にげうまメモ

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21/11/28 Weekly National Hunt / Jump racing

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*週刊障害競馬回顧 2021/11/22-2021/11/28

11/26(金)

Newbury (UK) Good to Soft (Good in places)

Ladbrokew Committed to Safer Gambling Novices' Chase (G2) 2m3f187y (Replay)

1. Nassalam J: Jamie Moore T: Gary Moore

軽快に逃げたPic D'Orhyが残り4障害で落馬。代わって先頭に出たMillers Bankも残り2障害で落馬すると、残ったNassalamがそのまま勝利した。

NassalamはこれでChaseは2戦2勝とした。AscotのNovice Chaseでは4歳時にAdonis Juvenile Hurdle (G2)で良い勝ち方をしたSoloを下しているが、今回のパフォーマンスはやや低調であった。この馬自身HurdleではFontwellの下級条件戦で派手な勝ち方をして話題を集めたものの、重賞クラスでは全体的にメンバーが手薄であったCoral Finale Juvenile Hurdle (G1)でAdagioの2着がある程度である。やや行きたがって走るところは相変わらずで、レース運びを見る限り今回は他馬の落馬に助けられた面が大きいだろう。昨年に続き2シーズン目のChaseとなるPic D'Orhyはもったいない落馬。フランスではPrix Cambaceres (G1)の2着もあるのだが、イギリスではBetfair Hurdle (G3)勝ち程度でいまいち結果を残せていない。

 

Long Distance Hurdle (G2) 3m52y (Replay)

1. Thomas Darby J: Sean Bowen T: Olly Murphy

まさかのPaisley Parkが逃げる展開も、これにぴったりとOn The Blind Sideがついて行く。さらに最終障害手前でThomas Darbyが接近すると、そこから抜け出したThomas DarbyがOn The Blind Sideを突き放して勝利した。

Thomas Darbyは2020年のHolloway's Handicap Hurdle (G3)以来の勝利とした。なにかと崩れず安定して走っている馬だが、基本的には瞬間的な加速力の面では若干見劣るところがあり、旦は勝負所で置かれていたりと反応が悪いようなところもあった。今後G1路線を進むとしてもその展開には注意した方がいいだろう。On The Blind Sideは安定したレース運びで2着。昨シーズン後半はどうにも息切れしていたようなところもあるのだが、休養がいい方向に出たものと考えたい。Paisley Parkはこの馬のレースはしているのだが、最後は遅れて3着。逃げたことでレースはしやすくなったようだが、やはりもう少し馬場は渋った方がよさそうだ。

 

11/27(土)

Newbury (UK) Good to Soft (Good in places)

John Francome Novices' Chase (G2) 2m7f86y (Replay)

1. Ahoy Senor J: Derek Fox T: Miss Lucinda Russell

アイルランドのMr Incredibleが人気を集めていたが、勝ったのは逃げたAhoy Senor。Ahoy Senor自身は今年のDoom Bar Sefton Novices' Hurdle (G1)をMaiden勝ちのみの身ながら勝った馬で、Chaseはこれが2戦目であった。いきなりChase初戦でColin Parker Memorial Intermediate Chase (Listed)にぶつけてくる辺り、いまいち陣営の考えていることが謎なのだが、今回はNoviceクラスに戻って結果を残した。全体的に飛越の怪しい馬が多く、この馬自身も飛越にミスは散見されるのだが、着差の付きやすいこの時期の24f戦とはいえMr Incredible以下に31馬身をつけたパフォーマンスは無視できるものではないだろう。アイルランドNaasでBeginners Chaseを勝ってきたばかりのMr Incredibleが2着。Hurdleではクラス2で11st7lbを背負って勝利した実績のあるFlash Collongesもいたことを考えると、決してレベルの低い競走ではないだろう。

 

Ladbrokes Trophy (G3) 3m1f214y (Replay)


