にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

24/04/28 Weekly National Hunt / Jump Racing

4/22(月)

Strasbourg (FR) Collant (4.5)

Grand Cross Strasbourg #4 TNC Haras Du Lion (Classe 1)

Cross Country Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 5200m (Replay)

1. Ivresse D'Estruval (FR) (AQPS) J: Baptiste Le Clerc T: Lageneste & Macaire

途中で何度もTrot等のコースの横断や、テクニカルな障害、更には急カーブが連続するStrasbourgのGrand Cross。レースはLegolas産駒のGazee De Bedonが前に出てくるも途中からJack Luxがこれに並んでいき、第18障害辺りから先頭に。しかしVolpumの前でJack LuxがミスをしてIvresse D'Estruvalが先頭に代わると、そのまま後続を突き放して勝利した。2着には後方からHalco De Sartiが追い上げたようだ。

Ivresse D'Estruvalはまだ6歳とCross Countryとしてはかなり若い馬だが、このレースは連覇とした。昨年の末にはPauに参戦していたようだが結局結果は出なかったようで、Pauと異なり小型で器用さを求められるタイプのコースが設定されているStrasbourgに適性があるのかもしれない。レース内容としてはほぼ完勝といったところで、2着に追い込んだHalco De Sarti等と比較して立ち回りの器用さの面で一枚上手であったように思われる。後方から追い込んだHalco De Sartiが2着。前走NancyのClasse3を勝利したGazee De Bedonが3着。出走馬唯一のサラブレッドであったBaby Businessは4着。チェコから参戦したGap Pierjiは中段から進出を試みたが、勝負所から遅れて5着に終わった。アイルランドで似たような名前の馬(Impaire Et Passe)が良く知られているImpair Et Passeはいいところなく大敗に終わった。

 

4/23(火)

Compiegne (FR) Tres Souple (4.0)

〇 Prix Gaston Branere (Listed)

Haies Handicap Pour tous poulains et pouliches de 4 ans, ayant couru depuis le 1er janvier de l'année dernière inclus. 3600m (Replay)

1. Ella Duchic (FR) J: Baptiste Le Clerc T: Florian Bellemere

後続を大きく引き離す派手な逃げを打ったElla DuchicがBlissimo以下を振り切って勝利した。Ella DuchicはHaiesは5戦目にして初勝利となる。牝馬で70kgとここではやや抜けた斤量を背負っていたようで、これまでにAuteuilのClasse2で3着に入る実績はあったようだが、ここ2戦は大敗して人気を落としていたようだ。Tunisの産駒としてはこれが初のListed以上の勝利となるが、レース内容としてはほぼノーマークの逃げ切り勝ちといったもので、斤量的には面白い内容ではあるがどこまで次につながるかはよくわからない。最後追い込んで来たBlissimo、Magic Flightと続いた。

 

〇 Prix Du Mont Dore (Listed)

Haies Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 3800m (Replay)

1. Gold Tweet (FR) J: Gabin Meunier T: Gabriel Leenders

牝馬Pari D'Amisが前に行くも途中で異常があったのか早々に途中棄権。後方から追い込んだGold TweetがGuaranaを抑えて勝利した。

Gold Tweetは昨年はCheltenhamに遠征していたことで話題を集めていたが、今年はAuteuilのGrand Steepleを目指すようで3月のPrix Troytown (G3)から復帰している。同レースではJuntos Ganamosの3着に終わっているが、Grand Steeplechase De Paris (G1)に向けてここを叩き台に選んできたようで、ステップレースとしてはいいレースを見せた。全体的にあまり無理をせずにのんびりと追走し、斤量面でも有利な他馬を抑えて勝利したことは楽しみな内容で、本番でも有力馬の一頭として期待できそうだ。昨年の12月にPrix Andre Michel (G3)を勝利した5歳牝馬Guaranaが2着で、この馬も復帰戦としてはいい内容であったと言えるだろう。チェコからは5歳馬Ange Pitouが参戦しており好位から進めたが、終盤に脱落して8着に終わった。

 

Prix Hopper (G3)

Steeplechase Pour tous poulains et pouliches de 4 ans. 3900m (Replay)

1. Juderose (FR) J: Dylan Ubeda T: Mathieu Pitart

Kazador De KerserとWorth A Teamが元気に前に出てくるも、中盤のOxerの辺りから後続が接近。向こう正面の途中から前に出たJuderoseがKilometre Illimite以下を振り切って勝利した。

