にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

22/11/06 Weekly National Hunt / Jump Racing

10/31(月)

Wexford (IRE) Heavy

〇 M.W. Hickey Memorial Chase (Listed) 2m7f (Replay)

1. Noble Yeats J: Sean Bowen T: Emmet Mullins

ゆるゆると逃げたNoble YeatsがそのままHurricane Gorgie以下を振り切って勝利した。Noble Yeatsはこれが今シーズン2戦目となる。Auteuilに遠征した前走は早々に飛越をミスして途中棄権に終わっていたのだが、今回はSean Bowen騎手との初コンビで結果を残した。どうにも好走するタイミングがよくわからないのだが、とはいえ残念な結果に終わったAuteuilの不安を払拭する走りで、Grand National (G3)の勝利後も無事に来ているというのはなによりだろう。夏場にはMidlands National (Grade B)の勝利もあるHurricane Goergieが2着。夏場は頻繁に使っていたようだがGalway Plate (Grade A)の落馬の後から凡走が続いており、そろそろ休養に入る頃かもしれない。Run Wild Fredは人気を背負っていたが、勝ち馬からは大きく離された3着に終わった。

 

11/1(火)

Durtal (FR) Bon Souple (3.4)

〇 Prix President Poirier Grand Steeplechase Cross Country de Durtal (Classe 3)

Cross Country Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus 4900m (Replay)

1. Born To Be A Queen J: Kilian Dubourg T: Lageneste & Macaire

途中に深い谷のようなコースが設置されているDurtalのGrand Cross。どうにも映像からではわかりにくいのだが、DurtalのCross Countryに関する記事に掲載された写真を見る限りでは*1*2、谷の片側の斜面は中山の谷と類似した形態になっているようだ*3。レースは11歳のBob Aloneがゆったりと逃げるも馬場が良いのか馬群は密集して進行。これについて行ったEleriac De Louedが前に出ていくも、谷の辺りから前に出てきたBorn To Be A Queenがそのまま後続を振り切り勝利した。

Born To Be A Queenはこれで今年は4連勝とした。昨年10月にはPardubiceに遠征するも最終障害で落馬に終わっており、どうやらチェコ競馬ファンの関心もある馬のようだ。今年はClasse 3~4のみを使っており相手関係としては微妙なところもあるのだが、とはいえまだ7歳と若い牝馬で、更なる挑戦を楽しみにしておきたい。SegreのClasse 3を勝ったVif Ardentが2着だが、PauのGrand Crossをはじめ上のクラスではあまり通用していない馬で、メンバー的には若干微妙といえば微妙ではある。

 

11/5(金)

Exeter (UK) Good

〇 Novices' Chase (Class 3) 3m54y (Replay)

1. Thyme Hill J: Tom O'Brien T: Phillip Hobbs

Press Your Luckが積極的に引っ張るも、終盤になって早々に失速し後退。代わって前に出てきたThyme HillがFlash Collongesを振り切って勝利した。Thyme Hillは24fのHurdle路線ではトップクラスの活躍を示した馬で、これがChase転向初戦となる。やや飛越に若さは見られたものの、さすがの運動能力の高さを示すような飛距離のある飛越を見せていた。Kayf Taraの産駒らしいパワーのある細身の馬体が特徴的で、飛越に慣れてくればChaseでも楽しみな存在になるだろう。Chaseは昨シーズンから使っているFlash Collongesが2着で、どうにも走りを見ているとこの馬はもう少し馬場が渋った方がよさそうだ。

 

Haldon Gold Cup (G2) 2m1f109y (Replay)

1. Greaneteen J: Harry Cobdon T: Paul Nicholls

Exeterで行われるレースとしては最大のものとなる。レースはGreaneteenが積極的に引っ張る展開で、これをDolos、Third Time Luckiなどが追いかけていく。早々に後退したWar Lordを残してDolos、Third Time LuckiがGreaneteenに接近するも、残り4障害でThird Time Luckiはミスをして失速。そのままGreaneteenがDolosを振り切って勝利した。