 1. Cloudy Glen J: Charlie Deutsch T: Miss Venetia Williams

伝統あるNewburyのハンデキャップ競走。Brahama Bull、Eklat De Rireといったアイルランド勢が比較的重い斤量を背負っていた。レースは前半からCloth Capが軽快に引っ張る展開も、残り5障害辺りからCloudy Glen、Remasteredが接近。残り4障害でRemasteredが落馬すると、抜け出したCloudy Glenが唯一ついてきたFiddlerontheroofを凌いで勝利した。3着以下は大きく離れたが、アイルランドのBrahma Bullが入ったようだ。

遡ればこのレースはDenman、Bobs Worth、Many Clouds、Smad Place、Native River等の名馬を輩出しているのだが、ここ数年はやや全体的に24fのG3競走の趣が強くなり、今年もG1クラスで活躍した馬の出走はなかった。とはいえ昨年の勝ち馬Cloth Capが前半から緩めずに引っ張ったことで、価値のあるG3競走らしいタフな消耗戦が展開された。勝ったCloudy GlenはここまでHeavyのSouthern National (C3)勝ちがある程度の馬で、昨年はCheltenhamのFulke Walwyn Kim Muir Challenge Cup (C2)でMount Idaの2着がある。馬場は不問で走る馬のようなのだが、どうやらノドの持病があったらしく、今年の夏にWind Surgeryを行っているようだ。ここまでどうにも好走と凡走を繰り返すタイプだったようだが、これでパフォーマンスが安定してくることを期待したい。斤量的には10st8lbとかなり恵まれており、ここからG1路線で同行ということはなさそうだが、おそらく昨年と同じくWelsh Grand National (G3)等のハンデ戦を使うことになるだろう。Trevor HemmingsはMany Cloudsなどの所有馬で知られるイギリスの一大馬主だが、つい先日亡くなったとのことで、馬主Trevor Hemmingsに捧げる勝利となった。

2020年のTolworth Novices' Hurdle (G1)の勝ち馬Fiddlerontheroofが2着に入った。この馬自身昨シーズンはChaseを使うもExeterの下級条件戦勝ちのみに留まっていた。ここまでNational Hunt Flatも入れると、2着が9回、3着が2回と異様なまでに惜敗が多い馬で、今回もご多分に漏れず惜敗に終わった。全体的にピッチ走法からストライドを伸ばす格好でスパートを行う馬だが、どうにも瞬間的な加速力の面で見劣ることが多いようで、かえってこのような持続的なペースで流れるハンデキャップ競走に適性があるような印象がある。少なくとも11st4lbを背負っていたことを考えるとこちらを上に取るべきだろう。

アイルランドでPalmerstown House Pat Taaffe Handicap Chase (Grade B)勝ちのあるBrahma Bullは大きく遅れた3着。じわじわと走り続けての浮上なだけにスピードの持続性能の部分ではいいものがありそうだが、トップスピードの点では微妙かもしれない。残り4障害でRemasteredは頭から落っこちる格好で派手に落馬しているが、幸い馬は無事だったらしい。今シーズンはNovice上りとなる馬で、2月にはReynoldstown Novices' Chase (G2)を勝っている。改めて期待したい。アイルランドWexfordでM.W. Hickey Memorial Chase (Listed)を勝ってきたEklat De RireはRachael Blackmore騎乗で期待されてたが、おそらく途中でトラブルがあったようで途中棄権。幸い特に大きなトラブルには至らなかったらしい。

 

Newcastle (UK) Good to Soft (Soft in places)

Fighting Fifth Hurdle (G1) 2m46y (Replay)


 1. Not So Sleepy J: Jonathan Burke T: Hughie Morrison

1. Epatante J: Aidan Coleman T: Nicky Henderson

レースは前半から単勝200倍のVoix Du Reveが引っ張る展開も、残り4障害辺りからNot So Sleepyが前に出る。これにSilver Streak、さらにScaeu Royalが接近すると、残り2障害、最終障害をミスしたNot So Sleepyに代わって外からEpatanteが前に出る。しかしさらにNot So Sleepyが抵抗し、結果的に1着はEpatanteとNot So Sleepyの同着となった。Sceau Royalが3着。

