にげうまメモ

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21/02/21 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2021/02/15-2021/02/21

2/15(月)

Warwick (UK) Soft (Heavy in places)

Agetur UK Kingmaker Novices' Chase (G2) 2m54y (Replay)

1. Allmankind J: Harry Skelton T: Dan Skelton

前半からするすると逃げたAllmankindがそのままSky Pirateを振り切り勝利した。AllmankindはこれでChaseは3戦3勝とした。その中にはSandownのHenry VIII Novices' Chase (G1)も含まれており、おそらくArkle Challenge TrophyでもShishkin等と並んで人気になることが想定される。前評判通り強い勝ち方を見せたが、ただし今回はやや飛越にミスが多く、得意の重馬場であったということも差し引いても今後に不安が残るレースであった。WarwickのC2ハンデ戦を11st11lbを背負って勝ってきた経験馬Sky Pirateが2着で、さすがにスピード能力の面で勝ち馬とは大きな差があった。

 

St Marys Land Warwick Mares' Hurdle (Listed) 2m5f (Replay)

1. Molly Ollys Wishes J: Harry Skelton T: Dan Skelton

2. Paul's Saga J: Brian Hughes T: David Cottin

フランスGrande Course de Haies D'Auteuil (G1)の勝ち馬Paul's Sagaのイギリスデビュー戦であったが、好位から進めるも残り2障害辺りから脱落し、2着に終わった。勝ったのはMolly Olly Wishesで、これでC3から3連勝。ここまで下級条件戦を使ってきた馬だが、ここにきて一気に力をつけているようだ。注目されたPaul's Sagaはやや全体的に飛越にミスが多く、Brian Hughes騎手とも初コンビということもあり、本来の航行性能の高さを生かせずに終わった。イギリスのHurdleに慣れればさすがに変わってくる可能性が高いだろうが、Cheltenhamまであまり時間はなく、どこまで対応できるかは注意した方がいいかもしれない。Dolcitaは昨年のDaylesford Mares' Novices' Hurdle (G2)でConcertistaの2着に入った素質馬だが、Willie Mullins厩舎からPaul Nicholls厩舎を経てFergal O'Brien厩舎へと移籍したり、さらにWind Surgeryがあったりとどうにも順調に行かないのだが、Paul's Sagaが明らかに本来の姿ではなかったとはいえ、Paul's Saga相手に僅差の3着というのはそれなりに威張って良い成績だろう。元Willie Mullins厩舎のEglantine Du Seuilも出走していたのだが、勝ち馬から大きく離れた5着。イギリス移籍後はどうにもいまいちな成績に終わっている。

 

2/20(土)

Ascot (UK) Soft (Heavy in places)

Reynoldstown Novices' Chase (G2) 2m7f180y (Replay)

1. Remastered J: Tom Scudamore T: David Pipe

先頭で進めたRemasteredが接近してきたDemachineを抑えて勝利した。RemasteredはこれでChase転向後3戦3勝とした。Hurdleでは下級条件戦で良績がある程度で、Chaseもこれが重賞初挑戦であったが、いきなり結果を残した。ただしメンバー的にこれまで重賞で好走が大いに期待されるような強力な相手ではなく、更なるメンバー強化に対しては未知数といったところだろう。前走Kauto Star Novices' Chase (G1)で結果を残せなかったKalookiもいたが、勝ち馬から大きく離れた3着に終わった。December Novices' Chase (G2)の勝ち馬Hurricane Harveyも出走していたが、勝負所から脱落し途中棄権。C3のハンデ戦で結果を残してきたSevaranoは残念ながらHeart Attackとのこと。

 

〇 Swinley Chase (Listed) 2m7f180y (Replay)

1. Captain Chaos J: Harry Skelton T: Dan Skelton

Captain ChaosとYalltariが並んで引っ張る展開も、途中からスパートを掛けたCaptain Chaosを残してYalltariは脱落。そこからCaptain Chaosが一時は大きく後続を引き離すと、一時は絶望的な位置にいながらも猛然と追いこんできたRegal Encoreをぎりぎり凌いでCaptain Chaosが勝利した。

