にげうまメモ

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19/11/03 French Racing

*Auteuil Terrain Lourd (4.6)

Prix Cambaceres - Grande Course de Haies des 3 ans (Haies / 3 ans / G1) 3600m

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2019/O/ZnBTc2ZUL29SR0REeWZ1bjhZSVk0QT09

前半はSangennaroが引っ張るも、2周目から先頭に立ったNirvana Du Berlaisがそのまま差を広げ、最後はKool Hasに14馬身をつける快勝。For Funが3着に入った。

だいぶ雨が降っていた上に、開催2日目ということで馬場も掘れており、かなり重い馬場となっていたようだ。Nirvana Du Berlaisは6月のPrix Aguado (G3)の勝ち馬。その後のPrix Robert Lejeune (G3)、Prix Georges De Talhaouet-Roy (G2)はいずれも今回のメンバー相手に敗れていたのだが、レース内容を見るとこの重馬場が向いたものと考えられる。重たい馬場を突き進むパワフルな走りはまさに重馬場巧者といったところで、馬場が変わった際に同じような走りを見せることが出来るかどうかは微妙なところ。Kool Hasは勝ち馬ほどのパワーはなさそうだが、地を掴むような走りをするタイプで、重馬場でもスピードに減衰がさほどないため浮上した印象。未去勢の牡馬For Funは3着。ただし、今回は見た目こそ派手であったが、その後ろのSangennaro、Falstaffも含め、条件1つで着順は変わるように思う。

 

Prix Maurice Gillois - Grand Steeplechase des 4 ans (Steeplechase / 4 ans / G1) 4400m

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2019/O/S04vNHVpUmNXNTBmSGt5b21GVjY1QT09

かつてはOn The Go、Carriacou、So French、Molord Thomasなど、そうそうたるメンバーが勝利したこのレース。さらにさかのぼると、Kauto Stone、Long Runもいるという。去年の勝ち馬Cicalinaはその後Haiesだけ使っていまいちぱっとしないのだが、どうしたのだろうか。

Lateranaが先頭を伺うも、これを制してFlute Des Champが引っ張る。2周目からFigueroが進出すると、Gros Open Ditchを越えて先頭に。そのまま後続を突き放し、最後はKapdamに30馬身差をつける圧勝を見せた。3着にThrilling。

馬場は言うまでもなく悪いのだが、途中からFlute Des Champが先頭に立ちそのまま緩めずに引っ張ったために、次々と余力がなくなった馬が脱落していくというサバイバルレースとなっている。最後Figueroも死力を振り絞って加速を掛けているのだが、その前の最終障害の飛越を見る限りでは相当消耗しているようだ。Figueroはこれで前走のPrix The Fellow (G3)から連勝とした。重馬場に助けられた面は大きいのだが、2着のKapdam、4着のFarniceを完封した実績は大きく、ひとまずPrix Ferdinand Dufaure (G1)を圧勝したGoliath Du Berlaisの引退後混戦であったこの路線において頭一つ抜け出した存在と考えてよいだろう。Kapdamは苦しみながらもなんとか2着を確保。牝馬Thrillingも3着まで踏ん張った。

 

Prix La Haye Jousselin (Steeplechase / G1) 5500m

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2019/O/cnh2KzJHRXNFVlJZbkJTeWpSclZTQT09

Dalahastがやや注文を付けて逃げる展開。Bipolaire、Carriacouなどは好位~中段から。2周目に入ってPoly Grandchampが逃げるDalahastに接近。Rail DitchにてDalahastとDalia Grandchampの2頭が落馬。Bipolaire、Ebonite、Carriacouの3頭の争いになるが、食い下がるEboniteを退けてBipolaireが勝利した。Carriacouは3着。

Bipolaireはこのレース3連覇とした。これで2014-16と3連覇したMilord Thomasの機r苦に並んだことになる。前半Dalahastが飛ばしたとはいっても、最初の水壕障害のあとはペースを緩めており、距離もあって極端にペースが上がったわけではなさそうだ。内容的には脚の上がったCarriacou、最後は反撃する余力が残っていなかったEboniteを退けた完勝だが、どうにも最後の直線で内に刺さるような場面があったのは気がかりである。最後までパワフルな走りを見せており、この馬場もこなすことはできるということなのだろう。

5歳牝馬のEboniteは驚きのレースを見せた。前走Prix Heros XII (G3)にて2着に入った程度でさっぱり実績はなかったのだが、並居る強豪を相手に堂々としたレース振りである。前半Dalahastが飛ばすところをスルーして後方に構え、再度ペースが上がったRail Ditchの辺りでのペースアップに付き合わずと、Felix de Giles騎手の騎乗ぶりが光った。最後はBipolaireが内に刺さるところでやや走りにくい場面はあったのだが、ひとまず今後が楽しみになるレース内容であった。春のGrand Steeplechase de Paris (G1)ではBipolaireを9馬身下してきたCarriacouは最後脚が上がって3着。当時はTres Souple (4.0)で、この馬としてはもう少し良馬場でやりたかったということかもしれない。一気の5連勝で挑んできたDalahastは前述の通りRail Ditchで落馬に終わったが、できればこの馬がどこまで通用するかは見ておきたかった。