にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

22/09/04 Weekly National Hunt / Jump racing

8/30(火)

Waregem (BEL)

〇 Prix Felix De Ruyck 34,500 EURO

Handicap Hordenren, Ren die deel uitmaakt van het Wereldkampioenschap van de FEGENTRI. Voor alle paarden van 4 jaar en ouder die wonnen in een hordenren, een steeple-chase, een point-to-point of een cross, en zich plaatsten in de eerste vijf van een hordenren, een steeple-chase, een point-point of een cross sedert 1/07/17 3600m*1 (Replay)

1. Buen Star J: Alexis Gautron T: Pierre-Jean Fertillet

1847年に始まったベルギーの名物開催であるWaregem Koerseは今年で175周年となる。昨年まではCOVID-19の影響で開催中止又はレース数の削減等の措置が取られていたのだが、今年は幸いにして2019年と同様に障害競走4レースを含むプログラムが組まれており、多数の観客を集め大成功を収めた。Felix De RuyckはWaregem Koerseの創設者としても知られており、このレースはそのFelix De Ruyckの功績を讃えるものである*2

レースはRed Tripleがかなり早いペースで引っ張るも、最終周からGraffpink De Kerzaがこれを交わして先頭に。しかし最終障害手前で前に出たBuen StarがCote Fleurieを振り切って勝利した。Yannick Fertilletは1991年から2010年にかけてこの開催で大成功を収めた調教師だが*3、その息子であるPierre-Jean Fertilletの馬が勝利したということで、歴史的にはなかなか感慨深いレースとなった。Buen Star自身はGreat Journey産駒で、ここまでなにな大きな勝ち星があるというわけではないのだが、これで障害競走・平地競争合わせて17勝目と、今年で9歳ということもあって大したものである。やや飛越にミスがあったのは気になったのだが許容範囲だろう。AQPSでごくわずかにアラブ血量が含まれているGraffpink De Kerzaは後方から進めて2着まで。勝ち馬に対して勝負所でややもったいないシーンがあった。ベルギーのLuc Lannoo調教師の管理馬Taballeraも出走しており、ベルギーに移籍後は平地で4勝といい成績を残し、これが昨年10月以来の障害戦であったのだが、残念ながら早々についていけなくなり途中棄権に終わった。

 

〇 Prijs Baron Casier 22,000 EURO

Steeplechase Voor alle paarden van 4 en 5 jaar die geplaatst waren in de eerste vier van een steeple-chase, een point-to-point of een cross sedert 1/01/20. 3950m*4 (Replay)

1. Dreamy Love J: Felix De Giles T: Patrice Quinton

レースは早々に前に行ったHozoraが落馬。代わってDreammy Loveが前を伺うも、これを制してやや早いペースでGeneral Desjyが引っ張る。そのままGeneral Desjyはリードを開いて逃げ込みを図るも、最終障害手前で前に行ったDeamy Loveがこれを捉えて勝利した。

4及び5歳馬限定Steeplechaseということで、WaregemのBanquette及びGaverbeekをそれぞれ1回、それも異なる周に使用するという相対的に難易度が引き下げられたコースが設定されている。Dreamy Loveは昨年のLe Touquet及びPauのSteeplechaseで勝ち星をあげている馬だが、Authorized産駒にありがちな操縦性の悪さを伺わせるようなシーンがなかったのは良いことだろう。まだ4歳の牝馬ということで将来性もありそうで、このWaregemのコースはリピーターが強いことを踏まえるとこれから頑張って欲しい。前走DieppeのClass3のSteeplechaseで2着に入ったGeneral Desjyは積極的な競馬で2着。全体的に崩れず走っている馬のようで、特段重賞競走への出走歴はなさそうだがこの馬も楽しみな存在になりそうである。3着のKatparoiは61kgを生かして浮上したが、ここまでさほど差はなさそうだ。

 

ING Grote Steeplechase Van Vlaanderen 70,000 EURO

Voor alle paarden van 5 jaar en ouder die reeds wonnen in een steeple-chase, een point-to-point of een cross, en zich plaatsten in de eerste vijf van een steeple-chase, een point-to-point of een cross sedert 1/01/20. 4600m*5 (Replay)

1. Polinuit J: Angelo Zuliani T: Francois Nicolle

通称"Belgium Grand National"とも呼ばれる競走。Waregem Koerseのメインレース。Felix De GilesのHeclypse Blueが不気味に前を狙うも、これを制してCalisco De Kerserが先頭に。そのままCalisco De Kerserが引っ張るも、最終周からこれに後続が殺到、じわじわと馬群を縫って上がってきたPolinuitが先頭に。そのままPolinuitは後ろからついてきたPremier Vertを凌いで勝利した。3着にはHeclypse Blueが上がったようだ。

