にげうまメモ

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22/07/03 Weekly National Hunt / Jump racing

6/30(木)

Tipperary (IRE) Good to Yielding

Grimes Hurdle (G3) 2m (Replay)

1. Santa Rossa J: Darragh O'Keeffe T: Dermot McLoughlin

連覇を狙ったSole Pretenderが軽快に逃げるも、これを好位で追いかけたSanta Rossaが残り2障害で前に出ると、追いすがるSole Pretenderを退けて勝利した。Santa RossaはHurdleは3勝目、重賞は初勝利となる。2019年にはChampion INH Flat (G1)で5着のある馬だが、どうもレース選択から考えてSummer Horseと扱われているようだ。今回は10st12lbという軽量も利して快勝したが、最後は再度Sole Pretenderが差を詰めていることを考えると着差ほどの差はないように思える。Sole Pretenderはここでも力量上位のところを見せて2着。Saint RoiはSole Pretenderについて行くも、勝負所から脱落して3着。最後はFelix Desjy、Shewearsitwellを退けて3着に上がっていることはとりあえず褒めてよいだろう。

 

7/2(土)

Hawke's Bay RI @ Hastings (NZ) Heavy10

Hawke's Bay Hurdle (PJR) OPN HDL 3100m (Replay)

1. The Cossack J: Shaun Phelan T: Paul Nelson & Corrina McDougal

Tahuroa Heightなどが前に行く展開も、先に抜け出したKajinoを内から抜けてきたThe Cossackがねじ伏せて勝利した。The Cossackはもはや言うまでもなくニュージーランドHurdle路線の最強馬で、今回も当然のように73kgのトップハンデを背負っている。前走はMaiden Steeplechaseを使っていたせいかやや追走に手間取るような仕草もあり、比較的ストライドも大きい馬だけにブレーキを踏みながら内々を抜けてくるという競馬っぷりは決してこの馬向きではなかったのだが、それでも7kgのアドバンテージを持っているKajinoをはじめ、他の馬を圧倒するのだからもはやどうしようもない。前走Maidenを勝ったばかりのKajinoは大健闘の2着で、The Cossack以外のメンバーも決して楽ではなかったことを考えれば素晴らしい結果である。前走Waikato Hurdle (PJR)で強い勝ち方を見せたDr Hankは案外な4着で、前走PJRを勝っていたのに67kgで挑んでいたことを考えると、ここではもう少し格好をつけたかった。

 

Hawke's Bay Steeplechase (PJR) OPN STP 4800m (Replay)

1. Argyll J: Charlie Case T: Paul Nelson & Corrina McDougal

West Coastに絡まれながら逃げたArgyllが途中からWest Coastを振り切ると、追いかけてきたNo Tipも最後は振り切って勝利した。ArgyllはこれでWaikato Steeplechase (PJR)から連勝とした。今回は前走から1000m近い距離延長ではあったのだが、これを無事に克服したことになる。どうにもスタンド前の2連続障害での飛越に怪しいところはあったのだが許容範囲だろう。70kgのトップハンデを背負ったNo Tipはさすがの実力を見せての2着で、さすがに最後は斤量差も堪えたようだが、あまり勝ち馬とは差がないようなレース振りであった。West Coastはどうにも勝負所でミスをして、そのまま脱落し3着に終わった。

 

7/3(日)

Pompadour (FR)

〇 Prix Fayriland II

Steeplechase Pour chevaux entiers, hongres et juments de 5 ans et au-dessus, anglo-arabes, inscrits au Stud-Book anglo-arabe, nés et élevés en France, comptant au moins 12,5 % de sang arabe, n'ayant pas, depuis le 1er janvier de l'année dernière inclus, reçu 30.000 en steeple-chases (victoires et places). Classe 3 3600m (Replay)

1. Garry De La Brunie J: Kilian Dubourg T: Lageneste & Macaire

これ自体は特に大きな競走でもなんでもなく、賞金額も大したことはないアラブ馬限定競走である。Fayriland IIとはアングロアラブ種牡馬で、ここのところこのブログではお馴染みだろう。レースは好位から進めたGarry De La Brunieが後続を突き放して勝利した。Garry De La BrunieはどうやらここのところSteeplechaseに転向してからは好調のようで、アラブ馬限定競走で安定した走りを見せている。父はGalilleo産駒のFeel Like Dancingで、母Utopy De La Brunieがアングロアラブというパターンのようだ。Fairplay Du Pecosを父に持つHireine De Lagardeが2着に入った。ここまで障害戦で3勝を挙げた牝馬なのだが、どうやらこのレースの直後に引退したようで、繁殖牝馬として頑張って欲しいところである。

