にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

22/06/19 Weekly National Hunt / Jump racing

6/16(木)

Wroclaw (POL) płotowy - lekko elastyczny (2.6); przeszkodowy - lekko elastyczny (2.7); 

〇 Nagroda 20000 zł

Gonitwa pod patronatem Polskiego Klubu Wyścigów Konnych Międzynarodowa gonitwa z przeszkodami dla 5-letnich i starszych koni. 3400m (Replay)

1. Reki J: Marcel Novák T: Hana Kabelková

前半からReki、King Heartなどが前に行き隊列はかなり長くなる。そのまま前に行ったRekiがMinister Wojnyを抑えて勝利した。

Rekiは2019年のCrystal Cup以来の勝利とした。昨年はPardubiceのCross Countryを使うもあまりうまくいかなかったようで、結局はWroclawのSteeplechaseに戻している。昨年でもこの路線では実力上位のところを見せており、ここでも安定した走りを見せてくれた。10歳となった今年になってもその走りは期待できるだろう。面白いのが昨年力をつけてきた5歳馬Minister Wojnyで、Nagroda TiumenaはHaad Rin以下に大敗していたのだが、今回は今年に期待が持てる結果を残した。前々で積極的に運んだKing Heartは3着に入り、やはり元々MeranoのSiepiのG1クラスでも好勝負していた馬だけに、持っている能力自体はここでも上位である。

 

6/17(金)

Market Rasen (UK) Good

〇 Mares' Handicap Hurdle (C5) 2m125y (Replay)

2. Ince J: Conor Brace T: Fergal O'Brien

珍しいオーストリア産馬Inceが出走しており、前々で運んだが最後はWhatcoloristhewindに競り負け2着に終わった。Ince自身はHurdleはこれで6戦目となる。Maiden、Noviceを戦った昨年の時点ではあまりうまくいかなかったようだが、今年の夏は調子を上げているようだ。血統的には一度ニュージーランドで繋養されるも、その後フランス、ドイツと渡り歩いているReliable Manの産駒で、母馬はアメリカ血統と、あまりオーストリアっぽくはなさそうだ。

 

6/18(土)

Merano (ITA) Tempo Bello - Terreno Buono

Criterium Di Primavera Euro 50,050

per cavalli di 4 anni (Siepi -  GRUPPO II  - FANTINI) 3500m (Replay)

1. Machinos J: Charlotte Prichard T: Semenka Zdenek

前々で進めたMachinosがIsatis De L'ecuとの叩き合いを制して勝利した。Machinosはこれでイタリア障害デビュー後は4戦4勝とした。その中にはMilanoでのCorsa Siepi Dei 4 Anni (G2)での勝利も含まれており、文句なしに現4歳世代の中ではトップクラスの一頭である。いちおうSlovenské derbyにも挑戦した能力馬で、これからが楽しみな馬である。フランスの女性騎手Charlotte Prichardは最近上り調子の若手騎手のようで、ここでも結果を残した。この日はMerano、Pardubice、さらにスウェーデンのSvenskt Grand Nationalと多数の障害開催が重なっていたのだが、このようにフランスからもハイレベルな騎手が来てくれるとレースの質としても面白くなる。Isatis De L'ecuはまたもやMachinosに後塵を拝す結果となった。元々はイギリスの出身で、アメリカで結果を残しているThomas Garner騎手もこの日はMeranoに遠征しており、ここではChes Demonmirailに騎乗して挑んだが、勝ち馬からは大きく離れた3着に終わった。

 

Gran Corsa Siepi D'Italia Euro 60,000 TRIO

per cavalli di 5 anni ed oltre (Siepi -  GRUPPO I  - FANTINI) 4000m (Replay)

1. Skins Rock J: Charlotte Prichard T: Semenka Zdenek

Piton Des Neigesが引っ張る展開も、Live Your Life、Skins Rockなどがついて行く。中盤で人気のMauriciusが落馬。その直後からLive Your Lifeが前に出て逃げ込みを図るも、残り2障害地点で落馬。代わって前に出たSkins RockがPiton Des Neigesを抑えて勝利した。

