にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

20/07/05 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2020/06/29-07/05

ここに来てようやくイギリス障害競馬も再開されました。世間はすっかりクラシックシーズン真っ盛りで、イギリス障害競馬としては夏休み期間ですが、来週にはUttoxeter競馬場のSummer Cupなど、少しずつ障害競走が帰ってくるのを見るのは楽しみなものです。シーズン最初の開催は大雨に見舞われたPardubice競馬場では、Velka Pardubickaに向けた第一予選が行われました。

 

7/1(水

Southwell (UK) Good

〇 Handicap Hurdle (C2) 2m4f88y (Replay)

1. Hunters Call J: Richard Johnson T: Olly Murphy

この日のSouthwell開催から始まったイギリス障害競走。馬群が非常に密集してレースは進行するも、残り2障害辺りから内から抜け出してきたHunters Callが勝利した。Hunters Callは2017年の12月にAscotのRacing Welfare Handicap Hurdle (G3)を勝った馬だが、実にこれが921日ぶりの勝利となる。イギリス移籍以前はアイルランドで走るも未勝利勝ちのみであり、当時としてもやや驚きの勝利であったのだが、続けてまた驚きの勝利を挙げたと言えよう。Richard Johnson騎手が上手く馬群をさばいたという部分もあるのだが、10歳となった今年の活躍も楽しみである。

 

Wrolaw (POL) płotowy - elastyczny (3.8); przeszkodowy - elastyczny (3.6) (Result)

〇 Nagroda 20000 zł 3600m

Międzynarodowa gonitwa z płotami dla 4-letnich i starszych koni. (Replay)

1. Trim J: Rostislav Benš T: A. Łabędzki

例によって後続をある程度突き放して逃げたTrimがそのまま6馬身差の勝利とした。Trimは昨年のWielka Partynickaの勝ち鞍をはじめとする実績馬で、以前は大逃げしては力尽きるレースを繰り返していたのだが、ここのところはある程度制御を掛けて逃げることが出来るようになっており、レース振りはだいぶ安定してきている。今年初戦には平地競争で同様に逃げ切り勝ちを収めており、調子もいいようだ。なお、調教師は昨年までWoloszyn Franciszekであったのだが、今年から変わっているようだ。Hurdleはこれが初戦のKanclerz、Spasskiが2、3着。チェコ・スロバキアの平地競争で実績のあるFilipも出走しており、Hurdleはこれが2戦目であったが4着に終わった。

 

〇 Nagroda 20000 zł 3600m 

Międzynarodowa gonitwa z płotami dla 4-letnich i starszych koni. (Replay)

1. Dominer J: Paweł Pałczyński T: Zdzisław Lica

チェコのWestern Perkが逃げるも2周目か後続が殺到し後退。代わって前に出たSorreno、Bailandoなどを最終障害を越えてDominerが突き放して勝利した。Dominerは平地ではWielka Warszawska (G1)への出走経験もある馬で、障害はこれが初参戦となる。昨年Hurdleで1勝を挙げているBailandoが2着。この辺りは3kgの斤量差もあったかもしれない。スロバキアのTime of Dreamも出ていたが4着に終わった。

 

〇 Nagroda Otwarcia Sezonu Przeszkodowego 20000 zł 

Międzynarodowa gonitwa z przeszkodami dla 5-letnich i starszych koni (Replay)

1. Cosmic Magic J: Niklas Lovén T: Bodlák Radim

途中から動いたCosmic Magicが圧勝。Cosmic Magic自身は昨年のポーランドSteeplechaseの4歳世代で強い競馬を見せてきた馬で、Pardubice競馬場のCena Kudy z nudy – Cena ČASCH (Stcc NL)でもShentにまさかの逃げ切り勝ちを許すも、2着に頑張った実績もある。今シーズン期待の一頭が楽しみな競馬を見せてくれたといったところrだろう。Steeplechaseは2戦目となるNewmanが2着。ベテランのNettoは安定した競馬で3着に入った。

 

〇 Nagroda 20000 zł

Cykl gonitw z przeszkodami dla 4-letnich koni. 3400m (Replay)

