にげうまメモ

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21/09/26 Weekly National Hunt / Jump Racing

*週刊障害競馬回顧 2021/09/20-2021/09/26

9/21(火)

Auteuil (FR) Tres Souple (4.1)

〇 Prix De Thonon

Steeplechase A Reclamer Pour tous poulains et pouliches de 4 ans, mis à réclamer au minimum pour 9.000, avec prix de réclamation supérieurs de 2.000 en 2.000. 3500m (Replay)

1. Vernon Subutex J: Alex Gautron T: Pierre Fertilet

2周目から先頭に立ったVernon Subutexがそのまま後続を大きく突き放して勝利した。Vernon SubutexはSteeplechaseはこれが初勝利となる。HaiesではCagnes-Sur-MerのListedに参戦した経歴はあるがあまり良いところはなく、Steeplechase初戦となったDieppeのHandicap競走でも4着に敗れていた。メンバー中で唯一抵抗したHermann Clermontや2着のHappy Joyは未勝利馬で、この馬自身も水壕での飛越にミスがあったりと内容としてはいまいちだが、とはいえここまで派手に着差が付いたレースということもあり、今後の動向に注意しておきたい。

 

Prix De Compiegne (G3)

Haies Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 3900m (Replay)

1. L'Autonomie J: Angelo Zuliani T: Francois Nicolle

途中から先頭に立ったL'AutonomieがそのままPolirico以下を抑えて勝利した。L'Autonomieはこれで今年に入っては4戦して無敗と、さらに連勝記録を伸ばすことになった。昨年まではAuteuilではどうにも斜飛する癖を見せたり、やや行きたがって走る気性をコントロールしきれなかったりと難しさを見せていたのだが、少しずつそれも解消されてきたようで、特に今年5月のGrande Course De Haies D'Auteuil (G1)では2着に30馬身差をつける圧倒的なパフォーマンスを見せていた。今回は3900メートルと距離が短縮され、全体的にゆったりとした流れで後続にぴったりとマークされたにもかかわらず、牝馬でトップハンデの70kgを背負いながら後続を千切るのだから、その実力は疑いようもないだろう。今年秋のフランスHaiesにおいてもどれだけのパフォーマンスを見せてくれるのか、今から楽しみで仕方がない。今年6月のPrix La Barka (G2)を勝ったPoliricoが2着。2019年の4歳Haiesではトップクラスの活躍を見せた馬で、その後はやや伸び悩むところもあったのだが、ようやくここにきてトップクラスに入っても力量上位であることを示した。3着のGalop Marinもこの馬のレースをしており、2番手以下のグループもなかなか層が充実しているようだ。

 

9/23(木)

Wanganui JC @ Wanganui (NZ) Heavy10

〇 Palamountains Nutrition Open Hurdle RST OPN HDL 3000m (Replay)

1. Candy Cross J: Toni Moki T: Gail Temperton

前半からBakelaが引っ張る展開も、最終障害でこれを捉えたCandy Crossが勝利した。Candy CrossはこれでHurdleは初勝利となる。Hurdleは2020年に2回ほどMaidenを使い、いずれでも良いところはなかったのだが、今回は63.5kgの軽量と展開利もあり結果を残した。メンバー的にここからどうこうということもなさそうだが、ひとまずこれまで様々な経緯のある女性騎手Toni Miki騎手とのコンビということで期待したい。積極的に引っ張ったBakelaが2着。人気のFantasy Flightはやや仕掛け遅れの印象のある3着に終わった。

 

〇 Pro Power Coating Open Steeple OPN STP 4100m (Replay)

1. Beau Geste J: Dean Parker T: Kevin Myers

最終周から先頭に立ったBeau Gesteがそのままリードを開くと、2着に38馬身をつける圧勝。Beau GesteはSteeplechaseは初勝利とした。前走はOPN HDLでRemarx以下を下しての勝利をあげているが、その前のGrand National Hurdles (PJR)ではThe Cossackから離れた4着に終わっていた。ひとまずHurdleではPJRクラスで比較的上位の実力は持っているようで、今回は難易度の低いWanganuiのSteeplechaseとはいえ、なかなか今後が楽しみになる勝ち方であった。人気のMandalayが2着で、この馬は前走のGrand National Steeplechase (PJR)でTallyho Twinkletoeの2着がある。やや不意打ちを食らわせたような形での2着で、実力通りの内容とは言い難いところもあるのだが、WanganuiのSteeplechaseとはいえこのMandalayを38馬身千切るのだから大したものだろう。