Greaneteenは昨シーズンはTingle Creek Chase (G1)、Celebration Chase (G1)とG1を2勝したこの路線においては代表的な一頭で、とはいえShishkinには完敗していたり、Queen Mother Champion Chase (G1)は完全スルーしていたりと、どうにもつかみどころがない馬である。このレースは2020年に続き2勝目とした。昨年もこのレースには参戦しているもののEldorado Allenから大きく離されて大敗しており、おそらく右回りで坂のあるコースで、かつ気分よく走ることが出来るレースというのがここまでの好走パターンの一案として考えられるだろう。11st12lbを背負っての7馬身差の完勝というのだから大したものなのだが、とはいえこの路線は他に強力なメンバーも多く、どこまで太刀打ちできるか気をつけた方がよさそうだ。同厩舎のDolosが2着。Novice上がりのThird Time Lucki、War LordはいずれもGreaneteenに完敗の内容。元々Joseph O'Brien厩舎にいたUs And Themもいたのだが、前走のUttoxeterでの落馬が尾を引いているような飛越で、障害を2つ飛越しただけで途中棄権に終わった。Novice Chase時代はG1で4戦連続2着という立派な成績を残した馬なのだが、その後のレースの使い方は滅茶苦茶で、もはやかつての姿は見る影もない。

 

Down Royal (NI) Soft

Irish Stallion Farms EBF Feathard Lady Mares Novice Hurdle (G3) 2m190y (Replay)

1. Magical Zoe J: Adrian Heskin T: Henry de Bromhead

Champagne Problem等が前に行くも馬群は密集して進行。そこから出てきたNikini、The Model Kingdonなどが抜け出しを図り、Nikiniが最終障害を飛越して先頭に出るも、遅れて追いこんできたMagical ZoeがNikiniを差し切って勝利した。

Magical ZoeはこれでHurdleは2戦2勝とした。密集した馬群の外を周りつつ追いこんでくるというロスの多い競馬で、人気はなかったとはいえこれを差し切るのだから大したものである。ただし牝馬限定のNovice戦にありがちな上がりだけの緩い展開で、ペースが上がった際にどこまでという疑問はある。ここまでHurdleでは2勝をあげているNikiniが2着に入った。

 

WKD Hurdle (G2) 2m190y (Replay)

1. Pied Piper J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

ゆるゆると逃げたPied PiperがそのままDavid Garrick以下を振り切って勝利した。Pied Piperはこれで今シーズンは2勝目となる。昨シーズンはTriumph Hurdle Trial (G2)の勝利をはじめJuvenile Hurdle路線ではトップクラスの成績を収めた馬で、昨シーズンのよきライバルであったKnight Saluteを前走下して勝利していた。とはいえメンバー的にはかなりの手薄で、しかもこの時期にすでに2戦と、どうにもここを使ってきた意図はわからない。メンバーがあまりにも手薄なので調教ついでにでも出てきたというのが精々といったところだろうか。2着は未勝利馬David Garrickが入った。対抗角と思われていたGaelic Arcも重賞クラスではさっぱり勝負にならない馬、Bonarcも同様の成績ということを考えると、Pied Piperを除けばGrade 2の競争というのは少々厳しそうな顔触れである。

 

〇 Beginners Chase 2m3f120y (Replay)

1. Mighty Potter J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

ゆるゆると逃げたMighty PotterがMars Harper以下を振り切って勝利した。Mighty Potterは昨シーズンはChampion Novice Hurdle (G1)を含めG1を2勝した馬で、これがChase初戦となる。細かいミスはあったもののペースが緩すぎたという感じのミスで、最後同厩舎のMars Harperに詰め寄られてから慌てて追い出している辺り、実にのんびりとしたBeginners Chaseらしいレースである。Mars HarperはやはりChase初戦であったが、HurdleではHandicapへの出走を含めそれなりに経験はある馬で、ここでも飛越自体はできていた。

 

Auteuil (FR) Tres Souple (4.1)

Prix Pierre De Lassus (G3)

Haies Pour tous poulains et pouliches de 4 ans. 3900m (Replay)

1. Il Est Francais J: James Reveley T: Tom George

レースはMister Vision、Bathyscapheなどがある程度後ろを引き離して逃げる展開。これを好位から追いかけて行ったIl Est Francaisが抜け出すと、Ine Anjou以下に8馬身差をつけて勝利した。

