にげうまメモ

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22/12/25 Weekly National Hunt / Jump Racing

12/19(月)

Punchestown (IRE) Soft

John Durkan Memorial Punchestown Chase (G1) 2m3f200y (Replay)

1. Galopin Des Champs J: Paul Townend T: Willie Mullins

降雪のため延期になっていたJohn Durkan Memorial。レースはゆったりとLifetime Ambitionが逃げる展開も、残り2障害あたりから先頭に立ったGalopin Des Champsがそのまま悠々と後続を突き放して勝利した。

Galopin Des Champsは昨シーズンの20f Novice Chase路線では卓越した成績を残した馬で、これがSenior Chaseでは初の出走となる。この路線のメンバーとしてはFakir D'Oudariesが出走しており、決して楽な相手ではなかったのだが強い競馬を見せた。Lifetime Ambitionが引っ張ったため比較的緩い流れではあったのだが、とはいえこれだけの着差を付けるのだから力差は歴然としているだろう。おそらくここから距離を伸ばしてくるものと思われるが、現時点ではこの馬の能力が抜けすぎていていまいちよくわからないというのが現状である。昨シーズンもAscot Chase (G1)などG1を2勝したFakir D'Oudariesはさすがに意地を見せての2着だが、本質的にはPunchestownのような起伏がだらだらと連続するコースよりはAintreeやAscotといった平坦でスピードの必要なコースや、メリハリのあるコースの方が得意としている感もある。また、今回はLifetime Ambitionがゆったりと引っ張ったこともあり、本来はもう少しペースは流れた方がこの馬にとってはやりやすいかもしれない。同じくNovice上がりのLifetime Ambitionが3着で、Fakir D'Oudariesから1馬身差の3着というのは頑張った方だろう。この馬自体はTroytown Chase (Grade B)で2着に入っているように本来は20fよりも24fの方がよさそうで、しかも適正としてはハンデ戦向きの感がある。Haut En Couleurs、VanillierのNovice上がりの2頭は前評判通り特に勝負には絡めず。もともとフランスで走っていたFastorslowはこれがアイルランドではChase初戦というよくわからないレース選択で、フランスでの数戦の実績があるとはいえいきなりここで通用するはずもなく、ひとまずNovice戦で再度期待したい。

 

12/20(火)

Naas (IRE) Soft (Yielding to Soft in places)

Navan Novice Hurdle (G2) 2m3f207y (Replay)

1. Inthepocket J: Rachael Blackmore T: Henry de Bromhead

人気のAbsolute Notionsが引っ張るもこれにThree Card Bragがからんでいく。オミットされた障害の横あたりからInthepocketが前に出ていくと、食い下がるThree Card Bragをしのいで勝利した。

InthepocketはこれでHurdleは2戦2勝とした。Blue Bresilらしい良質なスピードを持った馬のようで、ペースについていけなくなって下がってくる馬が前に来る不利はあったが、そこから抜け出す脚は目立っていた。興味深いのが逃げたAbsolute Notionsに絡んでいったThree Card Bragで、いったんはInthepocketに前に出られながらも再度盛り返してきたしぶとさはなかなか今後が楽しみになるものだろう。Jet Awayの産駒はまだあまり障害戦では見ないのだが、これから気を付けておいてもよさそうな感がある。

 

12/21(水)

Fairyhouse (IRE) Soft

〇 Beginners Chase 2m (Replay)

1. El Fabiolo J: Paul Townend T: Willie Mullins

ゆるゆると引っ張ったEl Fabioloがそのまま後続に19馬身差をつけて勝利した。El FabioloはHurdleではAintreeのTop Novices' Hurdle (G1)にてJonbonに迫った馬で、これがChase初戦となる。全体的に飛越としてはNovice馬らしいものが合ったが、とはいえ初戦としては十分だろう。スピードに優れたJonbonに対して平坦なAintreeのG1において、Maidenを勝ったばかりの馬が僅差まで迫ったというのは非常に興味深いものであり、JonbonがArkleに向けて楽しみな存在となっている現状、この馬にも期待せざるを得ないというところだろう。Novice Hurdle路線ではTattersalls Ireland Novice Hurdle (G1)で3着に入ったColonel Mustardが離れた2着で、メンバー的には決して弱い相手ではなかったことを考えると、このEl Fabioloの走りはなかなかにインパクトのあるものである。

 

〇 Rated Novice Chase 2m5f (Replay)

1. Ha D'Or J: Paul Townend T: Willie Mullins

淡々と引っ張ったHa D'Orがそのまま勝利した。Ha D'OrはNovice HurdleではTom Quinlan Electrical Novice Hurdle (G2)の2着など複数の入着を果たしてきた馬で、これがChaseでは初戦となる。Chaseでは初めての馬にしてはかなり飛越技術としては安定しており、全体的にいいスピードの持続性能を見せていた。Nidorの産駒ということで血統的にはなかなか面白いところがあり、Hurdleではやや瞬発力における決め手を欠くところがあったことを考えると、今回のレース内容を踏まえるとChase向きのいいスピードの持続性能を持っていることが推定され、Rated Novice Chaseとはいえなかなか楽しみな馬になりそうだ。前走Novice Chaseを勝ってきたMarvel De Cerisyが2着に入った。

 

12/24(土)

Nakayama / 中山 (Good to Firm)

Nakayama Daishogai / 中山大障害 (G1) 4100m (Replay)

1. ニシノデイジー J: 五十嵐雄祐 T: 高木登

別途記載

 

その他

Guinness and glamping: the £950 alternative to beat soaring Cheltenham prices (Racing Post)

近隣の宿泊施設の価格高騰が続くCheltenham Festivalにおいて、輸送用コンテナを利用した簡易宿泊施設が設置されるようだ。どうやら300人のキャパシティーを有し、ツインルームで5日間宿泊した場合は1泊1名あたり95ポンドだそうだ。英国の競馬ファンの間ではあまり評判は宜しくないようだが、どうだろうか。中の人はあまり積極的に利用したいとは思わないが。

'Wonderful servant' and champion jumps sire Milan dies aged 24 (Racing Post)

Jezkiなどの父として知られるMilanが残念ながら亡くなったそうだ。Milanは2019-2020シーズンのリーディングサイアーに輝き、多数の活躍馬を送り出していた。

Age of Jape uspán. Hvězdě první dekády tohoto století bylo 16 let (Fitmin)

Alleged - Japeの系統のAge of Japeが残念ながらフレグモーネの悪化のため亡くなったそうだ。平地で活躍した同馬は2011年にはGran Corsa Siepi D'Italia (G1)を制し、その後チェコ種牡馬入りしていた。

Victorias 2023 Jumps Racing Program Released (Racing Victoria)

2023年のVIC州の障害競馬プログラムが発表された。2022年に引き続き大幅な賞金額の増加が発表されており、Grand Annual Steeplechaseは$350,000から$400,000に変更されるなど、VIC州の障害競馬開催の更なる発展を示すものとなっている。

映画『ドリーム・ホース』公式ホームページ (CineRack)

このブログではたびたび登場しているDream Allianceにまつわる映画"Dream Horse"がどうやら2023年1月6日から日本でも公開となるようだ。もともと2021年にイギリスで公開となった際は好評であったようだが、日本ではどうだろうか。