Skins Rockは2020年のGran Corsa Siepi Di Milano (G1)以来となるG1制覇とした。どうにも惜敗が多い馬でいつも過小評価されがちなのだが、とはいえ常にこのクラスで上位争いをしている実力は侮って良いものではなく、全体的に人気馬が落馬したことで恵まれた感はあるのだが、とはいえ残ったメンバーに対しては明らかに実力差を見せつける勝利であった。Charlotte Prichard騎手はこの日の重賞で結果を残し、是非またこのMeranoに来て欲しいところである。Piton Des Neiges、LaldannはいずれもSkins Rockよりも人気になっていたようだが、いずれもSkins Rockとは差のある敗戦。Mauricius、Live Your Lifeはいずれも勿体ない落馬に終わった。

 

Pardubice (CZE) 3.4 (dobrá / Good)

〇 Cena společnosti Explosia a.s.

Steeplechase crosscountry II.kat. - 5200 m, cena, 5letí a starší 120.000 Kč (Replay)

1. Night Moon J: ž. Jan Faltejsek T: Pavel Tůma

Well Absolutがある程度積極的に引っ張る展開も、これを好位で追いかけたNight Moonが逃げ粘るWell Absolutを抑えて勝利した。Night MoonはこれでPardubiceのCross Countryは4戦無敗とした。イタリアでGran Criterium D'Autunno (G1)を勝った実力馬だが、2021年以降はこちらに参戦しており、ここまで圧倒的な能力を見せている。今回は初の5200メートルであったが全く問題はなく、Well Absolutがこの距離にしては早いペースで引っ張ったのをあっさり突き抜けたのだから大したものである。まだ6歳と若い馬で、今後のレース選択は不明だが、次世代のチャンピオン候補として大いに期待してよさそうだ。Well Absolutは遡れば3000メートルクラスで勝っていた馬で、これが初の5000メートルであったがかなり良いペースで引っ張って結果を残した。Night Moonから5馬身差というのは誇ってよい結果であり、この馬も6歳と若い馬であることを考えると、このレースの上位2頭は大いに期待できそうだ。

 

Zlatý pohár Pardubického závodiště

Steeplechase NL - 3900 m, cena, 5letí a starší 300.000 Kč (Replay)

1. Aztek J: ž. Marek Stromský T: Tomáš Váňa

レースとしてはチェコSteeplechaseとして主要なものである。レースは元々アイルランドにいたPerry Owensが積極的に引っ張るも、これを好位で追いかけたAztekがPerry Owensとの叩き合いを制して勝利した。Aztekはもはやこの路線では長く走っている馬で、11歳となった今年も前走のWroclawのHurdle戦で勝利するなど元気いっぱいである。さすがにGran Corsa Siepi Di Merano (G1)を勝った2018年当時の力はないようだが、それにしてもこの馬のタフネスには恐れ入るばかりである。昨年はこのあとドイツBad Harzburgに向かったようで、おそらく同じような路線になるのではないだろうか。アイルランドではLiam Healy Memorial Hurdle (Grade B)にて3着のあるPerry Owensはこれがチェコ障害デビュー戦であったが、いきなり見せ場を作った。まだ5歳と若い馬で、この馬の動向には注意した方がいいだろう。人気のDominiqueはどうにも勝負所をで位置を下げ、最後は盛り返してきたが3着に終わった。

 

〇 Cena společnosti Tipsport - ČERVNOVÁ CROSS COUNTRY Válečníka

Steeplechase crosscountry I.kat. - 3300 m, cena, 5letí a starší 150.000 Kč (Replay)