Il Est FrancaisはこれでHaiesは3連勝とした。AQPS限定のPrix Jacques De Vienne (G1)にて2着に入った馬で、これがTom George厩舎への転厩2戦目となる。Tom George厩舎の管理馬といえどここまでフランスで3戦しているようで、今後の動向は注目した方がいいだろう。やや前がうまく引っ張ったところを利して逃げ込んだきらいもあるのだが、とはいえHawai Du Berlaisをはじめ4歳Haies路線ではかなり強いメンバーが揃っており、今後楽しみな馬になりそうだ。春にはPrix De Pepinvast (G3)を勝っているIne Anjouが2着。Hawai Du Berlaisは人気になっていたのだが、どうにもレース運びとして後手後手に回るところがあり、最後は追いこんできたものの3着に終わった。

 

11/5(土)

Aintree (UK) Soft (Good to Soft in places)

〇 Grand Sefton Handicap Chase (Class 2) 2m5f19y (National) (Replay)

1. Al Dancer J: Charlie Deutsch T: Sam Thomas

映像を見るとわかりやすいのだが、どうやらAintreeのNational Fenceを含め、あちこちで飛越側のバーがオレンジ色から白に塗り替えられているようだ。近年導入が進む最新のHurdle障害もオレンジ色から白に変更されており、イギリスやアイルランドでおいて広く見られたオレンジ色の障害は過去のものになりつつある。このNational Courseに設置された障害もこの秋から白に変更されており、この変更の効果がうまく出てくれることを願いたい。レースはAl Dancerなどが出てくる展開も、One True Kingが引っ張る形となる。第2障害で早々にThe Golden Rebelが落馬した以外はレースは特にアクシデントなく進行。Bechersの辺りから再度前に出てきたAl Dancerがそのままリードを開き、最後追いかけてきたGesskilleを振り切って勝利した。

Al Dancerは遡ればAscotのBetfair Hurdle (G3)を勝った馬で、そこからChaseに転向するもここまではClass 2勝ちのみに留まっていた。今回は初のNational Fenceで、ひとまず手頃な頭数というところもあり特段のミスはなかったようだが、とはいえどうにもふらふらと飛越するところが目立っており、これ以上頭数が増えるとやや心配なところだろう。距離もあまり伸びていいという感じでもなく、集中力にも課題がありそうだ。10st2lbの軽量馬Gesskilleが2着に入った。Grand Sefton Chaseが11月に移動したことでかなりの実績馬も出走しており、特にTwo For Gold、Lifetime Ambitionの2頭は抜けた斤量を背負っていた。Lifetime Ambitionは4着、Two For Goldはズブさをみせながら5着に入っており、軽量馬揃いの中で頑張った内容だろう。

 

Wincanton (UK) Good to Firm (Good in places)

Rising Stars Novices' Chase (G2) 2m4f35y (Replay)

1. Hang In There J: Thomas Bellamy T: Miss Emma Lavelle

Mcfabulousが人気になっていたが途中でトラブルがあったのか途中棄権。残ったHang in ThereとMortlachの叩き合いはHang In Thereに軍配があがった。

この日のWincantonはかなりの良馬場となっており、途中で安全対策のためコーナーや障害手前に砂を入れる処置が行われたようだ。Hang In ThereはChaseは5勝目となる馬で、夏場に結果を残してきたいわゆるSummer Horseといったところである。ただしHurdle実績としては2019年にSupreme Trial Hurdle (G2)を勝った程度で、その後は重賞戦線では太刀打ちできずClass 3~2辺りを使っていたようで、あまり今後に繋がりそうな実績を有する馬ではなさそうだ。やはりSummer HorseのMortlachが2着に入った。

 

Badger Beer Handicap Chase (Premier Handicap) 3m1f30y (Replay)

1. Frodon J: Bryony Frost T: Paul Nicholls

Lord Accord、El Presenteなどが前を伺うも、かなり主張してFrodonが引っ張る展開。そのままFrodonは軽快に逃げると、唯一付いてきたLord Accordを振り切って勝利した。