Captain Chaosはこれで重賞は初勝利とした。今まで様々なレース運びを試している馬だが、やはり深いブリンカーをしているようにある程度押っ付けながら走らせた方がいいタイプで、今回も例によってハナに行くとHarry Skelton騎手が常識的にはかなりの早仕掛けのようなスパートを掛けている。それでも最後の3ハロンを16秒-18秒-16秒と極端な失速をせずに押し切っている辺り、これはHarry Skelton騎手の天才的な騎乗としか言いようがない。重い馬場の超長距離戦であれば見せ場を作れる馬で、10歳とだいぶ高齢だがまだまだ頑張ってくれるだろう。例によってAscot競馬場に来ると別馬のように張り切るRegal Encoreが2着で、11st10lbのトップハンデを背負いながらも絶望的な位置から追いこんできた。2019年11月のSodexo Gold Cup (G3)以降、AscotとNewburyしか使っておらず、そのNewburyではいずれも途中棄権、Ascotでは全て3着以内という両極端な成績である。13歳とかなり年齢は重ねているが、ここまで元気ならばまだまだ活躍に期待したい。Yalltariは残念ながら助からなかったらしい。

 

〇 Betfair Cheltenham Free Bet Pot Builder Handicap Hurdle (C2) 2m3f58y (Replay)

PU L'ami Serge J: Darryl Jacob T: Nicky Henderson

実績馬L'ami Sergeの復帰戦であったが、後方から進めるも第7障害の飛越直後に故障を発生、競争中止に終わった。残念ながら見た目通り助からなかったそうだ。ここまでHurdleではNoviceのTolworth Hurdle (G1)、さらに一時はChaseに転向するとJLT Novices' Chase (G1)ではBlack Herculesの3着、Merseyrail Manifesto Novices' Chase (G1)の2着、そこからHurdleに戻し、2017年のフランスGrande Course de Haies D'Auteuil (G1)、2018年のAintree Hurdle (G1)を勝利と、素晴らしい活躍を見せてくれた馬である。残念ながら2018年のGrande Course de Haies D'Auteuil (G1)の後に故障で長期の休養に入り、その後は2019年のLong Walk Hurdle (G1)の2着が最高と勝ち星を上げることはできなかったが、持ち前の高い機動力を武器にこの馬の性能を知り尽くした主戦騎手Darryl Jacob騎手とのコンビで長きに渡って活躍してきた名馬である。

 

Ascot Chase (G1) 2m5f8y (Replay)

1. Dashel Drasher J: Matt Griffiths T: Jeremy Scott

昨シーズンChaseにおいてイギリス障害競馬としてシーズン最高レーティングが記録されたCyrnameが出走していたが、ハナを切るもDashel Drasherにプレッシャーを掛けられ早々に後退。食らいついてきたMaster Tommytuckerとの叩き合いはDashel Drasherがこれを凌いで勝利した。

Cyrnameはこれで年末のKing George VI Chase (G1)に続く途中棄権となった。どうやらレース後のレポートでは呼吸器系の異常が見つかったとのことで、一度Wind Surgeryを行っている馬ということも考えると、ノドの問題がが再発した可能性もあるだろう。いくらなんでも本来の姿であればDashel Drasherに煽られて凹む馬ではなく、この馬本来のパフォーマンスを取り戻すことを期待したい。Matt Griffths騎手とJeremy Scott調教師はこれが初めてのG1勝利となった。前半からCyrnameにプレッシャーをかけていったのはMatt Griffths騎手の戦術だったようで、これで同馬はこの舞台でC2から3連勝と調子もいいようだ。ただしここまで重賞クラスでの実績は殆どなく、今後はRyanair Chase (G1)を目指すそうだが、相手関係としては未知数だろう。前走KemptonのSilviniaco Conti Chase (G2)を圧勝したMaster Tommytuckerが2着だが、この馬本来であれば逃げた方が良いパフォーマンスを発揮できる馬で、今回はCyrnameが主張してハナに行ったため番手に引いたのだが、やはり逃げた方がこの馬の良さは行かせる感がある。C2でDashel Drasherといい勝負をしてきたBennys Kingが大して差のない3着に入り、全体的なレース水準という意味では疑問が残るレースとなった。昨年の勝ち馬Riders onthe Stormは全くいいところなく途中棄権に終わったが、昨年のこのレースも圧倒的人気のCyrnameが落馬したという棚ぼたのような勝利である。

 

Haydock (UK) Soft

Rendlesham Hurdle (G2) 3m58y (Replay)