Polinuitは2019年のPrix Jacques du Roy de Blicquyにて当時12歳のTamara Du Granitの2着に入った馬である*6。昨年はGrand Steeplechase De Bordeaux (Listed)を勝利したりと着実に障害馬としてステップアップしていたようで、ここで嬉しい勝利をあげた。道中は後方で進めており、早々に落馬したPouloriusの煽りを食らう場面もあったのだが、そこからはスムーズにレースを進めており、かなり強引に馬群を割って出てこざるを得なかったPremier Vertとはレース運びの点で上手であった。昨年のPrix Ferdinand Dufaure (G1)にも参戦歴のある5歳馬Premier Vertは上記のとおりかなり強引なレース運びでの2着で、初のWaregem、さらに勝ち馬とは2.5kgの不利があったことを考えるとかなり勿体ないレース振りであった。序盤は空馬の煽りを食らう場面もあったようで、この展開で2着まできたことを褒めるべきだろう。来年の参戦を楽しみにしたい。

5歳馬Heclypse Blueは積極的な競馬を見せたが、勝負所で置いていかれ3着。特に勝負所で前に入られてから苦しくなった。牝馬Motu Fareoneは勝負所で後方に入り、そこから追い上げたが4着に終わったようだ。2019年のこのレースの勝ち馬で、過去Taupin Rochelaisといった名馬をしのぎを削ってきたCalisco De Kerserも出走しており、前半から元気にレースを進めたのだが、後半じわじわと遅れて6着まで。ここ数年はほぼこのWaregemの開催を目当てに使っているような感もあるのだが、さすがにスピード負けするようになっている辺り苦しそうだ。昨年の2着馬で12歳のベテランArc Du Chateletもいたのだが、終盤の障害で落馬に終わった。

 

〇 Prijs Rallye Waregem (ex Jacques Du Roy De Bliquy) 22,000 EURO

Voor alle paarden van 5 jaar en ouder die reeds wonnen in een steeple-chase, een point-to-point of een cross, en zich plaatsten in de eerste vijf van een steeple-chase, een point-to-point of een cross sedert 1/01/20.*7 4800m (Replay)

1. Gard Feel J: Anthony Renard T: Jerome Delaunay

以前はPrix Jacques du Roy de Blicquyと呼ばれていた競走だが、今年はレース名が変わったようだ。距離は4600メートルという説もあるのだが、Waregem Koerse公式のレース結果には4800メートルと記載されているのでひとまずそちらを採用した。例によってFelix De GilesのFlaviusが前を伺うも、何度か飛越をミスしながらもGard Feelが先頭に。そのままGard Feelは軽快に逃げると、接近してきたHulapalu、Flaviusを振り切って勝利した。

Gard Feelはこれで今年の4月のMeralのClass5から5連勝とした。母父Usefulというのもなかなかに渋い血統で、71kgのトップハンデを背負っての勝利、今年で6歳のAQPSということで楽しみな存在になりそうなのだが、とはいえ前半からやや飛越のミスが多く見られたことは今後解消されて欲しい材料だろう。2着のFlaviusがハンデ順では2番目で、この馬が66.5kgを背負っていたということも踏まえるとだいぶここでは抜けた存在であり、来年はメインレースで見たいところである。前走Granvilleのハンデ戦を勝ってきたFlaviusが2着で、昨年もこのWaregemに参戦した馬としての面目は保った。ドイツ産馬Hulapaluは最終障害でミスがあり、結果的に着順を落としての3着に終わった。

 

9/1(木)

Topolčianky (SVK) stav dráhy: 3.5 (dobrá / Good)

Veľká topoľčianska steeplechase (Memoriál Jaroslava Bartoněka)

Steeplechase - - 4100 m, cena, 5letí a starší 4.000 EUR (Replay)

1. Fort Ryan J: ž. Lukáš Matuský T: Brečka Jaroslav

あまり馴染みのないスロバキアの障害競走だが、基本的にはチェコの地方の競馬場に類似した障害コースが設置されている。その中には大型の生垣障害も存在するようだが、Irish Bankのような複雑な障害は少なく、"Steeplechase"と呼称する場合、Cross CountryというよりはSteeplechaseの性質を強く有するレースが行われている。

レースはゆったりと逃げたQueenteraを途中からFort Ryanが捉えに行くと、そのまま追いかけてきたCuwallを振り切って勝利した。Fort Ryanはスロバキアではお馴染みの馬で、昨年はやはりスロバキアの主要競走であるVeľká starohájska steeplechaseを制している。とはいえチェコPardubiceのCross Countryの一線級相手だと少々苦しいようで、今年5月にはPardubiceのCategory IIIでForever Dryの2着には入っているのだが、おそらく今後もチェコスロバキアを行ったり来たりすることになりそうだ。ここにきて3連勝で挑んできた5歳馬Cuwallは経験馬相手に見せ場を作っての2着で、Fort Ryan相手にこれだけやれれば十分だろう。

 

Saratoga (USA) Good

Michael G. Walsh Novice Stakes

To be run over National Fences Hurdle  Four Year Olds and Upward which have not won over hurdles prior to March 1, 2021 or which have never won three races, other than three-year-old. About Two And Three Eighth Miles On The Hurdle. $75,000 (Replay)