1. Mediciman J: ž. Lukáš Matuský T: Radek Holčák

軽快に逃げたMedicimanがLianel、Chelmsfordの追い上げを凌いで勝利した。Medicimanはこの路線ではもはや常連となった馬だが、上位カテゴリーでの勝利はこれが初めてとなった。今回はかなり積極的に運んでレースを作りに行ったようだが、どうにもこのカテゴリーには同じようなレース運びを得意とする馬が多いだけに、今後も同じようなレースが出来るかは不明だろう。3連勝で挑んできたLianelが惜しい2着で、この日Pardubiceに参戦していたフランスのLudovic Solignac騎手のチェコでの初勝利はお預けとなった。人気のChelmsfordは後方から追い上げての3着で、本来この馬としてはより距離があった方が良いのだろう。3000メートルクラスのレースに対応したという収穫はあったのではないだろうか。

 

Cena města Pardubic – II. kvalifikace na 132. Velkou pardubickou se Slavia pojišťovnou – Memoriál Mjr. M. Svobody

Steeplechase crosscountry NL - 5800 m, cena, 5letí a starší 400.000 Kč (Replay)

1. Talent J: ž. Marcel Novák T: Hana Kabelková

Velka Pardubickaに向けたQualification Raceだが、今回はTalent、Theophilosといった実績馬に加え、Dajuka、Sacamiro、さらにNortherly Windといった能力馬も集まり、6頭立てとはいえなかなか濃いメンバーとなった。レースは人気薄のBeau Rochelaisが出てくるが、さすがにこれを制してTalentがハナに。終盤の障害手前でNortherly Windが逃避した以外はレースは淡々と進み、一頭早々に脱落したBeau Rochelaisを除いてTalent、Sacamiro、Dajuka、Theophilosの4頭のレースは、逃げたTalentがSacamiroを抑えて勝利した。

本番に色気を持った馬が多数集まるQualification Raceとしてはありがちなのだが、どうにも全体的に慎重なレースとなった。Talentは昨年のVelka Pardubickaの勝ち馬で、どうにも全体的に本番までぱっとしなかった昨年とは異なり、やはりひとまず今シーズン初戦でいきなり結果を出したことは喜ぶべきだろう。Sacamiroは昨年のCena Labe (Stcc L)では4着と敗れていた馬だが、とりあえず進境を見せる2着とした。Dajukaは昨年辺りから4000メートルクラスに距離を延長していた馬で、今回は5000メートルクラスに目途をつける結果を残した。12歳のTheophilosも僅差の4着と格好をつけた。ただし、レースとしてはかなり慎重なもので、明らかに格下でレースに参加していなかったBeau Rochelaisはともかくとして、上位勢の着差にどこまで信用が出来るのかはよくわからない。もったいなかったのはNortherly Windで、全体的に順調に運んでいたのだが障害手前で無念の直前逃避に終わった。Cross Country2戦目でいきなりここにぶつけてくる辺り、何かしらの意図はありそうなのだが、既に10歳とかなり年齢を重ねていることを考えると、あまり残されたチャンスは多くはないかもしれない。

 

Strömsholm (SWE) Steeplechase mjuk, Häckbana mjuk

Svenskt Champion Hurdle 160.000 kr 3700 hä (Replay)

1. Monsieur Vic J: Christopher Roberts T: Sigyn Dysell 

Svenskt Grand National Dayだが、この日はどうやらスウェーデン国王も参加していたそうだ*1。レースはMr SuarezやEarly Voiceが前に出ようとするも、これを制してチェコのLocomotiveがハナに。そのままLocomotiveはSea Moonsterなどを振り切って逃げ込みを図るも、最終障害を越えて出てきたMonsieur Vicが後続を突き放して勝利した。

