にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

20/11/01 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2020/10/26-11/01

10/26(月)

Wexford (IRE) Soft (Soft to Heavy in places)

M.W. Hickey Memorial Chase (G3) (Replay)

1. Minella Indo J: Rachael Blackmore T: Henry de Bromhead

Milan NativeとMinella Indoが仲良く先頭を走るも、残り3障害前からMilan Nativeを突き放したMinella Indoがそのまま快勝した。Minella Indoは昨シーズンのRSA Chase (G1)の2着馬で、実質的にはアイルランド24f Novice ChaseではAllahoと並ぶトップクラスの活躍を見せた馬である。Minella Indoにとってはこれがシーズン初戦であり、メンバー的にはかなり楽だったとはいえ、特に飛越のミスもなく順調なスタートを切った。Novice Hurdle時代からのお付き合いのAllahoや、因縁の相手であるChampとの再戦を楽しみにしたい。Milan NativeはCheltenham FestivalにてFulke Walwyn Kim Muir Challenge Cup Amateur Riders' Cup勝ちのある馬だが、さすがに今回は相手が悪かった。

 

〇 Beginners Chase 2m (Replay)

1. Andy Dufresne J: Mark Walsh T: Gordon Elliott

好位から抜け出したAndy Dufresneがそのまま快勝。Andy Dufresneは昨シーズンのMoscow Flyer Novice Hurdle (G2)の勝ち馬で、これがChaseはデビュー戦であった。Novice Hurdleでも能力の高さを見せていた馬だが、G1クラスでの出走はなく、ひとまず次走を楽しみにしたい。Chase初戦だが、若さを見せていた他馬と比較すると走りが制御出来ていた。HurdleではTolworth Hurdle (G1)の2着もあるJeremys Flameもいたのだが、飛越がいまいちで途中で落馬に終わった。

 

10/28(水)

Punchestown (IRE) Yielding to Soft

〇 Beginners Chase 2m6f140y (Replay)

1. Latest Exhibition J: Bryan Cooper T: Paul Nolan

好位から抜け出したLatest ExhibitionがSchool Boy Hours以下を抑えて勝利した。24fのBeginners Chaseということでかなりレースとしては慎重なものになっているのだが、それでも4頭が勝負圏内にひしめくように、それなりに全体的に余力を持ってゴールまで到達しているようだ。Latest Exhibitionは昨シーズンのNathaniel Lacy & Partners Solicitors '50,000 Cheltenham Bonus For Stable Staff' Novice Hurdle (G1)なる非常に名前の長いレースの勝ち馬だが、少なくとも24fのNovice Hurdleではアイルランドトップクラスの成績を収めてきた馬で、Chaseデビュー戦としては良いスタートを切ることが出来た。いきなりこの距離を使ってきたということもあり、ペースが上がった際の対応には注意した方がいいかもしれない。School Boy HoursはこれでChaseは4戦目となる経験馬。Opposites AttractはHurdleはNoviceの平場戦しか勝ち星がなかったのだが、大健闘の3着に入った。Surehaul Mercedes-Benz Novice Hurdle (G3)勝ちのあるRun Wild Fredが4着に入った。

 

Auteuil (FR) Collant (4.4)

〇 Prix Triquerville (Listed)

Steeplechase Pour tous poulains et pouliches de 4 ans, n'ayant pas, cette année, en steeple-chase, été classés dans les trois premiers d'une course de dotation totale de 95.000 (Replay)

1. Want of a Nail J: Mlle Nathalie Desoutter T: Guillaume Macaire

前半からPacha Senamが大きくリードを取って逃げるも、最終障害手前でこれを捉えたWant of a Nailが勝利した。ラップの推移を見るとかなり興味深い内容で、逃げたPacha Senamは若干の障害の性質やカーブ等によるラップの上下動はあるものの、残り3障害地点からひたすら減速し続けるという推移を刻んでおり、これは勝ったWant of a Nailも同様である。レースとしては完全にバテ合いといった内容だろう。Want of a NailはSteeplechaseは2勝目とした。HurdleではHaras D'Etreham (G2)などの実績のある馬だが、今年に入ってからはややHurdleでは不調で、現状Steeplechaseの障害にも問題なく対応できているところを見ると、どちらかというとSteeplechaseの方に適性が向いているような印象がある。前半から積極的に飛ばしたPacha Senamはなんだかんだで2着に入った。Steeplechaseの飛越にもだいぶん慣れてきたような感もあり、あとはレース運びの問題だろう。

