にげうまメモ

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19/02/16 National Hunt Racing

*Ascot Good to Soft (Good in places)

Reynoldstown Novices' Chase (G2) 2m7f180y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-16/ascot/511225/sodexo-reynoldstown-novices-chase-grade-2

やや注文を付けてTop Ville Benが逃げるも、好位から追いかけたMister Malarkyが抜け出して勝利した。Now Mcginty、Yalltariと続いた。

Mister MalarkyはこれでChaseは4戦3勝とした。PlumptonのChase初戦以外は全て24f戦を使われており、重賞はこれが初挑戦となる。一気に抜け出す脚は早かったのだが、そこからどうにも伸び脚が鈍ったあたり、どうにも使える脚は短く、そこから惰性でなだれ込んでいくというタイプのように見える。人気を背負っていたNow Mcgintyは途中でどうにもついて行けなくなり、最後はもりかえしての2着。ややズブいところがありそうで、Novice戦においてこれは勝負所での仕掛け遅れにつながるため今後の懸念材料。葦毛の大型馬であるYalltariは仕掛けてからフォームが崩れた。平地の脚は期待できないだろう。

 

Keltbray Swinley Chase (Listed) 2m7f180y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-16/ascot/511226/keltbray-swinley-chase-limited-handicap-listed

Coneygreeが逃げるも早々に失速。途中から先頭に立ったBlack CortonをCaliptoが差し切り勝利した。

CaliptoはListedは初勝利。10st8lbとやや斤量にも恵まれ、かなり体調も良かったようだ。Black Cortonは惜しい2着だが、飛越技術こそ高い物のどうにも重賞クラスでのスピードとなるとやや苦しいところがあるようで、とはいえ距離が伸びてよくなるタイプのようにも見えず、適性のある条件が見つけにくいところがある。

なおConeygreeはこれで引退とのこと。2015年のCheltenham Gold Cupのように、スリリングな逃げを戦法とする馬で、度重なる故障と戦いながらも12歳まで走りぬいた戦歴は称賛に値するものである。

 

Denman Chase (G2) 2m7f180y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-16/ascot/513162/betfair-denman-chase-grade-2

Thomas Patrickが前に行くかと思いきや、これを制してTerrefortがハナに。しかし残り2障害辺りからこれに接近したClan Des ObeauxがあっさりTerrefortを突き放して勝利した。

Clan Des Obeauxはもともと重賞クラスではいまいち足りない走りを続けていた馬だが、前走のKing George Vi Chase (G1)では並居る強豪を退ける勝利を挙げていた。Terrefortはある程度注文を付けて引っ張る展開の中、ここは格の違いを見せつける危なげのない勝利。Cheltenham Gold Cupでは本命級の評価をしていい馬だろう。Terrefortはどうにも飛越の際に余計な動きをすることがあるのだが、ある程度スピードを上げて引っ張った方が飛越の際のロスが減るように見える。後方から押し上げていくパターンで戦ってきた馬だが、好位から積極的に運んだほうがこの馬の身体能力を生かすことが出来るだろう。

 

Ascot Chase (G1) 2m5f8y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-16/ascot/511228/betfair-ascot-chase-grade-1

この馬の復帰をPatientlyに待っていたファンが大勢いるWaiting Patientlyが人気になっていた。Cyrname、Politologue、Fox Nortonなどが対抗角。レースは例によってCyrnameは軽快に逃げる展開。好位からCharbel、Asoなどが進めるも、Waiting PatientlyやFox Norton、Politologueなどの接近とともにこれらは後退。逃げるCyrnameにWaiting Patiently、Fox Nortonなどが襲い掛かるも、逆にCyrnameがこれらを一気に突き放して勝利した。Waiting Patiently、Fox Nortonと続いた。

Cyrnameはこの手の積極果敢な逃げを武器とする馬で、前走のAscotのC2から連勝とした。とにかく気分よく逃げることでリズムを作り出すことで持ち前のスピードを存分に生かす競馬が合っているようだが、勝つときは派手に勝つ一方で止まるときはあっさり止まるため、どうにもムラ駆けのところがあり信頼しにくいところがある。とりあえず今回はかなりうまくいった内容と考えられるが、次が正念場だろう。Cheltenhamには登録がないらしく、おそらく次はAintreeのMelling Chaseだと思われる。