最近のイギリス障害競馬の重賞競走における1着同着というと、2015年のLadbroke Handicap Hurdle (G3)のJolly's Cracked ItとSternrubinだろうか。とりあえずwikiにはこういうページがあるので参照されたい。Not So Sleepyは全体的に飛越が怪しく、勝負所では連続して飛越をミスしている。一方のEpatanteは直線狭いところに入ったことで、Not So Sleepyを避けて外に持ち出すロスが発生している。そういうわけで2頭とも決してスムーズなレースではなかったところには注意すべきだろう。Not So SleepyはここまでAscotのBetfair Exchange Trophy (G3)連覇がある馬で、基本的にはG1クラスでは足りない印象の馬だったのだが、今回は結果を残した。一方のEpatanteはどうやら夏場に背中の手術を行ったらしく、昨シーズンはすっかりHoneysuckleの前に霞んでしまったのだが、とりあえずシーズン初戦としては結果を残した。ただしトップスピードの高さはあるのだが、本来使える脚はあまり長いものではなく、飛越をあれだけミスしたNot So Sleepyに詰め寄られたというのは若干不安の残る内容ではある。

今シーズンはWincantonのElite Hurdle (G2)を勝って好調のSceau Royalが3着。上位2頭と比べるとレース運びに大きなロスはなく、やはりこのクラスでも力量上位ではあるのだが、勝ち切るまでとなると微妙な感もある。Silver Streakは飛越にミスもあり、勝負所から脱落して4着。昨シーズン4戦4勝でDoom Bar Anniversary 4-Y-O Hurdle (G1)を勝ったMonmiralは良いところなく5着で、やはりJuvenile Hurdleから一気のステップアップは厳しいのだろう。遡れば2019年のRyanair Gold Cup Novice Chase (G1)の勝ち馬であるVoix Du Reveは昨年に続いてのこのレースへの参戦であったが、一度馬群に飲み込まれると抵抗できず失速し、大敗に終わった。どうにも乗り難しいところが残っているようで、おそらく今後も大敗と好走を繰り返すことになるだろう。

 

Treviso (ITA) Tempo Coperto - Terreno Pesante

〇 Amedeo Duca D'Aosta Euro 15.000 TRIO

per cavalli di 4 anni ed oltre (Cross-Country -  CONDIZIONATA  - G.R.-UFFICIALI-AMAZZONI-FANTINI) 4750m (Replay)

1. Brunch Royal J: Pavel Slozil T: Josef Vana

Power Zarが先頭を伺うも、途中からややSilver Tangoがハナに立ってレースを引っ張る。しかし途中から一気にSaint Josephが動くと、連れてPower Zar、Brunch Royalも進出。ここから抜けてきたBrunch Royalが後続を突き放すと、2着のSaint Josephに7馬身差をつけて勝利した。

TrevisoのCross Countryはあまり馴染みがないのだが、途中でSteeplechaseで使用するコースを長く使用する点は特徴的であり、また2連続障害を含む生垣障害を多用している。生垣障害の中にはMerano競馬場で使用されるものを彷彿させるような大型のものも存在しており、純粋なCross CountryというよりはWroclawのSteeplechaseや、Merano競馬場のSteeplechaseのような要素も含まれているだろう。Brunch Royalはここでは貫禄の勝利を見せた。今年はWroclawのSteeplechaseで結果を残してきた馬で、ここに使ってきた意図は不明だが、来年以降のレース選択に注目したいところ。どちらかというとゆったりとした小回りのコースで機動力を生かすタイプのように見えるが、どうだろうか。惜しかったのは最終障害で落馬したWhite Woodで、これがTrevisoのCross Countryは2戦目であった。元々はフランスで走っていた馬で、この辺りのCross Countryに慣れてくればもう少しやれるだろう。Power Zarはこの路線ではもはやベテランで、安定したレースで3着。さすがに往年の勢いはなさそうだが、まだこの路線を賑わせるだけの能力は残っている。イタリアのSilver Tangoはやや道中動きが悪いところがあり、そろそろズブさが出てきているようだ。