1. Third Wind J: Tom Cannon T: Hughie Morrison

12歳の葦毛のDonna’s Diamondが注文を付けて逃げる展開も、これに絡んで行ったLisnagar Oscarが途中から先頭に。そのままLisnagar Oscarが逃げ込みを図るも、最後追いこんできたThird Windがこれを捉えて勝利した。Third Wind自身はこれが重賞初勝利で、前走はAscotのLong Walk Hurdle (G1)で5着に敗れているのだが、今回は11st2lbの軽ハンデも生かして浮上した。能力的にはG1クラスでは格下感があるのだが、このクラスであれば威張れる馬といった立ち位置だろうか。Stayers’ Hurdle (G1)の勝ち馬Lisnagar OscarはWind Surgery明けであったが好走した。あまり大事に乗るよりもおそらく今回のように強気に前に出していくようなレースが良いのだろう。次の目標となるであろうStayers’ Hurdle (G1)でも同様の競馬を期待したい。このクラスの常連On The Blind Sideが3着。昨年の1月から9連勝で話題を集めたMain Factは上位勢には肉薄できず4着で、前走の大敗が示す通りこのクラスの相手にはやや苦しい感もある。Itchy Feetは久々のHurdleということで、Chaseでは飛越が覚束なかっただけに期待されていたが、やはり飛越はいまいちで5着に大敗。昨年の勝ち馬Emitonも良いところなく大敗に終わった。

 

Grand National Trial Handicap Chase (G3) 3m4f97y (Replay)

1. Lord Du Mesnil J: Paul O'Brien T: Richard Hobson

ゆったりと逃げたLord Du Mesnilがそのまま押し切り勝利した。Lord Du Mesnil自身はこれが重賞初勝利とした。昨年のNational Hunt Challenge Cup (G2)の2着馬で、その直前にもこのレースでSmoothe Stepperの2着にはいるなど、どうやらゆったりとしたペースで進む超長距離戦に対して適性があるタイプなのだろう。Grand Nationalについては現在出走順41番目で、出走はほぼ間違いなく可能と思われるが、あまりペースが上がった際の対応という意味では微妙なような印象もある。11歳のAchilleが2着で、今シーズンはClassic Chase (G3)の2着と、とにかく調子はいいようだ。ただしこちらはGrand Nationalの出走順88番目と絶望的な位置につけている。ひとまずはこの路線で楽しみにしたい。The Two AmigosはLord Du Mesnilについて行くも、最後根負けして3着に終わった。

 

〇 William Hill Extra Places Every Day Juvenile Hurdle (C2) 1m7f144y (Replay)

1. Monmiral J: Sean Bowen T: Paul Nicholls

能力ある4歳馬として評判のNassalamとMonmiralのマッチレースといった形だったが、残り2障害地点から抜け出したMonmiralがNassalamを7馬身ほど突き放して勝利した。MonmiralはこれでHurdleは3戦3勝とした。昨年12月のはDoncasterのSummit Juvenile Hurdle (G2)も11馬身差で圧勝しており、この世代としては非常に楽しみな一頭であるのだが、Triumph Hurdle (G1)への登録はなぜかないようだ。Nassalamは前走のChepstowのCoral Finale Juvenile Hurdle (G1)に続く2着で、例によって元気よく走ってはいたのだが、やや今回は相手が強かった印象もある。

 

Albert Bartlett Prestige Novices' Hurdle (G2) 3m58y (Replay)

1. Alaphilippe J: Paddy Brennan T: Fergal O'Brien

早々にExploiteurが落馬し、空馬が馬群に絡んでいくアクシデント。勝負所で勝負圏内にいたYoung Buckも落馬し、残ったAlaphillippeがそのまま後続を突き放して勝利した。AlaphillippeはこれでHurdleは5戦4勝と結果を残しているのだが、やや今回は全体的にアクシデントの多いレースとなった印象もあり、どちらかというと完成度が活きる24fのNovice Hurdleという特性も加味すると、なんとも微妙な内容のレースではある。C2のハンデ戦で好走してきたMr Harpが2着。人気のMint Conditionはどうにも伸びきれず4着に終わった。

 

Wincanton (UK) Heavy

Kingwell Hurdle (G2) 1m7f65y (Replay)

