にげうまメモ

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16/04/30 National Hunt Racing - Punchestown Festival -

*Punchestown Good to Yielding

アイルランド障害競馬シーズンのラストを飾るPunchestown Festivalもついに最終日を迎えてしまった。これからイギリス・アイルランド障害競馬はシーズンオフに入る。ただし中の人の定点観測範囲ではあるので、面白いレースがあれば適宜書いていく予定。なお平地は他所でどうぞ。

 

CME Auctioneers Cross Country Chase 3m

先日のものと異なり3milesと比較的距離は短い。中2日で使ってきたQuantitativeeasingが人気になっていた模様。それにしてもPunchestownの坂の多いコースだとDrop Bankが全く目立たん。

Mtada SupremeとQuantitativeeasingが並んで逃げる展開。これを追うのがBe Positive、Oscar Day。Chestnut Charlie、Gonebeyondrecallは早々にミスを連発し遅れる。Mtada SupremeとQuantitativeeasingが代わる代わる前に出るも、Canal Turnで前に出たMtada SupremeとQuantitativeeasingが後続を突き放し、二頭のマッチレースに。手ごたえの悪くなったQuantitativeeasingを一時は突き放すかと思われたMtada Supremeだが、ここからQuantitativeeasingが意地の反撃。なんとか1馬身ほどこれを凌ぎきってMtada Supremeが勝利した。

Mtada Supremeは元々PTPやHunters' Chaseを使い、その後Cross Countryに参戦してきた馬。これで2連勝と力をつけているようだ。ただし、やや飛越に一部若さを覗かせていた。Quantitativeeasingは12st3lbの斤量を背負いながら僅差の2着。厳しいローテーションと斤量を考えればこちらを上に取るのが妥当なところだろう。

 

Madra Irish Dog Foods Handicap Chase (0-145) 3m6f

ハンデ戦ではよく上限レーティングが設けられる。このレースの上限は145となかなか高いものが設定されていた。実際に、Irish Grand National (Grade A)を勝利してきたThunder And Rosesなどの実力馬も参戦していた。ちなみに同レースの2着馬はRule The Worldである。

さて、レースは長距離戦らしくスローで進行するも、序盤は先頭がめまぐるしく入れ替わる展開。Coolnagorna Giggs、Thnder And Roses、Fletchers Flyerなど。1周目を終える時点でようやくSizing Coalが先頭に立ち、展開は落ち着く。そのままペースは淡々と流れ、残り7障害辺りからSizing Coalが後続を引き離しに掛かる。これを追うのがFletchers Flyer、Forever Gold、Thunder and Roses。最終障害で先頭に立ったFletchers Flyerはそのまま押し切り勝利。2着には猛追してきたForever Goldが入った。3着はSizing Coal。

Fletchers FlyerはChase初勝利。ただしNoviceの重馬場長距離戦で活躍してきた実績があり、この手のレース展開は合っていたのだろう。Forever Goldは9st10lbの軽ハンデが生きたか。

 

Irish Stallion Farms E.B.F. Mares Champion Hurdle (G1) 2m2f

Whiteoutがスローで逃げる展開。番手にKeppols Queen、Aurore D'estruval。人気のLimini、Slowmotionは後方から。ペースは下り坂を利用して残り7障害辺りから上がるも、何故か残り3障害あたりで一旦落ち、そこから再度一気にギアがあがるという展開。ここで外からLiminiは一気に捲るも、一時はKeppols Queenに先頭を譲っていたWhiteoutが一気に抜け出し、4馬身差の快勝。Liminiが2着。Slowmotionは大敗。

WhiteoutはWkd Hurdle (G2)でIdentity Thiefの2着がある馬。実績としてはListed勝ち程度で目立ったものはない。ただし最後抜け出す脚は際立っていた。上がり勝負となればそのトップスピードは生きるだろう。Top Novices' Hurdle (G1)にてBuveur D'airの3着のあるLiminiは勝ち馬に置いていかれる形の2着。ややトップスピードでは勝ち馬に見劣るか。前走REA Grimes Property Consultants Juvenile Hurdle (G2)を勝ってきたSlowmotionはペースが上がったところで無理やり狭いところを割って出ようとする競馬で大敗。あのようなレース運びでは幾らなんでも無理があるだろう。

 

Aes Champion Four Year Old Hurdle (G1) 2m

人気のApple's Jadeが軽快に飛ばす展開。ペースはこの競馬場で4歳限定戦にしてはそれなりに流れる。Ivanovich Gorbatovがこれを見る形。他3頭はやや遅れる。Ivanovich Gorbatovは残り5障害から差を詰めにかかるが、むしろ手ごたえが悪くなり、残り2障害辺りからはむしろ突き放される。そのままApple's Jadeがほとんど追うことなく9馬身差の圧勝。2着には追い上げたLet's Danceが入った。

Apple's JadeとJer's Girlの百合本はよ。Apple's Jadeはほとんど無名に近い状態ながらJCB Triumph Hurdle (G1)で2着に入り名前を挙げ、その後のBetfred Anniversary 4YO Juvenile Hurdle (G1)で41馬身差の圧勝劇を演じてきた馬。ここでもそのトップスピード、スピードの持続力は際立っていた。Jer's Girl自身はNoviceに入ってもトップクラスの馬であり、この馬のレベルの高さがわかるだろう。Let's DanceはJCB Triumph Hurdle (G1)の4着馬だが、さすがに上位とは力差があるか。JCB Triumph Hurdle (G1)の勝ち馬Ivanovich Gorbatovは真っ向勝負を挑むもやや残念な敗戦。この馬はとにかく良馬場の方が良さそうだ。