 

〇 Prix Gabriel Juge

Cross Country Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus, n'ayant pas, cette année, en steeple-chase, reçu une allocation de 7.000. Classe 4 4500m (Replay)

1. Born To Be A Queen J: Kilian Dubourg T: Lagenest & Macaire

ゆるゆると逃げたBorn To Be A QueenがFestin Collongesを抑えて勝利した。Born To Be A Queenは昨年PardubiceのCena Labeの最終障害にて落馬していた馬で、これが久しぶりの勝利となる。昨年はそこまで好調だっただけにもったいない落馬であったのだが、とりあえず今年の復帰戦も力量を見せたというところで、今年の走りが楽しみになるレースであった。前走このコースで勝ってきたFestin Collongesは惜しい2着。Legolas産駒のBolano D'Airyは勿体ない落馬に終わった。この馬自身はAQPSなのだが、母Monita D'AiryがACというパターンで、どうやらアラブ血量が1.170%となかなか面白い存在である。

 

Warrnambool (AUS) Heavy10

〇 Conquest Pools Warrnambool 1JW Hurdle  

Handicap. Three-Years-Old and Upwards, No sex restriction. Restricted Conditions. Apprentices can claim. 3200m (Replay)

1. Stern Idol J: Selim Agbal T: Ciaron Maher & David Eustace

前半から後続を大きく突き放して逃げたStern Idolがそのまま27馬身差の圧勝とした。Stern Idolはオーストラリア初勝利。元々はフランスHaiesを走っていた馬のようで、フランス障害馬がオーストラリア障害競馬で走るというのはこれまでにあまり例がない。元々はフランス障害馬らしい安定した飛越を見せており、71kgという斤量も考えると今後面白い存在になりそうだ。Selim Agbal騎手も元々はフランス障害騎手で、これがオーストラリアでは初勝利となる。ゴール地点では派手なガッツポーズも見せており、一時は薬物関連で騎乗停止も食らっていただけに嬉しい勝利となったようだ。

 

Carter Group National Kevin Lafferty Hurdle

Quality. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 3200m (Replay)

1. Blandford Lad J: Aaron Mitchell T: Peter Gelagotis

Tolemacなどが引っ張るも馬群は密集して進行。後方から進めたBlandford Ladがじわじわと進出すると、そのままOnset以下を抑えて勝利した。Blandford Ladは前走のBM120 Hurdleから連勝とした。Champion Novice HurdleではEl Diezにややロスの多い競馬で2着に敗れており、今回はその借りを返したことになる。全体的に上り馬が殆どで、実績馬があまり存在しなかったというメンバー的なところはあるのだが、ひとまずここにきて上がり調子の馬として注目しておいた方がいいだろう。これが久々の復帰戦となるBee Tee Juniorは後ろからじわじわと足を伸ばして6着。明らかに適性外のレース条件で、今回は回ってきただけで良しとするべきか。人気のBig Blueは飛越をミスして後退、途中棄権に終わった。

 

Hammonds Paints Thackeray Steeplechase

Quality. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 3450m (Replay)

1. Flying Agent J: Lee Horner T: Amy McDonald

Britannicusが例によって引っ張る展開も、これを好位から追いかけたFlying Agentが途中から抜け出すと、そのままYulong Placeを振り切って勝利した。Flying Agentはこれが今シーズンの初戦となる。昨年はシーズンの序盤から精力的にレースに出走し、その中ではBrierly Steeplechaseを制すなど頑張っていたのだが、とはいえシーズン後半はややガス欠のような負け方を繰り返していた。本来重馬場が得意な馬で、やはりこれから比較的馬場が重くなる時期に本調子で見ることができそうなのは期待できるだろう。上り馬Yulong Placeはどうにも飛越のミスが多く、最後は2着に追いこむも時すでに遅しといったところであった。重馬場自体は得意な馬で、この条件であればこれからも期待できそうだ。

 

その他

Hurdle Races on the West Coast of South Australia (Facebook)

SA州の西海岸における障害競走に関するJohn Adams氏の解説。このfacebookグループには特に豪州障害競馬の専門家がこのJohn Adams氏をはじめ在籍しており、その記事は一読の価値がある。