 

10/30(金)

Wetherby (UK) Good to Soft (Good in places)

〇 Weatherbys Hamilton Wensleydale Juvenile Hurdle (Listed) 2m (Replay)

1. Duffle Coat J: Jonathan Burke T: Gordon Elliott

Hiconicが引っ張る展開も、好位から進めたDuffle Coatが抜け出して快勝とした。比較的ここまで好成績を収めてきた馬ばかりが集まったレースであったが、終わってみればDuffle Coatの快勝となった。Duffle CoatはここまでアイルランドのHurdleで連勝を飾ってきた馬で、これでHurdleは3戦3勝とした。一方のHiconicは比較的Hurdle競走の経験は長く、ここまでHurdleは6戦している。前走はSoldier On Paredeの2着に敗れているが、今回は積極的に飛越技術を生かして前で運ぶことで見せ場を作った。アイルランドで3連勝を上げてきたLonglawもいたのだが、好位から伸びきれず4着。前走はHiconicを下してきたSoldier On Paredeは早々に後退し大敗に終わった。

 

Down Royal (NI) Yielding to Soft (Yielding in places)

〇 Maiden Hurdle 2m6f (Replay)

1. Farouk D'Alene J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

終始先頭を走ったFarouk D'Aleneがそのまま快勝。Farouk D'Aleneはフランス産馬だが、元々はPTP出身の馬でHurdleはこれが初参戦となる。NHFとPTPも含めるとこれで4戦4勝とした。いきなり24fでキャリアをスタートさせた意図は不明だが、全体的に運動神経の高さを伺わせる動きを見せており、飛越及びスプリントをかける際に身体をうまく使えるようになれば重賞クラスまで狙える器だろう。

 

WKD Hurdle (G2) 2m100y (Replay)

1. Aspire Tower J: Rachael Blackmore T: Henry de Bromhead

2. Abcadabras J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

ハナに行ったAspire Towerがそのまま押し切り勝利した。Aspire Towerは昨シーズンのJuvenile Hurdle路線ではアイルランド随一の活躍を見せてきた馬だが、Tattersalls Ireland Spring Juvenile Hurdle (G1)ではチャンス十分のところから最終障害でまさかの落馬に終わったりと、色々とやらかしてきた経緯がある。やはりJuvenile Hurdle出身の馬ということでいきなりこのクラスで戦うにあたっては半信半疑な部分もあったのだが、いきなり結果を残した。昨シーズンのNovice Hurdle路線ではFuture Champion Novice Hurdle (G1)勝ちのあるAbacadabrasが2着で、手ごたえ十分で回ってくるも伸びきれずといった内容であった。Aspire Tower自身もかなりスピード能力の高い馬だが、Abacadabras自身走法を見ているともう少し馬場は渋った方がいい印象がある。Jason The Militantが僅差の3着で、実績的にはやや格下なのだが、実力的には侮れないものを持っているように思える。

 

〇 Beginners Chase 2m3f120y (Replay)

1. Envoi Allen J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

1/14という圧倒的人気を背負ったEnvoi Allenがそのまま快勝。Envoi AllenはここまでPTP及びNHFも含めると9戦9勝という圧倒的な成績を収めた馬で、ここまでNHFを含めるとG1は4勝の実績がある。これがChase初戦であったが、良いスタートを切ることに成功した。今回のメンバーとしては完全に格下で、スピード能力に任せて走ってしまえば圧倒的な着差をつけることも可能なのだが、丁寧に一つずつ飛越を行うことに専念しており、馬もそれに応えるように綺麗な飛越を見せていた。ここまでNoviceクラスしか走っていない経歴はやや気がかりではあるのだが、少なくとも今シーズンのNovice Chase路線では台風の目となる一頭だろう。

 

10/31(土)

Ascot (UK) Soft

〇 tote.co.uk Handicap Chase (Listed) 2m167y (Replay)