1. Theocrat J: Bernard Dalton T: Keri Brion

Decisive Triumphが逃げるも馬群は密集して進行。最終障害を越えて外から進出したTheocratがFreddy Flintshireの追い上げを凌いで勝利した。Theocrat自身は元々イギリスNigel Hawke厩舎にいた馬で、イギリスHurdle競走では計14戦して2勝をあげている。イギリスでは主に下級条件戦のみを使っていたようだが、アメリカ移籍後これで2連勝とした。ただ、レースとしてはワンテンポ遅れて進出したFreddy Flintshireに対してうまく立ち回った感もあり、上位2頭にはあまり差がないだろう。Maidenから2連勝で挑んできたFreddy Flintshireが2着。Green Pastures Stakesを勝ってきたScorpion's Revengeは後方からじわじわ進出したが、フラットの部分で前2頭から置いて行かれて3着に終わった。

 

9/2(金)

Auteuil (FR) Tres Souple (3.9)

〇 Prix Des Platanes (Listed)

Haies Pour poulains entiers et hongres de 3 ans. 3600m (Replay)

1. David Du Berlais J: Baptiste Le Clerc T: Lageneste & Macaire

やや制御を欠きながら前に行ったSt Donatsだが、向こう正面から前に出たDavid Du BerlaisがそのままSt Donats以下を振り切って勝利した。David Du Berlaisは名前のとおりGoliath Du Berlaisの全弟で、現時点では未去勢となっている。4月にAuteuilのListedを使うも良いところはなかったのだが、これでClairefontaineのHaiesから連勝とした。さすがにSaint Des Saintsのいい馬らしくパワーのある馬体が目立っており、今回は全体的に慎重なレースということもあって着差は付かなかったが、今後に向けて楽しみな馬になりそうだ。同じくSaint Des SaintsのSt Donatsが2着。Birchwoodの産駒で、こちらも未去勢の牡馬であるSpeed Wayが3着に入った。Saint Des Saintsの後継種牡馬の一頭で、Enghien-SoisyにてPrix Roger De Minvielle (Listed)を勝ったCastle Du Berlaisの産駒であるGoliath Du Rheuが4着。レース内容としてはほぼレースを教えているというもので、最後は足を伸ばしていたことを踏まえると今回はこれで十分だろう。Ulyssesの産駒でやはり未去勢の牡馬であるLincolnはやや前4頭からは遅れた5着に入った。

 

9/3(土)

Pardubice (CZE) stav dráhy: 3.4 (dobrá / Good)

〇 Cena společnosti STAFI finalizace staveb s.r.o.

Steeplechase crosscountry IV.kat. - 3300 m, cena, 5letí a starší 60.000 Kč (Replay)

1. Lodgian Whistle J: ž. Ondřej Velek T: Váňa st. Josef

例によってやや暴走気味に前にいったKing's Shillingだが、さすがに飛ばし過ぎたのか勝負所から脚色が一杯に。これを好位で追いかけていたLodgian Whistleがこれを捉えると、2着に7馬身差をつけて快勝した。

Lodgian Whistleは2019年にCena Labeを制した馬で、2020年はVelka Pardubickaへ向かう進路を選択している。しかしながら本番ではやや距離に限界があったのか7着と着順を落とし、2021年はイタリアのSteeplechaseを主に使っていた。今年はこれが初のPardubiceのCross Countryとなる。King's Shillingの暴走気味のペースを追いかけていってのこのパフォーマンスであり、能力的にはかなり上のものではあったのだが、とはいえVelka Pardubickaだと距離延長という問題もありそうで、一方でMeranoのSteeplechaseが良いような感もなく、レース選択としては引き続き難しくなりそうだ。Cross Countryでは4戦未勝利のBabiloniaが2着、やはり2戦未勝利のElsidが3着に入ったが、これはKing's Shillingが一杯になった上、これをまともに追いかけようとした馬もまた苦しくなったのをのを利して浮上してきた結果だろう。

 

〇 Pohár BICZ holding 2022 - Memoriál Oktaviána Kinského

Steeplechase crosscountry III.kat. - 4150 m, cena, 4letí 90.000 Kč (Replay)

1. Greek Dessert J: ž. Jan Odložil T: Tůma Pavel

4歳限定戦。早々にCoupstarが落馬すると、付いてきたNo Risk No Funらを振り切ってGreek Dessertが快勝した。Greek Dessertはこれで障害戦5戦無敗とした。今年の頭にはWroclawのSteeplechaseを使っていたのだが、6月からPardubiceにて強い競馬を見せている。ここまでの4歳戦の力関係を見ると明らかに一枚抜けた馬といったところで、今回は当面の相手と思われていたCoupstarが早々に落馬したとはいえ、今後が楽しみな馬であることは間違いなさそうだ。

 

〇 Cena deníku Právo

Steeplechase crosscountry II.kat. - 4500 m, cena, 5letí a starší 120.000 Kč (Replay)

1. Gatsby J: ž. Jan Faltejsek T: Tůma Pavel

ややWotanが引き離して逃げるも途中でコースミス。代わってStrettonなどが前に行ってゆったりと引っ張るも、好位から抜けてきたGatsbyがKubaliを抑えて勝利した。