Frodonはイギリス24f Chase路線ではお馴染みとなった馬で、ここまでKing George VI Chase (G1)、Champion Chase (G1)など複数のG1を勝利している。今シーズンはこれが始動初戦で、今年の春に行ったWind Surgery明けとなる。Bryony Frost騎手とはもはやお馴染みのコンビといったところで、この馬のペースで気分よく逃げることができれば無類のしぶとさを発揮する。それにしても、今年で10歳とこの中では最年長、12st0lbのトップハンデを背負い、他馬は11st5lbのPottermanを除けばほぼ全ての馬が10st台、さらにGood to Firmという極端な良馬場にも関わらず、これだけの逃走劇をやってのけるのだから大したものだろう。10st6lbのLord Accordが2着に入った。今シーズンがNovice上がりとなる馬だが、今シーズンはすでに3戦目とレース数をこなしている。前走はCheltenhamのClass 2を勝利しており、おそらく現状の馬の状態もよく、この良馬場は合うのだろう。

 

Elite Hurdle (G2) 1m7f50y (Replay)

1. Knappers Hill J: Harry Cobdon T: Paul Nicholls

軽快に逃げたKnappers HillがそのままついてきたSceau Royalを振り切って勝利した。Knappers Hillはこれで今年4月のNovice Hurdleから4連勝とした。どうやら良馬場のスピード勝負が合う馬のようで、3月に挑んだSoftの馬場におけるEBF Paddy Power National Hunt Novices' Hurdle (G3)は大敗しているのだが、そこから馬が変わってきたことを願いたい。10歳となったSceau Royalが2着で、さすがに勝ち馬に対して肉薄することはできなかったものの、古豪健在ぶりを見せてくれた。ただ、4頭立てのKnappers Hillのペースでのんびりと進んだレースといったところで、Knappers Hillがどこまで力をつけているかが今後の焦点となりそうだ。Juvenile Hurdle上がりのKnight Saluteもいたのだが、最後一杯になったMilkwoodを交わしたのが精一杯で、この馬自身Cheltenhamでは良いところがなかったとはいえ、昨シーズンの平地色の強かったJuvenile Hurdleの水準は少し立ち止まって考えても良いだろう。

 

Down Royal (NI) Soft (Soft to Heavy in places)

〇 3YO Hurdle 2m190y (Replay)

1. Cougar J: Mark Walsh T: Padraig Roche

Deep Impact産駒のCougarが出走しており、好位から早々に先頭に立って進めると、そのままついてきたNew Year Honoursを振り切って勝利した。

Cougarはこれで2連勝とした。事前にRuby Walshからは重馬場を懸念する意見も出されていたが、この日のDown Royalは徐々に馬場が回復していたようで、表示ほど馬場は重くなかったというのが現状だろう。やはり平地を走ってきた馬だけあって行きたがって走るところが目立っていたが、とはいえ飛越には問題はなく、重馬場もこなせたというのは収穫である。良馬場の方がベターのように思われるが、比較的緩いペースのJuvenile Hurdle路線であれば重賞くらいは取れそうだ。どうやらTriumph Hurdle (G1)に向けて高評価を受けているようだが、この路線はフランスから強力な移籍馬が出現する可能性が高く、さすがにシーズン序盤のこの時期の評価なので当てにはならないだろう。Nathaniel産駒のEx-Flat HorseであるNew Year Honorsが2着。フランスからの移籍馬でDoctor Dino産駒であるOld Victoriaが対抗角と考えられていたようだが、プレッシャーを受けると早々に失速し大敗に終わった。

 

Ladbrokes Champion Chase (G1) 3m (Replay)

1. Envoi Allen J: Rachael Blackmore T: Henry de Bromhead

今シーズン最初のG1競走となる。昨年はFrodonが勝ったのだが、今年はWincantonのPremier Handicapに向かったようで、出走馬5頭はいずれもアイルランド調教馬となった。レースはKemboyが例によってのんびりと逃げる展開で、Conflated、Galvin、Envoi Allenなどがこれを追いかける。Kemboyはそのまま逃げ込みを図るが、好位からついてきたEnvoi Allenが直線で前に出ると、そのままKemboyを抑えて勝利した。

