にげうまメモ

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18/02/24 National Hunt Racing

*Kempton Good (Good to Soft in places)

Pendil Novices' Chase (G2) 2m4f110y

終始先頭を走ったCyrnameがThe Unitに11馬身をつける快勝。

CyrnameはScilly Isles Novices' Chase (G1)の2着馬。途中でSean Bowenがアブミを落とすミスがあったが、これは鞍上との呼吸が合わなかった部分であり、この馬自身のミスではないだろう。ここまでの走りから考えれば順当な勝利といったところだが、20fを走るのであればもう少し力を抜いて走ることが重要になるだろう。The UnitはひとまずCyrnameのペースにはついて行った。今後は距離を伸ばすことになるかもしれない。

 

Adonis Juvenile Hurdle (G2) 2m

中段を進んだRediceanが残り2障害辺りから接近すると、そのまま力強く抜け出し7馬身差の快勝。Malaya、Beau Gosseと続いた。

前半Bid Adieuがやや引っかかって逃げたことでペースは上がっている。Rediceanはこれで3連勝。とにかく印象的なのは最終障害からの加速であり、これは良馬場で良さを発揮するタイプのスピードである。Apples's Shakeraの一強かと思われたJuvenile Hurdle路線だが、Redicean自身良馬場で良さを発揮するタイプのようであり、現状の構図に一石を投じるパフォーマンスである。ただしHurdleでは右回りのKempton Parkでしか走っておらず、坂のある左回りのCheltenhamへの対応が今後の課題となるだろう。フランスから参戦したBeau Gosseはどうにもイギリス障害競馬の車間距離に慣れていないようなシーンが見られた。また、ペースを上げた際の飛越にまだ拙さが見られたが、これはフランスとイギリスの障害競馬の特性によるものだろう。

 

Devecote Novices' Hurdle (G2) 2m

終始先頭を走ったGlobal Citizenが後続に9馬身差をつける快勝。Scarlet Dragonが2着。人気を背負ったMont Des Avaloirsは4着に終わった。

Global CitizenはこれでNoviceから2連勝。Jonjo O'Neill厩舎にいた時とは馬が違ってきているようであり、この馬もまた良馬場でのスピードは際立っていた。16f Novice HurdleではSamcroがいるのだが、馬場が良くなればこの馬にもチャンスはあるだろう。Mont Des Avaloirsはどうにもペースを上げた際の飛越に課題があるようだ。

 

Betdaq Handicap Chase (G3) 3m

後方から進めたMaster Deeが残り2障害辺りから前に取り付くと、最終障害からBallykan、Theatre Territoryを抑えて勝利した。人気のActing Lassはいいところなし。

Master Deeは勝ち鞍としてはC3のNoviceくらいなのだが、今シーズンは比較的調子が良いらしく、ListedからC2で好走を見せていた。今回は2回目の24f戦となったが、良馬場でさほど距離適性がクリティカルではないコンディションも味方したか。どちらかというと重馬場よりも良馬場がよさそうな馬。人気のActing Lassは初の重賞挑戦となったが、さすがに初めての24fに久々の良馬場と、厳しい条件がそろっていたか。

 

*Newcastle Soft (Heavy in places)

Eider Handicap Chase (C2) 4m122y

Milansbarが逃げる展開も、残り8障害から前に取り付いてきたBaywingが最終障害からWest of the Edgeを突き放して勝利。

前半からMilansbarが注文を付けて逃げることでそれなりにペースは流れているようだ。BaywingはさかのぼればTowton Novices' Chase (G2)勝ちのある馬で、どうもいつ走るのかわからない部分はあるのだが、ハマった時の破壊力は素晴らしいものがある。特に最終障害からWest of the Edgeを競り落とした際の加速を見る限り、32f走ったところで苦しくなった様子は見られない。MilansbarはClassic Handicap Chase (G3)を逃げて勝ってきた馬だけに、超長距離路線における重賞戦線でも楽しみな存在となるだろう。2012年の勝ち馬で今年で13歳になったPortrait Kingはしぶとく3着。この辺りだと最後まで諦めずに走り切ることが重要となるのだが、この馬の走りを見る限り精神的な強さは健在のようだ。

 

*Faiyhouse Soft (Soft to Heavy in places)

Winning Fair Juvenile Hurdle (G3) 2m

後方から少しずつ進出したMitchoukaが持ったままで抜け出し快勝。2着にはMastermindが入った。

Mitchoukaは去年の12月にはEspoir D'Allenと好勝負を演じていた馬で、重賞は初勝利とした。ただしややメンバー的には格下であり、この馬自身かなりレース経験があるため、4歳馬としてどこまで伸び代があるのかはよくわからない。MastermindはMitchoukaとの比較でこのくらいのレースはしても不思議ではないのだが、ここからTriumph Hurdleへどうこうというレースではなかった印象。

 

Bibbyjo Chase (G3) 3m1f

残り2障害から進出したBellshillがA Genie In Abottleに4馬身をつける快勝。3着はVal De Ferbet。

BellshillはHurdleではLawlor's Hotel Novice Hurdle (G1)、Irish Daily Mirror Novice Hurdle (G1)とG1を2勝している馬で、かなり期待されてChaseに転向したのだが、昨年のRSA Chase (G1)ではMight Biteから10馬身離れた3着に終わっている。仕切り直しの一銭となったここではさすがに能力が上だったようだが、相も変わらず良馬場への適性という点ではまだ不安が残る。Listed勝ちのあるA Genie In Abottleは好走したが、前とはだいぶ差があるようだ。