1. Amoola Gold J: Bridget Andrews T: Dan Skelton

最終障害をIbleoが先頭で越える展開も、これに迫ったAmoola Goldがゴール直前でこれを捉えて勝利した。Ibleoは昨シーズンのNoviceにてC4勝ちがある程度の馬だが、調子の良さと軽量が評価されたのか人気になっていた。ここでもほぼ勝ちに等しい内容であり、Charlie Deutsch騎手がやや丁寧に最終障害を越えたとはいえ、ここで減速がかかるわけでもなく騎乗としては満点の内容である。Amoola GoldはC3のハンデ戦から連勝とした。とにかく最終障害を越えてから数完歩における加速が素晴らしく、これが最後のIbleoとの着差に繋がったような感もある。昨年はこのレースで不幸にもDiego Du Charmilにより不利を受けたことで失格に終わったCapelandもいたのだが、途中で凡ミスで落馬に終わった。

 

〇 Novice Hurdle (C3) 1m7f152y (Replay)

PU Aronius J: Bridget Andrews T: Dan Skelton

もともとはドイツ調教馬で、2018年のSwiss Derbyの2着などの実績のあるAroniusのイギリスHurdleデビュー戦であったのだが、後方を進み飛越も拙く途中棄権に終わった。2年ぶりにここに出てきた経緯は不明だが、とりあえず名門Dan Skelton厩舎ということで次に期待したい。

 

Sodexo Gold Cup Handicap Chase (G3) 2m7f180y (Replay)

1. Regal Encore J: Richie McLernon T: Anthony Honeyball

好位から進めた12歳馬Regal Encoreが人気のWhatmoreを抑えて勝利した。Regal Encoreは今年で12歳になるという大ベテランで、AintreeのGrand National (G3)にも2回挑戦し、いずれも完走を果たしている。大敗と好走を繰り返すようにどうにも信用できない面があるのだが、ことAscotとなるとやたらと馬が張り切るようで、昨年のDave Dawes Silver Cup (Listed)に続く重賞勝利とした。2回もWind Surgeryを行っているようにややノドの状態も心配なのだが、Ascotでは注意すべき存在だろう。Novice上りのWhatmoreは惜しい2着で、この長距離ハンデ戦では楽しみな存在になりそうだ。Black Cortonは前半から好位で運ぶも最後遅れ4着。Might Biteも前半から積極的に引っ張るも、最後遅れ5着に終わった。この馬は気性的な問題が大きく、最後馬のやる気が減退して大きく後退するのも仕方がないのだが、前半から馬が元気に走っていたことは喜ばしい材料だろう。

 

Wetherby (UK) Soft

〇 bet365 Mares' Hurdle (Listed) 2m (Replay)

1. Mrs Hyde J: Darryl Jacob T: Brian Ellison

後方から抜け出してきたMrs Hydeが人気のVerdana Blueを抑えて勝利した。この日のWetherbyは前半に強い雨が降っており、馬場はSoftまで悪化している。Mys Hydeはこれで今年に入ってHurdleが5戦4勝とした。ひとまず重馬場に対応したことは今後に向けてのプラス材料であり、牝馬限定戦であれば期待はできそうだ。人気のVerdana BlueはMrs Hydeに寄られるシーンもあり、Mrs Hydeを交わし切れずに終わった。本来重馬場よりも軽い良馬場でこそのタイプであり、今回の敗戦は仕方ないものだろう。条件が変わって見直したい一頭。

 

bet365 Hurdle (G2) 3m26y (Replay)

1. Roksana J: Harry Skelton T: Dan Skelton

後方から進めたRoksanaが一頭別次元の伸び脚で後続を圧倒し、8馬身差の快勝とした。Roksanaは昨年のOLBG Mares' Hurdle (G1)の勝ち馬だが、同レース自体圧倒的人気を背負ったBenie Des Dieuxが最終障害で落馬しての棚ぼたである。その後は重賞戦線で好走を続けていたのだが、久しぶりの勝利となった。どちらかというとスローから瞬発力を生かすタイプのようで、明らかに休み明けの馬が多く、その中でもどう考えても叩き一走でしかないThe Dutchmanがのんびり引っ張る展開はこの馬向きであった。24fのゆったりとした展開が向いた可能性もあるが、次走以降の展開には注意したい。2017-18シーズンにてアイルランドでNovice HurdleのG1を2勝しているNext Destinationはこれが実に920日ぶりの出走で、しかもPaul Nicholls厩舎への転厩初戦ということもあったのだが、とりあえず2着まで来た。勝負所でやや前が壁になる場面もあったのだが、それでもこの内容は立派だろう。昨シーズンのStayers' Hurdle (G1)を圧倒的人気薄で勝利したLisnagor Oscarもいたのだが、どうにも伸びきれず4着に終わった。とりあえず次に期待したいところだが、Stayers' Hurdle (G1)の走り自体がかなり謎であり、その内容には注意しておきたい。Novice Chase上がりの馬で、昨シーズンはSodexo Reynoldstown Novices' Chase (G2)を圧勝したCopperheadもいたのだが、途中で脱落し途中棄権に終わった。