GatsbyはこれでCrossは4戦無敗とした。昨年10月には4歳戦であるCena ČASCHを快勝し世代のトップに立っており、今回は4500メートルと比較的競馬がしやすい条件であったとはいえ、上の世代の強豪相手に勝ち切ったことは高く評価されるべきだろう。その中にはStrettonやTheophilosなど、やや年齢は重ねておりここが大目標であったとは思えないながらも、現時点でのCross Countryトップクラスの馬も含まれており、5歳でこのパフォーマンスを見せたことは今後が非常に楽しみになる内容であった。9歳のKubaliが2着で、この馬は8月にCategory IIIを勝ってきたことを考えると、この馬なりにじわじわと力をつけているのだろう。

 

〇 Cena Catering Melodie

Steeplechase crosscountry II.kat. - 3300 m, cena, 5letí a starší 120.000 Kč (Replay)

1. Mediciman J: ž. Lukáš Matuský T: Holčák Radek

Lianelが前に行く展開も、Dropの辺りから先頭に立ったMedicimanがそのまま押し切り勝利した。Medicimanはこの路線ではもはや常連となった馬で、前走のCena společnosti Tipsportから連勝とした。とはいえ当時の相手もLianel、Lad Inといったところで、ひとまずここにきて連勝してきた馬ということで楽しみはありそうだが、とはいえこの辺りは展開一つという印象もなくはなさそうだ。前走はそのMedicimanの2着に入ったLianelがまたもや2着で、この馬もこの路線の上位クラスの一頭と考えていいだろう。やや驚きだったのはMr Zuruで、ここのところはスロバキアで勝てない競馬を続けていたのだが、初のCross Countryで僅差の3着まで来た。鞍上はPardubiceのCross Countryではなかなか結果を残せていないPatrick Mullinsであったが、レース運びを見る限りこのコースにもだいぶ慣れてきたようで、アイルランドを代表する名手の手綱さばきには今後も注目した方がいいだろう。

 

〇 Cena Arnošta z Pardubic – podporovaná Dopravním podnikem města Pardubic, a.s.

Steeplechase crosscountry II.kat. - 5200 m, cena, 5letí a starší 120.000 Kč (Replay)

1. Chelmsford J: ž. Jan Kratochvíl T: Váňa st. Josef

途中から前に行ったChelmsfordがそのまま後続を振り切ると、終わってみればDerby Plusに13馬身差をつける圧勝。Chelmsfordは昨年のCena VltavyでDajukaを下して頭角を現してきた馬で、とはいえ今年初戦のNight Moonとの6歳馬対決となったレースではそのNight Moonに5馬身差の2着、その後のCena společnosti Tipsportではややペースに付いていけなかったような3着と良いところはなかったのだが、ここに来ての距離延長で一気にパフォーマンスを上げてきた。ひとまず今年はVelka Pardubickaに向かうことはないのだが、とはいえ距離延長が吉と出たことを踏まえると、来年以降非常に楽しみな一頭である。比較的人気を背負っていたForever Dry、Sweet Red Wineは終盤で途中棄権。詳細は不明だがどうやらトラブルがあったようだ。

 

Velká cena města Pardubic – EURO EQUUS - IV. kvalifikace na 132. Velkou pardubickou se Slavia pojišťovnou

Steeplechase crosscountry NL - 5800 m, cena, 5letí a starší 400.000 Kč (Replay)

1. Imphal J: ž. Jaroslav Myška T: Popelka Stanislav

Cross Countryは4戦無敗、2019年にはGran Criterium D'Autunno (G1)を勝っている6歳馬Night Moonの参戦が話題になっていたのだが、そのNight Moonは早々に落馬、これに躓いてTalentも落馬。さらに空馬の影響でKaiserwalzerが飛越拒否し、そのあおりを食らったStarも落馬と、序盤のうちに早々に出走馬の大半が競争中止するというレースとなってしまった。残った4頭の中からAneasが前に行くも、早々に苦しくなって後退、結局はDusigroszを振り切ってImphalが勝利した。

Night Moonが落馬したのは基本的には前に馬に引っ掛けての落馬と思われる事象で、基本的にはシンプルなこの馬自身のミスというわけではないだろう。ただし、このNight Moonに加えて最有力と思われたTalentも落馬、さらにこの空馬の影響で複数の競争中止が発生し、Qualification Raceとしてはかなり残念なものになった。めでたく権利を取ることに成功したのがImphalで、この馬自身昨年もこのQualification Raceに参戦していたのだが、いずれも前からはやや離れた敗戦に終わっている。今年は3300メートルの下級条件戦を2回使ってのここへの参戦ということで、このレース自体のレース内容としてはかなり残念なものではあったが、短い距離を使って馬が変わっていたことを期待したい。Disigroszはいちおう8月に権利は取っていたのだが、これがCross Country6戦目とやや経験的には少ない馬で、本番に向けては上がり目に期待といったところだろうか。前回落馬に終わったLombarginiはうまく権利は取れたのだが、とはいえ残った馬の中では実績的には最有力といったところで、もう少し格好はつけて欲しかった。Aeneasは昨年まではCrossの実績のある馬なのだが、どうにも今年に入ってからはいまいちで、今回も最後はほぼ諦めての入線と、さすがにここからどうこうというのは厳しそうだ。8歳と極端に年齢を重ねているわけではないのだが、Galileo産駒の未去勢の牡馬ということも踏まえるとあまり現役にこだわらなくてもいいような感もある。落馬した馬に大きな怪我はなかったようだが、どうも心配なのがTalentで、どうやら軽度の故障があったようだ。そもそもこの馬自身過去に大きな故障を乗り越えてきた馬で、早いギャロップの調教ができないということもあり、脚に負荷をかけないことを目的として水泳を用いたトレーニングを多用しているそうだ*8。ここから本番まで1カ月ちょっとしかないことを踏まえると、やや出走の可否は流動的になりそうだ。