 

9/25(土)

Auteuil (FR) Tres Souple (3.9)

Haras D'Etreham - Prix De Chambly (G3)

Haies Pour pouliches de 3 ans. 3600m (Replay)

1. La Cheneviere J: Theo Chevillard T: Francois Nicolle

最終コーナーを回って、Auteuil競馬場としてはやや珍しく内目に進路を取ったMatilda Du Berlaisよりもさらに内を回ってきたLa CheneviereがLa Boetieを凌いで勝利した。Le CheneviereはHurdleはこれで2勝目とした。前走のPrix Pelat (Listed)ではWest End Girlから10馬身離れた3着に終わっていたのだが、今回は結果を残した。6月のHaras D'Etreham Prix Sagan (G3)の1、2着であるLa Boetie、Matilda Du Berlaisが2、3着だが、それぞれ69kg、68kgと、La Cheneviereの65kgに対して若干の斤量を背負っていたことを考えると、あまり上位3頭に差はないと考えた方がいいだろう。

 

Prix Robert Lejeune (G3)

Haies Pour poulains entiers et Hongres de 3 ans 3600m (Replay)

1. Sans Bruit J: Felix De Giles T: David Cottin

前半から引っ張ったSans Bruitがそのまま後続に12馬身をつける快勝。Sans BruitはこれでHaiesは3勝目とした。重賞競走は初めての参戦となるが、メンバー的にここまで3戦3勝のParadisoがいたりと決して弱かったわけではないことを考えると、今後が楽しみになる走りだろう。Ain't Got Wingsはさほど実績のない馬だが2着に入った。春にはPrix Aguado (G3)を含む3連勝を飾ったParadisoは案外な3着で、同様に重賞戦線で実績のあったImpressiveも大差の4着と、実績馬が振るわない結果となった。

 

Prix De Maisons-Laffitte (G3)

Haies Pour tous poulines et pouliches de 4 ans 3600m (Replay)

1. Hermes Baie J: Bertrand Lestrade T: Francois Nicolle

最終コーナーを内から抜けてきたHermes BaieがTheleme以下を抑えて勝利した。Hermes Baiehはこれで今年の3月から、Prix Alain Du Breil (G1)を含む4連勝とした。今回は秋初戦ということもありややゆったりとした流れであったように見えたが、内容的には完勝であり、Bertrand Lestrade騎手の進路取りが上手かったこともあるのだが、着差以上に力量差はあると考えた方がよいだろう。昨年10月のPrix Cambaceres (G1)の勝ち馬Thelemeが2着で、休み明けの分を考えると強敵相手によく食い下がったと言うべきか。ここを叩いて良くなってくることに期待したい。レース内容としてはこの2頭の力量が抜けていると考えた方がよさそうで、3着のJeu De Paume、Raffles Face以下はやや力差がありそうだ。

 

Merano (ITA) Tempo Bello - Terreno Morbido

Steeplechase D'Italia Euro 45.000 TRIO

per cavalli di 4 e 5 anni (Steeple-Chase -  GRUPPO II  - FANTINI) 3900m (Replay)

1. Peace Garden J: Pavel Slozil Jr T: Josef Vana Jr

前半から人気のGangster De Coddesが元気よく引っ張るも、Oxer Grandeでまさかの落馬。そのまま前に出たPeace GardenがHeros Des Mersを抑えて勝利した。Peace Gardenはここまでのこの路線でGangster De Coddesの後塵を拝していた馬で、前走のPiero E Franco Richard (G3)でもGangster De Coddesに対して3.5kgの恩恵がありながらも8馬身差の2着に終わっている。ひとまずGangster De Coddesに対して2番手という位置取りは示した結果だろう。フランスから参戦したHeros De Mersは全体的にMeranoのSteeplechaseへの対応に苦労しているような飛越で、最後までPeace Gardenに食らいつくも、さすがにあの飛越では最後苦しくなったようだ。

