*週刊障害競馬回顧 2022/03/14-2022/03/20
Cheltenham Festival関連の回顧は膨大になるので別記事として記載する。
3/15(火)
Cheltenham (UK) Good to Soft
〇 22/03/15 National Hunt Racing - Cheltenham Festival - (にげうまメモ)
3/16(水)
Cheltenham (UK) Soft
〇 22/03/16 National Hunt Racing - Cheltenham Festival - (にげうまメモ)
3/17(木)
Cheltenham (UK) Soft
〇 22/03/17 National Hunt Racing - Cheltenham Festival - (にげうまメモ)
3/18(金)
Cheltenham (UK) Good to Soft (Soft in places)
〇 22/03/18 National Hunt Racing - Cheltenham Festival - (にげうまメモ)
3/19(土)
Uttoxeter (UK) Soft
〇 Midlands Grand National (Listed) 4m2f8y (Replay)
1. Screaming Colours J: Conor Orr T: William Durkan
Uttoxeterの名物競走。どうやらCheltenhamからは電車で2~3時間程で行けるようなので、Cheltenham Festivalの翌日に訪れてみるのもありかもしれない。レースはYala Enkiが元気に逃げる展開も、最終周からTruckers Lodge、Hewick、さらにEl Paso Woodなどが先頭に立つ。しかし残り3障害辺りから抜け出したEl Paso Woodに接近したScreaming Coloursが最終障害で抜け出すと、2着に10馬身差をつけて勝利した。
Cheltenhamでも絶好調だったアイルランド勢がここも勝利することになった。Screaming Coloursは昨年の4着馬で、前走はCork Grand National (Grade B)でBraesideの2着に入っていた。11歳馬だがここまでChaseは12戦とあまり出走歴は多くはなく、かなり大切に使われているようでまだまだ活躍を続けてくれそうだ。重馬場の超長距離戦が得意そうな馬ということもあり、今回は条件も向いたようだ。道中ははるか後方に居たYoung Devが2着に入り、この馬に取っては久々のChaseであったが結果を残した。昨年の勝ち馬Time To Get Upは好位から進めるも3着まで。一昨年の勝ち馬Truckers Lodgeも積極策で見せ場を作ったが、最後は遅れて6着に終わった。
Thurles (IRE) Good
〇 Pierce Molony Memorial Novice Chase (G3) 2m2f (Replay)
1. French Dynamite J: Darragh O'Keeffe T: Willie Mullins
French DynamiteとCiel De Neighとの叩き合いはFrench Dynamiteに軍配が上がった。French DynamiteはこれでChaseは2勝目とした。Hurdleでも重賞戦線で入着のあった馬で、Champion Stayers Hurdle (G1)でのKlassical Dreamの4着もある。Chaseでは前走Ladbrokes Novice Chase (G1)に挑んでいたが、Galopin Des Champsの前にさっぱり歯が立たずに大敗に終わっていた。飛越に慣れてきたのであれば距離を伸ばしてもう少し頑張ってくれる可能性もありそうだが、少なくとも一線級相手では厳しいのだろう、というのはこのレース選択を見てもわかる通りである。Noviceの平場戦を3連勝して挑んできたCiel De Neigeが2着で、斤量差を考えればこちらを上に取るべきだろう。
Hanshin / 阪神 (JPN) Sloppy
〇 障害4歳以上未勝利 2970m (Result)
4. ブルベアぺスカ J: 小牧加矢太 T: 谷繁
元々は馬術競技の選手で、2020年全日本障害飛越選手権等の優勝歴を誇り、2022年2月に障害専門騎手としてJRA騎手免許試験に合格した小牧加矢太騎手のデビュー戦として注目が集まっていた。小牧騎手の騎乗したブルベアぺスカは前半から積極的に好位に取りついて行くも、直線で突き放されて4着に終わった。やはり元々は馬術競技の選手ということもあり、とにかく美しい飛越技術はここでも明らかに異色の存在であり、特にスピードを殺さずに完歩を合わせる技術は他の騎手にはないものであった。これは欧州の障害騎手では広く見られるものだが、やはり障害競馬に慣れるという意味でも、週に障害競走がほんの数レースしか行われない日本ではなく、イギリスかフランス辺りで見てみたいところである。長期の滞在でも計画してくれないものだろうか。
3/20(日)
Auteuil (FR) Tres Souple (4.0)
〇 Prix Troytown (G3)
Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 4400m (Replay)
1. Sel Jem J: Johnny Charron T: Lageneste & Macaire
