にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

20/04/12 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2020/04/06-04/12

ついに日本でも緊急事態宣言が出されましたね。各国の競馬が中止となり、本来あるはずであったOakbankやFairyhouseのEaster Festivalに想いを馳せるところ、この状況下においてなんとか競馬開催を続行している日本は相当頑張っている方でしょう。こういう状況だからこそ、例えばテイクアウト等で営業を継続している飲食店を積極的に使って行くとか、非科学的や攻撃的な言説に耳を貸さずに、自分の出来ることを粛々とやりたいところですね。ちなみに中の人は運よく在宅勤務枠に滑り込んだのですが、弊社は相変わらず半数以上の人を出勤させているようで、さすがにこの状況で都心まで出勤を強いるのは医療系企業の端くれとしてどうかと思います。

 

競馬開催情報

Irish racing remains on hold with government lockdown extended until May 5 (Racingpost)

アイルランド競馬は3月24日から中止となっており、当初は4月中旬までを予定していたのだが、どうやらこれが5月5日まで延長となったようだ。

Rescheduled Classics and 50 per cent prize-money cuts: Germany's comeback plan (Racingpost)

ドイツ競馬は5月1日から再開するようだが、無観客開催で賞金額は50%に削減されるようだ。ドイツ障害競馬はHamburgのSeejagdrennenやGerman Grand Nationalが今年から中止になるなど、近年大きな削減傾向にある。

 

4/10(金)

Blommeröd (SWE) god

〇 JOCKEYKLUBBENS STORA PRIS 3700m

1. Crindle Carr J: Parkin Kevin T: De Burca Kahlil 

2. Accelerate J: Roberts Christopher T: Dillner Charlotte

3. Sixtyseven J: Lovén Niklas T: Persson Dennis

4. Jungleland J: Stern Kim T: Andersson Anna-Maria

5. Last Interviewer J: Öhgren Elliot T: Dillner Charlotte

残念ながらレース映像はないようだ。勝ったのはCrindle Carrで、これがスウェーデン移籍後の初勝利となる。もともとはイギリスAWを中心に走っていた馬で、Hurdleでは5戦ほど走っているが、いずれも良いところはなかったようだ。昨年辺りまでNovice Steeplechaseを中心に安定した成績を収めていたAccelerateが2着。チェコから移籍してきたSixtysevenが3着に入ったが、同馬自身もはや11歳とかなり年齢を重ねており、どこまで現役を続けるのかは未知数なところがある。Junglelandはこの路線の常連だが、ここのどころはどうにもいまいち。昨年のSt Eriks Prisを勝ったLast Interviewerは5着に敗れた。

 

4/12(土)

福島(日本)良

〇 障害4歳以上未勝利 2750m

1. フィスキオ J: 石神深一 T: 栗田徹

2. クリノライジン J: 熊沢重文 T: 荒川義之

中止 テイエムリボー J: 黒岩悠 T: 武英智

人気を背負ったテイエムリボーが大きなリードを取って逃げるも、向こう正面からどこか馬体に異常があったようで少しずつ減速するとそのまま競争中止。代わって先頭に立ったフィスキオがクリノライジンを凌いで勝利した。フィスキオは平地ではダート短距離で3勝クラスまで出世した馬だが、3勝クラスで2戦して大敗すると、すぐに見切りをつけて障害に転向していた。人気を背負ったテイエムリボーは大事には至らなかったようで何よりだが、走法を見ていると向こう正面に入る辺りからどこかおかしかったように見える。

 

〇 障害4歳以上オープン 2750m

1. シングンオフビート J: 金子光希 T: 大江原哲

2. アサクサゲンキ J: 熊沢重文 T: 音無秀孝

終始先頭を走ったアサクサゲンキがシングンオフビートを凌いで1位入線となったが、直線で外側に斜行したことが問題となり、結果的に2着に降着となった。障害競馬での失格・降着は2012年のタマモアルプス(9位入線・失格)以来の出来事となる。アサクサゲンキは平地の短距離では小倉2歳ステークスの勝利など活躍した馬だが、ここのところはどうにも頭打ち感があり、障害へと転向していた。飛越は全体的に低く、ややズブいところがあるようにも見えるのだが、現時点では小型の障害でスピードを活かした方がこの馬の持ち味は出せるだろう。

 

4/13(日)

福島(日本)良

〇 障害4歳以上未勝利 2750m

1. アスターリザード J: 高田潤 T: 湯窪幸雄

2. インシュラー J: 五十嵐雄祐 T: 宗像義忠

5. エイシンクリック J: 西谷誠 T: 坂口智康

レイヴンキングのプレッシャーを受けながらも逃げたインシュラーであったが、最後の直線でアスターリザードが急追すると、これをゴール前で差し切り勝利した。アスターリザードは平地では未勝利と全くいいところがなかった馬だが、前走は8馬身離れたとはいえ能力馬タガノアンピールの2着と頑張っており、飛越の面でも特段に問題はなかった。インシュラーは人気を集めていたが終始飛越がいまいちで、技術面での工場が欲しいところ。ステイヤーズステークス3着のあるエイシンクリックも出ていたが、後方から進むもどうにも制御を欠いていた。西谷騎手は飛越時の身体の使い方は上手いのだが、どうにも馬の制御という面では怪しい部分がある。

 

その他

Bílá Váňova hvězda se už na start nepostaví (Tipařův palec - Tipařův palec)

チェコ調教馬で、イタリアのGran Corsa Siepi di Milano (G1)などG1を3勝したChamp De Batailleが手術後の覚醒時の事故で亡くなったそうだ。元々はフランスで走っていた馬で、フランス時代にはPrix Cambaceres (G1)の2着もある。今年9歳となる葦毛の古豪は今年の2月にTrevizoでシーズン初戦を走っていた。

Hity sezonu 2019 – Trim sięga po zwycięstwo w Wielkiej Partynickiej (Wrocławski Tor Wyścigów Konnych - Partynice)

ポーランドWroclaw競馬場が2019年の回顧記事を上げ始めたので宣伝してみるなど。これはチェコでいつもド派手な大逃げを見せることで有名なTrimがWielka Partynickaを逃げ切ったことに関する記事。

Richard Johnson vows to reclaim crown from champion jockey Brian Hughes(Yorkshire Post)

残念ながら2019-20シーズンはコロナウイルス感染症の影響もあり、Richard Johnson騎手はBrian Hughes騎手にリーディング騎手の座を渡すことになったが、Richard Johnson騎手としては引退する気はないらしい。2020-21シーズンはケガも感染症のような事態もなく、フルにシーズンを戦ってのリーディング騎手争いが見たいものだ。

From triumph to tragedy in 16 days: the story of sensational grey One Man (Racingpost)

Queen Mother Champion Chase (G1)を勝利した、たった16日後にMelling Chase (G1)での事故が原因で亡くなったOne Manの話。

Gordon Elliott maps out summer Flat campaigns for talented jumpers (Racingpost)

新型コロナウイルス感染症の影響で3月中旬以降の障害競馬開催が中止となったアイルランドにおいて、Gordon Elliot調教師はこれから始まる平地シーズンへの参戦を考慮しているようだ。記事の中では比較的若齢の障害馬の名前が上がっている。