Juderoseは重賞クラスは初勝利とした。昨年12月にCagnes-Sur-MerのClasse1を勝利しているが、Compiegneのここ2戦はいずれも競争中止に終わっている。ここまでAuteuilでの出走はなさそうで、今回のレース水準も含めて気を付けておきたい一頭だろう。父Willywellは2018年にPrix Alain Du Breil (G1)を勝った牝馬Wildriver以来のビッグタイトル獲得となった。昨年にCompiegneでListedを勝っているKilometre Illimiteは追い込んでの2着だが、立ち回りとしては勝ち馬に対してやや後手に回るところがあり、かつ2kgの斤量負担があったことを考えると、あまりこの2頭の力量差はないと考えてよいだろう。

 

4/27(土)

Sandown (UK) Good (Good to Soft in places)

Oaksey Chase (G2) 2m6f164y (Replay)

1. Fantastic Lady (FR) (AQPS) J: Nico de Boinville T: Nicky Henderson

イギリス2023-24シーズンとしては最後の開催となる。レースは芦毛のベテランAl Dancerが出てくるも、これを制してGa Lawが先頭に。これをHitman、The Real Whackerなどが追いかけるも、後方から進出したFantastic LadyがGa Lawを捉えて勝利した。

Fantastic Ladyは9歳の牝馬で、重賞自体はここまで牝馬限定のListed競走の勝利がある。昨年はAintreeのTopham Chase (Premier Handicap)で2着、このレースでHewickの3着と頑張っていたようだが、今年は得意のコースで結果を残した。Ga Lawは1月にCheltenhamでPremier Handicapを勝った馬だが、とはいえ基本的に実績としては20fの馬といったところで、今回はスピードを生かして前に行ったが、最後はやや苦しくなったようだ。近走いまいちのHitman、Easy Gameも最後脱落して3、4着。Hitmanは一度Wind Surgeryを行っている馬で、その再発がなければよいのだが。人気の一角The Real WhackerはGa Lawに先頭を奪われてのレースで、さすがにG1戦線で勝負をするのであればこのメンバー相手にはあっさり勝ち切って欲しかったところがある。

 

Celebration Chase (G1) 1m7f99y (Replay)

1. Jonbon (FR) J: Nico de Boinville T: Nicky Henderson

JonbonとEl Fabioloの対決ということで注目が集まっていた。レースは例によってEditeur Du Giteが前に行くも、元気よく進めたJonbonが途中から先頭に。そのままJonbonは追いかけてきたEdwardstone以下を振り切ると、そのままEl Fabiolo以下を退けて勝利した。

JonbonはこのSandownでは4戦無敗とした。今シーズンはClarence House Chase (G1)では勝負所でミスをしてElixir De Nutzに敗れると、Cheltenham FestivalはNicky Henderson厩舎のごたごたに巻き込まれて出走を回避していた。Sandownの特殊なコース形態からシンプルなスピードのみで押し切ることは難しいのだが、一方でこの馬の高いトップスピードと脚力の強さはSandownでは大きな武器であり、どうにも飛越のリズムが悪く苦労していたEl Fabiolo以下を圧倒するレースとなった。前走2m5fでも結果を残しているが、今回は改めて2マイルの距離でこの馬のポテンシャルを確認することが可能なパフォーマンスであり、次のシーズンにおける動向には改めて注目したい。そのEl FabioloはCheltenhamでは早々に大きなミスをしての途中棄権であったが、今回はどうにもSandownのコース形態に苦労するような格好での敗戦となった。おそらくWillie Mullins厩舎のイギリスリーディングの関係でこちらに回ってきたものと思われるが、この馬としてはPunchestownの方がやりやすかったことは言うまでもないだろう。Sandownのコースには慣れているEdwardstoneがコース巧者らしいレースを見せて3着。ほぼ勝負が決まった後とはいえ、Boothillが最後追い込んで次のシーズンに望みをつないだ。Nube Negra、Editeur Du Giteはいいところなし。Clarence House Chase (G1)でJonbon相手に大金星を挙げたElixir De Nutzは残り2障害で落馬、残念な結果となったそうだ*1

 

bet365 Gold Cup Handicap Chase (Premier Handicap) 3m4f146y (Replay)

1. Minella Cocooner (IRE) J: Danny Mullins T: Willie Mullins

レースはFreddie GordonのAnnual Invictusが前に行く展開で、そのまま前で逃げ込みを図るも、後ろから出てきたMinella Cocoonerがこれを捉えて勝利した。

