にげうまメモ

障害競馬の個人用メモ ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

20/08/23 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2020/08/17-08/23

8/17(月)

Tipperary (IRE) Soft (Result)

〇 Racing Again August 27th Flat Race 2m4f (Replay)

10. Thalitleozibatler J: Mr Patrick Mullins T: Willie Mullins

Queensland Oaksの勝ち馬Miss Keepsakeの産駒であり、Black Caviarの生産者であるオーストラリアGilgai Farmで生産されたThalitleozibatlerが出走していたが、番手からレースを進めるも勝負所から手ごたえが悪くなり、直線では後退し10着に終わった。以前はイギリス・アイルランドにおいてオセアニア生産馬が出走することもあったのだが、最近はめっきり見なくなっており、出走馬の大半がイギリス・アイルランド生産馬、さらにフランス生産馬が占めている。今年の3月までイギリス・アイルランドHurdleに挑戦したオーストラリア調教馬のBig Blueは非常に珍しい例である。Thalitleozibatlerは平地でも戦うことが出来そうな血統の持ち主だが、こちらの記事を読む限りではわざわざ障害馬として育成するためにアイルランドWillie Mullins厩舎に委託したようで、初戦こそ残念であったが今後の走りを楽しみにしたい。

 

8/19(水)

Bro Park (SWE) Steeplechase god, Häckbana god (Result)

〇 SORRENTO NOVIS-STEEPLECHASE

60.000 kr Steeplchase 3500m (Replay)

1. Boss Mans Ladder J: Öhgren Elliot T: Enström Lars-Åke

レース結果及びレース映像は直リンクを貼れないのでご容赦。Resultは競馬場からBro Parkを選択し、2020年8月19日のLopp10(第10レース)を選んでください。レース映像はおそらく1週間ほどすると見れなくなるので注意されたい。

Bro Parkはもともと閉鎖されたTäby競馬場の代替として作られた競馬場で、Täby競馬場には障害コースが存在していたものの(参考:2009)、Bro Parkには長らく障害コースが設置されていなかった。ようやくこの度新しくBro Parkに障害コースが設置され、同レースは記念すべき第1回の競争となる。ヨーロッパを始め障害競走は増えるよりもむしろなくなることの方が多いので、非常に喜ばしい出来事と言えよう。

レースは前半から積極的にHightowerが引っ張るも、これにBoss Mans Ladder、Crindle Carrがついて行く。途中から先頭に立ったBoss Man LadderがHightowerを振り切ると、そこから差を詰めてきたCrindle Carrを凌いで勝利した。

Bro Parkはもともと平坦な競馬場なのだが、障害コースの形態としてはEasyfixの障害を中心に設置されており、一部生垣障害及び水壕障害を混ぜているが、全体的に難易度はStrömsholmと比べると平易なものとなっている。上記の2009年のTäby競馬場の映像を見るとやはり同様の性質を持った障害が設置されているようで、コースの性質としてはTäby競馬場に類似した比較的スピード能力を要求するものと考えてよいだろう。どちらかというとヨーロッパ的なタフな障害コースというよりはオーストラリアに類似した障害コースとなっており、背負う斤量としては一回り重いのだが、オーストラリア障害馬などは活躍出来るかもしれない。Boss Mans LadderはSteeplechaseは昨年のNovice戦以来の勝利とした。もともとはイギリスでC4のHurdle勝ちがある馬だが、その後スウェーデンでもあまり大型の障害には良績はなく、ここのところはHurdle競走を中心に使っていた。おそらくBro ParkのSteeplechase向きの馬であるということだろう。昨年BlommerödのGyllene Hästen及びJockeyklubbens Stora Prisなどを含む3連勝を上げ、一躍この路線の中心的存在に躍り出たCrindle Carrは好位から進めるも2着に終わった。この馬はより大型の障害を使用するコースの方が向いているように思われる。2018年辺りに活躍したHightowerはその後いまいちであったが、今回は積極的な競馬で見せ場を作った。デンマーク産馬でTäby競馬場のHurdleコースを知るJunglelandが4着。Blommerödで実績のあるAccelarateは人気になっていたが、いいところなく大敗に終わった。

 

