にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

20/06/21 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2020/06/15-06/21

 新型コロナウイルス感染症の影響で開始が大幅に遅れたPardubice競馬場の開催ですが、ようやく6月20日にシーズン開幕を告げる開催が行われました。感染症拡大防止の観点から様々な制限が掛けられたようですし、大雨の影響でCross Country競走がSteeplechaseへと変更になったりと順調には行かなかったようですが、やはり観客を入れての開催はいいものですね。一方で、今月から開催が再開されているMerano競馬場の動向に関して、非常に心配なニュースが流れてきました。

 

6/15(月)

Le Lion D'Angers (FR) Lourd (4.6)

France Sire Prix Anjou-Loire Challenge (Listed)

Cross Country Pour tous chevaux de 6 ans et au-dessus 5800m (Replay)

www.youtube.com1. Amazing Comedy J: James Revely T: David Cottin

2. Emeraude De Kerza J: Angelo Gasnier T: Gabriel Leenders

例年7300メートルと世界最長距離を誇るクロスカントリー競走として実施されるのだが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で5800メートルに距離を短縮して行われた。詳細は定かではないのだが、おそらく落馬によるリスク防止の観点かと思われる。また、賞金額も例年と比べると約半分程度であり、これは無観客開催となった影響で競馬産業自体の収入が乏しいことも影響しているだろう。さらに、今年のCrystal CupはWaregemやFontainebleauの競争が中止となった影響で既に全体の中止が決定されており、今年のAnjou-Loire ChallengeはCrystal Cupの一環としてのレースではない。

レースは連覇を狙ったAmazing Comedyが軽快に逃げる展開も、勝負所から好位にいたEmeraude De Kerzaがスパートして一旦は先頭に。しかし最終障害を越えてこれを捉えたAmazing ComedyがそのままEmeraude De Kerzaを突き放し勝利した。Amazing ComedyはもはやフランスCross Countryではお馴染みの一頭で、Anjou-Loire Challengeの勝ち鞍の他にも2018年のGrand Steeplechase Cross Country de Compiegneの勝ち星もあり、さらにイギリスGlenfarclas Cross Countryでもコンスタントに好走を続けている。今年のCheltenhamのGlenfarclas Cross Countryからもわかるように現時点でフランスCross CountryチャンピオンのEasysland相手だと少々苦しいのだが、Easysland不在のここでは盤石の競馬を見せた。もともとやや集中力が切れやすい面はあるのだが、飛越の安定性に支えられたスピードの持続性のは非常に高いものがあり、10歳とやや年齢こそ重ねているものの、むしろ近年はCross Country競走馬として更なるステップアップに成功している。2着に入ったEmeraude De KerzaはこれがCross Country2戦目であったが積極的な競馬で見せ場を作った。SteeplechaseではPrix Sytaj (G3)にて2着の実績もあり、今年の緊急的な距離短縮はこの馬にとってプラス材料であったとはいえ、今後が楽しみな一頭だろう。3着のChez Pedroはなにかと好走するのだが未だにCross Countryでは勝ち星を挙げられていない。2018年の同レースの勝ち馬Bucefalは良いところなく5着に終わった。12歳のベテランUrbin De L'Isle、3連勝で挑んできた上り馬Twirlingはいずれも大敗に終わった。

 

6/16(火)

Ballarat (AUS) Heavy10

〇 E-Cycle Solutions Maiden Hurdle 3200m (Replay)

1. Coleridge J: Nathan Newton T: Eric Musgrove

2. American In Paris J: Ronan Short T: Wymon Wilde

2周目から後続を大きく突き放して逃げたColeridgeがそのまま勝利した。ColeridgeはここまでHurdle未勝利戦で何度か2着はある馬だが、平地でも未勝利と、どちらかというと平地での活躍馬が存在したここでは人気の盲点になっていたようだ。レースとしてはこの不良馬場の中で2周目からペースを上げて後続を大きく突き放すことで、後続に無理なペースアップを強いて逃げ込みを図ったというもので、どちらかというとNathan Newton騎手の技ありの競馬といった内容だろう。平地ではListed競走2着の実績もあるAmerican In Parisが2着に入ったが、最後は目に見えて脚が上がっていた。Chaseでの実績馬Undergroundfighterも出走していたが、元来スピード能力には難点のある馬で、案の定追走に苦労してそのまま途中棄権に終わった。