Minella Cocoonerは昨シーズンからNovice Chaseに参戦している馬で、1月にBeginners Chaseの勝ち鞍がある。24fのNovice HurdleのG1戦線で活躍した馬であるのだがNovice Chase戦線ではあまり結果が出なかったようで、その代わりにFairyhouseのIrish Grand National (G3)では3着に入っていた。おそらくこのような24f超の長い距離においてじわじわと伸びてくるタイプの馬のようで、11st9lbというそれなりに厳しい斤量を背負って勝ち切ったことを考えると、来年はAintreeという選択肢もありそうだ。Conditional JockeyのFreddie Gordonを背に頑張ったAnnual Invictusが2着。3着にはWillie Mullins陣営のNick Rokettが入った。12歳馬Sam Brownはやはり勝負所で置かれる場面はあったが、最後まで頑張って走ってあまり差のない6着。Aintreeで話題になったKitty's Lightも好位から進めたが、前には迫ることはできず9着に終わった。

 

Select Hurdle (G2) 2m5f110y (Replay)

1. Impaire Et Passe (FR) (AQPS) J: Paul Townend T: Willie Mullins

Gary Moore陣営のBotox Hasが逃げるも直線に向いて馬群は密集。外を伸びてきたImpaire Et Passeが内に切れ込みつつ前に出ると、追いかけてきたLanger Danを抑えて勝利した。

Impaire Et PasseのPaul TownendはBlueking D'Orouxの外から進出しているのだが、この内にいるLanger Danを見ながら内の馬を完封するような進出の仕方をしている。両馬場とはいえSandownの上り坂でこのように加速のためのスペースを消されることはかなりの不利であり、トップスピードよりはスピードの持続性能に長けたImpaire Et Passeにとっては終いに差し返されるリスクを最小限に抑えた競馬となった。Impaire Et PasseはAintree Hurdle (G1)から2連勝とした。Aintree Hurdle (G1)では直線を向いて疑惑の進路どりがあったりとケチが付いたのだが、ひとまず今回はしっかりと格好をつけたことになる。それにしてもPunchestownに出走していても有力馬扱いされていたはずのこのクラスの馬をイギリスのG2に複数出走させてくるのだから、Willie Mullinsという陣営の巨大さがよくわかるだろう。Langer Danは惜しい2着。やはりWillie Mullins陣営のSir Gerhardが3着に入り、この日のパドックには合計で7人のWillie Mullinsがいたように*2、その巨人ぶりを最後まで遺憾なく発揮するイギリス障害競馬シーズンの締めとなった。

 

Auteuil (FR) Tres Souple (4.1)

〇 Prix Girofla (Listed)

Haies Pour pouliches de 3 ans 3000m (Replay)

1. Olympic Story (FR) J: Angelo Zuliani T: Francois Nicolle

元気よく進めたOlympic StoryがSobriquette、Shaka Du Berlaisを振り切って勝利した。Olympic StoryはこれでAuteuilのデビュー戦から2連勝とした。レース振りとしてはかなり良質なスピードを持った仕上がりの早そうな馬という印象だが、2、3着の馬とはあくまで展開次第といったところであまり差はなさそうだ。Goliath Du Berlais産駒のSobriquetteが僅差の2着。3月のAuteuilにてそのSobriquetteの3着に入ったShika Du Berlaisが3着だが、こちらは母に重賞勝ち馬のNikita Du Berlaisがいるという良血馬で、最後じわりと差を詰めていたことを考えると展開次第で逆転は可能かもしれない。

 

〇 Prix Go Ahead (Listed)

Haies Pour poulains entiers et hongres de 3 ans. 3000m (Replay)

1. Nietzsche Has (FR) J: Ludovic Philipperon T: Marcel Rolland

前に行ったNietzsche Hasが付いてきたWilly De Houelleとの叩き合いを制して勝利した。Nietzche HasはZarak産駒の牡馬で、こちらもAuteuilのデビュー戦から2連勝とした。こちらも先ほどのOlympic Storyと同様にかなり良質なスピードを武器とする馬といった印象だが、Olympic Storyの勝ち時計からは1秒ほど早い点、及び2着のWilly De Houelleと比較して現時点ではスピード能力面でそれなりの差がありそうだという点には留意すべきだろう。Beaumec De Houelle産駒の牡馬であるWilly De Houelleが2着に入ったが、Nietzche Hasに最後までくらいついて行ったとはいえシンプルなスプリント能力の面ではやや力量差がありそうだ。