 

11/28(日)

Fairyhouse (IRE) Good

Bar One Racing Price Boost Juvenile Hurdle (G3) 2m (Replay)

1. Fil Dor J: Davy Russell T: Gordon Elliott

後方から進めたFil DorがLunar Powerとの叩き合いを制して勝利した。Fil DorはDoctor Dinoの産駒で、これでHurdleは2戦2勝とした。フランスではRoyanにて一度走ったきりで、France Galopによると牡馬とのことだが、すでに去勢されている。比較的平地競争での経験の長いLunar Powerが2着に入った。Oasis Dream産駒のPowerの産駒はあまりまだ障害競走では馴染みがなく、せいぜいクラス2のHurdle勝ちのあるOur Powerが挙げられる程度だが、どこまでやれるだろうか。

 

Royal Bond Novice Hurdle (G1) 2m (Replay)

1. Statuaire J: Danny Mullins T: Willie Mullins

Arctic Warriorが逃げるも、My Mate Mozzie、Impervious辺りが接近するとあっさり脱落。ここからMy Mate Mozzieが抜け出すも、馬群を割って伸びてきたStatuaireがゴール直前でMy Mate Mozzieを捉えて勝利した。

Statuaireは今年に入ってからHurdleは3戦3勝とした。フランスではListedクラスで2着のある素質馬で、アイルランド移籍後から頭角を現している。どうにもレース振りを見ると、前が壁になってなかなか動きにくいところもあったのだが、それでも最後前が空いてからは鋭い伸び脚を見せており、展開次第ではもう少し着差が付いた可能性もある。前走NavanにてFor Auction Novice Hurdle (G3)を勝ったMy Mate Mozzieは堂々とした立ち回りの2着で、同じような位置にいた馬がほぼ総じて失速していることを考えると、これは価値のある2着と考えてよいだろう。StatuaireやMighty Potterの好走が後半までスパートを我慢したことによるものという見方も出来るのだが、この辺りは今後のパフォーマンスを見ながら判断したい。もったいなかったのがMighty Potterで、外を回して伸びてくることを試みているのだが、どうにも終始内に差さり、結果的に前が壁になって走りにくくなっているように見えた。

 

Drinmore Novice Chase (G1) 2m3f175y (Replay)

1. Beacon Edge J: Dennis O'Regan T: Noel Meade

Gabynakoがゆるゆると逃げるも、これに勝負どころからFury Roadが接近。そのままFury Roadが前に出るかと思いきや、ここからGabynakoが抵抗。しかし後ろに遅れていたはずのBeacon Edgeが復活してくると、ゴール直前でGabynakoらを差し切って勝利した。

Beacon EdgeはHurdleではNoyne Hurdle (G2)勝ちのある馬で、当時の2着はFury Roadということで、Fury Roadとは因縁の相手である。Chaseはこれで2戦目での初勝利だが、どうにも反応が悪く、おそらくまだChaseの飛越に慣れていないものと考えられる。とりあえずこれを使って飛越に慣れてくれることを期待したい。逃げたGabynakoはこれがChaseは3戦目で、前走でFury Roadを下してきた馬だが、全体的によく完走したといったくらいの飛越で、何度か大きなミスがあった。Fury Roadは上位勢の中では比較的スムーズな競馬をするも、最後脱落しての3着で、この上位2頭にはまたしてもやられた格好となってしまった。

 

Hatton's Grace Hurdle (G1) 2m4f (Replay)