Envoi Allenは元々Novice Hurdleでは高い能力を見せていた馬で、その後Novice Chaseでも期待されていたものの、Gordon Elliott厩舎の騒動に巻き込まれHenry de Bromhead厩舎に移籍し、その後の移籍2戦はいずれも競争中止に終わっていた。その後はどうにもWind Surgeryがあったりと順調に使えておらず、昨シーズンは年末のPaddy's rewards Club Chase (G1)は格下相手に快勝したものの、Cheltenham及びPunchestownでは全く勝負にならずに大敗していた。これが久しぶりの24f戦であったが結果を残した。ひとまず24fに目途をつけたというのは収穫であり、過去にその素質を高く評価されていた馬が紆余曲折を経て戻ってきたということは嬉しい結果なのだが、とはいえさすがにそろそろ力落ちの感も見えてきた10歳となったKemboyのペースでのんびりと運んだ印象のレースで、AllahoやA Plus Tardといった同厩舎・同馬主の強力なメンバーとの兼ね合いも考えると、どうにもレース選択は難しくなりそうだ。

10歳の古豪Kemboyは安定したレースで2着。Conflated、Galvinといった今シーズンこそはといった馬もいたのだが、それぞれ3、4着と案外な結果に終わった。この辺りで結果を残せないようでは今後のG1戦線では厳しくなりそうだが、Kemboyのペースに巻き込まれた結果と好意的に解釈しておきたいところである。

 

Eventsec Chase (G2) 2m3f120y (Replay)

1. Fury Road J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

Envoi Allenの半弟Fighter Allenもいたのだが早々に失速。後方から進めたFury RoadがDelvinoとの叩き合いを制して勝利した。

Fury Roadは昨シーズンのNeville Hotels Novice Chase (G1)の勝ち馬。おそらく同馬主・同厩舎のConflatedなどとの兼ね合いでこちらに回ってきたものと思われ鵜が、格下のメンバー相手にきっちりと結果を残した。本来は24fで結果を残してきた馬なのだが、とはいえ24fの方が明らかにいいという印象もなく、20fとはどっちつかずといったところで、この辺りの重賞クラスでの常連になりそうだ。これが転厩初戦となるDelvinoが2着。Dermot McLoughlin厩舎には過去に所属しており、元に戻ったような格好の移籍となる。

 

Pine Mountain - Callaway Garden (USA) Good

Aflac Supreme Hurdle Stakes

TO BE RUN OVER NATIONAL FENCES FOR FOUR YEAR OLDS AND UPWARD WHICH HAVE NOT WON OVER HURDLES PRIOR TO MARCH 1, 2021 OR WHICH HAVE NEVER WON THREE RACES, OTHER THAN THREE-YEAR-OLD. Two And Three Eighth Miles On The Hurdle $75,000 (Replay)

1. Welshman J: Graham Watters T: Jack Fisher

スタンド前にはなかなか立派な水壕障害も有するCallaway Garden。競馬場自体はさほど大きくはないのだが、なかなかコースには起伏もあり面白い競馬場である。コース外側に設定されている大型のBull Finchらしき障害はTimberで使われるようだ。レースはTheocrat及びMerry Makerが逃げる展開も、終盤からFast Visionが絡んで行く。大きなミスを下Merry Makerは後退しFast Visionが逃げ込みを図るも、馬群を縫って出てきたWelshmanが最終コーナーで先頭に立つと、そのままTheocrat以下を振り切って勝利した。

WelshmanはこれでMiddleburgのハンデ戦から連勝とした。Hurdle自体は今年から積極的に使っている馬のようで、なかなかレース経験はありそうなのだが、ここにきてようやく結果を出しているといったところだろう。全体的に若さを見せる馬が多い中、この馬は落ち着いたレースを見せていた。元々はイギリスのClass4辺りを走っていたTheocratが2着。アメリカ移籍ごはなかなかやれているようで、今後に期待したい。元々はフランスでデビューしたFast Visionが3着に入った。Harry E. Harris Hurdle Stakes及びSport of Kings Hurdle Stakesの勝ち馬Ljayもいたのだが、水壕で2回連続でミスをしており、勝ち馬からは離れた5着に終わった。

 

Montpelier (USA) Firm

Noel Laing Hurdle Stakes

TO BE RUN OVER NATIONAL FENCES For Four Year Olds and Upward. Two And One Half Miles On The Hurdle $60,000 (Replay)

1. Song For Someone J: Nathan Brennan T: Leslie Young

National Fenceと思いきやなかなか立派な生垣障害を使用するMontpelier競馬場。途中には中山の坂を思い起こさせるような起伏も存在している。レースはBodes Wellが元気に逃げる展開も、最終障害手前辺りからSong For Someoneが先頭に。そのままSong For SomeoneがCity Dreamer以下を振り切って勝利した。