 

9/4(日)

Craon (FR) Tres Souple (3.9)

Prix Super U Craon (Listed)

Cross Country Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 6000m (Replay)

1. Twirling J: Paul Denis T: Christophe Dubourg

レースとしてはCrystal Cupの一環としての競争となる。前半から11歳のベテランBomariが緩むことなく引っ張る展開。勝負所からじわじわと中団にいたTwirlingが上がってくると、抵抗するBomari、さらに迫ったGentilhommeを抑えて勝利した。

Twirlingはこれで今年はRostrenen、Le PertreのTNCを含む3連勝とした。ここまであまりCrystal Cupには縁がなかったようで、昨年のGrand Steeplechase Cross Country De Compiegneも6着に敗れているのだが、今年は非常に力をつけているところを見せてくれている。上記CompiegneのGrand Crossを非常に強い勝ち方で勝ったPrengardeがその後アイルランドに移籍しており、そのPrengardeがアイルランド移籍後はさっぱり良いところがないことを踏まえると、Twirlingには今後フランスCross Countryで中心的な立ち位置となることが期待されるだろう。11歳のNidor産駒のBomariが2着。このレースは2020年は勝利し、昨年に続けての2着となる。2020年はその後Pauに向かったようで、今年はどうするのだろうか。6歳でCrossの経験はあまりないGentilhommeが3着に入り、今後に期待が持てるレースとなった。

 

Quakenbrück (GER)

〇 Preis der Firmen Lager-Huslage / Dein Energiebüro / Mitschke 

Jagdrennen Für 4-jährige und ältere Pferde, die seit 1.1.2021 nicht mehrere Rennen gewonnen haben. 3800m (Replay)

1. Zeven Falls J: Sonja Daroszewski T: Christian Sprengel

レースはOne Downが引っ張るも、早々に後退。代わってFeuerblumeが前に行くも、勝負所でミスをして天神乗りのような格好になる。そのまま大型の生垣障害の手前に来たところで馬が逃避。One Down、Victorioも騎手が落馬した一方で、Zeven Fallsは飛越拒否するも、どうやらその後再度飛越を試みた結果、Zeven Fallsのみが完走を果たしたようだ*9

FeuerblumeはSvenskt Champion Hurdleへの出走歴はあるとはいえ、全体的に飛越が怪しいのは以前からで、基本的には小型の障害であれば対応可能といったところである。One Downは元々アイルランド障害を走ってきた馬だが、今回は早々に後退していたように走る気を無くしていたようで、さらにVictorioもFlatで2連勝してきていた調子のいい馬とはいえ障害は初参戦と、全体的にこのコースの後半に置かれた生垣障害を飛越するだけのポテンシャルがあったかというとやや微妙なところである。Zeven Fallsはその中で唯一騎手が落馬しなかったことで再飛越を試みることに成功した。出走馬4頭中4頭がドイツ調教馬と、地元ドイツから出走馬を集めることに成功したこと自体は喜ばしいのだが、やはりレース数を大きく削減した影響で馬の質の低下を感じさせるもので、内容としては今後に向けて不安が残るものとなった。

 

Preis der Firma JCK Holding - Altes Artländer Seejagdrennen 

Seejagdrennen Für 4-jährige und ältere Pferde 3400m (Replay)

1. Cabot Cliffs J: Kevin Parkin T: Christian Freiherr von der Recke

レースは例によってWutzelmannが前に行くも、これにぴったりとCabot Cliffsがついていく。そのままCabot Cliffsは最終コーナーから先頭に立つと、Wutzelmannをそのまま突き放して勝利した。

Cabot Cliffsはこれで平地を含む5連勝とした。Bad HarzburgではPreis der Harzer Volksbankを快勝しており、まだ6歳と若い馬であることを考えると、今後ドイツ調教馬としてこの路線で楽しみな存在になりそうだ。今回が初のSeejagdrennenで、このコース自体は全体的にHurdle障害が多く難易度は低く、かつ斤量的にもWutzelmannに対してかなり有利な条件が設定されていたとはいえ、それでも勝ち切ったことは良いことだろう。今後はMeranoに向かうという話もあるようだ。Wutzelmannは例によって安定したレースで2着。Bad HarzburgにてHürdenrennenを勝ったRoxalaguも頑張って3着に入ったようだ。もともとイギリスでHurdle勝ちのあるMetal Manも出走しており、これがドイツ障害としては初めてだったのだが、勝負には加われず4着に終わった。

 

Merano (ITA) Tempo Bello - Terreno Morbido

Premio Mipaaf - Memorial Massimo Caimi Euro 30,000

per cavalli di 5 anni ed oltre (Steeple-Chase -  GRUPPO III  - FANTINI) 3900m (Replay)

