にげうまメモ

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19/12/01 National Hunt Racing

*Fairyhouse Yielding to Soft

30 Free bet baroneracing.com Juvenile Hurdle (G3) 2m

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-12-01/fairyhouse/554263/30-free-bet-baroneracingcom-juvenile-hurdle-grade-3

なんか1年後には名前が変わっていそうなレース名である。ちなみに去年はBARONERACING.COMと大文字表記だった。一昨年にはここからのちのChampion Hurdle (G1)の勝ち馬Espoir D'Allenを輩出している。レースは淡々と逃げたCerberusがそのまま同厩舎のA Wave of the Seaを抑えて勝利した。

CerberusはこれでMaidenから2連勝とした。今年の10月にはA Wave of the Seaの2着に入っており、要するにこの2頭はさほど差はなさそうな印象。いずれも平地からの転向馬であり、当面の相手はフランスからの移籍馬となるだろう。Gordon Elliot厩舎のSaint D'Orouxは前からはやや遅れた。前走もA Wave of the Sea相手に完敗しており、現時点での順列ははっきりした内容だろう。

 

Royal Bond Novice Hurdle (G1) 2m

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-12-01/fairyhouse/551544/baroneracingcom-royal-bond-novice-hurdle-grade-1

Envoi AllenとAbacadabrasの対決ということで注目が集まっていたが、レースはEmbitteredと並んで逃げたEnvoi Allenがそのまま逃げ切り勝ちを収めた。Abacadabrasは中段から脚を伸ばすも2着まで。

Envoi Allenは昨シーズンのChampion Bumper (G1)の勝ち馬で、NHFも入れると6戦6勝という成績を残している。格下相手に圧勝したHurdle未勝利戦はともかく、G1となったここでも期待通りの走りを見せた。飛越に関しても最後まで安定しており、確実に今シーズンのNovice Hurdleにおける台風の目となる馬だろう。For Auction Novice Hurdle (G3)を勝ってきたAbacadabrasは実はChampion Bumper (G1)でEnvoi Allenの4着に入った馬でもある。スムーズにレースを運んだEnvoi Allenとは対照的に、この馬は終始馬群に入れつつ狭いところを抜け出してくるという競馬を見せており、最後まで勝ち馬に迫る末脚を繰り出している。同厩舎のためEnvoi Allenとは別路線を歩む可能性もあるのだが、前評判ほどの力量差はここでは見られなかったように感じる。

 

Drinmore Novice Chase (G1) 2m4f

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-12-01/fairyhouse/551545/baroneracingcom-drinmore-novice-chase-grade-1

前半から積極的にFakir D'oudairiesが飛ばす展開。Burrows Saint、Chef Des Obeauxなどが追いかけるも徐々に後退。好位からSamcroが進出し、Fakir D'oudairiesとのマッチレースという形なるも、残り2障害でむしろ手応えの良かったSamcroがまさかの落馬。そのまま残ったFakir D'oudairiesが逃げ切り勝利した。

Fakir D'oudairiesは昨シーズンのJuvenile Hurdleを戦ってきた馬なのだが、なんとSupreme Novices' Hurdle (G1)に挑戦し、Klassical Dreamの4着に入っている。この世代の4歳馬はCheltenhamで悲運の死を遂げたSir Erecが頭一つ抜けていたのだが、この馬も世代を代表する一頭である。終始伸びのある飛越を見せており、Samcro以下はスピードで圧倒しているように、その実力はChaseにおいて期待以上のものを見せてくれていると言えよう。特に、障害に向かっていく際の伸びのある飛越に関してはChase2戦目の4歳馬とは思えない素晴らしいものを見せていた。そのFakir D'oudairiesのスピードに難なくついて行ったのが、かつて怪物と呼ばれたSamcroであった。飛越に関しては細かなミスは散見されたが大きな問題はなく、落馬も着地動作で躓いたことが原因だろう。落馬がなければ勝利まであったパフォーマンスであった。一方で、Fakir D'oudairiesのペースについて行った後続は軒並み脚が上がる結果となった。Irish Grand National (Grade A)の勝ち馬Burrows Saintは何故ここに出ているのかいまいちよくわからないのだが、この馬に関しては距離が伸びた方がいいだろう。

 

Hatton's Grace Hurdle (G1) 2m4f

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-12-01/fairyhouse/551546/baroneracingcom-hattons-grace-hurdle-grade-1

4連覇がかかるApple's Jadeが出走していた。Killultagh Vicが淡々と逃げるも、どうにも飛越にミスが多くみられる。好位からApple's Jade。残り3障害辺りからApple's Jadeが先頭に代わるが、スムーズに進出してきたHoneysuckleが追いかけてきたBacardysを9馬身ほど突き放して快勝した。Apple's Jadeは3着。

HoneysuckleはこれでHurdle6戦6勝とした。昨シーズンまでは牝馬限定戦のみを使っていたのだが、前走のwww.fairyhouse.ie Hurdleでは重賞勝ち馬Easy Gameなどを相手に快勝を収めていた。とはいえやはり戦ってきたメンバー的にはいまいちであり、半信半疑なところはあったのだが、ここでは目の覚めるような快勝を見せた。パフォーマンスとしては20fがベストのようにも見えるのだが、内容的には完勝の一言。この馬のレース選択には大いに注目した方が良いだろう。前走のLismullen Hurdle (G2)を勝ってきたBacardysはさすがに調子のよさは見せたのだが、今回は相手が悪かったようだ。とはいえかつては怪しかった飛越もだいぶ向上しており、この馬なりに良くなっているようなところはある。Apple's Jadeはやはり去年の今頃のような勢いはないようだ。できればペースを握りたかったというところもあるのだが、さすがに負けすぎな感がある。Killultagh Vicは10歳になっても同じようなミスをしている。飛越さえ上手ければChaseのG1を取れる能力のある馬なのだが。久々の復帰戦となったPenhillは引っかかって試合終了。この馬は得意のCheltenhamに間に合えばそれでよい。