1. Say Szumawa J: Dominik Pastuszka T: T. Pastuszka

4歳馬のレースということで、全体的に皆様引っかかったり、空馬が縦横無尽に走っていたりとなかなかにカオスである。勝ったのは地元のSay Szumawa。Hurdleでは勝ち鞍はあるが、Steeplechaseはこれが初参戦である。やや飛越にミスが多く見られ、最後はDiana Japeに詰め寄られたりと課題が残ったレースだろう。チェコのDiana Japeが2着に上がった。

 

7/4(土

Auteuil (FR) Tres Souple (4.0)

Prix Aguado (G3)

Haies Pour poulains entiers et hongres de 3 ans. 3500m (Replay)

1. Magneto J: Angelo Zuliani T: Francois Nicolle

向こう正面から先頭に立ったMagnetoがそのままJeu De Paumeを退けて勝利した。MagnetoはこれでHaiesは3連勝。Auteuilが封鎖されていた影響でCompiegneのみの経験しかなかったのだが、Auteuilのコースにも適応していた。Clairefontaineで勝利を挙げてきたJeu De Paumeが2着。

 

Haras D'Etreham Prix Sagan (G3)

Haies Pour pouliches de 3 ans. 3500m (Replay)

1. Ladyville J: Bertrand Lestrade T: Francois Nicolle

2. L'Aubonniere J: Angelo Zuliani T: Francois Nicolle

スタンド前から逃げるQueen Du Berlaisに絡んでいったLadyvilleが向こう正面から先頭に立つと、そのままL'Aubonniere以下を抑えて勝利した。LadyvilleはこれがHaies初勝利で、前走はAuteuilのListedでPamela Des Mottesの3着に敗れていたが、ここではその雪辱を晴らす勝利となった。飛越技術も正確で道中無駄な仕草がなく、3歳にして完成度の高い牝馬である。中段から追い上げてきたL'Aubonniereが2着。Pamela Des Mottesは3着に敗れた。

 

Prix Des Drags (G2)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus, n'ayant pas, cette année, en steeple-chase, reçu une allocation de 200.000.  4400m (Replay)

1. Roxinela J: Regis Schmidlin T: Francois-Marie Cottin

3. Crystal Beach J: Ludovic Philipperon T: Mercel Rolland

人気の一角Crystal Beachが抜け出しを図るも、最終障害を越えてこれを追いかけたRoxinelaがこれを差し切り勝利した。Roxinelaは昨年のPrix Georges Courtois (G2)に続く重賞勝利。重賞クラスでは比較的コンスタントに好走を続けている馬だが、とにかくレース中に余裕があるとひたすら尻尾を振っている辺りが特徴である。今回も平地部分やペースが緩んだところでは尻尾を振りまわしており、集中して走っているのか怪しいのだが、障害が連続する部分や勝負所では真面目に走っており、要するに馬としてはリラックスして走っているのだろうと思われる。Listedを勝ったばかりのAl Rocが入り、やや馬券的には波乱の結果となった。人気のCrystal Beachは落馬からの巻き返しを図ったが、最後捕まり3着。Edgeoyは案外な4着。Srelighonnは人気になっていたが、空馬の影響もあったのか途中でコースをミスし、しれっと馬群について回ってきてはいたものの案の定失格となった。

 

Prix La Barka (G2)

Haies Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus, n'ayant pas, cette année, en courses de haies, reçu une allocation de 150.000. 4300m (Replay)

1. Porto Pollo J: Antonie Bardini T: Francois Nicolle

例によってGalop Marinが逃げるも、最終障害手前でPaul's Sagaが先頭に。しかしさらに内を立ち回って進出してきたPort Polloが抜け出すと、2着のStaunton Streetに8馬身差をつける快勝。Port Polloはまだ5歳と若い馬で、ここまでListed勝ちのみとあまり実績はなかったが、前走のCompiegneで行われたPrix Hypothese (G3)ではL'Autonomieの3着に入っていた。一気に相手が弱化したここでは高い実力を見せたが、65kgとかなり条件には恵まれた部分があり、内容の評価には注意が必要だろう。Prix Hypothese (G3)で2着にいたStaunton Streetは道中やや狭くなる部分があった。勝ち馬とは3kgの斤量差もあり、着差としてはその辺りが響いたか。昨年秋にはGrand Prix D'Automne (G1)の2着など頑張ったPaul's Sagaは今年はいまいち。実績馬Galop Marinも71kgのトップハンデを背負っていたとはいえ、やや不甲斐ない敗戦に終わった。