〇 D'ARTAGNAN HÄCKLÖPNING

50.000 kr häck 3450m

1. Point Taken J: Öhgren Elliot T: Hallqvist Per

こちらはLopp11(第11レース)である。前半から引っ張ったTrautmannに向こう正面からPoint Takenが並びかけると、そのままTrautmannとの叩き合いを制して勝利した。

オーストラリアやニュージーランドの一部の競馬場ではわざわざHurdleとSteeplechaseを入れ替えて同じコースでレースが行われるのだが、Bro ParkではHurdleとSteeplechaseでは異なるコースが設置されている。Hurdleはスウェーデンでは一般的な障害を使用しているようで、Hurdleコースは主にSteeplechaseコースの外周をぐるっと回るような形となっている。いかんせん背景やカメラワークが地味なので見栄えは微妙なのだが、障害を迂回できる上に急カーブを避けるように設計されていたり、障害も安全性に配慮されたものを使用していたりと、なかなか丁寧に検討された形跡を伺うことのできる近代的なコースとなっている。Point TakenはこれでスウェーデンのHurdle競走は4戦4勝とした。今年5月のBlommerödのSteeplechaseでは大敗しているようだが、やはりHurdleに戻ればといったところで、スウェーデン調教馬代表としての活躍を期待したい。Trautmannは7月のノルウェーØvrevollのNovice Hurdleで上述のBoss Mans Ladderを下してきた馬で、どうにも全体的にお行儀が悪いところがあるのだが、飛越技術という点ではここでは高いものを持っていた。

 

Saratoga (USA) Firm (Result)

Michael G. Walsh Novice Stakes

$55.000 Novice Hurdle Stakes About Two And Three Eighth Miles

1. Snap Decision J: Sean McDermott T: Jack Fisher

Duc De Marenがやや後続を引き離し気味に逃げる展開も、これを外からSnap Decisionが捲ると、ほぼ持ったままの手ごたえで後続を突き放し圧勝。2着にはFamily Treeが上がった。Galway Kidは3着まで。Snap DecisionはこれでHurdleはMaidenから7連勝とした。一頭だけ165lb(11st11lb、74.8kg)のトップハンデを背負い、他馬が153lb(10st13lb、69.4kg)の斤量を背負っていたこのレースにおいて、ここまで楽な勝ち方をされるともはやどうしようもない。この路線には現状敵なしといったところだろう。コロナウイルス感染症の影響でヨーロッパ調教馬の参戦が叶うか不明であるが、早いところ上のクラスでヨーロッパ調教馬を交えての活躍を期待したい。前走のJonathan Kiser Novice Stakesの4着馬Familly Treeは前走からパフォーマンスを上げての2着。同2着のGalway KidはSnap Decisionに真っ向勝負を挑むも、最後苦しくなり3着に終わった。SaratogaのAllowanceを勝利してきたFast Carは新勢力として期待されていたが大敗に終わった。なお、途中棄権となったBelsariusは特に問題はないそうだ。

 

8/20(木)

Saratoga (USA) Firm (Result)

New York Turf Writers Cup (G1)

$100,000 Hurdle Stakes Two And Three Eighth Miles

1. Rashaan J: Thomas Garner T: Leslie Young

2. Redicean J: Gerard Galligan T: Leslie Young

牝馬Pravalagunaが逃げる展開も残り2障害から後退。代わって先頭に立ったRashaanがRediceanを凌いで勝利した。SaratogaのHurdleは基本的にコース幅が狭く、最終障害からしばらくフラットを走る関係で残り2障害辺りからのスムーズな加速が重要になる。Rashaanはもともとアイルランド調教馬で、アイルランドではIrish Strawberry Hurdle (G2)やOpen Gate Brewery Novice Chase (G3)などの勝利があった。アメリカではこれが初勝利となる。ようやくここに来てアメリカの障害にも慣れてきた感もあるのだが、やはり好位からスムーズに立ち回ったことが勝因だろう。Rediceanはもともとイギリス調教馬で、2018年にはAdonis Juvenile Hurdle (G2)で強烈なパフォーマンスを見せていたのだが、その後はいまいちで2019年からアメリカに移籍している。ここまで重賞戦線で好走するも勝ち切るまでは行かなかったのだが、本来持っていた瞬発力を生かして、障害馬としては上の実績を持つRashaanに迫った。この馬はどちらかというとSaratoga競馬場向きの馬のように見える。今年に入ってA. P. Smithwick Memorial Steeplechase Stakes (G1)を含む連勝を上げていたMoscatoはどうにも道中スムーズさを欠いた。一昨年のこのレースの勝ち馬Optimus Primeは道中やはりスムーズさを欠いたが、どうやら故障もあったようで、これで引退となるようだ。

