にげうまメモ

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18/08/28 Belgian Racing / Crystal Cup

*Waregem

Prijs Jacques Du Roy De Blicoquy (Steeplechase) 4600m

https://www.youtube.com/watch?v=uo9bDGpZQk4

Tamara Du Granitが先頭を伺うも、これを制してAlcingerがハナに。一時は大逃げの格好になるも、3周目に入る前の水壕障害にてミスをするとやや手ごたえが怪しくなる。代わって追い上げてきたAmour Du Pur Noirがそのまま後続を突きはなし、最後は11馬身差の快勝。Dudevant、Blootenderと続いた。Gallo's Starは4着まで。

WaregemのSteeplechaseで行われるING Grand Steeplechase Des Flandresは欧州Cross Country SeriesのCrystal Cupの一環として行われ、実際にBanquetteが設置されているのだが、どちらかというと巨大な生垣障害が単純なコースの中に連続するSteeplechaseに近い性質を持つ。そのため飛越の技術はもちろんのこと、Cross Countryの器用な飛越技術とは異なり、ある程度の跳躍力を生かしてスピードを持って越えていく技術が必要となる。Amour Du Pur Noirは昨年のこのレースの勝ち馬で、2016年は3着に入っているWaregemのスペシャリスト。さすがに馬が自信を持って飛越している場面が多くみられ、特に最終周のOpen Ditchにおける大きな飛越は理想的なものを見せていた。このタイプはMeranoで好走するパターンが多く、昨年は無念の落馬に終わったGran Premio Merano (G1)での好走が期待される。Dudevant、Blootenderは人気薄ながら好走した。この辺りは調子のよさもあったのだろうか。2016年のこのレースの勝ち馬で、イタリアやCheltenhamでも好走実績のあるGallo's Starは勝ち馬のスパートについて行けない形での4着。飛越技術は素晴らしいものを見せていたのだが、Waregemで勝ち切るのであればもう少しペースアップすることが必要だろう。同じくCross CountryスペシャリストのAmazing Comedyが同様についていけなかったのもこのレースの性質を物語るものである。

 

Prix Felix De Ruyck - Fegentri (Haies) 3600m

https://www.youtube.com/watch?v=diPk0pY4OAQ

Let It Song、Etoile Dassilaなどが並んで逃げるも、最終周から抜け出してきたVaheozが一旦は後続に数馬身の差をつける。しかし最終障害を越えてこれに迫ったCross Wayがこれを捉えると、後続に3~4馬身ほどの差をつけて勝利した。

Cross Wayはこれで障害は12勝目となる。Haies、Steeplechaseのいずれでも勝ち星がある馬であり、ある程度高さのあるWaregemのHurdleにも対応できていた。Vaheozは最後脚が上がったのか、それともソラを使ったのかは不明だが、いずれにせよこのような惜敗が多い馬のようだ。GranvilleのSteeplechaseを3連勝して挑んできたPolo Rogueは5着。ドイツのDaulys Anthemはどうやらアブミを落としてしまったようで、騎手が自分から落ちていたようだ。あそこは頑張るべき場所だったように思うのだが。

 

ING Grand Steeplechase Des Flandres (Steeplechase) 4600m

https://www.youtube.com/watch?v=fU3SVejPzto

本日のメインレース。Belgium Grand Nationalとかいう単語が聞こえるような聞こえないような。同レース4連覇を狙うTaupin Rochelaisが人気になっていた。対抗としてはDefit D'Estruval。

例によってTaupin Rochelaisが逃げる展開だが、これにVotre Plaisirがついて行く。第3障害でTaupin Rochelaisが小さなミス、代わってVotre Plaisirが先頭に。そのままVotre Plaisirが逃げるも、3周目の生垣の飛越でアブミを落とすとそのままTaupin Rochelaisが先頭に。追いかけてきたDefit D'Estruvalを振り切ってTaupin Rochelaisが勝利した。僅差の2着にDefit D'Estruval。Votre Plaisir、Fou et Sageと続いた。