 

〇 E-Cycle Solutions Maiden Hurdle 3200m (Replay)

1. Ventura Storm J: Tom Ryan T: David Hayes

好位から進めたVentura Stormが最終コーナーから前のStanleyを競り落とすと、最後追いかけてきたHierarchalも抑えて勝利した。Vemtira Stormは元々イギリス調教馬で、2016年のSan SiroのGran Premio Del Jockey Club (G1)、DeauvilleのHaras de la Pomme (G3)、さらにHamiltonのEBF Stallions Glasgow Stakes (Listed)、NewmarketのFelden Stakes (Listed)といった多数の平地競争での実績がある。2017年からはオーストラリアに移籍し、FlemingtonのSeppelt Turnbull Stakes (G1)にて名牝Winxの2着、Australian Cup (G1)にてHarlemの3着、Moonee Valley Gold Cup (G2)の勝利といった素晴らしい実績を上げている。Hurdleはこれが初参戦となる。飛越自体はあまり褒められたものではなかったのだが、未勝利戦におけるHurdle初戦の馬としては合格点だろう。twitterで賑やかなTom Ryan騎手の迫力ある騎乗も印象的であった。ここのところは平地では少々苦しくなっているようだが、なんとか障害戦でもう一花咲かせてほしいところである。

 

〇 E-Cycle Solutions Hurdle 3200m (Replay)

Handicap. Three-Years-Old and Upwards, No sex restriction. No class restriction. Apprentices can claim. 

1. So Belafonte J: Lee Horner T: Dan O'Sullivan

2. Runaway J: Shane Jackson T: Gai Waterhouse

並んで逃げたSo BelafonteとRunawayだが、最終コーナーを回ってRunawayを振り切ったSo Belafonteがそのまま勝利した。So BelafonteはHurdleは未勝利から2勝目で、当時はやや恵まれて勝った感もあっただけにあまり人気にはなっていなかったのだが、ここでは波乱を演出することになった。Australian Hurdleの2着などの実績のあるRunawayは2着で、勝ち馬との5.5kgの斤量差やHeavy10の重馬場が堪えた可能性があるとはいえ、さすがにここは勝ち切りたかった。Slowpoke Rodriguezはおそらく単なる叩き一走といったところで、3着にもくれば十分だろう。2年ぶりのHurdle競走となるGlorious Sinndarは4着まで。2018年のClassic Hurdleなどの勝ち鞍のあるAbebeは途中から脱落して途中棄権に終わった。障害戦自体は2018年以来の出走となるが、今後はどうするのだろうか。

 

〇 E-Cycle Solutions Maiden Steeplechase (Replay)

1. Michelin J: Clayton Douglas T: Patrick Payne

2. Flying Agent J: Lee Horner T: Amy Mcdonald

先に抜け出したMichelinがFlying Angentを抑えて勝利した。MichelinはHurdleではE-Cycle Solutions BM120 Hurdleなど2勝を挙げており、Steeplechaseはこれが初参戦となる。Flying Angentはやや大事に乗りすぎた格好の2着に終わった。Heavy10のコンディションはこの馬にとってはプラスなはずで、できればここで決めておきたかったのだが、もったいない結果に終わった。Hurdleでは上位2頭と好勝負を演じてきたScholarlyも出ていたのだが、6着と勝負に加われずに終わった。

 

6/20(土)

Merano(ITA)Tempo Coperto - Terreno Morbido (Result)

〇 Val Venosta

Euro 15.000 TRIO per cavalli di 5 anni ed oltre (Steeple-Chase - DISCENDENTE - FANTINI) 3800m (Replay)

1. Il Superstite J: Josef Bartos T: Josef Vana Jr

CD Ole Caballero J: Jan Kratochvil T: Josef Vana Jr

前半からCapitoulが積極的に飛ばすも、最終障害で抜け出しを図ったSchwarzwaldを人気のIl Superstiteが捉えて勝利した。Il Superstiteはさかのぼれば昨年のGrande Steeplechase di Milano (G1)の2着もある実績馬で、今年2戦目となるここでは実力を見せた。ややCapitoulが飛ばしてレースが流れたこともこの馬には向いたかもしれない。地元のSchwarzwaldは66kgという軽量もあったが見せ場を作った。あまりSteeplechaseにて地元勢が活躍することは少ないのだが、なんとか頑張って欲しい。Capitoulはイギリスからの移籍後Steeplechaseは3戦目だったのだが、ようやくこの馬の形を作った。Ole Caballeroは2戦連続の落馬となったのがやや気になるところ。

 

Pardubice(CZE)5.0 (měkká / Soft) (Result)

〇 Cena Slavia pojišťovny a.s.