 

8/22(土)

Manawatu RC @ Awapuni (NZ) Heavy11

〇 James Hardie Maiden Hurdles MDN HDL 2800m (Replay)

1. Interllectus J: Shaun Fannin T: Kevin Myers

前半からVan Blancがやや主張してハナを伺いペースは速くなる。2周目からEmily FarrのLovetokeephim、さらには人気のBank Da Masterが先頭に代わる。そのままBank Da Masterが逃げ込みを図るも、最終障害を越えて伸びてきたInterllectusがこれらを差し切り勝利した。Interllectusはイギリス産馬で、これがHurdleは初参戦となる。Intelloの産駒ということでニュージーランド障害ではあまり見ない血統の持ち主で、Flatでは1勝に留まったがHurdleではいきなり結果を残した。前半から前がやり合う展開を後方でじっくり構えた展開の利はあったのだが、6歳とまだ若く可能性のある馬だろう。人気を背負っていたBank Da Masterは久しぶりのHurdleであったが見せ場を作った。内容的にはこちらを上に取った方がよさそうだ。

 

〇 Tasman Insulation Pink Fit Maiden Hurdles MDN HDL 2800m (Replay)

1. Locharburn J: Shaun Fannin T: Kevin Myers

前半からゆるゆるとThe Poormanzabeelが逃げるも、最終障害を越えて前に出たLocharburnが6馬身差の勝利を挙げた。Kevin MyersとShaun Fanninのコンビはこの日はいきなり連勝とした。Locharburn自身はこれがHurdleは初参戦の馬で、前半はやや飛越に怪しい場面もあったのだが、後半ペースを上げてからは安定した飛越を見せていた。人気のThe Poormanzabeelは最終障害でトモを落とすようなミスがあり、6馬身はその分だろう。このような馬場であると一度減速してから再加速することはなかなかに難しいことである。

 

Manawatu ITM Awapuni Hurdles OPN HDL 2900m (Replay)

1. Aigne J: Shaun Fannin T: Kevin Myers

前半からTrisha LeaとGallanteが積極的に飛ばすも、2周目の途中から馬群は密集。後方から一気に捲ってきたAigneが先頭に立つと、そのまま後続を突き放して快勝した。Shaun FanninとKevin Myersのコンビはこの日これで3連勝とした。AigneはHDLはこれで3戦3勝で、どちらかというと距離が伸びてよいというよりはこのくらいの距離で機動力を生かすタイプのように見える。Shaun Fannin騎手はこの日の騎乗は悉く当たっているが、基本的に前がやり合う展開をじっくりと進めるというマラソンレースとしては基本的な乗り方に努めているようだ。未勝利を勝ったばかりのGrinnerが2着。Bad Boy Brownは3着まで来たが、勝負所で馬群を捌くのに手間取るところがあった。Tommyraはさすがに69kgを背負ってAigneの後ろにいては厳しいだろう。Trisha Leaを始め前に行った組は総じて沈んだ。実績馬Gallanteはどうやらトラブルがあったようだが、来週に再度検査を行うらしい。

 

〇 Cody Singer Memorial Steeplechase MDN STP 3200m (Replay)

1. Country Bumpkin J: James Seivwright T: Niall Quinn

2周目から先頭に立ったCountry Bunpkinがそのまま大きくリードを取って勝利した。レースとしては早々に人気のBigredmoonが落馬したり、Little Macsが大きく出遅れたりと色々とアクシデント続きで、全体的にあまり褒められた内容ではないものになっている。Country Bunpkinはその中ではまともに回ってきたという印象で、Steeplechase初参戦でこれだけ走れれば十分なのだが、いきなり上のクラスでどうこうというわけではないような感もある。