 

Premi Delle Nazioni Euro 40.000 TRIO

per cavalli di 5 anni ed oltre (Cross-Country -  GRUPPO II  - G.R.-AMAZZONI-FANTINI) 6000m (Replay)

1. Broughton J: Josef Bartos T: Josef Vana Jr

Crystal Cupの一環として行われる競走。チェコ調教馬としてAlmost Human、Broughtonの出走があったが、フランスからVol Noir De Kerser、Bolero De Kerser、Fenice San Marco、さらにFriendly Starの4頭を集めて行われた。例年フランスからは数頭の参戦があるのだが、ここまでフランス調教馬が多くを占めるのは珍しい。この路線におけるチェコ・イタリア調教馬の中ではもはやBroughtonの一強状態で、この極めて難易度の高いコース設定も踏まえると勝ち目がないと判断されたのかもしれない。

レースは前半からAlmost Humanが引っ張る展開。Oxer GrandeにてフランスのFriendly Starが早々に落馬。Almost Humanは元気よく引っ張るが、例の3連続障害のところで落馬。代わってBroughtonが先頭に立つと、追いかけてきたVol Noir De Kerserを最終障害前で振りきり、そのまま後続に大差をつけて圧勝した。

Broughtonはこれでこのレースは連覇、6月のGrande Steeplechase Di Roma (G3)で落馬に終わったことを除けば、これでMeranoのCross Countryは8連勝とした。確実で安定感のある飛越、スピードの持久力とトップスピードの高さにおいて、この路線では圧倒的な力量を誇っており、今回は珍しくフランス馬が相手ではあったが、長年この路線を走り続けているベテランの実力を見せた。11歳とかなり年齢は重ねているが、このような難易度の高いコースにおいては経験値こそ最大の武器であり、まだまだこの路線で頑張ってくれることを期待したい。フランスのベテランVol Noir De Kerserはこれが初めてのMeranoへの遠征であったが、安定した飛越で2着に頑張った。各地のCross Countryを転戦している歴戦の兵であり、今回はBroughtonが1枚上手ではあったものの、この馬もまたヨーロッパCross Countryにおける一線級の馬として活躍が期待されるだろう。今年はWaregemのSteeplechaseにも参戦しているが、どちらかというとスピードよりもこのような技術の活きるコースの方がこの馬向きであるようにも思う。フランスGranvilleで3連勝を上げてきたBolero De Kerserが3着。Granvilleでのレースが示す通り、フランスCross Countryでは上位の力量を持った馬だが、今回は初のMeranoでのCross Countryにやや苦労したかもしれない。もう一頭のチェコ調教馬Almost Humanは3連続障害の地点で落馬に終わったが、そこまではそれなりのペースを作ってレースを引っ張っていた。どうしてもあの3連続障害は難易度が高く、特に最後の障害でミスをすることが多いのだが、この馬の存在がこのレースの価値を大きく引き上げた感もあり、やはりこのようなペースで引っ張る馬の存在というのは重要である。

 

Gran Corsa Siepi Di Merano Euro 60.000 TRIO

per cavalli di 5 anni ed oltre (Siepi -  GRUPPO I  - FANTINI) 4000m (Replay)

1. Live Your Life J: Raffaele Romano T: Raffaele Romano

イタリアSiepiとしては最高峰の競争となる。レースは前半からSky Constellationがやや制御を欠きつつ引っ張る展開。途中で外側に斜飛し、そのままコーナーで大外まで膨れていったSky Constellationはそのまま途中棄権するも、代わって先頭に立ったLive Your LifeがZanini、Skins Rock以下を振り切り勝利した。

