にげうまメモ

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21/10/24 Weekly National Hunt / Jump racing

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*週刊障害競馬回顧 2021/10/18-2021/10/24

10/18(月)

Compiegne (FR) Collant (4.2)

〇 Prix Vatelys (Listed)

Steeplechase Pour tous poulains et pouliches de 3 ans 3450m (Replay)

1. Gibralfaro J: Geoffrey-Gilles Vibert T: Francois Nicolle

直線で馬群を抜けてきたGibralfaroがIamastar以下を抑えて勝利した。Gibralfaro自身はSteeplechaseは初勝利となる。HaiesではClairefontaineのHandicap勝ちがあるのが目立った実績で、重賞クラスへの参戦歴はなさそうだ。後方からじわじわ押し上げていくのがこの馬のスタイルのようで、少なくとも直線だけで勝負を決めた瞬発力は注意した方がいいだろう。前走Meranoに参戦したチェコ生産馬Tkliwy Nihilistaは残り2障害手前で先頭に立つレースを見せたが、最後はやや遅れて4着に終わった。全体的に緩いレースになったため瞬間的なスプリント能力の面では後れを取ったが、現時点での障害馬としての完成度はなかなか高そうで、飛越に細かいミスはあったがどこまでやれるか楽しみにしたい。

 

〇 Prix Roger Saint (Listed)

Steeplechase Pour tous poulains et pouliches de 4 ans, n'ayant pas, cette année, en steeple-chase, reçu une allocation de 40.000. 3800m (Replay)

1. Starlet Du Mesnil J: Bertrand Lestrade T: Francois Nicolle

中団からじわじわ押し上げてきたStarlet Du MesnilがPlacenet以下を5馬身ほど突き放して勝利した。Starlet Du MesnilはこれでSteeplechaseは2戦2勝とした。今年の5月にはPrix Alain Du Breil (G1)にも参戦した素質馬で、勝ったHermes Baieからはかなり突き放されたものの、とりあえず頑張って2着集団には食らいついていたようで、能力的には世代上位のものが期待される。細かいミスはあったが許容範囲といったところで、内容的に経験の浅い馬が多く緩い展開であったとはいえ、再度Auteuilの重賞戦線で期待したい。

 

10/21(木)

Auteuil (FR) Tres Souple (4.1)

Haras D'Etreham - Prix Magne (G3)

Haies Pour pouliches de 3 ans 3600m (Replay)

1. Hawai Du Berlais J: Pierre Dubourg T: Arnaud Chaille-Chaille

淡々とMatilda Du Berlaisが逃げるも、最終コーナーを回ってLa Cheneviereが先頭に。しかしこれを追いかけてきたHawai Du BerlaisがLa Cheneviereとの叩き合いを制して勝利した。

Hawai Du BerlaisはこれでListedから2連勝、Haiesは2戦して無敗とした。殆どの馬が終盤脚が上がる程の重馬場にも関わらず、最後までスプリントを掛けるパワーのあるストライドが印象的で、Martaline産駒の長所である力強く高い航行能力を持ち合わせた馬のように思える。飛越も2戦目ながらミスもなく、高い飛越センスを感じさせた。前走のPrix De Chambly (G3)を勝ってきたLa Cheneviereが2着で、1kgの斤量負担があったことを考えるとそう悪い敗戦ではないだろう。そのPrix De Chambly (G3)の3着馬Matilda Du BerlaisはFelix De Giles騎手の見事なペース配分で進めたが、最後は完全に脚が上がって脱落。上位2頭と比べるとやや差があるように感じる。

 

10/23(土)

Pardubice (CZE) 3.4 (dobrá / Good)

〇 Cena města Pardubic

Steeplechase crosscountry II.kat. - 4200 m, cena, 5letí a starší 120.000 Kč (Replay)

1. Night Moon J: ž. Jan Faltejsek T: Tůma Pavel

レースはゆったりとPlayerが逃げるも、途中からPopinjayが先頭に代わりそのまま逃げ込みを図る。しかしこれを追いかけてきたNight Moonが直線でこれを捉えると、そのまま4馬身差をつけて快勝した。

Night Moonは2019年のGran Criterium D'Autunno (G1)の勝ち馬で、2020年はあまり順調に使えなかったものの、2021年2月のGran Corsa Siepi Nazionale (G1)ではフランスのEdinsonと僅差の2着に入っている。イタリアSiepiであればこの世代トップクラスの馬だが、今年からはCross Countryに参戦しているようだ。これでCross Country自体は2戦2勝レースとしてはPlayerがかなりゆったりとしたペースで引っ張ったこともあって全体的にのんびりとしたものだが、それでも逃げ粘るPopinjayをあっさりと捉える辺り、スピード能力という点ではここでは抜けているようだ。今年は結局Cross Countryにて2戦しか消化できず、来年は順調に使えることを期待したい。Kaiserwalzer、PlayerといったVelka Pardubickaで早々に落馬に終わった組はいずれも勝負に加われず。Christianoは騎手が馬の後ろで我慢させる競馬を憶えさせており、最後はスプリント能力の差で最下位に終わったが、今回は完全に勝負気配がないレース運びであったことを踏まえると、来年以降距離延長して期待したい。

 

10/24(日)

Aintree (UK) Good

Old Roan Limited Handicap Chase (G2) 2m3f200y (Replay)

1. Allmankind J: Harry Skelton T: Dan Skelton

終始先頭で進めたAllmankindが追いかけてきたItchy Feet以下を抑えて勝利した。Allmankindは昨シーズンのHenry VIII Novices' Chase (G1)の勝ち馬で、これが今シーズンのChase初戦となる。4歳Hurdle路線から活躍して将来を期待されている馬だが、昨シーズンのArkle Challenge Trophy (G1)ではShishkinに水を空けられての敗戦で、今シーズンは仕切り直しのシーズンといったところだろう。昨シーズン終了後にWind Surgeryを行っており、その効果が出ていると良いのだが。少なくとも20f戦に対応したこと自体は収穫だが、Aintreeのスピードが活きる舞台ということも考えると、もう少し様子を見た方がいいかもしれない。Itchy Feetはじりじり伸びて2着だが、Allmankindと7lb差があったことを考えると、ここは勝ち切りたかったという印象もある。