Monsieur VicはこれでスウェーデンのHurdleは3戦3勝とした。前走はBro ParkのSwartlings Memorialにて後続に1秒差をつけて勝利しており、名実ともにスウェーデンのChampion Hurdlerといったところだろう。フランス産馬だがスウェーデンノルウェーの平地競馬を使ってきた馬である。管理するSigyn Dysell調教師もスウェーデンÅkersbergaに拠点を置く調教師ということで、ひとまず地元のメンツは保ったようだ。チェコのLocomotiveは積極的に運んでの2着で、MeranoのSiepiにて勝ち星はあるものの、それ以外では特段目立った成績は残していない。まだ4歳と若い馬だが、どうにも惜敗が多くSteeplechaseで期待したいところである。最近はBro ParkのSteeplechaseで結果を残していたEarly Voiceは意図的なのかはわからないのだがこちらに参戦するも3着まで。昨年のOrmus Memorialの勝ち馬Mr Suarezは4着に終わった。ドイツからはFeuerblumeが参戦していたが、どうにもいいところなく最下位に終わった。

 

Svenskt Grand National 230.000 kr 4500 st (Replay)

1. Her Him J: Henrik Engblom T: Ivana Porkatova

チェコからHer Him、ドイツからWutzelmannを迎えて行われた一戦。ドイツのWutzelmannが軽快に逃げるも、おそらくコーナーで躓いたかで落馬。さらにこれに躓いたMutadaffeqも落馬。代わってThree Is Companyが先頭に立って逃げ込みを図るも、これを捉えてHer Himが勝利した。

折角の国王陛下のご来場ということもあって地元馬に頑張って欲しかったのだが、残念ながら人気どころがまるっと落馬するというレースになってしまった。Her Himはチェコではなくポーランドで結果を残している馬で、昨年はWroclawska Trialの勝利がある。おそらく今後もWroclawに戻るものと思われ、今年初戦のNagroda Otwarcia Sezonu PrzeszkodowegoではHaad Rinとは好勝負を演じているだけに期待したいところである。惜しかったのが地元のThree Is Companyで、どうやら管理する調教師は馬アレルギーで、47歳のときに最初の馬を購入したそうだ*2。Three Is Company自身、実績的にはここではややいまいちであまり人気もなかったのだが、調教師の期待に応える走りを見せてくれた。おそらくこのような生垣障害の方がいいものと思われるが、スウェーデンにはそのような競馬場はあまり多くはないことが残念である。スウェーデン調教馬の中では筆頭格のMutadaffeqは勿体ない落馬。ドイツの英雄Wutzelmannも勿体ない落馬で、年齢的にもあまりチャンスは多く残っていないだけに残念な結果となってしまった。ドイツの障害競馬の開催状況を考えると、このWutzelmannはもしかすると最後のドイツ障害最強馬になる可能性もあり、その動向には注意しておきたい。

 

Waikato RC @ Te Rapa (NZ) Heavy10

Fairview Motors Waikato Hurdle OPN HDL (PJR) 3200m (Replay)

1. Dr Hank J: Shaun Phelan T: Harvey Wilson

例によってEnglish Gamblerが後続に大きなリードを取って逃げる展開。遅れてRaucous、さらに遅れて後続が追走。しかし最終コーナーからDr Hankが上がってくると、逃げ粘るEnglish Gamblerを抑えて勝利した。3着にはFantasy Flightが上がった。

Dr Hankはこれが今シーズンの始動戦となる。昨年はGreat Northern Hurdle (PJR)で2着のある実績馬で、PJRは初勝利となった。The Cossackがもはやトップハンデの73.5kg固定の状況において、おそらくそれに対抗する筆頭格になるのだが、とはいえ昨年の段階で5kgの恩恵を貰ってぶっちぎられているのだから力量的には本来やや差があるのだろう。条件次第でどこまで迫れるかといったところか。English Gamblerは例によって大逃げしての2着で、さすがに勝った馬とはやや差がありそうなのだが、この馬自身例によってロスの多い競馬をしているのは事実で、もう少しまともなレースが出来ればもう少しやれてもおかしくはない。Fantasy Flightは途中で大きなミスがあったが立て直して3着。Chief Sequoyahは流石に最後方近い場所にいてはどうしようもない。