 

LJ Hooker Manawatu Steeplechase OPN STP 4400m (Replay)

1. Game Percy J: Shaun Fannin T: Kevin Myers

2. Des De Jeu J: Aaron Kuru T: Mark Oulaghan

Highly Likelyなどが前に行く展開も、途中からDes De Jeuが先頭に立ちそのまま逃げ込みを図る展開。しかし最終コーナーの内をするすると抜けてきたGame Percyがゴール前でこれを捉えて勝利した。Game PercyはSteeplechaseはこれで2勝目とした。HurdleではWellington Hurdle (PJR)でZedeedudadeekoの2着などの活躍のある馬だが、2018年から2020年の間に長い休養を挟んでおり、2020年はこれでSteeplechaseは2戦目となる。一度OPN STPを叩いて調子は上がってきたようで、このHeavy11の重馬場を内をすり抜けてくる機動力は際立っていた。Des De Jeuはさすがに能力を見せての2着で、PJRでも実力上位の馬だけにこれくらい走れて当然といったところだろう。久々のSteeplechaseとなったWise Men Sayはのんびり中段を追走するも、例によって勝負所から遅れて4着。最後は脚を伸ばしているだけに、距離延長とより積極的な競馬を試みることでいくらでもチャンスはあるだろう。

 

〇 IPL Plywood & Nelson Pine Industries Maiden MDN (Flat) 2200m (Replay)

1. Captaintwinkletoes J: Rosie Myers T: Jo Rathbone

好位から進めたCaptaintwinkletoesが3馬身差の勝利を挙げた。CaptaintwinkletoesはTallyho Twinkletoeの半弟で、平地競争は2戦目での勝ち上がりとなる。やや硬めのストライドで前向きにレースを進めるのは兄のスタイルと類似したところがある。まだ4歳と若い馬だが、障害競走を走るところを見るのが楽しみである。

 

Niigata / 新潟 (JPN) Firm

〇 Maiden / 障害3歳以上未勝利 2850m

1. メイショウハニー J: 平沢健治 T: 藤沢則雄

2周目からオウケンブラックが元気よく前に行くも、最終障害を越えて先頭に立ったメイショウハニーが後続を突き放して勝利した。メイショウハニーは障害は4戦目での勝ち上がりとした。中京・福島などを使ってきた馬だけあってやや飛越は全体的に低めではあったが、全体的に必要な技術は習得しているように見える。小柄な牝馬ということもあり障害戦の斤量が気になるのだが、現時点ではひとまず合格点の内容だろう。平地では毎日杯(G3)にてスマートオーディンの2着のある実績馬アーバンキッドは収穫のある2着。オウケンブラックはここ2戦の内容が悪かったため大きく人気を落としていたようだが、積極的な競馬で4着に残った。飛越技術は相変わらず怪しいところが残っており、今後もおそらく小型の障害を使用する競馬場を転戦することになるだろう。

 

〇 Open / 障害3歳以上オープン 2850m

1. スマートボムシェル J: 植野貴也 T: 吉田直弘

淡々としたペースでヒロノタイリクが逃げるも、ゴール直前で内をすり抜けてきたスマートボムシェルがこれを捉えて勝利した。スマートボムシェル自身はこれで未勝利に次ぎ障害は2勝目となる。オープンクラスでは新潟ジャンプステークス(G3)も含めてさっぱり結果が出なかったが、ここでは植野騎手の好騎乗もあり結果を残した。かなり低く抑えられた飛越は新潟の置き障害向きのものであり、最終障害手前でブレーキをかけたヒロノタイリクとは対照的に、スピードを殺さずに飛越したことがこの着差に繋がった。ヒロノタイリクは自ら主導権を握ることで2着まで残った。メイショウゴウリキ、さらに未勝利を勝ったばかりのザメイダンと続いたが、いずれもオープンクラスではやや厳しいところのある馬だけに、全体的な水準としては若干の疑問が残る内容であった。

 

8/23(日)

Ballarat (AUS) Heavy10

Sportsbet Gotta Take Care Hurdle 4000m (Replay)