Proutky IV.kat. - 2800 m, cena, 3letí 60.000 Kč (Replay)

1. Gatsby J: ž. Jan Odložil T: Tůma Pavel

映像を見てわかるようにこの日のPardubiceは大雨で、馬場は非常に重い状態でスタートしている。このレースはProutkyとはいえ2800メートルにも関わらず勝ち時計は3.28.18掛かっており、その馬場の重さが想像できるだろう。第1レースを勝利したのはGatsbyで、チェコ産の3歳馬はこれはデビュー戦となる。平地でCena zimního favorita (Listed)勝ちのあるAlbatrosは最後追い上げるも3着に終わった。

 

〇 Cena podporovaná společností PROVET

Proutky IV.kat. - 3400 m, cena, 4letí a starší 60.000 Kč (Replay)

1. Saul J: ž. Josef Bartoš T: Vocásková Helena

レースはアマチュア騎手Plšek ml. FrantišekのSicilian Rockがやや玉砕気味に飛ばす展開も、2周目に入ると早々に後退。代わって好位にいたSaulが抜け出し勝利した。Saulは平地では5勝を挙げている実績馬で、2018年のチェコダービーでは2番人気に押されている(13着)。障害はこれが初戦となるがいきなり結果を残した。オーストリアにて151. Grosser Preis der Österreichischen Galopper-Derbyを勝利しているSilver Seamは2着に入ったが、同レース自体4頭立てと、ややその水準としては微妙なところがある。2019年のチェコSt Legerの2着馬Svensonは4着。2018年Slovenské derbyの3着馬Res Judicataは離れた5着に終わった。それにしても、これだけ飛ばす馬がいて勝ち時計が4.17.42とはなかなかに素敵な馬場である。

 

〇 Cena za podpory společnosti ENIGOO s.r.o.

Steeplechase crosscountry IV.kat. - 3300 m, handicap, 5letí a starší 60.000 Kč (Replay)

1. Big Mago J: Veronika Řezáčová T: Nováková Jana, Ing.

これが今シーズンのPardubiceの最初のCross Country競走なのだが、残念ながら馬が走る度のみならず、生垣障害を飛越するともはやウォータースプラッシュ状態で、道中で重複落馬を含む5件の落馬が発生するなど、やや残念なレースになってしまった。勝ったのは途中から積極的に先頭に立ったBig Mago。実績的にはProutkyやイタリアCross Country、チェコ各地のSteeplechaseで走ってきた馬だが、MeranoのCross Countryには適性がないようで、PardubiceのCross Countryは2勝目となる。どちらかというと下級条件戦に属するレースだが、Veronika Řezáčová騎手のガッツポーズが印象的である。

 

〇 Cena za podpory PREMIN

Steeplechase IV.kat. - 4300 m, cena, 5letí a starší 60.000 Kč (Replay)

1. Annie Reilly J: ž. Rostislav Benš T: Wroblewski Grzegorz

2. Mustamir J: Adam Čmiel T: Holčák František

残念ながら馬場の悪化のため、これ以降のCross Country競争はSteeplechaseに変更された。多くの出走取り消し馬も出てやや寂しいレースとなってしまった。第4レースは好位から抜け出したAnnie Reillyが勝利。Steeplechaseはこれが初勝利となる。遡ると2018年のZlatý pohár – Cena předsedy Poslanecké sněmovny Parlamentu ČR (Stch L)勝ちのあるMustamirが2着。昨年は5月の1走しかできず、今年は順調に行ってほしい。Cena hejtmana Pardubického kraje - Cena Vltavy (Stcc NL)の勝利を始め、ここではやや実績が抜けているIzynkaは1年半ぶりのレースであり、道中順調に進めていたのだが、残り2障害手前で途中棄権に終わった。

 

