にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

20/01/11 National Hunt Racing

*Kempton Good to Soft (Soft in places)

Silviniaco Conti Chase (G2) 2m4f110y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2020-01-11/kempton/559543/unibet-silviniaco-conti-chase-grade-2

当ブログの初期にはよくSilviniaco Contiに関する記載をよく書いたものである。2013、2014年とKing George VI Chase (G1)を連覇するなど多数のG1勝ちを収めた名馬である。晩年はやや精彩を欠き、引退後の2018年には早々に亡くなっているのだが、時代を代表する素晴らしい障害競走馬であったことは間違いない。レースはFrodonが淡々と逃げると、追いかけてきたTop Notchなどを振り切り、最後は忍び寄ってきたKeeper Hillを抑えて勝利した。

Bryony FrostとFrodonのコンビは人気があるようで、この人馬が勝利すると盛り上がる。Frodonは昨シーズンCheltenhamで勝ち星を重ねた馬で、Ryanair Chase (G1)勝ちもある。今シーズン初戦のOld Roan Chase (G2)では案外な大敗に終わり、Berfair Chase (G1)ではあっさり沈んでいた。おそらく平地の脚が早いタイプではないだけに、障害のバイパスがあったOld Roan Chase (G2)では条件が合わず、また24fは長いという部分があるのかもしれない。20fにてこの馬のリズムで走ることが出来た際には持ち前の持続的なスピードを生かすことが出来る。Ryanair Chase (G1)に向けて楽しみなレースであった。Keeper Hillはレース運びを見ているとどうにも信用の出来ないタイプで、まともに走れば重賞クラスの能力がある一方で、あっさり沈む場合もありそうな印象。Top NotchはFrodonを見る形でレースを進めたが、逆に突き離されて3着に終わった。

 

*Warwick Soft (Good to Soft in places)

Hampton Noivces' Chase (G2) 3m

https://www.sportinglife.com/racing/results/2020-01-11/warwick/559563/mccoy-contractors-2020-construction-news-awards-finalist-hampton-novices-chase-grade-2

レースはRoll AgainとTow For Goldが並んで逃げる展開だが、第13障害辺りからTow For Goldが押して前に出ていく。追いかけてきたHold The Noteが最終障害前で一旦前に出るも、再度伸びてきたTow For Goldがこれを差し返して勝利した。3着以下は大きく遅れた。

Tow For GoldはこれでChaseは3戦3勝とした。Hurdleでは唯一挑んだ重賞であるSpreme Trial (G2)で大敗しているように、大した実績のある馬ではない。道中から高さを抑えて飛距離を稼ぐような特徴的な飛越を見せており、このようなタイプはかえって前に出していった方が飛越のリズムを掴むことが出来る。David Bass騎手はかなり早いタイミングからこの馬を前に促しており、この判断が今回は当たった形になる。ただし、メンバー的に重賞におけるスピード能力となるとどうにも怪しいメンバーが揃っており、RSA Chase (G1)というよりはNational Hunt Chase (G2)向きのタイプだろう。Hold The NoteはここまでChaseを2回使い、いずれも大敗していたのだが、今回は一気の距離延長でパフォーマンスを上げてきた。今回は勝ち馬のしぶとさにやられた格好だが、この馬も長距離を走るステイヤーとして楽しみな存在である。

 

Leamington Novices' Hurdle (G2) 2m5f

https://www.sportinglife.com/racing/results/2020-01-11/warwick/559564/ballymore-leamington-novices-hurdle-grade-2

人気のShan Blueが逃げる展開。そのまま逃げ込みを図るが、好位にいたDecor Irlandaisが接近し、2頭の叩き合いに。しかしゴール直前になって強襲してきたMossy Fenがこらを差し切り勝利した。Decor Irlandais、Shan Blueと続いた。女王陛下のKeen Onは途中からついて行けなくなり、4着に終わった。

Mossy FenはHurdleは4戦3勝とした。前走のAlbert Bartlett Novices' Hurdle (G2)では残り2障害で脱落していたのだが、ここではゴール前で強力な末脚を繰り出してきた。20fの方がよさそうと言うことはあるのだが、今回はメンバー的にやや疑問符は残る。Decor IrlandaisはPTPはかなり長い馬で、HurdleではNovice戦はそこそこにハンデ戦にも参戦している。走法を見ているとフラットの脚の早いタイプではなく、かえって馬場は重くなったほうがよさそうな印象もある。また、PTPで長い馬らしく飛越技術は高いものを持っているようだ。あまりNovice馬らしいところはなく、やや特殊な能力を持った馬として少し注意した方がいいかもしれない。

 

Classic Handicap Chase (G3) 3m5f54y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2020-01-11/warwick/559565/mccoy-contractors-civil-engineering-classic-handicap-chase-grade-3

過去にはOne For Arthurも出ているWarwick競馬場伝統の超長距離ハンデ戦。レースはスタート直後からCaptain Chaosが押してハナに行き、後続をやや引き離して逃げる展開。Jouer Bresilien、Petite Power、Kimberlite Candyなどが好位から進める。Captain Chaosは軽快に逃げるも、残り2障害辺りからKimberlite Candy、The Conditionalなどが接近。最終障害でCaptain Chaosを制して前に出てきたKimberlite Candyが力強く伸びて、最後はCaptain Chaosに10馬身差をつける勝利。3着には遅れていたPetite Powerが復活してきたようだ。The Conditionalは4着。

Captain ChaosのHarry Skelton騎手は完全に決め打ちしてハナに行っていたようだ。ここまで強引に抑え込む競馬をしていたがどうにも結果は出ず、比較的前に行ったレースでは上手くいっていたという経歴もある。今回はブリンカーも装着しており、これがおそらく最後まで集中力を持続することに役に立ったような印象。超長距離戦で強引に前に行く競馬は引っかかって試合終了するリスクを大きく孕んでおり、非常に勇気のいる戦術なのだが、Captain Chaosにとってはおそらくこれが最適な戦術なのだろう。この馬は展開の鍵を握る一頭として注意しなければならない。

Kimberlite CandyはBecher Chase (G3)の2着馬。初のNational Fenceであったが特にミスはなく、さすがにNational SpecialistのWalk In The Millの後塵を拝したものの、この馬自身もNational Fenceへの適性を見せていた。Captain Chaosの作りだした淀みのないペースの中、他を圧倒したレース振りはやはり高く評価できるものであり、おそらくGrand National (G3)へ向かうことを考えると今後要注意の一頭だろう。Ladbrokes Trophy (G3)にて2着のあったThe Conditionalは手応えよく回ってきたのだが、勝負所で前が詰まる不利があった。なぜ内にいれたのかは謎なのだが、最後脚が上がってPetite Powerに差されていたことを考えると、ここではスムーズに周ってきた方が良かったかもしれない。