1. Flying Agent J: Lee Horner T: Amy Mcdonald

今年のオーストラリア障害競馬シーズンの最後を締めくくるBallaratのGrand National Steeplechase Dayなのだが、残念ながら新型コロナウイルス感染症の影響で相変わらず無観客開催となった。Ballarat Turf Clubからは来年こそよろしくねとともに、なんでもPunting Competitionをやるから全6レースの勝ち馬を予想して送るべしというメールが来た。どうやらこれまでにBallaratのGrand National Steeplechase Dayに行った人に送っているらしい。中の人はほいほい釣られて送ったのだが、残念ながら第2レースを外して試合終了した。6レースのうちWin5だったので残念賞くらいくれないだろうか。

レースは前半から積極的に引っ張ったFlying Agentが最終障害で後続を振り切ると、そのまま2着のEckhartに19馬身差をつける圧勝。Flying AgentはHurdleは5月のBM120 Hurdle以来であったが結果を残した。この日のBallaratはHeavy10表示であるのだが断続的に降る雨の影響でそれ以上に馬場は重くなっていたようで、まともにスプリントをかけることはおろか、ほぼ歩くような入線となったレースが目立った。Heavy20とかどこかで言われていたが、Heavy10までしかない馬場表示はこのような世界線の馬場を計測することができないので改善されるべきであろう。個人的には、世界的に同じような考え方が使われているものの、このように規定値でいくつかのカテゴリーに分類する馬場表示はあまり近代的とは言い難いように思う。Flying Agent自身は昨年のBallaratのMaiden Hurdleや、7月のMaiden Steeplechaseでの鮮やかな勝ち方が目立つようにこのような重い馬場をすこぶる得意としている馬で、ここでも一頭だけこの馬場を全く苦にせず悠然と走る姿が印象的であった。勝ち方は例によって派手なのだが、馬場が良くなるとさほど脚は速くないのであっさり負ける可能性には留意すべきだろう。未勝利を勝ったばかりのEckhartは強敵相手に食らいつくも直線は遅れ2着。Frankel産駒のSan Remoは3着。この馬自身Heavy10での好走歴はあるのだが、今日の馬場はいつものHeavy10と比べると異なる世界線のものであった。Frankel産駒はヨーロッパでもしばしば見るのだが、やはり本質的なステイヤー資質を問われるレースとなると厳しくなる印象がある。人気の一角Wolfe Toneは後方からレースを進めるも、前には追い付かず大差の4着に敗れた。この馬自身このクラスでは力上位の馬で、とにかく慎重にじわじわと脚を使って行くAntonia Ihaka騎手の乗り方は間違いではないのだが、今日はこの馬場への対応という点で後れを取ったということだろう。

 

〇 Hygain Winners Choice Maiden Hurdle 3400m (Replay)

1. Beau Belmain J: Tom Ryan T: Jim Conlan

前半からハナに行ったBeau BalmainがLittle Phoenixを振り切る勝利。Beau Balmainはドイツ産馬で、Hurdleはこれで3戦目での勝ち上がりとした。母国では平地競争でも活躍のある馬で、走法的には特別このHeavy10の馬場が良いタイプではなさそうなのだが、今回は地力の面で上であったということだろう。このクラスの常連Little Phoenixは6戦目にしてまたもや惜敗に終わった。全体的にふわふわと上下動の多いストライドで加速する馬だけにこのような馬場はあまり合わないようで、勝ち馬に食らいついて行くも最後は脚が上がってしまった。

 

〇 AJRA – How Good Is Jumps Racing Maiden Hurdle 3200m (Replay)

1. Home By Midnight J: Steven Pateman T: Patrick Payne

好位から進めたHome By Midnightがあっさり抜け出すと、そのままWazuzuに11馬身差をつける快勝。Home By Midnightはもともとニュージーランド平地競争で活躍した馬で、2年連続でAuckland Cup (G1)の2着がある他、オーストラリアでもLaunceston Cup (G3)の勝利がある。Hurdleはこれが初参戦であったがさすがに格好をつけた。残り2障害辺りからは馬場もあってやや脚が上がっているようなところもあるのだが、なんとかそこから踏ん張ってゴールにたどり着いた。ここでは馬の能力自体が上であったと考えるべきだろう。飛越技術自体もさすがに名門Patrick Payne厩舎の馬ということもあって安定していた。

