にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

20/03/29 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2020/03/23-03/29

新型コロナウイルス感染症の影響で、ヨーロッパの競馬は全面的に中止となりました。再開は5月頃という噂もありますが、こればかりは未知数といったところでしょう。一方のオセアニア競馬はまだ継続しているようですが、南オーストラリア州ではコロナウイルス感染症の対策のためOakbankのEaster Carnivalの中止等の大きな修正が入り、競馬の続行という面ではかなり雲行きが怪しくなってきました。無観客開催とはいえ高松宮記念を始め競馬開催を続行している日本では、今週から東京都で感染者の大幅な増加が認められ、今後の状況次第では最悪競馬開催の中止という選択肢もあり得るかもしれません。

 

競馬開催関連情報

All sporting events in Ireland cancelled as new measures announced (At The Races)

イギリス、フランスに続き、アイルランドもまた競馬開催が中止となった。少なくとも4月19日までは中止という話だが、状況によっては更なる延長もあり得るだろう。

TRSA announces massive changes (Racing.com)

コロナウイルス感染症の影響を受け、南オーストラリア州の競馬の賞金額に大きな変更が加えられた。また、Oakbank競馬場で行われる南オーストラリア州障害競走の一大イベントであるEaster Carnivalは中止となってしまった。

Coronavirus: Racing industry loses desperate battle to keep running during Covid-19 outbreak (stuff)

ニュージーランド競馬も3月24日から最低4週間中止となった。ここまで無観客開催で頑張ってきたのだが。ニュージーランド障害競馬シーズンは本来であれば4月の末から始まる予定だが、どうなるだろうか。

 

3/27(金)

Warrnambool (AUS) Soft6

Star Printing Eulong Open Steeple 3230m (Replay)

1. Ablaze J: Shane Jackson T: Ciaron Maher & David Eustace

2. Bit of a Lad J: Thomas Sadler T: Ciaron Maher & David Eustace

3. Lucques J: Darryl Horner T: Eric Musgrove

4. Zataglio J: Will Gordon T: Eric Musgrove

5. Fulmineus J: Ross O'Sullivan T: Shayne Fisher

9. Excellent Rhythm J: Tom Ryan T: Racheal Cunningham

例によってExcellent Rhythmが飛ばす展開も、前半から激しくFulmineusに絡まれ早々に後退。最終コーナー辺りから捲ってきたAblazeがそのまま後続を突き放すと、猛然と追いかけてきたBit of a Ladを4馬身ほど退けて勝利した。Ablazeは昨シーズンのJJ Houlahan Hurdleにて快速馬Northern Voyageを下して勝ってきた馬で、その後の平地競争にて4600メートルの長距離を誇るJericho Cupを勝利している。SteeplechaseはこれがTrialを除けば初めてだが、それなりにメンバーが揃ったここでも良い勝ち方を見せた。ただし最終障害の飛越はどうにもいまいちで、もう少し飛越には向上が必要だろう。2019年のBriely Steeplechaseの勝ち馬Bit of a Ladは盛大に出遅れたのもあるのだが、それにしても仕掛け遅れの面もあった。

 

〇 Nevcon Structural Steel Maiden Hurdle 3230m (Replay)

1. Runaway J: Shane Jackson T: Gai Waterhouse & Adrian Bott

名前と違って番手から進めたRunawayが12馬身差の圧勝。平地ではGeelong Cup (G3)勝ちもある馬で、Cross Counterの勝利した2018年のMelbourne Cup (G1)にも混ざっていたりする。その後は平地でさっぱりだったようで、これがHurdle初戦であった。平地成績はここのところさっぱりであったが、やや行きたがって走るところを見ると、決して気性的に燃え尽きているような感はなく、飛越技術にも特段問題はなかったことを考えれば今後のオーストラリアHurdle路線では楽しみな馬になるだろう。ただしかなりピッチ走法で走る面があり、スピードの持続力という意味ではどこまでやれるだろうか。

 

〇 Ocean Road Realty BM120 Hurdle 3230m (Replay)