 

Charlie Hall Chase (G2) 3m45y (Replay)

1. Cyrname J: Harry Cobdon T: Paul Nicholls

好位から抜け出してきたCyrnameがそのままVinndicationを抑えて勝利した。Cyrnameは昨年のAscot Chase (G1)の勝ち馬で、その後Altiorを下したことで英国障害馬としてはトップのレーティング評価を受けた馬である。ややスピードに乗せて前半から引っ張るレースが持ち味の馬で、24fは長いような印象もあったのだが、ここではHarry Cobdon騎手が馬を必死で宥めながら走っていた。やや前半から引っかかるようなところもあったのだが、それでもVinndicationを除いて全員の脚が上がる中、一頭余力残しでゴールに到達するパフォーマンスは非常に素晴らしいものであった。もう少し落ち着いて走ることが出来ればこの距離でもより安定したパフォーマンスを見せることが出来るだろう。Vinndicationは3マイルに重馬場と、得意の条件で頑張った。Cyrnameのパフォーマンスが素晴らしすぎたのだが、この馬も自身のやるべきことはやっている。La Bague Au Roiも好位から進めたが最後は脱落して5着まで。Definitly Red、Ballyopticなどのベテラン勢はどうにも前進気勢を欠いた。Sam Spinnerは故障があったようだが、特段大事には至らなかったらしい。

 

Down Royal (NI) Yielding (Yielding to Soft in places)

〇 3-Y-O Hurdle 2m100y (Replay)

1. Quilixios J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

前半から先頭で進めたQuilixiosがそのまま快勝。同馬はこれでHurdleは2戦2勝とした。フランスCompiegneでも非常によい勝ち方を見せてアイルランドに輸入された馬のようで、身体能力の高さはこの中では際立っていた。次はJuvenile Hurdle路線の住所クラスで見てみたい。珍しいオランダ調教馬のNa Caith Tobacもいたのだが、勝ち馬からはだいぶ遅れた3着まで。さすがに今回は相手が悪すぎた感もあり、これがHurdle初戦であったことを考えると、とりあえず次に期待したい。

 

Ladbrokes Champion Chase (G1) 3m (Replay)

www.youtube.com1. The Storyteller J: Keith Donoghue T: Gordon Elliott

2. Chris's Dream J: Robbie Power T: Henry de Bromhead

今シーズンとしては最初のG1競走となる。レースはChris's Dreamが人気になっていたが、次いでDelta Work、Presenting Percyなどが高評価を受けており、全体的に混戦模様であった。序盤からAlpha Des Obeauxが積極的に引っ張る展開だが、勝負所から一気に馬群が密集。その中でBalko Des Flos、Presenting Percyなどが出てくるが、外からChris's Dreamが接近。しかしさらに外からやってきたThe StorytellerがChris's Dreamとのたたき合いを制して勝利した。Tout Est Permisが3着。