Live Your Lifeはこれで今年は6月のGran Corsa Siepi D'Italia (G1)に引き続いてのG1勝利とした。同レースでは途中から積極的に前に出ていくことで厳しいペースを作り、そのまま後続を振り切るという強い競馬で、今回は同厩舎のSky Constellationが制御を欠いて前に行ったのを冷静に見つつ、このSky Constellationが脱落してからは強気に前に出ていき、6月と同様のレースを作り出すことに成功していた。まさにRaffaele Romano騎手がSky ConstellationとLive Your Lifeの性質を知り尽くした上で、冷静かつ大胆なレース運びをやってのけた結果といったところだろう。6月に続いてのイタリア調教馬の勝利ということで、地元にとっても嬉しい結果となった。2着のZaniniはどうやら前走からSiepiに戻しているようで、Steeplechaseでも2019年のGrande Steeplechase D'Europa (G1)の3着があったりとそれなりにやれるのだが、Siepiでもトップクラスで戦えることを示した。Live Your LifeのRaffaele Romanoが技ありのレースを見せる中、唯一最後まで抵抗したのはこの馬のみであり、展開次第ではSiepiにおいて大仕事をやってのけるポテンシャルを秘めている。

2020年のGran Corsa Siepi Di Milano (G1)の勝ち馬Skins Rockが3着。同レース自体どうにもメンバー的には微妙だったこともあり、いまいち軽視されやすい傾向にあるのだが、2021年のGran Corsa Siepi D'Italia (G1)は2着など、地味に好走を続けているようだ。前哨戦を勝って一躍有力馬として挑んできたPrince D'Orageは4着で、3着のSkins Rockと異なりペースが上がった際について行くことが出来なかった。展開次第ではなんとかなりそうな感もあるのだが、今回の展開では勝ち馬とは差があるということだろう。フランスのManon Des Sourcesはペースについていけず5着。Chemineeは前半から強引に押さえつけて馬群に入れていたのだが、そのままついていけなくなり落馬に終わった。どうにも行きたがって走る気性もあって制御に苦労しているようで、途中から制御を欠いたSky Constellationと同様の問題が生じているように思う。

 

Warszawa (POL) elastyczny(3,4)

Wielka Służewiecka

Gonitwa płotowa międzynarodowa dla 4-letnich i starszych koni. 3800m (Replay)

1. Noble Eagle J: Rostislav Benš T: Janusz Kozłowski

レースとしては元々2015年までWarszawa競馬場でポーランドHurdle競走の主要競走として実施されていたもので、これが約6年ぶりの開催となる。そもそもWarszawa競馬場にHurdle競走が戻ってきたのは2015年以来のことで、このレースは非常に記念すべきレースと言ってもいいだろう。賞金額としては当時よりも少ないのだが、ひとまずWarszawa競馬場にも障害競馬が復活したことが喜ばしいことである。

レースはGreen Rocksが淡々と引っ張るも、好位から抜け出したNoble Eagleが後続に16馬身差をつけて快勝した。Noble Eagle自身はこれでWroclawのHurdle戦から連勝とした。Hurdleでは7月のWarszawaで悲しみの落馬に終わった以外は3戦無敗と強い競馬を見せている馬で、前走は案外Wroclawが苦労はしたものの、やはりWarszawaの広いコースでのびのびと走らせた方がこの馬の良さを発揮できるようだ。この路線のAzamourdayが2着。Spider Szumawa、Bailandoといい、この路線ではよく見かけるものの若干一線級と比べると力落ちの感のあるメンバーであったが、それでもこれだけ着差をつけて勝てるのだからやはり大したものである。

 

9/26(日)

Merano (ITA) Tempo Coperto - Terreno Morbido

Gran Criterium D'Autunno Euro 66.000 TRIO

per cavalli di 3 anni (Siepi -  GRUPPO I  - FANTINI) 3300m (Replay)

1. Isatis De L'Ecu J: Luigi Maceli T: Grzegorz Wroblewski

前半からフランスのIceo Madrikが前に行くも、やや制御を欠いて走行。コーナーでIceo Madrikが外に膨らんだ辺りからIstatis De L'ecuが前に出ると、追いかけてきたOcean Life、Tkliwy Nihilistaとの叩き合いを制して勝利した。

チェコのGrzegorz Wroblewski調教師の2頭が上位を独占する結果となった。Isatis De L'EcuはこれでCondizionataから2連勝。7月のDiscendenteでは落馬に終わっているが、それを除けばMaidenから3連勝とした。全体的に制御を欠いたIceo Madrikが前にいたものの、これを冷静に捌くLuigi Maceli騎手のレース運びのうまさが目立ったという印象で、上位はあまり差はないだろう。前哨戦のEttore Tagliabue (G3)を勝ってきたポーランド産馬Ocean Lifeが2着。レース中は勝ち馬の一枚後ろにいたレース運びで、内容的には殆ど差はなさそうだ。フランスのTkliwy Nihilistaが3着。フランス調教馬だがどうやらチェコ産馬で、Rutanの産駒というのがなんとも味わい深いところである。