1. Gangster De Coddes J: Lukas Matusky T: Josef Vana Jr

このレースも立ち位置としてはGran Premio Meranoに向けたレースとなる。レースはゆったりと引っ張ったGangster De Coddesがそのまま逃げ切り勝利した。Gangster De Coddesは昨年Premio Ezio Vanoni (G2)勝ちをはじめ、世代のトップに立っていた馬で、今シーズンから上の世代と戦っている。Grande Steeplechase D'Europa (G1)も期待されていたのだが途中で落馬に終わり、Gran Premio Meranoはその巻き返しが期待される。ひとまず前哨戦の内容としてはほぼ完勝といったところで、特にスピードに任せて飛ばすレースを見せたGrande Steeplechase D'Europa (G1)からレース振りに変化があったことは褒めるべきだろう。同じ勝負服の馬がほかにも3頭出ておりわかりにくいのだが、やや久しぶりのSteeplechaseであるPiton Des Neigesが2着に入った。ただ、6月tのGran Corsa Siepi D'Italia (G1)ではSkins Rockの2着に入っており、ややSiepiが主役不在の感もある一方でSteteplechaseにはL'Estranという絶対的な存在がいるところ、SiepiかSteeplechaseかというのは悩みどころである。

 

Premio Azienda Di Soggiorno Di Merano Euro 22,000

per cavalli di 5 anni ed oltre (Siepi -  LISTED RACE  - FANTINI) 3500m (Replay)

1. Skins Rock J: Lukas Matusky T: Zdenek Semenka

例によってZaniniが引っ張る展開も、これについて行ったSkins RockがZaniniを捉えて勝利した。Skins RockはGran Corsa Siepi D'Italia (G1)の勝ち馬で、そこまではややSiepiのG1で惜敗を繰り返すような立ち位置だったのだが、ここにきて3連勝とした。内容的にもあっさりZaniniを捉えたもので、秋の大一番に向けては現時点で最有力候補といってよさそうだ。ややGran Corsa Siepi D'Italia (G1)の時点での前評判は高くなかったのだが、そろそろ人気を集めてもおかしくないだろう。逃げたZaniniが2着。O'Jukeは前走の時点ではZaniniのペースにさっぱりついていけなかったのだが、今回は頑張ってZaniniについて行き、あまり差のない3着まで来た。Siepiの経験の多くない馬だけに上がり目はありそうで、フラットでは高い能力を示した馬だけに引き続き期待したい。

 

Premio Ettore Tagliabue - Trofeo Torggler Euro 33,000

per cavalli di 3 anni (Siepi -  GRUPPO III  - FANTINI) 3300m (Replay)

1. Costa Rica J: Jan Kratochvil T: Josef Vana Jr

淡々と逃げたCosta Ricaがそのまま後続を突き放して快勝した。Costa Ricaは元々フランスで走っていた馬だが、フランス最後のレースとなったClairefontaineのClaimingを含めて3連勝とした。さすがにフランス出身馬だけあって飛越技術はしっかりとしたものがありそうで、レース内容としては完勝だろう。地元のMore Than A Habitが2着に来たが、このCosta Ricaに対して真っ向勝負を挑んだDream In Bluを最後交わしたといったもので、だいぶ勝ち馬とは力差がありそうだ。

 

Wroclaw (POL) płotowy - lekko elastyczny (3.2); przeszkodowy - lekko elastyczny (3.2); 

Wielka Partynicka - Nagroda Unico Logistics 100000 zł

Gonitwa pod patronatem Polskiego Klubu Wyścigów Konnych Międzynarodowa gonitwa z płotami dla 4-letnich i starszych koni. 4200m (Replay)

1. Noble Eagle J: Adam Čmiel T: Janusz Kozłowski

レースとしてはポーランドHurdle競走として最大のもの。途中から地元のSorrenoが積極的に前に行く展開も、じわじわと好位にいたDominiqueが進出。そのままDominiqueが押し切るかと思いきや、地元のNoble Eagleがこれを捉えて勝利した。

Noble EagleはこれでポーランドHurdle競走においては7戦無敗とした。8月にはMeranoにも遠征しており、その当時はZanini、Mauriciusといった強力なチェコ調教馬が相手で、Zaniniがかなり暴走気味のペースで飛ばすのを頑張ってついて行くも、結果としてはだいぶ離れた4着と太刀打ちはできなかったのだが、今回は地元に戻って力を見せた。地元とはいえ2着のDominiqueは2021年にはGran Corsa Siepi Di Milano (G1)の勝ち馬で、本来であればMeranoのG1クラスにいてもおかしくない馬であることを考えると、この結果はポーランド障害競馬にとっては大変喜ぶべきものだろう。Noble Eagle自身、どちらかというとWarszawaのような広いコースでスピードを生かした方がよさそうなタイプで、今回もやや引っかかって走っており距離延長が良かったようには思えないことを踏まえると、なかなかに価値のありそうな勝利である。3着にはやはりWarszawaで結果を残してきたポーランドのLeading Lionが入った。

 