 

Grande Course De Haies De Printemps (G3)

Haies Handicap Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus, ayant reçu une allocation en courses de haies depuis le 1er janvier de l'année dernière inclus. 4300m (Replay)

1. Irish Vocation (FR) (AQPS) J: Tanguy Andrieux T: Yannick Fouin

レースはMamix's PassionやFirst Dreamなどが出てくるも、外からFelix De Giles騎手のVision Du Rheuがやや抜けて引っ張る形となる。そのままVision Du Rheuが先頭で直線を向くも、最終障害の前で出てきたIrish VocationがAlentejo以下を大きく突き放して勝利した。

Irish VocationはVoiladenuoの産駒で重賞は初勝利とした。2022年に一度Haiesを試しているのだがそこではうまくいかず、一旦Platに戻してから2023年の9月頃から再度Haies参戦となっている。ここ2戦ほどはPrix Hypothese (G3)等の定量の重賞戦線を走っていたようだが2戦していずれも3着とややトップスピードの面で不足があったようで、今回は方針を変えてHandicap戦に出走していたようだ。71kgを背負っての勝ち方としてはなかなか立派な内容で、まだ6歳と比較的若い馬であることを考えるとSteeplechaseという選択肢もあるだろう。Networkの産駒でAQPSのVoiladenuoから目立った産駒が現れたことも喜ばしいことであろう。それにしてもこの馬の戦績としては5歳となった昨年から本格化したような印象があり、直前の3歳戦で牡馬が1、2着を占めたことは喜ばしいのだが、あまり早期に結果を求める傾向は考えさせられるものである。

 

Prix Ingre (G2)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 4400m (Replay)

1. Toscana Du Berlais (FR) J: Gaetan Masure T: Arnaud Chaille-Chaille

直前で隊列への合流を渋っていたGeneral En Chefが出走取消。道中でSel Jemが何等かの異常により競争中止。残った5頭のレースはAmy Du Kiff以下を振り切ってToscana Du Berlaisが勝利した。

Toscana Du BerlaisはShantouの産駒で、3月のPrix Troytown (G3)では途中で落馬に終わっていたのだが、今回は結果を残した。とはいえ2月のPrix Robert De Clermont-Tonnerre (G3)ではJazz Manoucheからやや離れた3着に終わっており、今年はGrand Steeplechase Mastersに参戦しているとはいえそこまではあまり重賞戦線にいた馬ではないことを考えると、今回はメンバー的にもやや恵まれた印象も拭えないというところが正直なところだろう。昨年のPrix Maurice Gillois (G1)を勝ったAmy Du Kiffが2着で、上の世代相手にこの馬が通用するのであればレースとしては面白い内容なのだが、Prix Maurice Gillois (G1)自体やや上がり馬としての立ち位置であったことを考えると、少し慎重に見ておいた方がいいレースかもしれない。Amy Du Kiffから4馬身差の3着にIn Love、僅差の4着にGrand Oncleが入った。復帰2戦目となったSel Jemはどうやら腸骨の問題があるようで*3、どうにも心配なレース結果となった。

 

Prix Amadou (G2)

Haies Pour tous poulains et pouliches de 4 ans. 3900m (Replay)

1. Kibboutz (FR) J: Kevin Nabet T: Francois Nicolle

第1障害で大いに斜飛したSan Guidoの煽りを食らってLeon Du Berlaisが落馬。King Contiが軽快に引っ張るも、これを追いかけたKibboutzがBon Garconを振り切って勝利した。

Kibboutzは重賞は初勝利とした。前走のPrix Virelan (Listed)ではKing Contiに僅差の2着に敗れていたが、今回はその借りを返したことになる。El Fabioloに代表されるようにSpanish Moon産駒らしいいいスピードを持っているようだが、とはいえ有力馬と考えられていたLeon Du Berlaisが早々に脱落し、King Contiがやや飛ばし過ぎたというところもありそうで、このあたりの力関係はもう少し慎重に見ておいた方がよさそうだ。重賞クラスでは惜敗が続くBon Garconが惜しい2着で、まだ4歳馬ということを考えるとなかなか面白い存在かもしれない。Leon Du Berlaisは勿体ない落馬で、昨年はJigmeやMaster D'Oc等に対して延々と2着を続けていた馬で、前走のPrix D'Indy (G3)ではLosange Vert BleuやBon Garcon、Karaktaなどの強力なメンバーを完封する勝利を見せていたのだが、今回はまたもや不幸な結果に終わった。