 

Corsa Siepi Dei 4 Anni Euro 66.000 TRIO

per cavalli di 4 anni (Siepi -  GRUPPO I  - FANTINI) 3500m (Replay)

1. Spes Militurf J: Kilian Dubourg T: Lageneste & Macaire

前半からイタリアのLucechericamaが引っ張るも、これを悠然と好位で追いかけたSpes Militurfが残り2障害辺りから抜け出すと、そのまま追いかけてきたHenri Le Farceurに5馬身差をつけて快勝した。

フランス調教馬が上位を独占する結果となった。Spes Militurfはこれでフランスも合わせると5戦5勝。どうやらフランスの4戦もいずれも圧勝を続けており、ここでも前評判の高さを示す結果となった。内容的にも明らかにここでは一枚上の馬といった印象で、名門厩舎の所属なだけにAuteuilの重賞競走を使っていないことがやや気になるのだが、いずれにせよ楽しみな馬だろう。Henri Le Farceurはやや進路取りに苦労する場面はあったが、最後追い上げて2着まで来た。フランスではHandicap競走への出走歴を含め、比較的経験豊富な馬で、Prix General De Saint-Didier (G3)で4着の実績もあるようだ。この馬をモノサシにすれば、Spes MiliturfがAuteuilのListedクラスで通用してもおかしくはないのだが。チェコ・イタリア調教馬はこの路線の総大将であるRoncalが取り消したということもあり、上位とはやや離れたレースに終わった。

 

Gran Premio Merano Alto Adige Euro 250.000 TRIO

per cavalli di 4 anni ed oltre (Steeple-Chase -  GRUPPO I  - FANTINI) 5000m (Replay)

1. L'Estran J: Josef Bartos T: Josef Vana Jr

イタリアSteeplechaseとしては最高峰の競争である。前評判としては、3連覇を狙うL'Estranが人気の中心になっていた。それ以外にも、この路線では随一の安定感を誇るNotti Magiche、昨年から力をつけてきたNortherly Wind、ベテランIl Superstite、Al Bustan、さらにフランスからFan D'Apple's、Embrun D'Oudairies、Calotinの3頭の参戦があり、イタリアSteeplechase最高峰の競争として相応しいメンバーが勢揃いした。

スタート前から難しさを見せていたイタリアのCircle Centuriaが早々にリタイアした以外、前半は特にアクシデントなくレースは進行。チェコのIl Superstiteがややハイペースで引っ張り、これを好位でNotti Magiche、L'Estranが追いかける。Oxer GrandeにてフランスのFan D'Apple's、さらにチェコのKapjahrが落馬。途中から行きっぷりが悪くなったIl Superstiteに代わってNotti Magicheがペースを緩めずに引っ張るも、残り3障害辺りからL'Estranが満を持して抜け出しを図る。これにフランスのEmbrun D'Oudariesが唯一ついて行くも、これを抑えてL'Estranが勝利した。3着以下は大きく遅れた。

L'Estranはこれでこのレース3連覇とした。明らかに騎手のミスでコースアウトしたLe Costaudがいた2019年は、Le Costaudの暴走気味のペースに付いて行く馬は誰もいなかっただけに棚ぼた感もあったのだが、2020年はこのLe Costaudのペースにしっかりついて行き、追いかけてきたNortherly Windを抑えきる強い競馬を見せた。今年前半の2戦はいずれも落馬に終わったものの、前走のListedでは貫禄の勝利、そしてここでも前半からIl Superstite、そしてNotti Magicheが緩めず引っ張るところ、最後まで脚を伸ばし切っての勝利と、まさに盤石のレース運びであった。3連覇という数字も素晴らしいが、その内容もまた素晴らしかったことは特筆すべき内容だろう。