1. Goshen J: Jamie Moore T: Gary Moore

好位から進めたGoshenが抜け出すと、そのまま22馬身差の圧勝とした。Goshenは昨年のTriumph Hurdle (G1)で絶賛元気よく抜け出したは良いものの、最終障害でまさかの落馬に終わった馬で、今シーズンはChampion Hurdleを目指すということで期待されていたが、トラブルもありぱっとしない成績に終わっていた。立て直しを図ったここで、ようやくこの馬らしい身体能力の高さを存分に生かしたレースを見せることができた。Champion Hurdleに向けて楽しみな馬が戻ってきたと言えよう。ここまでG2を3連勝してきた上り馬Song For Someoneが2着に入った。この馬もこの馬のできることはやり切っているのだが、今回は如何せん相手が悪かった。エンジンの掛かり方を見るともう少し距離を伸ばしたところでも見てみたい。

 

〇 Handicap Chase (C3) 3m1f30y (Replay)

4. Fabulous Saga J: Bryony Frost T: Paul Nicholls

Fabulous SagaのChase2戦目であったが、勝負所から遅れ勝ち馬から大きく離れた4着に終わった。Fabulous SagaはアイルランドではCorkのKerry Group Stayers Novice Hurdle (G3)の70馬身差の圧勝を始め重賞を2勝してきた馬だが、2018年のAlbert Bartlett Novices' Hurdle (G1)を最後に1000日近い休養に入り、これが復帰後、かつイギリス移籍後2戦目であった。飛越は全体的に慎重に過ぎる面があり、他の馬と比べると障害手前で減速する仕草も目立っており、なんとか完走したといった印象で、さすがにもう少し技術の向上がないと厳しいだろう。かつてのKauto Star Novices' Chase (G1)の勝ち馬Royal Vacationもいたのだが、さっぱりやる気なく追走し大敗に終わった。勝ったのはChase3戦目のGolden Sovereignで、ここまでさほどChaseの経験がない馬ながらもスムーズな飛越でベテランShanton Flyerを抑える走りを見せた。

 

2/21(日)

Newbury (UK) Good to Soft (Soft in places)

Denman Chase (G2) 2m7f86y (Replay)

1. Secret Investor J: Bryony Frost T: Paul Nicholls

終始ハナを切って進めたSecret InvestorがClan Des Obeauxを凌いで勝利した。Secret InvestorはNoviceではFuture Champion Novices' Chase (G2)勝ちのある素質馬だが、その後はあまりぱっとせず、C2勝ち程度に終わっていた。もともとややゆったりとしたペースでリズムよく運んだ方がいいタイプだが、Bryony Frost騎手とのコンビも良かった良いだ。King George VI Chase (G1)ではまさかの3着に敗れたClan Des Obeauxが2着で、この馬自身それなりに調子はいいのだろう。CheltenhamよりもAintreeの開催を目指すとのことで次に期待したい。2019年のBetfair Chase (G1)を勝って一躍このクラスの一流馬の仲間入りを果たしたLostintranslationも出ていたのだが、後方から進めるも早々に脱落して大敗。これが2度目のWind Surgery明けであったが、残念なパフォーマンスであった。2018年にMildmay Novices' Chase (G1)を勝ったTerrefortはこれが710日ぶりのレースであったが、早々に脱落して途中棄権。さすがにもう少し時間がかかるだろう。昨年のUltima Handicap Chase (G3)勝ちのあるThe Conditionalは残念ながら故障で助からなかったそうだ。

 

Game Spirit Chase (G2) 2m92y (Replay)

1. Sceau Royal J: Darryl Jacob T: Alan King

後方から進めたSceau Royalが途中から先頭に立ったChampを抑えて勝利した。Sceau RoyalはChase自体は2017年のHenry VIII Novices' Chase (G1)勝ちと結果を残しているのだが、昨年の下半期は主にHurdleを使い、今シーズンこれが2度目のChase参戦であった。やはりどちらかというとゆったりとした展開で機動力を武器とするタイプで、G2クラスであれば大仕事をやってのける可能性がある馬である。開催中止の影響でここまで復帰戦がズレこんだChampが2着で、これがNational Hunt Flat以来の16fであったことを考えると収穫のあるレースだろう。今シーズンはHaldon Gold Cup (G2)を勝利しているGreaneteenは最後遅れ3着で、やはり重賞クラスのメンバーに入るとこんなものだろう。Fanion D'Estruvalはフランスで実績を上げてきた期待馬だが、イギリス移籍後は期待されているほどの良績は上げられていない。今回も後方から進めるも脚を伸ばせず4着に終わった。

 