 

Glyndon (USA) Firm

The Maryland Hunt Cup Timber Stakes

Four Miles. (Timber) For Five Year Olds And Upward. Owners, horses and amateur riders acceptable to the race committee. $100,000 (Replay) (Facebook Live)

1. Blackhall (IRE) J: Charlie Marshall T: Joseph Davies

今年で第126回を誇る歴史あるMaryland Hunt Cup。年に一度、このレースのためだけのの開催であり、なにか立派なスタンドのようなものもなさそうで、おそらくパドックもなにかしらの簡易的なネットを張っただけのもののようだが、そこには多数の観客が集まり熱気のあるレースが行われる。

レースは今年で15歳となったベテランVintage Vinnieが出てくる展開で、第3障害で早々にMr. Fine Threadsが落馬。Vintage Vinnieを追いかけてWithoutmoredoが追走し、例によって隊列はやや長くなる。再度リードを開いた中盤で大きな大きなミスをしたVintage VinnieであるがこれをTeddy Davies騎手が奇跡的なリカバリーを見せる。番手からBlackhallとShootist。この中から抜けてきたWagnerが前を追いかけるも落馬。そのままVintage Vinnieが元気に引っ張るも、残り2障害を越えて後続が殺到。ここから抜けてきたBlackhallがShootistを振り切って勝利した。Goodoldtimes、Vintage Vinnieと続いた。

Blackhallは元々はアイルランドにいた馬なのだが、2歳から平地競争を走るもさっぱりいところはなく、その後謎の長いブランクを経て2020年頃に2回ほどPtPを走っている。2022年からアメリカに移籍し2022年のMaryland Hunt Cupを走るも遥か後方に離れた5着に終わっていたようだ。ひとまず前走のGrand NationalのAllowanceではMr. Fine Threadsの2着に頑張っていたようだが、このMaryland Hunt Cupでは2回走っていいところのなかった馬がここで激走するのだから競馬というのは面白いものである。ShootistはこのMaryland Hunt Cupは2回目の挑戦であったが、今回は無事完走しての2着。Grand National TimberやPennsylvania Hunt Cup等でもコンスタントに走っており、引き続きこのクラスの常連として期待できそうだ。2021年にPennsylvania Hunt Cupを制したGoodoldtimesが久しぶりに好走して3着。ただし上位1~3着の10歳馬トリオはVintage Vinnieを追いかけたタイミングにより差といったところで、展開一つで着順は変わりそうだ。15歳馬Vintage Vinnieは元気よく走っての4着で、やはりスピード面で全盛期にはだいぶ遠いとはいえ、15歳と思えないほどフレッシュな走りを見せた。映像ではいまいちわかりにくいのだが、Teddy Davies騎手渾身のリカバリーも含めて素晴らしい競馬であったと言えよう。カナダ生産馬で12歳となったRocket Star Redは2021年では3着、2022年では2着に入ったこのレースの常連で、前からは大きく離されるも最後まで頑張って完走したようだ。上がり馬Mr. Fine Threads、Wagnerはいずれも落馬。Hat Trick産駒Royal Ruse、昨年の勝ち馬Withoutmoredoも落馬と、このレースの障害の難しさを改めて認識させる激しいレースとなった。

 

Foxfield (USA) Good

Daniel Van Clief Memorial. Sport of Kings Novice Hurdle Stakes

Two And One Eighth Miles. (Hurdle) For Four Year Olds And Upward Which Have Not Won Over Hurdles Prior To March 1, 2023 Or Which Have Never Won Three Races, Other Than Three Year Old. $75,000 (Replay) (Facebook Live)

1. Total Joy (IRE) J: Phillip O'Hanlon T: Leslie Young

レースはGo Poke The Bearが元気に引っ張るもこれにGoing CountryとTotal Joyが接近。終盤脱落したGoing Countryを残した2頭のマッチレースはTotal Joyに軍配が上がった。