10歳となったPoly Grandchampが引っ張るも、Gros Open Ditchでやや躊躇してDream Wishが先頭に。残り1000メートル地点からPoly Grandchampが再度先頭に立つも、するすると内を立ち回って出てきたSel JemがEddy De Balme以下を抑えて勝利した。
Sel Jemは今年で5歳となる馬で、昨年のPrix Maurice Fillois (G1)ではLet Me Loveの2着に入っている。今回は全体的に試走といった雰囲気も強いレースであり、斤量的なアドバンテージも大きかったのだが、いきなりの経験馬相手に見せ場を作った。重賞戦線ではいつも良いところに追いこんでくるEddy De Balmeが2着で、最後の伸び脚は目立っていたのだがもう少し道中で位置取りを上げられないものだろうか。昨年のPrix La Haye Jousselin (G1)で波乱を演出したPoly Grandchampは3着で、今年の初戦としては十分な内容だろう。
〇 Prix D'Indy (G3)
Haies Pour tous poulains et pouliches de 4 ans. 3600m (Replay)
1. Kyrov J: Gwen Richard T: Francois Nicolle
Bathyscapheがゆったりと逃げるも、好位から追いかけたKyrovが最終障害手前で抜け出すと、そのままHawai Du Berlais以下を退けて勝利した。Kyrovは昨年のPrix Cambaceres (G1)の勝ち馬で、これでHaiesは7戦6勝とした。全体的にどうにも飛越に危なっかしいところは残っているのだが、とはいえ69kgを背負ってこれだけのレースを見せるのだから大したものである。ここまでHaras D'Etreham (G2)を含む3戦3勝で挑んできたHawai Du Berlaisは勝ち馬から突き放されての2着。飛越の完成度としてはこちらの方が上で、重馬場もこなせそうなタイプだっただけに、やや現時点では勝ち馬とは差がついてしまった結果となった。
Milano (ITA) Tempo Bello - Terreno Buono
〇 Celeste Citterio Euro 15.000 TRIO
per cavalli di 5 anni ed oltre (Siepi - CONDIZIONATA - FANTINI) 3600m (Replay)
1. Skins Rock J: Lukas Matusky T: Zdenek Semenka
Capivariが飛ばす展開も好位にいたMauriciusが途中から先頭に。しかしこれについて行ったSkins Rockがゴール前でこれを捉えて勝利した。
Skins Rockは2020年のGran Corsa Siepi Di Milano (G1)の勝ち馬で、昨年の段階でもイタリアSiepiのG1戦線においては堅実な走りを見せていた。やや上記MilanoのG1は手薄なメンバーで、若干ここまでは格下のような扱いを受けていたのだが、その評価を払しょくする走りを見せた。Gran Corsa Siepi Nazionale (G1)を勝ってきた葦毛のMauriciusが惜しい2着だが、71kgという斤量を考えれば実質こちらを上に取るべきだろう。昨年のGran Corsa Siepi Di Merano (G1)を勝ったイタリアのLive Your Lifeは後方から足を伸ばしての3着で、今シーズンの始動戦と考えればこれで十分だと思われる。ベテランのCapivariは自身のレースをしての4着で、10歳となった今年もこの馬なりに元気なようだ。
その他
〇 Rachael Blackmore: A Grand Year (ITV)
Rachael Blackmoreのドキュメンタリー番組。3月14日に放送された60分間の番組で、あと約20日程は視聴可能なようだ。
〇 Découvrez Saumur : l'hippodrome du mois avec la FNCH (France Sire)
Trophée National du Crossの舞台にも含まれるフランスSaumur競馬場のStéphanie Daburonのインタビュー。
〇 CHOVATELSKÁ ROČENKA ANGLICKÉHO PLNOKREVNÍKA (Jockey Club ČR)
チェコ種牡馬に関する公式データが上記のリンクからダウンロードできるようだ。
チェコJosef Vana Jr.厩舎の管理馬の現状に関する記事。イタリア障害競馬においては多数の有力馬を管理する中心的な厩舎であり、有力馬の動向を抑えておく意味でも一読の価値がある。Gran Premio Merano (G1)4連覇を目指すL'Estranにも言及されているが、残念ながら昨年のレースの後にトラブルがあり、やや始動が遅れているようだ。
〇 Free Riding Club конно-спортивный клуб, Киев (Facebook)
キエフの乗馬教室のfacebookページを発見したので。飼育している馬の状況を含め、色々と情報発信してくれているようだ。
〇 First live broadcast of Boodles Cheltenham Gold Cup on national TV in USA hailed as a “resounding success” (Past the Wire)
米国ではCheltenham Gold Cupが初めて全国放送され、その素晴らしい開催も相まって大成功を収めたと絶賛されているそうだ。アメリカでの障害競馬のメディアへの露出もこれを機に増えてくれると良いのだが。