 

Ecycle Solutions JJ Houlahan Hurdle 3200m (Replay)

1. Instigator J: Lee Horner T: Aaron Purcell

例によってNorthern Voyageがじんわりと逃げる展開も、Saunter Boy、Instigator辺りがついて行く。残り600m辺りから馬の間を割って抜けてきたInstigatorがそのまま後続を突き放すと、Saunter Boyに16馬身差をつける圧勝とした。

Instigator自身はもともとドイツ・フランスの重賞戦線で活躍した馬だが、2019年にオーストラリアに輸入されていた。オーストラリア平地競争では勝ち星を上げることはできず、今年の7月からHurdleを使いこれが初勝利となる。前走のLadbrokes Hurdleでは同条件において力上位のWolfe Tone相手にしぶとく食い下がるレースを見せており、このクラスでやれる目途はついていたのだが、今回はそれ以上に素晴らしい競馬を見せた。あっさりNorthern VoyageとSaunter Boyの間を割ってくるように馬場適性も大きかったと考えられるが、能力のある馬がこれからHurdleでどこまでやれるか見てみたいところ。来年はとりあえずGalleywood Hurdleを目指すらしい。Maidenを勝ったばかりのSaunter Boyが2着に来た。この馬も平地ではG1競走への出走歴のある実績馬で、やはり能力的にも高いものを持っているようだが、今回は勝ち馬が馬場適性の点で上手であったと考えるべきだろう。Grand National Hurdleで4着に頑張ったSollevareは4着。さすがにNorthern Voyageのペースについて行くのは厳しいようで、Steeplechaseもしくは距離延長において期待したい。Northern Voyageは少しでもこの馬のスピードを保つためにじんわりと逃げを打ったが、さすがに馬場が厳しかったようで、最後は大きく失速して4着に敗れた。この馬自身Heavy10でも勝ち星はあるのだが、やはりこの馬の軽快なスピードは良馬場においてこそ生きるものであり、良馬場において再度期待したいところである。

 

〇 Ecycle Solutions BM120 Steeplechase 3200m (Replay)

1. Ascot Red J: Shane Jackson T: Declan Maher

ここからSteeplechaseになるのだが、どうやら馬場が極端に悪いことを理由に、本来2つ設置されているホームストレッチの障害が1つに減らされることになった。レースは例によってThe Dominatorが逃げるも、好位から抜け出したAscot Redがそのまま後続を突き放して完勝。Ascot Redは昨年のIrish Steeplechase以来の障害戦であったがいきなり結果を残した。前走の平地競争でもHeavy10で好走しているように比較的重馬場は得意としている馬で、久々の障害戦にも関わらず飛越技術には問題はなかった。能力は高い馬だけに来年はSteeplechaseでの活躍を期待したい。Mr Coyneは全く人気がなかったが2着に頑張った。実績的には格下の馬で、能力的にもここではやや分が悪いのだが、今回は馬場を味方につけた結果だろう。The Dominatorは例によって自らの展開に持ち込んだのだが、今回は73.5kgのトップハンデにこの馬場と、やや条件的に厳しかったようだ。

 

Ecycle Solutions Grand National Steeplechase 4500m (Replay)

1. Bee Tee Junior J: Lee Horner T: Rachael Cunningham

2. Ablaze J: Shane Jackson T: Ciaron Maher

本日のメインレース。昨年の勝ち馬Tallyho Twinkletoeは残念ながらGrand National Hurdleのあとに一頓挫あったとのことで早々にニュージーランドに帰ったそうだ。Grand National HurdleやGrand Annual Steeplechaseを含め障害無敗のAblazeが人気の中心になっていたが、やや72kgのトップハンデと今日の超絶不良馬場を懸念してか、対抗角としてそのGrand National Hurdleにて2着のBee Tee Juniorが上がっていた。その他上り馬MichelinニュージーランドGrand National Steeplechase勝ちのあるShamalなどが比較的人気になっていた。

