にげうまメモ

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15/7/26 German Racing

*München (GER) (Flat)

Grosser Dallmayr-Preis - Bayerisches Zuchtrennen (G1) 2000m 3yo+

今シーズン初の3歳・古馬混合G1である。ただし賞金額としては155.000 €とG1の中では最も低い。今年は有力な3歳馬は見当たらず、どちらかというと8/9に予定されているGrosser Preis von Berlin (G1)に回るといった感じなのだろうか。

6歳セン馬のAir Pilotは英国からの遠征馬。前走はCurragh (IRE)のHermitage Medical Clinic International Stakes (G3)を勝利している。実績的にはG3勝ちが最高であり、調子という点では問題ないもののこの辺りにやられるようではレースのレベルが押して知るべしと言ったところだろうか。昨年のDeutsches Derby (G1)の4着馬Ericはその後KrefeldにてGroßer Preis der Sparkasse Krefeld (ex Fürstenberg-Rennen) (G3)勝ちがあるものの、やや成績的には冴えないレースが続いている。実績こそListed勝ちに留まるが、ここのところ重賞にて2着続きのGuiliani。課題は久々の2000mといったところか。ただし前走はNordicoに1キロのハンデ差を貰って完敗している点に注意。そのNordicoだが、前々走Großer Preis der Wirtschaft (G3) を突然の劇走で勝利。重賞勝ちは幾つかあるが、どうやらムラ駆けするタイプのようだ。Kerosinは実績としてはListed勝ちがあるのみで、前走はG3で2着。実績的には足りないが、2000mを主戦場にしている馬というのは強みだろう。Großer Dallmayr-Preis - Bayerisches Zuchtrennen (G1)勝ちや昨年のGerman 2000 Guineas (G1)の勝ち馬で、Deutsches Derby (G1)でSea the Moonの後塵を拝したLucky Lion。その後は冴えないレースを続けていたが、前走下級条件を勝利、復活が待たれる。Magic Artistは国外遠征が多く、実力的には不明だが、国内ではG2を2着、イタリアでPremio Presidente della Repubblica (G1)2着などの実績がある。牝馬Daytona Bayは上のクラスで実績もなく、ここは牡馬相手とやや苦しい。むしろ牝馬勢であれば昨年のHenkel-Preis Der Diana (G1)を5着、ここに来てListenrennen勝ちと調子を上げてきたWunderに期待したい。3歳馬で唯一の参戦となったAjaloだが、Quasilloには前々走完敗。Deutsches Derbyを使わずこちらに照準を合わせてきたのは好感がもてる。55.5kgのハンデを生かして何処まで。

 

Großer Preis der Wirtschaft (G3) 1着 - Nordico 2着 - Guiliani

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Großer Preis von LOTTO Hamburg  (G3) 2着 - Kerosin

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Großer Dallmayr-Preis - Bayerisches Zuchtrennen (G1) 1着 - Lucky Lion

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Großer Preis der VGH Versicherungen (Listenrennen) 1着 - Wunder

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pferdewetten.de - Bavarian Classic (G2) 2着 - Ajalo

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【結果】

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スタート前に英国からの遠征馬Air Pilotがゲート内で暴れ、競争除外。前脚をゲートに引っ掛けてしまいややひやっとした。大きな外傷は無さそうだが残念である。

レースはWunderがやや掛かり気味に逃げる展開。好位からDaytona Bay、その内にGuiliani。好位の外にLucky Lion。Eric、Nordico、Ajaloなどは後方から。レースは特に動きもなく淡々と進む。最終コーナーを回ってややWunderが外に膨らむシーン。その外からLucky Lionが追い出しを開始するも伸び足は目立たず。むしろ内からするすると抜け出してきたGuilianiが、外を回して追い出してきたAjaloの追撃を振り切り勝利。3着には逃げたWunder、Lucky Lionは伸びを欠き4着。5着にはMajic Artistが入った。

Guilianiは調子も良かっただろうが、それ以上にうまく立ち回った部分が大きかっただろう。2000mと距離延長であったが、さほど引っ掛かる素振りも見せず、上手く対応していた。それよりもむしろ強調したいのがAjalo。外を回し一時は外の馬とぶつかる不利を受けながら、最後はひときわ目立った伸び脚を見せていた。55.5kgと3歳馬の斤量の恩恵があることは無視できないが、決してクラシックにて有力と目されていた馬ではないだけにこの劇走は大いに楽しみになるものである。

Wunderは逃げて踏ん張ったが最後は交わされ3着。やはりG1に入るとまだ足りないか。Lucky Lionの着差はわずかだが、内容的には特に目立ったところも無かった。Wunderを捕らえ切れていないところからもやや実力的には疑問符がつく。Ericはまたもや大敗。やはり調子がいま一つのようだ。

いずれにせよ、AjaloというQuasillo相手に完敗していたはずの馬がここまで劇走することには非常に期待を抱かせるレースであった。Karpino、Quasillo、Nutanらの次走が楽しみである。