Total Joyはアメリカ移籍後3勝目とした。元々イギリスでは平地競争を走っていた馬だがアメリカではHurdle戦線を使っているようだ。昨年10月のHarry E. Harris Hurdle Stakesでは落馬、11月のAikenのHoliday Cup StakesではKiyomoriに敗れているが、今回は結果を残した。アメリカ生産馬で、平地競争では重賞競走への出走歴もあるGo Poke The Bearが2着。TryonではHandicap競走を使ってきたようだが、なかなかいいスピードもありそうで、Novice戦線でもやれそうだ。昨年AikenのHoliday Cup Stakesを勝ったKiyomoriはやや勝負所からズブさを見せての3着だが、これが今年の初戦であることを考えると次は期待したい。2022年のJonathan Sheppard Handicap (G1)で2着に入ったGoing Countryは途中までは元気に進めたが、そこから脱落して4着に終わった。

 

4/28(日)

Nimes (FR) Bon (3.2)

〇 Prix De Ledenon (Classe 4)

Haies Pour tous poulains et pouliches de 3 ans, n'ayant pas, en course de haies, reçu 5.000 (victoires et places). 3400m (Replay)

1. Illaho (FR) J: Nicolas Gauffenic T: Noel George & Amanda Zetterholm

好位から進めたIllahoがKissy以下を振り切って勝利した。IllahoはあのAllahoの半弟で、これが初勝利となる。ただしAllahoを除くとさほど目立った馬は出ていないようで、Allahoの全弟Attahoが今年2月のアイルランドPoint-to-PointのMaidenに出走し話題を集めたものの、4着に敗れている。他には2023年生まれのNallahoというAllahoの全弟がいるようだ。Illaho自身はGoliath Du Berlaisの産駒で、4月にMoulinsのClasse4でデビューするもVolovoというChoeur Du Nord産駒の牡馬の3着に終わっていた。ひとまず2戦目で良くなってきたという可能性はありそうだが、2着のKissyはCompiegneのClasse3で大敗している馬で、レース水準としてどこまでというのはありそうだ。スペインのMadridやSan Sebastianの平地競争を転戦し、Madridの5f戦を1勝しているPyrrhaaはこれがフランスHaies初戦であったが3着に敗れた。

 

Merano (ITA) Tempo Coperto Terreno Buono

〇 Ruster Resort Lagundo Euro 6,000 TRIO

per cavalli di 5 anni ed oltre (Cross Country - Condizionata - G.R.-AM.-FANT.-PAT.FISE/FITETREC/ANTE) 3500m (Replay)

1. Laldann (FR) J: Tereza Podraska T: Josef Vana Jr

途中から前に出たHeichalが道中やや引き離してレースを進めるも、好位から進めたLaldannが直線これを捉えて勝利した。LaldannはTrevisoのCross Countryから2連勝とした。2022年の段階ではGran Corsa Siepi D'Italia (G1)でSkins Rockの3着に入る等頑張っていた馬で、4歳時代にはG2競走の勝利もある。2022年からやや長い休養を経ていたようだが、今年の3月からCross Country戦線に出走しているようで、この路線では楽しみな一頭になりそうだ。昨年Meranoの3000メートルクラスのCross Countryで3連勝を飾ったHeichalが2着。前走のTrevisoのCross Countryではうまくいかなかったようだが、Meranoのコースに戻ればといったところもありそうだ。この路線ではお馴染みになったFly Filo Fly、Chateaudemalmaisonと続いた。ウクライナ生産馬Piraniyaはこれが長期の休養からの復帰2戦目であったが、早々に落馬に終わった。

 

〇 Saverio Lembo Euro 17,600 TRIO

per cavalli di 4 anni (Siepi - Condizionata - Fantini) 3300m (Replay)

1. Apex (IRE) J: Jaroslav Myska T: Paolo Favero

やや行きたがって走ったMadrileneとPoirotが後続をやや引き離して進めるも、最終コーナーで外から捲ったApexがPoirotを抑えて勝利した。ApexはPisaのListed競走を制した馬で、2月のCriterium D'Inverno (G2)ではFirst PolarやPoirot相手に4着とやや着順を落としていたが、今回はめでたくその借りを返したことになる。今回初めてコンビを組んだJaroslav Myska騎手との手があったのかはよくわからないのだが、とはいえ直線だけでPoirotを5馬身突き放すスピードは大したものだろう。Criterium D'Inverno (G2)で2着に入ったイタリア生産馬Poirot、Criterium D'Inverno (G2)を勝ったFirst Polarと続いた。フランスからの移籍初戦となったMadrileneが差のない4着で、あまりこのあたりに力量差はなさそうだ。