The StorytellerといえばもはやGrowise Champion Chase (G1)で有名である。先頭を走っていたAl Boum Photoがなぜか最終障害直前で突然内側に進路を切り替え、それに並んでいたFinian's Oscarと一緒に仲良くコースアウトするという、見ている側からすればなにかのコメディーのようなレースで、その前の2頭からやや遅れて頑張って走っていたThe Storytellerが棚ぼたで勝利したという内容である。その後は案の定G1クラスではさっぱりで、Hurdleの平場戦で勝利を挙げたのみであったが、今シーズンはArthur Guinness Chaseの勝利を皮切りに、5戦4勝と急激に成績を挙げている。かつての主戦Davy Russell騎手が騎乗したときは足の速いEasy Gameに千切られているのだが、ウィナーズサークルで満面の笑みを浮かべていたKeith Donoghue騎手とはとにかく手が合うようで、この人が乗ったときは4戦4勝と、馬がやる気になるのかわからないが別馬のような活躍を見せている。Down Royalのコースは幅員が狭く、勝負所ではかなりごちゃついているのだが、一頭のんびり外を回って上がってくる戦法もうまくいった。どうやら一瞬のスピードよりはロングスパート能力に長けたタイプのようで、やや展開には注文がつく可能性があるのだが、また春に戻ってくることを楽しみにしたい。Chris's Dreamは惜しい2着。昨年までの成績を踏まえるとややG1クラスでは足りないような印象もあるのだが、ここでは実績馬相手に前評判通りの走りを見せた。

Tout Est Permisはまたもや好走するも入着まで。そこそこいつも走ってくるのだが、勝ち星となると昨年のHorse & Jockeys Hotel Chase (G2)まで遡らなければいけない。Presenting Percy、Delta Workはごちゃつく中を抜けてきての4着で、これらの馬にとっては今回の展開はやや厳しかった。スムーズな展開であれば一変まであるだろう。

 

Lough Construction Ltd. Chase (G2) 2m3f120y (Replay)

1. Battleoverdoyen J: Mark Walsh T: Gordon Elliott

Samcroの復帰戦ということで注目も集まっていたのだが、勝ったのは同厩舎のBattleoverdoyen。昨シーズンはNeville Hotels Novice Chase (G1)勝ちのある馬だが、その後のFlogas Novice Chase (G1)では落馬、RSA Chase (G1)でもこの馬本来の走りを取り戻すことが出来ずに終わっていた。休養でいい方向に向いたのだろう。この馬の本来の能力を考えればこの結果は決して驚くものではなく、むしろメインレースに出ていても上位争いをした可能性すらあるものである。次走を楽しみにしたい。Samcroは途中で飛越にミスがあり、最後は伸びきれず3着に終わった。飛越でときどきやらかすのはHurdle時代からのものであり、今に始まったことではないのだが、さすがにNovice上りの今シーズンは飛越技術の向上が欲しい。

 

11/1(日)

Compiegne (FR) Tres Lourd (5.2)

Grand Steeplechase de Compiegne (G2)

Steeplechase Pour tous chevaux 5 ans et au-dessus 4900m (Replay)

1. Matfog J: Thomas Coutant T: A. Chaille-Chaille

Tres Lourdということで大変素敵な馬場になっている。レースはAjasとの叩き合いを制したMatfogが勝利した。Matfogは重賞はPrix Roger Sait (Listed)におけるCampinasとの同着での1着に続く2勝目とした。地味にCheltenhamのDipper Novices’ Chase (G2)にも参戦した経歴もあるのだが、特に良いところなく5着に大敗している。スウェーデンからフランスのDavid Cottin厩舎に戻って好調のAjasは惜しい2着に入った。1kgの不利もあったのだが、それ以上に瞬発力の面でMatfogが勝っていた印象がある。Prix Heros XII (G3)勝ちのある実績馬Saint Goustan Blueは3着に入った。

 

Hoppegarten (GER) weich, stellenweise schwer

〇 Erdbau & Containerdienst Brieskorn-Hürdenrennen 

Sonstige, 6.300 € Für 4-jährige und ältere Pferde.3700m (Replay) (Replay2)

1. Successor J: Veronika Řezáčová T: Christian Freiherr von der Recke

Youtubeにも動画はあるのだが、おそらくRacebetのリプレイの方がのちのち安定しているのでReplay2としてつけておいた。今年のドイツ障害競馬としては2つ目のレースとなるのだが、BerlinにあるHoppegarten競馬場としては2004年以来の障害競走の開催となる歴史的な競走である。レースは前半からSuccessorが飛ばす展開も、途中から人気のKhanが先頭に立ち、そのまま大きくリードを開く。しかしまさかの残り2障害で落馬すると、変わって番手にいたSilver Seamが先頭に。しかしこれも最終障害でまさかの落馬。離れたところで頑張って走っていたSuccessorがそのまま勝利した。Shoemaker、Narelloと続き、3700メートルとさして距離も長くないHurdle競走にも関わらず出走馬13頭中完走は3頭というレースとなった。