Taupin Rochelaisはこれで同レース4連覇とした。ハンデ順2番手のDefit D'Estruvalの68kgに対してこの馬が背負っていた斤量は76kgであり、最軽量のVotre Plaisirの62kgに対して優に14kgのハンデ差がある。この斤量はストーン換算すれば約12ストーンであり、これは比較的重い斤量でレースが施行されるイギリス・アイルランドにおいて、比較的斤量を重くしてスピードを落とすアマチュア騎手限定戦(Hunter's Chase)程度でしか使われないような斤量である。これだけの斤量差を背負いながらも、ここまでのパフォーマンスを見せることが出来たことは、この馬の相当な力量差を物語るものである。

さて、Taupin Rochelaisは比較的大跳びでストライドを伸ばして走る馬であり、本来は自分のペースで走りるためにハナに行きたかったのだが、Votre Plaisirが競り掛けてきたことでリズムを崩したのか、この馬らしくないミスが何度か認められた。それでもVotre Plaisirが脱落したのち、勝負所のOpen Ditchではこの馬らしいスピードに乗せた大きな飛越を見せ、その後のHurdleにおける飛越だけでDefit D'Estruvalを退けた走りはさすがの一言である。Waregem競馬場のSteeplechaseにおいて必要とされる飛越技術を体現したような馬であり、この馬の飛越技術は日本含め全ての障害競馬ファンは見ておく必要があるものだろう。例年であればMeranoのGran Corsa Siepi Di Merano (G1)に向かうのだが、MeranoのコースはWaregemと異なり複雑であり、かつイタリアSiepiではここまでの飛越技術の違いがレースの勝敗を分けるものにはならない辺り、MeranoのSiepiに対する適性という面では微妙な部分があるかもしれない。かえってPardubiceのCross Countryの方がよいのかもしれないのだが、この馬自身Cross Countryは2014年辺りまでに3回走って全くいいところがなかった辺り、やはり大型の生垣障害向きということなのかもしれない。11歳とやや高齢ではあるのだが、来年もぜひ見てみたい一頭である。

5歳馬のDefit D'Estruvalは強敵相手に善戦した。Meranoにて重賞勝ちもある大型生垣障害に対して適性のある馬なのだが、勝負所でエンジンをかかるのがやや遅く、かつTaupin Rochelaisほどスピードに乗せた飛越はまだできないようだ。Taupin Rochelaisに持ったままで並びかけるのまではよかったのだが、そのままのスピードで越えて行ったTaupin Rochelaisとは異なり、Hurdleの手前で若干ペースを落としてしまったのはやや残念なところ。前走もAl Bustanに瞬発力でやられている辺りこのような弱点はあるのだが、それでも5歳馬とは思えぬ卓越した飛越技術は今後も安定したレース振りを期待させるものだろう。62kgのVotre Plaisirは善戦した。Grand Cross de PauにてSaying Againの2着に入っている馬であり、どうにも同レースは不良馬場で連続するBanquetteの対処が重要となるイメージがあり、ここで好走するのはやや意外である。Mat Makerは水壕障害で落馬したが、あの地点は直前にBanquetteがあるためスピードを落としており、しかも障害手前が微妙なコーナーになっているという難易度が非常に高い障害となっている。

 

Prix Baron Casier Laurent-Perrier (Steeplechase) 3950m

https://www.youtube.com/watch?v=qTDyyxyDwZs

人気のSharockが逃げるも、途中からGaelick Kapが先頭に。食らいついてきたDiego De Ongrais、Sitor D'Alteaの3頭の勝負になるも、ゴール直前でSitor D'AlteaがGaelick Kapを捉えて勝利した。Diego De Ongraisが3着。

4~5歳馬のレースであり、フランス調教馬は若くから飛越技術が洗練されていることが多いのだが、さすがに先ほどのレースと比べると全体的に飛越は荒くなっている。Sitor D'AlteaはClairefontaineのSteeplechaseから連勝とした。Waregemはゴール前がコーナーになっているため、外側から差し切るのは至難の業なのだが、飛越技術が抜きんでているという印象はさほど見受けられなかった。2着のGaelick Kapと合わせてさほど差はないだろう。比較的Cross Countryを多く使ってきたDiego De OngraisはOpen Ditchでのミスが悔やまれる。Cross Countryを走ってきた馬としては可能性が広がるパフォーマンスだろう。イタリアにてLXIII Ezio Vanoni (G2)の2着に入ったSharock特に見せ場を作ることが出来なかったのが残念なところ。このメンバーであれば格上の存在なのだが。