King Georgeではあっさり落馬したWaiting Patientlyはさすがに力を見せた。20fの機動力勝負では無類の安定感を誇るのだが、さすがに今回は相手がなにか覚醒状態に入っていたため仕方がないといったところ。24fは本質的によくないとは思えないので、次走に期待したい。Fox Nortonは前半からかなり引っかかる部分があった。馬の性能としては距離が伸びた方が良いのだが、気性的な部分の問題で制約があるのだろう。Politologueは今回はややペースが早すぎた感。

 

*Gowran Park Yielding to Soft

Red Mills Trial Hurdle (G3) 2m

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-16/gowran-park/513374/red-mills-trial-hurdle-grade-3

狭いところを割って出てきたDarassoがForge Meadowを突き放して勝利。Coeur Sublineは4着まで。

DarassoはもともとフランスでListed勝ちもある馬で、Steeplechaseでも勝利があるようにかなり飛越技術は高い物を持っている。アイルランドは3戦目にして初勝利。前走はJohn Mulhern Galmoy Hurdle (G2)で、かなりメンバーもそろっていた上に特殊な馬場であったため仕方がないのだろう。Joseph O'Brien厩舎でフランス障害からの移籍馬というのはあまり知らないのだが、この馬がどのようなキャリアを歩むのか楽しみにしたいところ。

 

Red Mills Chase (G2) 2m4f

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-16/gowran-park/513044/red-mills-chase-grade-2

終始先頭を走ったMonaleeが逃げ切り勝利。2着にはAnibale Flyが入った。

Monaleeは昨シーズンのFlogas Novice Chase (G1)を勝った馬で、今シーズンはSavills Chase (G1)の2着もある。さすがにここに入れば能力は一枚上であった。ゆったりと前に行く安定したレース運びも信頼のおける一頭。Anibale Flyはどうにも飛越が高く慎重で、スピードの面ではどうにも見劣るのだが、最後までしぶとく差を詰めており、この馬の高い持久力を感じさせた。おそらく今年もNationalに向かうと思われるが、昨年と同じくBarry Geraghty騎手を確保できている点はプラス材料だろう。

 

*Haydock Good (Good to Soft in places)

Rendlesham Hurdle (G2) 3m58y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-16/haydock/513376/william-hill-rendlesham-hurdle-grade-2

Shades of Midnightがそのまま逃げ切り勝ち。2着には追い込んだPetticoat Tailsが入った。Kilcooleyは3着。

内容としてはShades of Midnightの完勝である。ようやく前走C3のNovice Chaseを勝った馬だが、Chaseのキャリアは長く2017年の冬から使っている。ただし今シーズン一気にこの路線の主役まで躍り出たPaisley Parkの2着が秋にあり、もしかすると24fのHurdle路線の方がこの馬には良いのかもしれない。牝馬Petticoat Tailsは諦めずに追い上げて2着。約1000日だったKilcooleyは見せ場を作ったが、最後は脚が上がり3着まで。

 

Grand National Trial (G3) 3m4f97y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-16/haydock/511234/william-hill-grand-national-trial-handicap-chase-grade-3

ブリンカーが効きすぎたのかBishops Roadが大逃げを打つ展開。さすがに残り3障害辺りから苦しくなり、代わって先頭に立ったRamsese de Teillee、Robinsfirthなどの叩き合いはRobinsfirthが制した。

Bishops Roadは積極的に逃げたいタイプではないのだが、おそらくブリンカーと先行策によりかなり強力なペースを作り出したのだろう。15頭中6頭が完走というやや厳しいレースとなっている。RobinsfirthはUnicorn Group Handicap Chase (G3)に続き重賞は2勝目。前走400日の休み明けをPeter Marsh Handicap Chase (G2)でWakandaの2着に踏ん張っており、休み明けを叩いて調子も上がっていたのだろう。このペースを踏ん張ったパフォーマンスは高く評価したいのだが、残念ながらGrand Nationalには登録がないようだ。一方で、このペースを捲り上げてきたのが2着のRamsese de Teillee。Welsh NationalではElegant Escapeを追い詰める走りをした馬で、どうやら昨年春のWind Surgeryによりかなりパフォーマンスを上げてきている。Nationalにも登録があり、出走順から考えてもかなり面白い一頭となり得るだろう。Royal Vacationは最後やや苦しくなり4着。Yala Enkiもオーバーペースだろう。Bishops Roadはあのペースを作りながらも完走したらしい。10st2lbの軽量とはいえさすがのスタミナである。