にげうまメモ

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21/03/21 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2021/03/15-2021/03/21

Cheltenham Festivalは分量があるので別記事で。

 

3/16(火)

Cheltenham (UK) Soft (Good to Soft in places)

  

3/17(水)

Cheltenham (UK) Good to Soft

 

Down Royal (NI) Yielding (Yielding to Soft in places)

〇 Novice Handicap Hurdle 2m3f105y (Replay)

F Baltimore Bucko J: Mr John O'Neill T: Keri Brion

アメリカ調教馬としてアイルランド障害競馬初勝利を目指したBaltimore Buckoだが、最終障害にて抜け出しを図ったところで無念の落馬に終わった。同馬はここまでアイルランドでは4戦を消化し、3着2回という実績を残している。さすがに前走は初の20fにHeavyの馬場が厳しかったようで、途中から後退し6着に大敗しているが、今回はYieldingと馬場が良化したことがこの馬にとってはプラスに働いたようだ。ひとまず2マイル戦から距離延長に成功したことは収穫で、馬場状態次第では十分に勝利するチャンスはあるだろう。

 

Compiegne (FR) Tres Lourd (5.3)

〇 Prix Solitaire 3800m (Replay)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus

3. Garde La Victoire J: James Reveley T: Tom George

イギリス調教馬Garde La Victoireが出走していたが、勝ち馬から1馬身ほど離れた3着に終わった。同馬は今年12歳になるベテランで、遡れば2015年のArkle Trophy Trial Novices' Chase (G2)勝ちなどの実績もある。近年は16~20fのC2からG3クラスで走っており、勝てないまでもコンスタントに入着を繰り返していたようだ。これがPhillip Hobbs厩舎からTom George厩舎への転厩初戦となる。フランス生産馬だがここまでフランスSteeplechaseでの実績はなく、それでもいきなり結果を残すのだから大したものである。勝ったのはAuteuilにてPrix Fondeur (Listed)勝ちのあるAmour Du Mathanで、さすがにAuteuilの重賞クラスでは厳しいようだが、ここでは結果を残した。

 

3/18(木)

Cheltenham (UK) Good to Soft

 

3/19(金)

Cheltenham (UK) Good to Soft

 

3/20(土)

Kempton (UK) Good (Good to Soft in places)

〇 Handicap Chase (C2) 2m4f110y (Replay)

1. Marracudja J: Bridget Andrews T: Dan Skelton

勝ったのはMarracudjaだが、いかんせん1頭立てのレースであり、要するにめでたくのんびり完走したというところである。Marracudja自身はC2の16~20fのハンデ戦で活躍している馬で、2020年のClarence Hourse Chase (G1)ではDefi Du Seuilの3着もある。どうもノドの問題を抱えながらの現役生活のようだが、もともと持っているスピード能力としては重賞級のものがあり、10歳となったここまで無事に現役を続けていることは大したものである。Cheltenham Festivalのどこかの重賞競走に出てきてもおかしくない馬ではあるが、どうにも今年はイギリス勢が慎重なレース選択をしているような感もある。ただ、Cheltenham Festivalの翌日にクラス2の20fの競争を組むというのはメンバーが集まるはずもなく、やや番組編成という意味ではセンスに欠けるような気がする。

 

Auteuil (FR) Collant (4.3)

Prix Troytown (G3) 4400m (Replay)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus

1. Ajas J: Kevin Nabet T: David Cottin

ゆるゆると逃げたPoly Grandchampが逃げ込みを図るが、これとAjas、Carriacou、Galleo Contiの叩き合いはAjasが制した。AjasはもともとGlenfarclas Crossに出走を予定していたのだが、一頓挫あってこちらに回ってきていた。現時点でGrand Nationalにも出走登録はあり、10st13lbで11番目と出走自体は可能な範囲である。スウェーデンノルウェーから戻ってDavid Cottin厩舎に転厩してから一度も連を外さない堅実振りで、今回メンバーがかなり強力だったとはいえ、全体的に伸びやかな飛越とスピードは目立っていた。Grand NationalというよりはフランスSteeplechase向きのタイプのように思えるが、どうだろうか。いずれにせよ、2019年のSvenskt Grand Nationalで制御を欠いていまいち能力を発揮できなかった馬が、その後色々あってAintreeのGrand Nationalに向かう可能性があるというのは興味深いところである。Poly Grandchamp、Carriacou、Galleo Contiなどの実績馬も僅差の入線で、この辺りはあくまで展開の綾といったところだろう。

 

Lyon Parilly (FR) Souple (3.7)

〇 Prix Verdi 4500m (Replay)

Cross Country Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus, n'ayant pas reçu 12.000 en steeple-chases (victoires et places) depuis le 1er mars de l'année dernière inclus.

1. Brunch Royal J: Josef Bartos T: Josef Vana Jr

 Flash Tiepyが後続を引き離して逃げる展開も、勝負所から一気に進出したBrunch Royalが残り2障害地点で先頭に立ち、そのまま勝利した。Brunch Royalはチェコ調教馬で、これがフランスCross Countryは初めての挑戦となる。基本的にはイタリアで実績を残してきた馬で、現時点で8歳とやや年齢は重ねているが、イタリアでの実績はCross Country路線においてはやや抜けており、今後の動向には注目した方がいいだろう。前半の飛越面では若干微妙だったが、加速を掛けてからの飛越は比較的安定していた。

 

Nakayama / 中山 (JPN) Good to Firm

〇 ペガサスジャンプステークス OPN 3350m

1. マイネルレオーネ J: 平沢健治 T: 清水久詞

逃げてそのまま押し切りを図ったトラストだが、ゴール寸前で外から差し込んできたマイネルレオーネに交わされ2着に終わった。3月19日に「マイネル軍団」の総帥岡田繁幸氏の死去が報じられていたのだが、どういう巡り合わせか、氏に関連のある2頭のワンツーフィニッシュとなった。マイネルレオーネ自身はここまで福島や小倉といった比較的小型の障害を有する競馬場で実績があるのだが、初の中山に対応したことはこの馬にとってはプラスの材料だろう。障害はここまで22戦とかなり回数を使っており、どちらかというと元々低い飛越を見せるスピードタイプのような印象もあるのだが、年齢を重ねて障害馬としてレベルアップしていることを期待したい。トラストはこの馬のペースで運ぶも惜しい2着。3着には番手にいたマサハヤドリームが入った。上記の通り結果としてはなにか運命じみたものもあるのだが、レース内容としては勝ち馬はともかくここからグランドジャンプとなると若干微妙で、ほぼコーナーの通過順位そのままで入線しているというのはレースとしていかがなものだろうか。