Wielka Wrocławska Nagroda Prezydenta Wrocławia 200000 zł

Gonitwa pod patronatem Polskiego Klubu Wyścigów Konnych Międzynarodowa gonitwa z przeszkodami dla 5-letnich i starszych koni. (Replay)

1. Nick J: Pavel Peprna T: Elwira Porębna

レースとしてはポーランドSteeplechaseとして最大のもの。総賞金額としてはこのレースと並ぶ主要競走であるCrystal Cupが172,000 złであり、Crystal Cupよりも高い賞金額が設定されている。特にその名物障害として有名なのは"Skok Trybunowy"と呼ばれるスタンド前の第3障害で、高さ220cm、幅220cmの生垣の後ろに、最大で深さ90cmの250cmの空壕が設定されている*10。この障害はCrystal Cupとこのレースしか使用されないというPardubiceのTaxis Ditchを思い起こさせるものであり、スタンド前に設置されていることもあって場内の熱気は最高潮に達する。

レースは非常にゆったりとスタートするも、その"Skok trybunowy"にて前に居たRekiを筆頭に、Haad Rin、Gap Pierji、Her Himといった有力馬を含む重複落馬が発生。残ったNick、Larizano、Minister Wojnyのみがそのままレースを継続し、Nickが最後抜け出すもゴール前でPavel Peprna騎手が手綱を緩める。これにLarizanoが猛追するも、Pavel Pprna騎手が再度馬を追ったことでぎりぎりNickがLarizanoを凌いで勝利した。Minister Wojnyは遅れた。

レース映像を意図的に埋め込んでいないので色々と察して頂きたい。ポーランドWroclaw競馬場の中継をみると馬術イベントを含む多数の催しものが行われており、なかなかのんびりとした雰囲気のよい競馬開催が行われている。今回はそのWroclaw競馬場の最大のイベントということで多数の観客を集めていたようだが、その多数の観客の目前で残念な事故が発生してしまった。その中では、ここまで2019年の同レース、2017年のCrystatl Cupを勝利し、チェコの名牝Registanaの産駒であるRekiは故障で亡くなったということで*11*12、同競馬場のfacebook記事には多数のコメントが付いており、その中には少なからずショックを受けた人もいるようだ。本来、この障害はPardubiceのTaxis Ditchと異なり、空壕が小型であることからスピードを出して飛越する必要性は低く、さらにWroclaw競馬場は小型できついコーナーも存在することからスピードを上げることが困難であることから、スピードに起因した落馬リスクの増加はない。また、例えばMeranoのOxer Grandeのように極端な幅があるわけでもなく、着地地点の高さの調整のような飛越の難易度を上げる特殊な工夫があるわけでもなく、この障害自体のカタログスペックとは裏腹にさほど落馬事故が発生しないというのが近年の傾向であった。近年、ポーランド障害競馬はソーシャルネットワーキングへの露出も増えており、出走馬数もコンスタントに一定数以上を集め、有力なポーランド国外調教馬の参戦やポーランド調教馬の活躍もあって比較的状況としては良い方なのだが、この事故が悪い方向に影響を及ぼさないことを願いたいものである。

NickはこのポーランドSteeplechaseではお馴染みとなった馬で、ここまでこのレースやCrystal Cupには2019年から参戦している。ただ、着順としては2019年のRekiに対する3着が最高で、2019年にNagroda Zamknięcia Sezonuを勝ったのみ、今年のNagroda TiumenaではHaad Rinの2着に頑張ってはいるが、基本的にはこのクラスでは足りない馬である。騎手のチョンボが結果的に大きな影響を及ぼさず、ポーランド調教馬が勝ったということは不幸中の幸いといったところで、ここまで無事に走ってきたこの馬へのご褒美のようなレースだろう。今年で14歳になる大ベテランLarizanoが2着。比較的若い上がり目のありそうな馬としてMinister Wojnyが例のアクシデントを回避したのだが、前2頭からは離れた3着に終わった。

 

Aarau (SWI)

74. Grosser Preis der Schweiz – Grosser Preis der Implenia Schweiz AG und Gönner

Jagdrennen ca. 4200 m, Hasse-Kurs, für 4-jährige und ältere Pferde Fr. 35 000 (Replay)

1. Al Cuarto J: Langmeier Jürg T: Langmeier Jürg

レース条件はこちらのStartlisteから。レーシングプログラムはけっこう情報量が多いようで、よくよく読み込めば宝の山かもしれない。リンク先のYoutubeチャンネルではスイスの競馬がGalop、Trot含めて視聴可能である。レースは比較的ゆっくりとFeux De Boisが逃げるも、途中からBaraclaasが先頭に。そのままBaraclaasが逃げ込みをはかるも、最終障害を越えて先頭に立ったAl CuartoがBergeracを抑えて勝利した。