 

〇 Ken And Roger Browne Memorial Steeplechase MDN STP 3900m (Replay)

1. The Cossack J: Shaun Phelan T: Paul Nelson & Corrina McDougal

後方からゆるゆると上がってきたThe Cossackがそのまま完勝。The Cossackは言うまでもなく現時点のニュージーランドHurdle路線における最強馬で、ここのところはトップハンデを背負ってPJRクラスをぶっちぎるレースを続けており、もはや最高斤量の73.5kgを背負わされるのがデフォルト状態になっている。これがSteeplechase初戦であったが、全体的にばたばたした展開の中、ゆったりと構えて安定した飛越を繰り出していたことは大きな収穫だろう。おそらく今後はHurdleに戻るものと思われるが、どうやらオーストラリア遠征も視野に入れているようで、その動向には注目したい。

 

Signature Homes Waikato Steeplechase OPN STP (PJR) 3900m (Replay)

1. Argyll J: Shaun Phelan T: Paul Nelson & Corrina McDougal

Flyingwithoutwingsがゆるゆると逃げるも、どうにも飛越が安定せず。好位から進めたArgyllがAlbaron以下を退けて勝利した。Argyll自身はこれでSteeplechaseは2勝目となる。昨年9月の段階ではNo Tip以下にだいぶ離されての敗戦だったのだが、今年はRST OPN STPでLocharburnの2着に入ってのここであった。全体的に実績馬が凡走に終わったりとメンバー的には若干微妙なのだが、ひとまず勢いのある上り馬ということで期待したい。2020年にMDN STPを勝ったAlbaronは昨年1年間はどうやら休養していたようなのだが、久しぶりのSTPにも関わらず頑張った。まだSTPは2戦目と経験が浅く、これから面白い存在になりそうだ。実績どころとして、Shamalは後方から足を伸ばすも前には迫れず4着。Magic Wonderも後方から進めたが、どうにも行きっぷりが悪く途中棄権に終わった。

 

6/19(日)

Merano (ITA) Tempo Bello - Terreno Buono

Grande Steeplechase Di Roma - Memorial Mario Argenton Euro 30,000 TRIO

per cavalli di 5 anni ed oltre (Cross-Country -  GRUPPO III  - G.R.-AMAZZONI-FANTINI) 5000m (Replay)

1. Santa Klara J: Jan Faltejsek T: Josef Vana Jr

イタリアCross Countryとしては上半期における主要競走となる。前半からAlmost Humanが引っ張る展開も、例の3連続障害の地点でKing Artur、White Woodの2頭が落馬。そのままAlmost Humanが引っ張るも、さらに空馬にぶつかったBroughtonが落馬。途中からSilver Tangoが先頭に代わるもコーナーで滑って転倒すると、そのまま前に出たSanta KlaraがAlmost Humanを振り切って勝利した。

Santa KlaraはMeranoのCross Countryはほとんど経験のない馬だが、いきなり結果を残した。MilanoのCross Countryでは結果を残しているのだが、とはいえいきなりこの難易度の高いコースを攻略するのだから大したものだろう。全体的に実績馬にトラブルがあったのは残念だが、まだ7歳と若い馬が頑張ったことは今後に向けて明るい材料である。Almost Humanは積極的に運んだが、最終障害をミスしてそのまま騎手が諦めていたようだ。この路線では最強を誇るBroughtonや、この路線の常連Silver Tangoはいずれも残念なレースとなってしまった。

 

Premio Ezio Vanoni Euro 40,000 TRIO

per cavalli di 4 e 5 anni (Steeple-Chase -  GRUPPO II  - FANTINI) 3800m (Replay)