1. Woodsman J: Thomas Sadler T: Tony Gillies

2. Northern Voyage J: Shane Jackson T: Gai Waterhouse & Adrian Bott

3. Euroman J: Tom Ryan T: Ciaron Maher & David Eustace

例によってNorthern Voyageが元気よく逃げる展開だが、これを好位から追いかけたWoodsmanが最終障害でこれを捉えると、そのまま5馬身差の快勝。実況が喋っているようにWoodsmanはニュージーランド調教馬で、母国ではHawke's Bay Hurdle (PJR)にてNo Changeの2着もある。母国での障害経験はそう多くはないのだが、Northern Voyage自身このクラスでは力量上位の馬であり、今後が楽しみになる勝ち方であった。Northern Voyageは昨シーズンとは異なりだいぶ抑えがきいた逃げができるようになっているようで、この距離であれば十分にチャンスはあるだろう。EuromanはNorthern Voyageを追い詰めるも3着に終わった。

 

3/28(土)

中京(日本)稍重

〇 障害4歳以上未勝利 3000m

1. メイショウジザイ J: 山本康志 T: 和田勇介

2. マーニ J: 三津谷隼人 T: 鮫島一歩

9. オブリゲーション J: 小坂忠士 T: 奥村豊

1周目の途中から暴走気味に前に行ったオブリゲーションが大逃げを打つ展開も、残り2障害辺りから一杯になって失速。代わって出てきたメイショウジザイがマーニを抑えて勝利した。メイショウジザイはこれで3戦連続の障害2着にピリオドを打つ勝利となった。平地ではさっぱり良いところがなかった馬だが、レース運びの上手さと飛越の安定感は及第点だろう。マーニは前半からオブリゲーションに絡まれたが、途中からはオブリゲーションを放置して息を入れることができ、結果的に2着まで残った。平地では3勝クラスまで駒を進めたオブリゲーションはこれが障害初戦であったが、幾ら何でもあの暴走ではどうしようもない。常識的に考えれば障害競走のペースに慣らせるためにも強引にでも抑え込んだ方がいいように思うのだが、騎手は何を考えているのだろうか。

 

〇 障害4歳以上オープン 3300m

1. ノワールギャルソン J: 江田勇亮 T: 田村康仁

2. マイネルレオーネ J: 黒岩悠 T: 清水久詞

3. シングルアップ J: 森一馬 T: 寺島良

5. マイネルアトゥー J: 平沢健治 T: 吉田直弘

6. オールマンリバー J: 難波剛健 T: 五十嵐忠雄

2周目からするすると先行したノワールギャルソンが最終障害で先頭に立つと、そのまま後続を突き放して勝利した。ノワールギャルソンは2008年のフローラステークスを制し、その後も芝の中長距離戦の重賞クラスで戦ったレッドアゲートの産駒で、平地では2勝クラスまでであったものの、障害ではこれが4勝目となる。かなり前半から行きたがって走るところがあるようで、どうにも抑え込んでいた前半は飛越のリズムも悪いのだが、このクラスのメンバーであれば64kgを背負ってのこの走りは一枚実力が違うと言うことだろう。マイネルレオーネは最後追いこんで2着。シングルアップは積極的に進めたが、最後はやや遅れての3着となった。

 

3/29(日)

阪神(日本)芝:重 ダート:不良

〇 障害4歳以上未勝利 2970m (芝→ダート)

1. エジステンツァ J: 上野翔 T: 田中博康

6. ウインテンダネス J: 佐久間寛志 T: 杉山晴紀

好位から進めたエジステンツァが最後の直線でマイネルサージュを捉えて勝利した。エジステンツァ自身は平地ではダートの中長距離で3勝クラスまで進めた馬で、これが再度の障害挑戦となる。昨年の5月に障害を走った際は良いところがなかったのだが、今回は安定したレースを見せた。2018年の目黒記念を制したウインテンダネスはこれが障害初挑戦であったが、完走したことが奇跡のようなレベルの飛越で、いくら能力の高い馬とはいえこれではどうしようもない。

 

その他

'He was always cleverer than us' - rejoicing in the ups and downs of Mad Moose (Racing post)

#Willhestart というタグも流行ったMad Mooseに関するインタビュー記事。Mad Mooseは2013年のVictor Chandler Chase (G1) (Clarence House Chase)においてSprinter Sacreの2着もある実力馬だが、スタートでしばしば発馬拒否することで有名であった。

„Letošní rok je především o jubileu Velké pardubické,“ říká Jaroslav Müller, ředitel Dostihového spolku (Galopp Reporter)

緊急事態宣言を受けて開催中止が相次ぐチェコにおけるPardubice競馬場の状況と2020年の競馬開催に関して、Racing Associationの理事であるJaroslavem Müllerem氏のインタビュー記事。