残念ながらこのレースの直後にSong For Someoneは大動脈破裂で亡くなったそうだ*4。イギリスからの移籍直後はなかなか結果を残すことができなかったのだが、これまでの鬱憤を晴らすような快勝であっただけに残念な結果となってしまった。City Dreamerは昨シーズンのNovice路線で活躍した馬で、とはいえ前走のGreat MeadowのDavid L. (Zeke) Ferguson Memorial (G2)ではDown Royalの3着に終わっていたりと、この路線では安定勢力になりそうだ。Duc De Meran、Bodes WellといったSteeplethonの常連は3、4着に遅れた。むしろこの勢力の成績を考えると、City Dreamerはこのような障害に適性を見出したと前向きに捉えることもできるかもしれない。Ask Paddingtonは前半から障害に手を焼いており、早々に遅れて途中棄権に終わった。

 

11/6(日)

Pennsylvania Hunt Cup (USA) Good

Pennsylvania Hunt Cup Timber Stakes

FOR FIVE YEAR OLDS AND UPWARD. Four Miles On The Timber $35,000 (Replay)

1. Mystic Strike J: Gerard Galligan T: Todd McKenna

Shootist及びWithoutmoreadoが取り消して3頭立てとなってしまった。レースは葦毛のMercoeurが後続にややリードを取って積極的に引っ張る展開。しかし残り2障害辺りで前に出たMystic StrikeがRoyal Ruse以下を振り切って勝利した。

Mystic Strkeはこはやこの路線では常連となった馬で、Pennsylvania ZHunt Cupはこれが2019年、2020年に続く3度目の勝利となる。昨年のこのレースではGoodoldtimesの2着に敗れていたが、今年は結果を残した。それにしても、2009年生まれのこの馬が今年はMy Lady's Manor Timber Stakesの2着といい、長く頑張っていることは喜ばしいものである。ハットトリック産駒のRoyal Ruseが2着に入った。今年はあまり結果を残すことはできていなかったようだが、勝ち馬とは飛越技術で前に出られたところもあり、展開次第ではもう少しやれるだろう。積極的に運んだMercoeurは最後失速して3着に終わった。

 

その他

Veterans' chase to replace cross-country at November meeting due to lack of rain (Racing Post)

11月のCheltenhanmのCross CountryはVeterans' Chaseに代替される予定だそうだ。残念ながら降雨量の不足により適切な馬場状態の調節が困難になっているようで、Cross Countryの代替競走は1月に行われる予定である。なお、この降雨量の不足はNickey Henderson厩舎の始動の遅れにも影響しているそうだ。

Nuts Well heading right way after suffering life-threatening injuries in fall (Racing Post)

2020年のOld Roan Chaseの勝ち馬であるNuts Wellは残念ながらWetherbyの落馬で頭部の重傷を負ったそうだが、手術を経てそこから無事に回復しているそうだ。小規模な厩舎であるAnn & Ian Hamilton厩舎に成功をもたらした馬で、これで引退を予定しているようだ。

Do konce roku zbývají ještě dva měsíce, přesto už nyní čeští překážkáři překonali historický rekord (Fitmin & Turf Magazin)

チェコの障害馬の国外での活躍は今世紀に入ってから急激に伸びており、今年は既に過去最高となる127勝、42,471,190Kčを獲得しているようだ。特にその半分以上がScuderia Aichnerの管理馬が占めている。この理由としてはイタリア障害競馬におけるチェコ調教馬の躍進とチェコEUへの加盟が挙げられている。

騎手の負担重量の減量を変更、平地と障害でそれぞれ設定 (ラジオNikkei)

少し前の記事だが。見習騎手におけるJRAの負担重量の設定が変更されるようで、過去平地・障害の勝利数を合算で計算していたものが、それぞれの勝利数に応じて減ずる重量が設定されることになる。

*1:Grand Cross de Durtal 2020: Twirling, la passion du cross en héritage - France sire

*2:Un dimanche aux courses à Durtal - France sire

*3:ただし、もう片側はCross Countryでは一般的な「飛び降り」「飛び乗り」という動作を要求するもので、中山のシンプルな坂とは異なる。

*4:https://twitter.com/JumpingwithNSA/status/1589057681826140161