1. Honeysuckle J: Rachael Blackmore T: Henry de Bromhead

レースは例によってStormy Irelandが後続を引き離して逃げる展開。これをRonald Pump、さらにHoneysuckleが追いかける。Stormy Irelandのリードは徐々に無くなり、残り3障害辺りで脱落。ここから抜け出してきたHoneysuckleがRonald Pumpを突き放して勝利した。

Honeysuckleはこれで13戦無敗とした。また、これでG1は9勝目、G1だけで8連勝と連勝街道を突き進んでおり、今回も後続を全く相手にせずの勝利であった。飛越の正確さ、航行能力の高さ、抜け出す速度の速さといった点において歴代の名牝の中でもトップクラスのものを持っており、今シーズンもその活躍を続けてくれることを期待したい。昨年2着のRonald Pumpはまたしても2着で、この馬自身この馬のやることはやっているのだが、さすがにHoneysuckleのスピードが高すぎた。おそらく24fの方がよさそうな印象で、条件さえ合えばどこかでチャンスはあるだろう。昨年のAintree Hurdle (G1)の勝ち馬Abacadabrasは離れた3着で、本来16fのスピードではHoneysuckleには太刀打ちできない馬だけに、20fとなって条件が上向いたことが期待されたのだが、ここまでStormy Irelandが16f仕様のレースを作ってはどうしようもない。2020年のNathaniel Lacy & Partners Solicitors '50,000 Cheltenham Bonus For Stable Staff' Novice Hurdle (G1)の勝ち馬で、春のIrish Grand National (Grade A)で11st10lbを背負いながら4着に入ったLatest Exhibitionもいたのだが、残念ながら残り2障害手前で故障を発生、助からなかったそうだ。

 

Auteuil (FR) Lourd (4.6)

Prix Andre Michel (G3)

Haies Pour juments de 4 ans et au-dessus, n'ayant pas, cette année, en courses à obstacles, reçu une allocation de 100.000. (Replay)

1. Raffles Sainte J: Gaetan Masure T: Francois Nicolle

残り2障害辺りから先頭に立ったRaffles Sainteがそのまま押し切り勝利した。Raffles Sainteは重賞は初勝利とした。ここまでPrix Christian De Tredern (G3)にてBelle Promesseの2着といった実績はあるのだが、G1路線と言うよりはむしろ裏街道的なレース選択を続けていたようだ。内容的には完勝といったところだが、メンバー的にそこまで揃っていなかったことを考えると、やや見た目通りには評価できないかもしれない。前走Prix Calabrais (Listed)で2着に入った上り馬Kolina Hasが2着。やはり上り馬で、前走Prix Bernard Secly (Listed)を勝ったドイツ産馬Madame Moonieが僅差の3着に入った。ここまで重賞2勝の実績があるSeductionが70kgのトップハンデであったが、勝負所から脱落、途中棄権に終わった。どうにもここ4走程は大きく負けており、馬の状態面で宜しくないのかもしれない。

 

Prix Olry Roederer (G2)

Haies Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 4300m (Replay)

1. Gex J: James Reveley T: Emmanuel Clayeux

Galop Marinの参戦で話題になっていたのだが、第1障害で早々に落馬。Polirico、Corazonesなどがゆったりと引っ張るが、最終コーナー手前で前に出たGexがPollexfenとの叩き合いを制して勝利した。

GexはGrande Course De Haies De Primtemps (G3)に次ぐ重賞2勝目とした。Grande Course De Haies D'Auteuil (G1)でもいちおうGalop Marinに対して先着する3着には入っており、元々このクラスでは実力上位と考えてよさそうだ。10月のPrix Carmarthern (G3)では途中棄権に終わっており、その後のG1には使わなかったようだが、出走していれば入着くらいはあったかもしれない。ただし前走はSteeplechaseを試していたようで、来年以降どこを使うかはよくわからない。前走Prix Court Schomberg (Listed)を勝ったPollexfenが惜しい2着で、Johnny Charron騎手が上手く乗ったとはいえ、春のGrande Course De Haies De Primtemps (G3)当時よりは力をつけている感がある。春にはPrix La Barka (G2)を勝っている実績馬Poliricoは終始飛越が安定せず、勝ち馬から大きく離れた最下位に終わった。