1. Roncal J: Jan Faltesek T: Pavel Tuma

人気を背負っていたRoncalを制してイタリアのLucechericamaが引っ張るも、勝負所から出てきたRoncalがPalm Springsを振り切って勝利した。Roncal自身は今年4月のBratislavaから3連勝とした。昨年のCorsa Siepi Dei 4 Anni (G1)では中心になると思いきやここを回避しており、今年はSteeplechaseに切り替えていたようだ。全体的にどうにも飛越のリズムが悪いところがあり、勝負所ではLucechericamaに前に出られたりとあまり順調なレースではなかったのだが、ひとまず力の違いを見せる内容であった。フランスで結果を残していたPalm Springsは前走に引き続きRoncalの2着。内容的にはやや力差がありそうだ。イタリアのLucechericamaは積極的に運んだが、最後は力尽きて3着に終わった。

 

Grande Steeplechase D'Europa Euro 65,000 TRIO

per cavalli di 5 anni ed oltre (Steeple-Chase -  GRUPPO I  - FANTINI) 4600m (Replay)

1. Notti Magiche J: Jan Faltejsek T: Josef Vana Jr

レースとしてはイタリアSteeplechaseの春の総決算となる。4連覇を狙うNotti Magicheを中心に、フランスで結果を残してきたGangster De Coddes、上り馬のPeace GardenのScuderia Aichnerの3頭、さらにフランスのEden Contiが人気になっていた。地元からはFahawro、Bilbo D'Assaultの2頭が出走していた。

返し馬で騎手が落馬していたEden Contiがしばらく放馬していたが無事に捕まり、つつがなく出走までこぎつける。レースはGangster De Coddesが積極的に引っ張り、これにEden Contiがぴったりとついて行く。はるか後方にNotti Magiche。Gangster De Coddesは途中で落馬しEden Contiの単騎逃げの格好になるが、じわじわとNotti Magicheが接近。終盤に前に出たNotti MagicheがEden Contiを振り切って勝利した。はるか後方の3着にPeace Garden。さらにはるか彼方に遅れてFahawroも完走したようだ。

Gangster De Coddesは前走Nancyで勝っていた馬で、昨年はPremio Ezio Vanoni (G2)、Piero E Franco Richard (G3)等を勝利している。全体的にフランスでも通用した馬らしくスピードを生かした安定した飛越を武器に、今回もかなりのペースで引っ張っていたのだが、残念ながら途中で落馬に終わった。Eden ContiもさすがにAuteuilでも頑張っていた馬のようで、Gangster De Coddesのペースに付いて行くことができていた。あのペースに付いて行って最後までNotti Magicheを追い詰めているのだが、やはり能力的には上なのだろう。

Notti Magicheはこのレースは4連覇とした。スタート直後は前に行く構えも見せているのだが、基本的にJan Faltejsek騎手はこの馬のリズムで走らせることに終始しており、半ば暴走気味に引っ張ったGangster De Coddesらを追いかけることがなかったのはこの馬にとって最大の勝因であった。今年で12歳になる馬だが、ここまでのキャリアで積み重ねてきたMeranoのSteeplechaseにおける飛越の安定感は随一で、このような馬がその技術の粋を見せてくれるのは障害競馬ならではの魅力だろう。さすがにL'Estranに対しては苦しいようだが、このような馬の走りは長く見ていたいものである。

上り馬Peace Gardenは全くペースに付いて行くことはできず大敗に終わった。昨年Steeplechase D'Italia (G2)を勝った馬だが、このペースに付いて行くだけのスピードが欲しいところである。地元のFahawroはさっぱりレースに参加せず大敗。Bilbo D'Assaultもペースに付いていけず途中棄権に終わったようで、例によって地元勢は振るわない結果に終わった。

 

その他

Disparition du crack Galop Marin : Dominique Bressou témoigne (France Sire)

昨年Grand Prix D'Automne (G1)の3連覇を成し遂げたGalop Marinが残念ながら真菌の感染症が原因で亡くなったそうだ。

New legal challenge looms as racing rebels reject 'flawed' Oakbank ballot (In Daily)

Oakbankの競馬開催を巡る抗争に関してある程度まとまった記事が出たので。