ航空はサービスがいい。

今年の春麗ジャンプステークスでは目覚ましい圧勝劇で障害3戦3勝とするも、その後屈腱炎で休養していたトラストの復帰戦ということで注目が集まっていた。レースは例によってトラストが飛ばす展開も、2周目の途中からシングンマイケルが絡んでいく。最終障害でトラストを競り落としたシングンマイケルが、追いかけてきたメイショウダッサイを振り切り勝利した。トラストは3着に遅れた。

トラストは平地では中距離程度で比較的早いテンポを刻んでいくタイプの先行馬で、その俊敏性とパワーを生かして障害戦線においては頭角を現してきた過去がある。しかし屈腱炎明けということもあり、今回はやや慎重な競馬に終始することとなった。シングンマイケルは東京ジャンプステークス(G3)から障害重賞は連勝とした。前走は石神騎手が2周目に入る手前からじわじわと加速することで、障害競馬「らしい」スピードの持続力と耐久性による勝負の土俵に持ち込んでおり、今回はその石神騎手から金子騎手へと乗り替わっていたのだが、金子騎手もまたその石神騎手の仕掛けに似たような脚の使い方で後続を完封するに至っている。勝ち方自体は地味だが、飛越時の身体の使い方は柔軟で高いレベルのものを持っており、オジュウチョウサン不在となる可能性のある中山大障害でも楽しみな存在になり得るだろう。比較的長く障害を走っている馬だが、ここまで大崩れしていない戦績も魅力的である。

小倉サマージャンプを勝ってきたメイショウダッサイも見せ場を作った。小倉では若干怪しい部分の残っていた飛越も今回は改善しており、乗り方次第では勝ち馬に対して逆転も可能だろう。トラストの復帰戦ということでどうしても話題性としてはトラストの方に分があるのだが、上位2頭は案外侮れない実力を持っている。注目されていたトラストはどうにも飛越のリズムが悪かった。シングンマイケルが来てからも飛越にミスが見られており、さほどプレッシャーを掛けられる展開ではなかった前走と比較するとどうしてもプレッシャーがかかった際の飛越には懸念が残る。とはいえひとまず復帰戦として格好はつけた内容で、ひとまず次走に注目したいところである。