 

Prix Georges Courtois (G2)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 4400m (Replay)

1. Srelighonn J: Theo Chevillard T: Francois Nicolle

Saint Xavier、Roi Mage辺りが前に行くも、途中からDream Wishが先頭に。しかし2周目のRail Ditch and Fenceの辺りからSrelighonnが先頭に立つと、そこから後続を突き放し、終わってみればGloriceに18馬身差をつける圧勝とした。

Srelighonnは遡れば4歳時にPrix Ferdinand Dufaure (G1)を勝った馬なのだが、そこからはどうにもいまいちで、今年の9月に復帰するもPrix Haye Jousselin (G1)も落馬に終わっていた。長期の休養もあったりとなかなか順調には行かない馬だが、まともに走ればこれくらいはやれるといったパフォーマンスで、来年は9歳とかなり年齢を重ねることにはなるのだが、来年こそはこの馬らしい走りを見ることが出来ることに期待したい。Gloriceはここまであまり実績のない馬だが、後方から押し上げて2着に来た。同じく5歳のPacha Senamも同じようなレース運びで、この辺りはあまり差がないだろう。5歳馬の中ではPrix Congress (G2)勝ちなど最も実績のあるDream Wishは4着だが、Srelighonnに真っ向勝負を挑んだ結果失速したというレース振りで、さすがに今回は相手が悪かったと考えてよいだろう。更なるステップアップを期待したい。

 

Prix Morgex (G3)

Steeplechase Pour tous poulains et pouliches de 4 ans 3500m (Replay)

1. La Danza J: Romain Julliot T: Mlle Daniela Mele

前半からややHistoire D'En Rireがスピードに任せて引っ張るも、Gros Open Ditchにて落馬。代わって前に出たNiko Hasが残り2障害で落馬すると、代わって前に出たLa DanzaがSel Jemを凌いで勝利した。

前半からHistoire D'En Rireが飛ばした結果、スタンド前を過ぎてからじわじわと減速し、そこから十分な再加速が掛からないままゴールまで到達するというレースになっている。La Danzaは今年の2月にPauのPrix Antoine De Palaminy (Listed)勝ちがある馬だが、Auteuilの重賞戦線ではPrix Fleuret (G3)のQueen Du Berlais相手の3着が最高で、G1路線には乗らなかったようだ。おそらく走法を鑑みると不良馬場でのバテ合いに強いというタイプで、今回はAuteuil開催とはやや珍しいくらいの不良馬場になったことが味方したと考えてよいだろう。Prix Maurice Gillois (G1)で2着に入ったSel Jemはじわじわと差を詰めての2着だが、相手関係を考えれば勝ち切りたかったといったところだろう。

 

その他

SA Jumps Racing (@JumpsSA)

オーストラリア障害競馬関連のfacebook上で話題になっているのだが、Oakbank Racing Clubのメンバーシップへの参加及び更新を拒否されている人が多数存在しているようだ。Oakbank Racing Comitteeが2022年の伝統あるGreat Eastern Steeplechaseを始めとする障害競馬開催を廃止したことに関しては関係者や競馬ファンから多くの非難が集まっており、それに対するOakbank側の対応はもはや誠実とは言い難く、もはや醜悪な様相を呈している。いずれにせよ、Great Eastern Steeplechaseを失ったOakbank開催はもはや衰退の一途を辿るのみである。

OAKBANK MEMBERSHIP APPLICATIONS REJECTED – WHY? (RSN.net)

上記の内容に関する報道。ここにはOakbankのメンバーシップの更新を拒否された著名人も具体的に記載されている。