フランスのEmbrun D'Oudairiesは唯一L'Estranに食らいついての2着。フランスではLyon ParillyのGrand Steeplechase De Lyon (Listed)で2着に入ったのが目立つ程度の馬だが、ここでは安定した飛越で2着に入った。MeranoのSteeplechaseはフランスの重賞クラスの馬であれば実力的には通用する可能性がある一方で、やはり適性面での障壁というのも大きいのだろう。MilanoにてGrande Steeplechase Di Milano (G1)を2020年、2021年と連覇したNortherly Windが3着だが、やはり完全に脚が上がっていたあたり、このレースになるとL'Estranに対してかなり分が悪いような感もある。同レースでNortherly Windと鎬を削っていたNotti Magicheもやはりこの馬にとっては若干のオーバーペースであったのだろう。MeranoのSteeplechaseにおける安定感は素晴らしいものがあり、今年で11歳とかなり年齢は重ねているが、展開次第ではもう少しやれそうだ。

フランスのCalotinは勝負に加われず5着。ベテランAl Bustanもいつも通りのこの馬のレースをしたのだが、さすがにここまで隊列が長くなってはどうしようもない感がある。2019年にGrande Steeplechase Di Milano (G1)の2着のあるIl Superstiteはさすがに近年は力落ちが目立っているが、とりあえずラビットとしての役割は果たした。イタリア調教馬再先着を果たしたのが7着のMenschで、実績的にはここでどうこうというのは明らかに厳しく、レースとしても後方遥か離れての入線であったが、とりあえず完走したことは褒めるべきだろう。

 

Bratislava (SLO) 4.1 (dobrá / Good)

Prútenky šampiónov spoločnosti DANFOSS

Proutky - - 3800 m, cena, 4letí a starší 5.000 EUR (Replay)

1. Option Be J: ž. Petr Tůma T: Tůma Petr

最終周から先頭に立ったOption BeがそのままMeny Bayを突き放して勝利した。Option Beはチェコ調教馬で、スロバキアではこれが初勝利となる。ここまでイタリアやポーランドを主に転戦しており、あまり大舞台での勝ち星はなかったのだが、今回はこの馬にとっては大きな勲章になった。ベテランのMeny Bayは後方から押し上げるも2着まで。最後は勝ち馬と脚色が同じになってしまった感があり、やはり11歳と言う年齢を考えると、かつてMeranoのSiepiで活躍した頃とはかなり力落ちがあるように思う。牝馬ということも考えるとそろそろ次世代の活躍を見てみたい気もするのだが、どうだろうか。

 

Veľká starohájska steeplechase spoločnosti BRUDA

Steeplechase - - 4500 m, cena, 5letí a starší 6.000 EUR (Replay)

1. Fort Ryan J: ž. Jaroslav Myška T: Brečka Jaroslav

前半から積極的に引っ張ったMr ZuruとFort Ryanの一騎打ちの様相になるも、残り2障害辺りから一杯になったMr Zuruを振り切ったFort Ryanが大差をつけて勝利した。Fort Ryan自身はスイスのDielsforfにて、現在スイスSteeplechaseで無敵を誇るBaraka De Thaixの2着に入った馬で、その後のPardubiceのCross Countryではうまくはいかなかったようだが、前走からスロバキアに戻っていた。内容的にはややMr Zuruが一杯になったため着差は付いたのだが、やはりスロバキアSteeplechaseにおいては力量上位といったところで、7歳と若い馬だけあってスロバキア国内に留まらない活躍を期待したい。前走PardubiceのCross Countryにて好走したMr Zuruが2着。Veľká topoľčianska steeplechaseの勝ち馬Kerabushもいたのだが、今回はさっぱり走らず途中棄権に終わった。

 

その他

Racing: Covid-19 restrictions thwart send-off for Ellerslie's famous steeplechase hill (nzherald)

新型コロナウイルス感染症の影響で、10月3日に予定されていたGreat Northern MeetingはEllerslie競馬場ではなくTe Aroha競馬場で行われることになった。Ellerslie競馬場の有名なEllerslie Hillは今年中で売却されることが決定しており、今年が最後のEllerslie Hillを使用するGreat Northern Steeplechaseの予定であったのだが、残念ながら不本意な形でその歴史を終えることになった。Ellerslie競馬場にはStrathAyr Trackが新設されるようだが、そのコースを使用する障害競走は実施されない予定である。