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にげうまメモ

障害競馬と艦隊これくしょんの個人用メモ ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

16/09/03 New Zealand Racing

*Auckland R.C. @ Ellerslie Slow9

https://www.nzracing.co.nz/RaceInfo/45279/Meeting-Overview.aspx

ニュージーランド障害競馬における一大レース、Great Northern Hurdle / Steeplechase (PJR)が行われたEllerslie競馬場。これでニュージーランド障害競馬シーズンは残り数開催を残してほぼ終わりになる。

 

Schweppes Great Northern Hurdle OPN HDL 4190m

例によってThenamesbondが注文を付けて逃げる展開。これを追うのがD'Llaro、Ngatira Gold。人気のRaisafuashoは中団、Mahanadi、Just Got Homeなども中段に構える。Wee Biskitは後方から。Thenamesbondは距離を警戒してかややスローで逃げるが、これをD'Llaroが外からするすると絡んでいき、1周目の途中から先頭に立ち、そのままスタンド前では後続に大きな差をつける。2周目から少しずつ馬群が縮まっていくが大きな動きは見られない。2周目の中盤で中団にいたHunters Creekが落馬。Mahanadiなどはやや不利を受けてしまう。徐々に後続が動き出しを開始するも先行集団がペースを上げるためなかなか差は詰まらない。残り2障害の時点でD'Llaroが後続を振り切ると、そのままRaisafuashoの追い込みを凌いで勝利。3着には粘ったNgatira Goldが入った。Wee Biskitは捲り不発で途中棄権。

D'Llaro好きの中の人としては泣けるレースなのだがさて。D'Llaroはこれが初重賞制覇。元々は行きたがる気性ということもあり、スピード能力とその持続力を生かして軽快に逃げる展開を作り出す馬であったが、ややそのレース運びでは昨シーズンの時点で限界が見られ、今シーズンからは抑える競馬に転じていた。今回はその高いスピード能力と持久力、そしてようやく制御の効くようになった気性を存分に生かし切った見事な競馬を見せた。裂傷を負いながらの勝利であったようで、その精神力の強さもうかがえるものだろう。前走のRST OPN HDLではThenamesbondに一瞬のスピードの違いで一気に引き離されるレースであったが、とにかくスピードの持続力に関しては素晴らしいものを持っている馬。やや低い飛越が目立つためHDLでこその馬であろうが、このようなレース運びが出来るのであれば距離不問で楽しみな馬であることは間違いないだろう。

人気を背負っていたRaisefuashoは後方から追い上げる競馬で2着。今シーズンから力をつけてきた馬であり、前走はやや仕掛け遅れの印象の3着でここは人気になっていたが、やや今回も同様のレース運びを見せてしまった。自分から早々に動いた時にどこまでの脚が使えるかは今後の課題か。Ngatira Goldは今年MDNを勝った馬だがその地力を見せる3着。やや詰めの甘いところが見られる辺り、今後のレース選択が課題だろう。Thenamesbondは途中からD'Llaroに主導権を握られる形での4着。この馬自身距離不安を抱えているため仕方ない敗戦か。2013 Grand National Hurdles (PJR)の勝ち馬Mahanadiはやや積極性に欠けるレースでの敗戦。例の如く捲りにかけたWee Biskitはこの距離はやや長い。

 

Meadow Fresh Great Northern Steeplechase OPN STP 6400m

Jack Romanovの離脱が残念だったがさて。

Amanood Ladが逃げる展開。これを追いかけるのがUpper Cut、Eric The Viking、Old Redfeather。Zed Case、High Forty、Crash Bandicootなどは中団。Kick Back、Snodroptwinkletoes、Mr Morなどは後方から。ペースは淡々と流れ、1周目のEllerslie Hill、巨大水壕障害も含めて落馬は生じないが、2周目に入るところの障害でWise Men Sayが落馬。急カーブからの障害飛越となるためかなり難易度としては高くなる。2周目のEllerslie Hill辺りからEric The Vikingがやや仕掛けて先頭に。2周目のStand Doubleで後方にいたMr Morが落馬。ここで空馬となったWise Men SayがEric The Vikingに絡んでいき、やや同馬は外に膨らんでしまう。3周目のEllerslie HIllの頂上からEric THe Vikingは後退、代わってZed Caseが外を大きく回って一気に先頭にとりつく。後方からSnodroptwinkletoes、内をするするとKick Backも一気に上がってくる。丘の下の障害でSnodroptwinkletoesが落馬。ここで内から逃げるAmanood Ladに並びかけたKick Backが一気に先頭に躍り出ると、Amanood Ladの必死の追撃を抑えきり勝利。3着にはZed Caseが入った。Upper Cutは4着まで。

地味に誘導馬がいい仕事をしているので注意してみてほしい。Kick Backは8歳の牝馬。これでPakuranga Hunt Cup (PJR)から重賞2連勝となる。とにかく後方から一気に捲りをかける馬だけに、コースや展開、仕掛けたときの飛越などに注文が付くのだが、今回はEllerslie Hillを駆け降りるところで仕掛け、そこからしばらく障害がないEllerslie競馬場の形態も向いたようだ。それにしても、この長丁場を後方でじっと構え、仕掛けると一気に上がっていけるスピード能力、そして最後まで脚を使い切る持久力と精神力は素晴らしいものがあるだろう。また、それを生かし切ったShaun Fannin騎手の騎乗も見事であった。このタフな競馬場で派手な競馬をやってのける類稀なる才能を持った牝馬、その活躍には来シーズンも要注目だろう。

2014年のGreat Northern Steeplechase (PJR)の勝ち馬Amanood Ladも見せ場を作った。ややここのところは着順を落としていたが、さすがにタフなレースになればなるほど力を発揮する馬。その飛越は終始素晴らしいものを見せており、最後こそ勝ち馬の瞬間的なスピードにはやられたが、厳しいレースになったときの底力には侮れないものがある。Zed Caseは人気薄ながら健闘した。STPは3戦して未勝利、いずれも惜敗という馬であったが、自ら積極的に動いてAmanood Ladを追い詰めた能力は高く評価すべきものがある。ただしスピード能力という点でやや疑問符が残るため、MDNで勝ち上がれるかはわからない。自ら厳しい競馬を作った方が良いとは思うが。

今シーズンの上がり馬でGrand National Steeplechase (PJR)を勝利したUpper CutはAmanood Ladと同じようなレースをするも、最後は気力負けして4着。距離も800m近く長く、また大きな丘を3回も超えるレースは未経験であり、その辺りが最後は出たのだろう。昨年同レース2着のSnodroptwinkletoesは一気に仕掛けたところでの落馬。無事であれば確実に勝負になっていただけに勿体ないが、飛越が終始安定しなかったのが気になる。