この日の出走馬13頭のうち、実は半数以上がこれが障害デビュー戦であった。さらに前半からSuccessorが飛ばすことでレースとしては完全な前傾ラップになっており、隊列が大きく伸びたことで後続の馬としてはチャンスがなくなった等の理由により途中棄権、前の馬も完全に脚が上がっての入線となっている。Successorはもともとはアイルランド・イギリス調教馬で、Joseph O'Brien厩舎に所属し、Hurdle、Chaseでそれぞれ1勝を挙げている。その後イギリスのJonjo O'Neill厩舎に移るも結果は残せず、今年になってドイツに移籍、WaregemのSt. Legerにて勝利を収め、ドイツ障害競走としてはこれが初戦であった。飛越技術の高さを生かして先行するまでは良かったのだが、さすがに元気よく飛ばし過ぎたようで、最後はだいぶ苦しくなっていたように見える。56. Preis von Europa (G1)の勝ち馬Khanはさすがの能力の高さを見せたのだが、残念ながらもったいない落馬に終わった。調べるとフランスDavid Cottin厩舎に移籍してフランス障害競走を戦った経験もあるのだが、現時点ではドイツのHenk Grewe厩舎に所属している。種牡馬としても期待されている可能性が高いが、再度障害競走で見てみたい。151. Grosser Preis der Österreichischen Galopper-Derbyという4頭立てのレースを勝ったSilver Seamももったいない落馬。この馬はチェコ調教馬で、母国の障害競走では下級条件戦で2着がある程度だが、持っている能力としてはここでは上位なのだろう。ドイツ障害競走では名門のPavel Vovcenko厩舎のShoemakerが2着。前からは大きく離されたが、これを使ってどこまで。一方のToni Potters厩舎は障害競馬ではさほど知られていないが、Toni Potters厩舎から送り込まれたNerelloはこれが障害デビュー戦であったが3着まで頑張った。

その他。Grosse Bad Harzburger Hürden Trophy (Listed)勝ちのあるShrublandもいたのだがこちらは良いところなし。ポーランド調教馬のGiven Choiceはこれが障害初戦で、さすがに苦しかったようだ。ドイツ障害競走名門のElfi Schnakenberg調教師が送り込んだGood Willはフランスでも実績があったのだが、やはり後方から進め途中棄権に終わった。最後にBerlinで行われた障害競走に騎乗経験のあるOliver Schnakenberg騎手は母親であるElfi Schnakenberg調教師のOnneckとコンビを組んだが、これも途中棄権に終わった。チェコ調教馬としてはHurdle2勝と母国では最も実績のあるRes Judicataもまた途中棄権に終わった。

 

Pennsylvania Hunt Cup (Unionville) (USA) Soft (Result)

〇 Pennsylvania Hunt Cup Timber Stakes

Four Miles On The Timber $25.000

1. Mystic Strike J: Thomas Garner T: Todd McKenna

(後日追記予定)

 

Fukushima / 福島 (JPN) Firm

〇 Maiden / 障害3歳以上未勝利 2750m

1. スズカデヴィアス J: 北沢伸也 T: 橋田満

好位から進めたスズカデヴィアスが押し切り勝利した。スズカデヴィアスは2018年の新潟大賞典 (G3)の勝ち馬だが、昨年からオーストラリアに遠征し、各地で重賞を転戦していた。残念ながらあまり良績は残せなかったようだが、帰国後初戦でいきなり障害競走に転向し、いきなり結果を残すのだから大したものである。飛越技術としてはさすがに粗が目立つ内容であったのだが、障害デビュー戦の馬としては十分な範囲だろう。走法を見ているとキングカメハメハ産駒らしいパワーのある馬体だが、生粋のステイヤーというよりは機動力に優れたタイプで、あまり距離が伸びていいイメージはないのだが、長らく競走馬として様々な可能性を試されてきた9歳馬の活躍を見てみたい。地方で勝ち鞍のあるアーネストホープは惜しい2着。キタノテイオウ、ディードなどの安定勢力もいたのだが、さすがにスズカデヴィアスに先頭で立ち回られると厳しいものがある。