Al Cuartoはスイス移籍後初勝利とした。遡ればAuteuilの重賞クラスで好勝負を演じてきた実力馬で、2021年からはCross Countryを使ったりしていたのだが、ようやくここにきてこの馬に取っての大金星を掴むことができた。Cross CountryではどうにもBanquetteタイプの障害に手を焼いていたようで、本来はSteeplechaseの方が良いのだろう。5月のPreis der Wehrli Weinbau AG Küttigen und Gönnerでは2着に敗れていたのだが、こればかりは立ち回り一つな感もある。5月にGrosser Preis Des Kantons AargauにてBaraka De Thaixを下してきたBergeracが惜しい2着で、勝負所にてやや進路を無くすような場面もあった。

 

Pakuranga Hunt @ Te Rapa (NZ) Heavy8

〇 Maramarua Hunt Maiden Hurdle MDN HDL 2800m (Replay)

1. Verry Flash J: Shaun Fannin T: Kevin Myers

後方の内から進めたVerry Ellegantの全兄であるVerry Flashが最終コーナーから抜け出し勝利した。Verry FlashはこれでHurdleは2戦目での勝ち上がりとした。若干飛越に怪しい部分が残っているのは仕方がないのだが、とはいえ勝負所から狭いところを一気に上がってくるスピードは流石のものだろう。今年の8月にも125th Winter Cup (G3)にて3着に入っていることを踏まえると完全に平地で頭打ちになったという感もなく、8歳という年齢を考えると障害馬としてこれから期待できそうだ。

 

〇 The Pakuranga Hunt Sesquicentennial Open Hurdle OPN HDL 3200m (Replay)

1. Nedwin J: Aaron Kuru T: Paul Nelson & Corrina McDougal

ゆるゆるとNedwinが逃げる展開。勝負所から好位にいたAbu Dhabi、さらにはKajino以下が迫るも、内に潜り込んで差し切りを図ったKajinoを抑えてNedwinが勝利した。

Aaron Kuruは元々ニュージーランド障害競馬でリーディングを張っていた人だが、最近はオーストラリアで騎手生活を送っている。つい先日オーストラリアの障害競馬シーズンが終わったのでこの日はニュージーランドに戻ってきたようだ。NedwinはこれでWellington Hurdle (PJR)を含む4連勝とした。The Cossackがオーストラリアに遠征した現状においてこの馬がニュージーランドHurdle路線においては筆頭格の一頭であり、Great Northern Hurdleに向けて弾みをつける一戦となった。Hawke's Bay Hurdle (PJR)にてThe Cossackの2着に入ったKajinoがここでも2着に入った。やや外に切れて行ったNedwinを避けて内に潜り込んで行ったような格好だが、いずれにせよこの2頭にあまり差はないだろう。69kgを背負っていたDr Hankが3着。ここまでHurdleでは5勝しているAigneはさっぱり走らず早々に途中棄権に終わり、どうやらこれで引退するそうだ。

 

CLC Pakuranga Hunt Cup (PJR) OPN STP 4800m (Replay)

1. No Tip J: Shaun Phelan T: Paul Nelson & Corrina McDougal

以前からGreat Northern Steeplechaseへの前哨戦という立ち位置のレース。Ellerslie競馬場の一連の動きの影響で今年からTe Rapaでの開催となったが、出走馬を集めるのに苦労した先日のRiccarton Parkの開催とは打って変わって13頭もの多頭数を集める賑やかなレースとなった。この日はMaiden Hurdleを含め障害競走はいずれも多頭数となっていたようで、少なくともニュージーランド北島においては障害競走数はもっとあってよさそうである。

レースはDes De Jeuなどが先頭を伺うも、これを制してMagic Wonderが引っ張る展開。そのままMagic Wonderは軽快に逃げると、追いかけてきたDonardoなどを振り切って逃げ込みを図るも、一頭だけこれについてきたのがNo Tip。最終障害を越えての2頭の叩き合いはNo Tipが僅差でMagic Wonderを下して勝利した。

No Tipはこれで今シーズンはPoverty Bay Hunt Ferguson Gold Cup (PJR)に続きPJRは2勝目とした。Wellington Steeplechase (PJR)では完全にTittletattleに足元をすくわれた格好になっていたのだが、ここまでのニュージーランドSteeplechaseでは筆頭格といっていいだろう。11歳となったこの馬が69kgを背負い、Heavy8の比較的スピードを要求される条件でこれだけ走るのだから大したものである。2020年にGreat Northern Steeplechase (PJR)を勝っているMagic Wonderは久々にこの馬らしいレースで、やはり馬場は本来は良馬場の方が良いのだろう。2020年はCOVID-19の影響で開催がかなり後ろ倒しになり、結果的にEllerslieのPJRは良馬場で行われたという経緯がある。レース内容としては上位2頭が抜けたパフォーマンスを示したというもので、3着以下は大きく遅れた。おそらくニュージーランドSteeplechaseにおいて現時点では最も有名な馬と思われるDes De Jeuは久しぶりのSteeplechaseであったが、勝負所で落馬に終わった。飛越が安定すれば、ということは"miracle recovery"などと言って持て囃された当時*13から言っていることである。

 

その他

Prořídlému kvalifikačnímu poli kraloval Imphal (dostihy.cz)

今年のVelka Pardubickaに向けた4つのQualification Raceが終了し、22頭の馬が出走資格を得た。その中には過去の勝ち馬であるNo Time To Lose、Theophilos、Talentといった馬も含まれている。