〇 Pohár BICZ holding 2020

Steeplechase III.kat. - 3500 m, cena, 5letí a starší 90.000 Kč (Replay)

1. Dajuka J: ž. Lukáš Matuský T: Holčák Radek

最終障害から抜け出したDajukaが圧勝。Dajuka自身は2017年のスロバキア牝馬クラシックにも参戦し、昨年のCena firmy Chládek a Tintěra, Pardubice a.s. Cena Laty Brandisové (Stcc NL)でSilkの2着に入っている上り馬といったところだが、走法から見てとれるように明らかにこの不良馬場を味方につけた馬と考えてよいだろう。ポップロック産駒のCharismaticが2着。Kifaaya、Starbuckなどの実績馬もいたのだが、いずれも馬場が合わなかったのか大敗に終わった。

 

〇 Cena společnosti CHARVÁT Group s.r.o.

Steeplechase III.kat. - 4400 m, handicap, 5letí a starší 90.000 Kč (Replay)

1. Imphal J: ž. Jaroslav Myška T: Popelka Stanislav

2. East River J: ž. Jan Kratochvíl T: Váňa st. Josef

昨年のCena Kudy z nudy – Cena ČASCH (Stcc NL)にて大穴をあけて逃げ切ったShentが淡々と逃げるも、障害飛越の際にノメっては早々に後退。代わって先頭に立ったImphalがEast Riverを退けて勝利した。Imphal自身はStccではkat. III辺りで勝ち負けがある馬で、やや上のクラスとなると厳しいようなところがある。East Riverは最終障害で横向きに滑るも立て直して2着に入った。あまり経験のある馬ではないが、バランス感覚という面では良いところを持っており、今後注目した方がよさそうだ。人気のSottoventは3着。14歳馬でスイスで実績のあるBorderlandも出ていたが、5着に大敗した。

 

〇 Cena města Pardubic - Úvodní Cross Country Koroka

Steeplechase I.kat. - 4500 m, cena, 5letí a starší 150.000 Kč (Replay)

1. Dusigrosz J: ž. Josef Bartoš T: Váňa st. Josef

本来この日のメインレースであったのだが、取り消しが4頭出た影響で4頭立てと寂しいレースになってしまった。勝ったのはDusigroszで、昨年はMeranoのSteeplechaseに参戦していたのだが、昨年の10月からCross Countryに参戦している。Cross Country経験に乏しいこの馬としてはCross Countryで走りたかったというところで、復帰初戦として格好はつけたものの、やはり今後のことを考えるとレースの意義としては微妙なところ。Lysá nad Labemで実績のあるAeneasが2着。昨年Cena hejtmana Pardubického kraje – Cena Vltavy (Stcc NL)を制した上り馬Evženは3着だが、さすがに馬場が馬場なだけに悲観する内容ではないだろう。昨年のCena společnosti VCES a.s. – Cena Labe (Stcc L)の2着馬Lombarginiが4着だが、このレース自体ややレースレベルには疑問が残る。

 

〇 Cena Dostihového klubu

Steeplechase IV.kat. - 3500 m, cena, 5letí a starší 60.000 Kč (Replay)

3. King Heart J: ž. Marcel Novák T: Bodlák Radim

一昨年のGran Criterium D'Autunno (G1)の2着馬King Heartが出ていたのだが、最終障害でミスをして3着に終わった。勝ったのはここまで障害・平地ともに未勝利のLibuškaで、やや波乱の結果となった。平地の実績馬Father Frostも出走していたが、馬場が合わなかったのか早々に脱落して途中棄権に終わった。

 

東京(日本)芝:重 ダート:不良

〇 障害3歳以上未勝利 3000m (Result)

1. エンシュラウド J: 五十嵐雄祐 T: 藤沢和雄

2. ブラックワンダー J: 伴啓太 T: 尾形和幸

軽快にブラックワンダーが逃げるも、ゴール直前でエンシュラウドがこれを捉えて勝利した。エンシュラウドはイギリス生まれのAuthorizedの産駒で、これが障害は2戦目となる。AuthorizedといえばアイルランドでGrand National (G3)を連覇したTiger Rollを始め、Nichols Canyon、Goshen、Zamdy Manといった活躍馬を出している種牡馬であり、やはり障害馬としての資質には期待が高いのだが、これが障害2戦目にしてはようよう完走したといったレベルの飛越で、いくらなんでももう少し飛越技術がついてこないと厳しそうだ。障害4戦目のブラックワンダーは積極的な競馬で見せ場を作った。これがなんと障害未勝利30戦目となるブルーガーディアンは5着。こういう馬にはいつかいいことがあって欲しい。平地ではダートの重賞競走にも出走経験のあるイ―グルフェザーは10着に大敗した。それにしても、落馬による故障馬がレース映像に映り込んでいるのはいい加減なんとかならないものだろうか。