 

Pardubice (CZE) stav dráhy: 3.3 (dobrá / Good) (Result)

〇 Memoriál Kamila Kuchovského

Steeplechase crosscountry IV.kat. - 4600 m, handicap, 5letí a starší 60.000 Kč (Replay)

1. Del Rey J: Pavel Složil ml. T: Mimra Zdeněk

ZN Gontchar J: ž. Thomas Boyer T: Bodlák Radim

残り2障害辺りから先頭に並びかけたDel Reyがそのまま押し切り勝利した。Del Reyは完走馬が1頭しかいなかった昨年のCena podporovaná společností AGROVENKOV o.p.s. (Stcc III. kat.)にて初勝利を挙げた馬で、Stccはこれが2勝目となる。当時はやや飛越に危なっかしさが残っていたのだが、今回見た限りではだいぶ飛越技術に進歩が見られ、残り2障害でKorneliaに横からぶつけられているのだがバランスを崩さなかった辺り、身体能力的には面白いものを持っているかもしれない。12歳のベテランMoulaが2着。かつてはVelka Pardubickaを目指して頑張っていた馬だが、上のクラスでは頭打ち気味になり、ここのところはこの辺りのクラスで上位争いを演じている。Mansurは全く人気がなかったが3着に頑張った。2016年のチェコダービー馬Gontcharも出走していたが、早々に落馬に終わり、同馬の障害初勝利は先へと持ち越された。

 

〇 Cena časopisu Jezdectví

Steeplechase crosscountry II.kat. - 3300 m, cena, 5letí a starší 120.000 Kč (Replay)

1. Dallina J: ž. Sertash Ferhanov T: Wroblewski Grzegorz

2. No Time To Lose J:  ž. Jan Kratochvíl T: Váňa st. Josef

4. Tiara Man J: ž. Josef Bartoš T: Bodlák Radim

例によってTiara Manが逃げるもDropでミスをして後退。代わってMedicが逃げるも着地地点で騎手がアブミを落としてそのまま落馬。代わってChrystal Crossが逃げ込みを図るも、直線を向いて追い上げたDallinaが前を差し切り勝利した。Dallina自身はポーランドで実績のある馬だが、Cross Countryはこれが初参戦となる。ここまでMeranoのSteeplechaseの経験はあるものの、いきなりのPardubiceで常識的には厳しいのだが、強敵相手に大仕事をやってのけた。No Time To Loseはやはりペースについて行けない面はあったが、最後追い上げて2着。この路線の実績馬Chrystal Crossはできれば勝ち切りたかったのだが、最後平地のスピードで遅れて3着に終わった。Poplerův memoriál skupiny Profireal Group (Stcc NL)の勝ち馬で、この路線では最も実績のあるTiara Manは例によってDropの飛び降りる動作が苦手なようで、そこから先はリズムを崩した。Medicはもったいない落馬に終わった。

 

〇 Cena TIPSPORTU

Steeplechase I.kat. - 3900 m, cena, 5letí a starší 150.000 Kč (Replay)

1. Aztek J: ž. Martin Liška T: Váňa Tomáš

Dangerous Gleamが逃げる展開も、Aztekが後続に7馬身差をつける圧勝。Aztek自身は2018年にGran Corsa Siepi Di Merano (G1)を勝った馬で、2019年はいまいち勝ち星を上げることはできなかったものの、今シーズンの活躍が楽しみになる勝利となった。今年はこれが始動戦であり、春のMeranoには参戦していなかったのだが、秋のMeranoの主要競走で走ることを楽しみにしたい。スロバキアのMeny Bayは後方から追い上げるも3着に終わった。

 

Cena města Pardubic – EURO EQUUS – I. kvalifikace na 130. Velkou pardubickou se Slavia pojišťovnou

Steeplechase crosscountry NL - 5800 m, cena, 5letí a starší 200.000 Kč (Replay)