レースは前半からEric Musgrove厩舎のLucquesが積極的に引っ張る展開。Ablaze、Bee Tee Juniorは好位から。Ablazeは残り800mくらいから前のLucquesを捉えに行くも、内側からするすると抜けてきたBee Tee Juniorが先頭に。そのままBee Tee Juniorが食らいつくAblazeやMichelinなどを振り切ると、後続に9馬身差をつける快勝とした。Ablaze、Michelinと続いた。

Bee Tee Juniorはもともとニュージーランド障害競走でデビューした馬で、昨年Heavy11で行われたGreat Northern Steeplechase Dayの未勝利戦を勝利してきた実績がある。当時のGreat Northern Steeplechaseは歴代の中でもかなり遅い勝ち時計で決着しており、馬場としてもかなり重いものになっていたことが想定される。今年の5月からはオーストラリアでキャリアを積んでおり、Brendan Drechsler Hurdleでは外から思いっきりタックルしてきた馬格のあるTallyho Twinkletoeを相手に最後まで引かずに2着に残った実績もある。瞬間的な脚の早さもあるのだが、それ以上に強烈な不良馬場の叩き合いでこそ力を発揮する勝負強さとタフネスを兼ね備えた馬で、最終障害手前でこそ頭を上げて飛越拒否をしかかっているのだが、そこから再度脚を伸ばしている辺りその持久力は恐るべきものであった。このレースにおいて特殊な不良馬場を最も味方につけた馬だろう。これが実戦としては初のSteeplechaseであったが、オーストラリアSteeplechaseは比較的難易度が低く、ある程度Hurdleでしっかりとした技術を持っている馬なら対応可能なところがあり、この馬自身も終始飛越は安定していた。今年のオーストラリア障害ではBrendan Drechsler HurdleではチャンピオンホースであるTallyho Twinkletoeに外からぶつけられて2着、Grand National Hurdleでは仕掛け遅れの2着とあまり運がなかった馬だが、最後の最後でようやく大きなタイトルを手にすることが出来た。やはり不良馬場でこそ力を発揮するタイプなだけにやや条件に注文がつく可能性はあるのだが、それでも今後斤量が課される中でもタフな障害馬として大きな可能性を持つ一頭と言えるだろう。

人気になっていたAblazeはさすがに見せ場を作ったが、さほど大柄な馬ではないだけに72kgの斤量はやはり厳しかったようだ。最後は脚が上がっており、Jericho Cup、Grand Annual Steeplechase、さらにGrand National Hurdleと、各カテゴリーにおいて最長距離を誇るレースを制覇した稀代の名馬にとってもこの条件が厳しかったことがわかる。また、昨年こそこの開催のJJ Houlahan HurdleにてNorthern Voyageを退けているのだが、昨年のHeavy10と今年のHeavy10では全く異次元のものであったと考えられる。ある程度重馬場もこなすことはできるのだが、本来は比較的良馬場の方が良いタイプだろう。来年以降は若干斤量を背負うことになる可能性があるため、海外志向のある厩舎も考えるとその動向にはやはり注目される。とりあえず次はJericho Cupという話になることが想定されるが、良馬場で行うことが想定されるNakayamaという話も出るかもしれない。

6月に未勝利戦を勝ったばかりのMichelinは大健闘の3着。最後は脚が上がって思いっきり斜めに走っていたりともはやどうしようもないのだが、この馬のやるべきことはやり切った内容である。この馬場も比較的向いた結果だろう。この中では経験豊富な障害馬であるLucquesは積極的な競馬で見せ場を作った。このような重馬場ではロスの少ない飛越というのはそれだけで武器になるため、この馬の技術を生かすために前に行ったAaron Lynch騎手の騎乗は万が一のチャンスに賭ける正しいものであった。向こう正面の辺りから飛越が怪しくなり、最後は完全に脚が上がっているのだが、それでもこの馬のやるべきことはやり切った騎乗に文句をつける人は誰もいないだろう。ニュージーランド障害で実績のあるShamalは大きく失速し途中棄権に終わった。ニュージーランド障害競馬は比較的重馬場になりやすい環境なのだが、この馬自身ニュージーランド時代においても極端な不良馬場は苦手とするタイプであり、今回は前走辺りからパフォーマンスを落としていたように連戦の疲れもあったかもしれない。