 

6/21(日)

Bratislava(SVK)4.5 (dobrá až měkká / Good to Soft) (Result)

〇 Cena Saturnina

Proutky - - 3200 m, cena, 4letí a starší 1.400 EUR (Replay)

1. Mr Zuru J: ž. Jan Odložil T: Brečka Jaroslav

この日からスロバキア競馬もめでたく再開となった。向こう正面で隊列全体を横から映すような映像が入ったりと案外頑張っているBratislavaのレース映像である。レースは途中から先頭に立ったMr Zuruがそのまま後続を大きく突き放して勝利した。レースとしては平易な障害で2頭も落馬していたりとわりと微妙な水準なのだが、とりあえずは2017年のMagyar Derby (HUN G1)の3着馬がHurdle2戦目で初勝利を挙げるに至ったことを素直に喜ぶべきだろう。

 

〇 47. Jarná cena Petržalky

Steeplechase - - 3800 m, cena, 5letí a starší 2.500 EUR (Replay)

1. Catch Life J: Michal Kubík T: Bodlák Radim

好位から進めたCatch LifeがRubychopを16馬身ほど突き放しての勝利を挙げた。Catch Lifeはイタリア産の12歳馬で、遡ればPremio VI Steeplechase Di Treviso (Listed)などの勝ち鞍のある実績馬。このレースには過去何度も出走した経験はあるものの、大した良績自体はなかっただけにやや驚きの勝利となる。スロバキアチェコ、イタリア、スイスと多岐に渡って長年活躍を続けた馬で、このような馬が未だに健在なのはやはり喜ばしいことである。前走スロバキアSteeplechaseで初勝利を挙げたRubychopが逃げて2着に入った。この路線の強豪であるハンガリー産のSummer Hillはどうにも動きが重く、前からはかなり離れた4着と大敗に終わった。

 

阪神(日本)芝:良 ダート:稍重

〇 障害3歳以上未勝利 2970m

1. ギラーミン J: 白浜雄造 T: 寺島良

ゆったりと逃げたギラーミンがそのまま逃げ切り勝利した。ギラーミン自身は障害は2戦目での初勝利となる。前走は阪神で初障害ながらも2着に健闘していたのだが、前半は踏み切り位置が安定しない場面もあり、かなりゆったりと逃げたことによる展開の助けもあった。ホウオウアクセルが2着に入ったが、前半には飛越にミスが散見された点は懸念材料だろう。平地ではオープン勝ちもあるマサハヤドリームが3着。人気のタイセイパルサ―は2周目から一気に動いて行ったが、前に抵抗されさらに外から被せられるとあっさりと脱落し、結果として前とは5秒近く離れた9着に終わった。平地ではオープンクラスで活躍したリョーノテソーロはこれが初障害だったが、最終障害で落馬に終わった。

 

その他

Merano a rischio chiusura immediata! Chiesto incontro urgente al Ministro Teresa Bellanova (Mondoturf)

イタリアMerano競馬場が閉鎖の危機にあるらしい。ここのところ赤字続きの経営だったそうだが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で赤字が拡大しており、最悪の場合7月5日の開催が最後となる可能性があるようだ。Merano競馬場はイタリア障害競走における中心的な競馬場であり、自然豊かな環境に囲まれた美しいコースは文化的価値の高いものであり、Merano競馬場の閉鎖は世界的な競馬文化における大きな損失となるだろう。様々な情報が飛び交っている状況だが、とりあえずはMerano競馬場のFacebookが情報源として有用である。

追い詰められたイタリア競馬、再生への希望はあるか?(イタリア)(JAIRS)

上記Merano競馬場の窮状に関連して、イタリア競馬産業全体の現状を理解する上で上記の記事は簡潔で有用である。