1. Theophilos J: ž. Josef Bartoš T: Váňa st. Josef

2. Hegnus J: ž. Marek Stromský T: Holčák Radek

ZN Lodgian Whistle J: ž. Jaroslav Myška T: Myšková Štěpánka

Mazhilisがゆったりと逃げる展開。Irish BankにてLodgian Whistleが落馬した以外は大きなアクシデントなくレースは進行。その中から抜け出してきたTheophilosが最終障害手前でMazhilisを競り落とすと、追いかけてきたPlayer、Hegnusを抑えて勝利した。

Theophilsは言うまでもなく昨年のVelka Pardubickaの勝ち馬で、挑戦者としての立場で挑んだ昨年とは異なり、今年は王者として堂々たるレース運びを見せた。もともと3000~4000メートルクラスのCross Countryにも対応できるスピードを持った馬だが、距離を克服することで決定力のある強靭なステイヤーへと成長を遂げている。昨年は6月に3300mのČervnová cross country VálečníkaにてMedicの2着に入るレースを見せており、同厩舎のNo Time To Loseがあえて今年の始動戦に3000メートルクラスのレースを選んでいることを踏まえると、本番前に短い距離のレースを使ってくる可能性も考えられるだろう。古豪Hegnusは12歳となった今年も気を吐いた。昨年のVelka Pardubickaには故障で出走できなかったが、実現すれば今年が3度目のVelka Pardubickaへの挑戦となる。昨年のVelka Pardubickaでは急カーブで転倒し、悲しみのログアウトに終わったPlayerはだいぶ調子はいいようで、ここでも上位争いに加わる3着に入った。チェコ移籍後はあまり良いところのない未勝利に終わっているDulcar De Sivolaは後方から追い上げて4着。2018年のCena Labe (Stcc L)の勝ち馬Mahonyは上位争いから脱落する格好の5着で、このクラスに入るとやや厳しい印象もある。11歳となったMazhilisは積極的にレースを作ったが、最後遅れて7着に終わった。ややオーバーペース気味にTheophilsにプレッシャーを掛けられた結果で、このような積極的なレースができれば本番でもまだチャンスはあるだろう。昨年のCena Labe (Stcc L)の勝ち馬Lodgian Whistleは本番にも登録があったのだが、Irish Bankで落馬に終わった。このレースでは本番への登録のないRebelinoを除くと(Rebelino自身は完走を果たした)、合計12頭が完走を果たし、本番への出走権を得るに至った。

 

福島 (日本) 芝:重

〇 障害3歳以上未勝利 2750m (Result)

1. レヴァンテライオン J: 平沢健治 T: 加藤士津八

インシュラー、カクテルドレスなどが引っ張る展開も、2種目からニシノオクタゴンが一気に捲って先頭に。そのままニシノオクタゴンは押し切りを図るも、ゴール直前で復活してきたレヴァンテライオンが差し切り勝利した。レヴァンテライオンはこれで障害は5戦目での初勝利とした。2016年には函館2歳ステークス(G3)勝ちのある実績馬だが、その後は2勝クラスを含めて全くいいところがなく、今年から障害に転向していた。今回は重馬場という条件や、ニシノオクタゴンが少々強引に動きすぎたという面もあり、勝負所での反応が悪いところを見ると、いきなりオープンクラスでは微妙なところがある。ニシノオクタゴンは走法を見る限りでは先手を奪ってマイペースで運んだ方が馬の良さが出そうな印象。人気のインシュラーは積極的に先手を奪ったが、次々と絡まれる展開でかなり苦しいレースになってしまった。

 

〇 障害3歳以上オープン 2750m (Result)

1. フォイヤーヴェルク J: 森一馬 T: 池江泰寿

2周目から先頭に立ったフォイヤーヴェルクがセイウンフォーカスを抑えて勝利した。フォイヤーヴェルクはこれで障害は未勝利から連勝とした。飛越技術には福島の置き障害とはいえだいぶ慣れが見られており、障害初戦で見られたような飛越技術の拙さは残っておらず、やはり学習能力の高い馬なのだろう。セイウンフォーカスは強力な相手に肉薄した。もったいなかったのがリボンナイトで、本来このような重馬場はスピード能力に不安のあるこの馬向きの条件であり、ペースもさほど上がらなかっただけにレース運びの巧さを生かしたかったのだが、勝負所から何度も前が壁になり、前とはやや離れた5着に敗れた。