Navan (IRE) Heavy

Ten Up Novice Chase (G2) 3m (Replay)

1. Coko Beach J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

終始先頭を走ったCoko Beachがそのまま後続を寄せ付けず勝利した。Coko Beachは前走のGodds Thyestes Handicap Chase (Grade A)の勝ち馬で、今回はNoviceに戻ってのレースとなる。Noviceクラスではあまり実績のなかった馬だが、さすがにメンバーが大きく弱化したここでは格好をつけた。RSA Chase (G1)よりもNational Hunt Challenge Cupやハンデ戦で見てみたいタイプである。前走Beginners ChaseにてCoko Beachを下してきたEspanito Belloが2着に入った。

 

〇 Handicap Chase 3m (Replay)

1. Young Dev J: Hugh Mogan T: Denis Hogan

これ自体はなんてことのないハンデ戦なのだが、第1障害でアブミを落としたHugh Mogan騎手がそのままの状態で3マイル走り、最終障害で先頭に立つとそこから必死で追いかけてきたSe Mo Laochを凌いで勝利した。この騎乗スタイルは馬に負担がかかるためスピードが出にくいのだが、ゆったりと運んだHeavyの長距離戦ならではといった側面もあるかもしれない。アブミを落とした人がこの騎乗で終盤だけなんとかゴールまで到達することはしばしばあるのだが、この騎乗スタイルで3マイル走るのは非常に珍しい。しかもHugh Mogan騎手はここまで32勝を挙げている人とはいえ、Conditonal Jockeyと言うのだからアイルランド障害競馬の層は果てしなく厚いのである。

 

Boyne Hurdle (G2) 2m5f (Replay)

1. Beacon Edge J: Sean Flanagan T: Noel Meade

6. Tiger Roll J: Keith Donoghue T: Gordon Elliott

Tiger Rollの参戦で話題を集めたが、Tiger Roll自身は後方から進めるも残り2障害辺りで脱落し、勝ち馬から大きく離れた6着に終わった。ただしさっぱりやる気を見せず早々に途中棄権した昨年秋のCheltenhamから比べればはるかに進境のあるレース運びで、Gordon Elliott先生はCheltenhamのGlenfarclas Cross Countryに行くとの話をしているようだ。勝ったのは逃げたBeacon Edgeで、ここまでHatton’s Grace Hurdle (G1)でHoneysuckleの僅差の3着に入ったりと頑張っていた馬だが、やはりG2クラスであれば本命視できる馬である。同じくG2クラスでは実績のあるFury Roadが2着に入った。

 

その他

Dual Randox Grand National Hero Tiger Roll Allotted 11st9lb as Weights Revealed for World's Greatest Steeplechase (The Jockey Club)

Grand Nationalの斤量が発表になった。斤量次第ではどうのこうのとオーナーが文句を言っているTiger Rollは11st9lbとなった。トップハンデはBristol De Mai、Santiniと並んでフランスのEasyslandである。

Ultra Tune boss denies artificial breeding claims at elite stud (The Age)

オーストラリアで競走馬の胚移植が行われた可能性があるという話。競走馬の胚移植は諸般の事情で競馬界ではタブーとされているが、技術的には可能である。乗用馬等では胚移植技術の活用例があり、その一例としてはこちらの文献を参照されたい。

Davy Russell loses race to be fit for Cheltenham Festival on medical advice (Racing Post)

怪我で長期離脱中のDavy RussellはCheltenham Festivalまでの復帰を目指していたが、残念ながら叶わないそうだ。4月10日にはAintree競馬場でGrand Nationalが予定されており、同レース3勝目を目指すTiger Rollとのコンビでの参戦が期待される。

中山GJの外国馬は出走辞退 (競馬ブック)

中山グランドジャンプに予備登録のあったTenerife Seaは出走辞退となった。さっぱり報道も公式コメントもないので理由は不明だが、なんにせよ残念なニュースである。海外障害競走馬の招待に関しては日本における知名度の問題がどうしても付いて回るのだが、既に日本競馬は世界トップクラスの水準を誇り、国外におけるビッグネームを理由に招待/遠征するのではなく、馬の適性を踏まえて招待/遠征を行うステージに達している。そのような意味では日本平地競争と比較して海外勢の勝機が多く、かつ競馬ファンにとって馬券に直結する情報戦を仕掛けやすい障害競馬において、国外調教馬を招待する意義は大きいように感じる。