 

Racing Te Aroha @ Te Aroha (NZ) Heavy11

〇 Steve Lunjevich Contracting Hurdle MDN HDL 3100m (Replay)

1. Magnanimous Man J: Reece Cole T: Craig and Shaun Phelan

2周目の途中から先頭に立ったMagnanimous Manが後続に10馬身差をつける勝利。Magnanimous Man自身はHDLは4戦目での勝ち上がりとした。さすがにここまで使ってきた馬だけあって飛越技術は安定していたが、今回は若干メンバーに恵まれた感も否めない。もともとはイギリスでデビューし、これがHDL初戦となるRichard or Yourkeはどうにも飛越がいまいちで、最後は頑張って2着は死守したが勝ち馬からはだいぶ離された。平地では比較的実績のある馬だが、この重馬場で飛越がいまいちだとやはり苦しいところがある。

 

〇 Victor & Frank Matijasevich Hurdle MDN HDL 3100m (Replay)

1. Banks Road J: Emily Farr T: Mark Brosnan

最終コーナーから凄い勢いで捲ってきたBanks RoadがAl Haramを凌いで勝利した。Banks RoadはこれがHDL初参戦で初勝利となる。平地ではさっぱり良いところがなく未勝利で終わった馬で、この馬場ではもはや平地のスピードは関係ないようなレースになっているのだが、障害ではどこまでやれるだろうか。フランス産馬のAl Haramが2着に入った。フランスでデビューし、オーストラリアに輸出されたのちニュージーランドにやってきたという経歴の持ち主で、平地の実績はこちらの方が上なのだが、このような馬場ではどうしようもない。できればBanks Roadに先立って抜け出したかったのだが、これはEmily Farrが上手く乗ったということだろう。

 

〇 Speedy Recovery Andrew Hurdle RST OPN HDL 3100m (Replay)

1. The Cossack J: Aaron Kuru T: Paul Nelson & Corrina McDougal

2周目から先頭に立ったThe Cossackがそのまま後続を振り切ると19馬身差の圧勝とした。The CossackはこれでHDLは2勝目とした。MDNを勝ちあがるのに若干の時間を要したが、さほどメンバーが揃っていなかったここでは力の違いを見せた。比較的実績上位のMagic Cannonも出ていたのだが、特に見せ場はなく4着に終わった。

 

〇 Frank & Annie Matijasevich Memorial Steeplechase 0-1 WIN STP 3500m (Replay)

1. El Disparo J: Barry Donoghue T: Mark Brooks

Zedmanが圧倒的人気を背負っていたが、残り2障害辺りから脱落。残り2障害地点での大きなミスを立て直したEl DisparoがDrumgoldを凌いで勝利した。El DisparoはSTPはこれで2勝目とした。前走のWaikato Steeplechase (PJR)ではさすがに苦しかったようで途中棄権に終わっているが、一気に相手が弱化したここでは見せ場を作った。飛越はまだ向上が必要なようだが、RST OPNクラスでは上位争いが出来るだろう。DrumgoldはSTP未勝利馬ながら善戦した。これがSTP2戦目と経験も少ないのだが、今日のレースを見る限りではMDNクラスであればすぐに勝ちあがれるだろう。

 

Kokura / 小倉 (JPN) Firm

〇 Maiden / 障害3歳以上未勝利 2860m

1. スマートアペックス J: 中村将之 T: 浅見秀一

好位から進めたスマートアペックスがアドマイヤアゼリ以下を抑えて勝利した。スマートアペックスは障害は3戦目での勝ち上がりとした。ここ2戦とも阪神を使っていたようで、小倉の生垣障害にも十分対応はできていた。未勝利を勝って3歳のうちからいきなり入障とあまり見ないキャリアの持ち主だが、今後の動向は楽しみにしておきたい。良血馬アドマイヤアゼリは障害3戦目にしてようやくレース振りに進境が見られた。最終障害では身体能力の高さを生かした飛越を見せていたのだが、あいにく着地で躓いたことが今回の敗因だろう。テイエムチェロキーは積極的に運んで3着に残ったが、どうにも踏み切り動作にいまいちなところが散見された。