 

7/5(日

Warrnambool (AUS) Heavy10

〇 Warrnambool Tyreplus Maiden Hurdle 3200m (Replay)

1. Tiger Tim J: Nathan Newton T: Eric Musgrove

2. American In Paris J: Ronan Short T: Symon Wilde

葦毛のDa Deputyが逃げるも、早々にLittle Phoenixが絡んでいく。しかし勝負所からTiger Timが抜け出すと、American In Parisを抑えて勝利した。Tiger TimはこれがHurdle初参戦で、平地では下級条件戦で何勝か上げていたものの、あまり良いところがなかった馬だけにやや波乱の結果となった。人気のAmerican In Parisはやや最後は内に刺さるような走りで、走法を見てもここまで馬場が悪くなるとかえってエネルギー効率が低下するタイプのものであり、おそらくこの馬場は合っていないのだろう。同じく人気のLittle Phoenixは前走の反省を生かしてか強気に立ち回ったが、やはりこの馬もこの馬場はあまり良くないような印象がある。

 

〇 Waterfront by Lyndoch Living Maiden Hurdle 3200m (Replay)

1. Hierarchal J: Will Gordon T: David Londregan

2. He's All White J: Shane Jackson T: Amy Johnson

やや後続を突き放して逃げたDalghar Blueが苦しくなると、代わってHe's All White、Ross's Pointなどが進出。その中から外で伸びたHierarchalがHe's All Whiteを抑えて勝利した。HierarchalはこれがHurdleは6戦目での勝ち上がりで、ようやく惜敗続きにピリオドを打つ結果となった。やや反応の悪いところが目立っており、HurdleというよりはSteeplechaseで見てみたいところもある。名前の通り葦毛のHe's All WhiteはHurdle初参戦ながら2着で、勝ちあがりは早いだろう。Hurdleは2018年に走ったきりのRoss's Pointが3着に入った。

 

〇 McLeod Plumbing 1JW Hurdle 3200m (Replay)

1. Bee Tee Junior J: Lee Horner T: Rachael Cunningham

4. Hokkaido Miss J: Shane Jackson T: Gai Waterhouse

Stanleyがじわじわと逃げる展開も、勝負どころからSan Remoなどが捲りをかける。しかし内から抜け出してきたBee Tee JuniorがSan Remo、Longclawとの叩き合いを制して勝利した。Bee Tee Junior自身はHurdleではニュージーランドでMDN勝ちがある程度の馬だが、ニュージーランドでは重賞クラスへの出走歴もあり、ここではやや能力的に抜けたものを持っていた。やや前がやり合う展開をワンテンポ置いて抜け出すLee Horner騎手の騎乗も見事であった。San RemoはやはりMaidenを勝ったのみの馬だが、堂々としたレース運びで2着。オルフェーブル産駒ということで日本からも注目を集めたHokkaido Missは好位から進めるも4着で、さすがに外から捲りきられた上に急速にポジションの確保のために加速を強いられる展開は苦しかった。馬場もこのクラスではもう少しよくなったほうがいいだろう。

 

cartergroup.com.au Kevin Lafferty Hurdle 3200m (Replay)

1. Gobstopper J: Darryl Horner Jnr T: Eric Musgrove

2. Woodman J: Will Gordon T: Patrick Ryan Jnr

Woodsmanが元気いっぱい逃げる展開で、そのまま追いかけてきたGobstopperを振り切って逃げ込みを図るも、ゴール直前で再度復活してきたGobstopperがWoodsmanを捉えて勝利した。Gobstopperはこれで今年はAustralian HurdleなどHurdleは4勝目とした。Galleywood Hurdleの時点ではやや人気薄であったのだが、もはやこのレースを見る限りフロックでもなんでもないだろう。マイペースで逃げたWoodsmanに対して一度は振り切られながらも、72kgを背負って最後捉えに行く精神力は並大抵のものではない。Woodsmanは自分のレースをしての2着。今回は相手が悪かった。今シーズンはMJ Bourke Hurdleを勝って調子を上げているAncient Kingが3着に入った。トップハンデにこの重馬場と、あまりこの馬向きの条件ではなかったのだが、やはり調子自体は良いのだろう。

 

〇 Mark Primmer Memorial Maiden Steeplechase 3450m (Replay)

1. Flying Agent J: Lee Horner T: Amy Mcdonald

Markwoodが軽快に逃げる展開も途中で落馬。後方から押し上げてきたFlying Agentがそのまま後続に大きなリードをつけて勝利した。Flying Agent自身はSteeplechase自体はこれが2戦目での勝ち上がりとした。走法的には馬場は渋れば渋るほどいいタイプの馬で、平地のスピード性能としてはやや微妙なところがあるだけに、やはりHurdleよりもSteeplechaseでいいタイプなのだろう。馬場さえ渋れば上のクラスでも楽しみな一頭である。

 

Hammonds Paints Thackeray Steeplechase 3450m (Replay)

1. Bit of a Lad J: Shane Jackson T: Ciaron Maher

2. Zataglio J: Darryl Horner Jnr T: Eric Musgrove

例によってGetting Leggieが逃げる展開も、最終コーナーを回ってZataglio、Shamalなどが一気に接近。その中から抜け出してきたBit of a LadがZataglio以下を突き放して勝利した。Bit of a LadはこれでAustralian Steeplechaseから連勝とした。今回は出遅れるも早々に好位から進めるShane Jackson騎手の好判断もあったのだが、どうにも勝負弱い印象のあった昨年と比較するとかなりタフな障害馬としての力をつけている。オーストラリア障害競馬シーズンもそろそろ終盤に差し掛かるところで、前半から走っていたこの馬の状態がどこまで持つかはわからないのだが、72kgを背負っての勝利は今後が楽しみになるだろう。Zataglioはリズムよく運んで2着。上り馬Georgethefifthは一旦は位置を下げるも、そこから盛り返して3着まで来た。人気を背負っていたShamalは勝負所で一気に動くも、最後は遅れて5着。脚の使いどころが難しいのはニュージーランドで走っていた頃と同様であり、今回はその悪い面が出てしまったことによる敗戦だろう。

 

Merano (ITA) Tempo Bello - Terreno Buono (Result)

〇 Silvio Lo Svelto

Euro 5.000 TRIO per cavalli di 4 anni ed oltre (Cross-Country - CONDIZIONATA - G.R.-AMAZZONI-PAT. FISE/FITETREC/ANTE) 3500m (Replay)

1. Mentore J: Chieregati Lorenzo T: Gianluca Bastianelli

前半から積極的にLost Monarckが引っ張るも、途中から一気に捲ったMentoreが逃げるLost Monarckを競り落として勝利した。MentoreはMeranoの短距離Cross Countryの常連で、前走はLost Monarckの3着に敗れていたが、今回はその借りを返したことになる。同じくこの路線では力上位のLost Monarckが2着に入った。

 

阪神 (日本) 芝:稍重 ダート:重

〇 障害3歳以上未勝利 2970m (Result)

1. ガッツィーソート J: 中村将之 T: 鈴木孝志

メイショウナンプウ、ディード、ブルベアブロンゾなど、飛越の成否で目まぐるしく先頭が変わる展開であったが、最後のダートコースで追いこんできたガッツィーソートが差し切り勝利した。実況も話している通り10頭中5頭が初障害ということで、飛越がかなり怪しい馬が多い中、ガッツィーソート自身はこれが障害2戦目となる。とはいえ飛越の内容としてもかなり怪しく、最後はダートコースでのダッシュ力で勝ち切ったという辺り、あまり褒められた内容ではないだろう。ディードはここではキャリア豊富な馬で、これが障害12戦目となる。特に2020年に入ってからは障害9戦目と休みなく使っており、なんとか良いことがあって欲しかったのだが最後交わされ2着に終わった。障害2戦目のブルベアブロンゾが3着。初障害組はヤサカリベルテの5着が最高と全く振るわなかった。

 

その他

Ippodromo di Merano - Pferderennplatz Meran (facebook)

存続が危ぶまれているイタリアMerano競馬場であるが、少なくともシーズンの終了までは競馬運営が継続されるそうだ。最悪の場合は7/5の開催を最後に閉鎖される可能性があったのだが、ひとまず現時点では次の開催は7/19を予定しているそうだ。