*Sandown Heavy
Maiden Hurdle (C4) 1m7f216y
好位から進めたKeen Onが先に抜け出したTrincomaleeと間を割って出てきたProtektoratを抑えて勝利した。
女王陛下は平地馬が主である一方で障害馬はさほど多くはないのだが、地味に出走したときの連帯率は高い数値を誇っている。Keen Onは2戦目にして初勝利。初の障害であったせいか障害部分での加速の面ではTrincomaleeに見劣ったのだが、そこからの伸び脚は急であった。距離が伸びてやれるタイプかもしれない。血統的には障害馬のそれであり、名門Nicky Henderson厩舎ということで将来的ににも楽しみである。Protektoratは昨シーズンからHurdleを使っていた馬で、フランス時代はListedでの2着もある。Wind Surgeryを経ての好走ということで、重賞戦線ではさっぱりであった昨シーズン以上のパフォーマンスを期待できそうだ。
Intermediate Chase (Listed) 3m37y (Soft / Soft to Good in places)
Santiniが延々と抵抗するNow Mcgintyを抑えて勝利した。3着以下は大きく遅れた。
SantiniはRSA Chase (G1)にてTopofthegameの2着に入った馬で、Topofthegameが今シーズン全休すること、La Bague Au Roiの復帰戦がいまいちだったということもあり、この馬にかかる期待は比較的大きくなっている。どうにもズブいところがあるのか何度か鞍上が動かしていったところもあったのだが、それ以上に昨シーズンの段階では完全に格下であったNow Mcgintyにここまで迫られたことは注意した方がよさそうだ。昨シーズンのBet365 Gold Cup (G3)の勝ち馬Talkischeapは最後は脚が上がったのだが、この馬はどちらかと言えば良馬場でやりたかったタイプのように思える。
Veterans' Handicap Chase (C2) 3m37y (Soft / Soft to Good in places)
13歳馬Loose Chipsが例によって引っ張る展開も、レースは2周目から先頭に立ったHoublon Des Obeauxがそのまま押し切り勝利した。2着にはDark Flameが入った。
Houblon Des Obeauxは12歳馬。かつてのCheltenham Gold Cup (G1)勝ち馬Lord WindermereとNovice Chaseは同期であり、その後は2016年のDenman Chase (G2)で2着のThe Giant Bolsterを28馬身ぶっちぎったパフォーマンスを筆頭に、Cheltenham Gold Cup (G1)、Grand National (G3)への参戦歴を含む長いキャリアを形成している。Sandownのコースはもともと得意としていること、また今回のように微妙に重たい馬場は得意であり、ある程度前向きに走る気性も相まって、早々からこの馬のペースで走らせた主戦Charlie Deutsch騎手の騎乗もハマった結果となった。736日ぶりの競馬となったDark Flameはまさかの2着。AscotのSodexo Gold Cup (G3)で4着のある馬であり、なんとか無事に行ってほしいところ。Pardubice帰りのRathlin Roseはじわじわと上がっていくも、最後は脚が上がって失速。おそらくこのあとはCross Countryとなるだろう。
*Navan (IRE) Soft to Heavy
For Auction Novice Hurdle (G3) 2m
Pakens Rock、Fast Buckなどが引っ張るも、外を回って進出してきたAbacadabrasがLatest Exhibitionに3馬身差をつける快勝。
AbacadabrasはこれでMaidenから連勝とした。Champion BumperではEnvoi Allenの4着に入っており、Envoi Allen自身もまたHurdleにて強烈なパフォーマンスを見せている。昨シーズンのChampion Bumperのレベルの高さを物語るレースであった。同じく未勝利を勝ったばかりのLatest Exhibitionは強敵相手に善戦した。夏にCOLM QUINN BMW Novice Hurdle (Listed)を勝っていたFast Buckは抵抗できずに大敗。
Lismullen Hurdle (G2) 2m4f
https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-10/navan/551278/lismullen-hurdle-grade-2
例によってApple's Jadeが引っ張る展開も、3番手から進めたBacardysが抜け出すと、Apple's Jadeに9馬身差をつける圧勝。Magic of Lightは3着に入った。
BacardysはTattersalls Ireland Champion Novice Hurdle (G1)など、Novice Hurdle G1は2勝している馬だが、その後20-24f Hurdle路線では善戦こそすれど勝ち星は上げられていなかった。どうにも飛越にポカがあるようで、時々派手に転んでいたりと信用しにくいところがあるのだが、ようやくここにきてこの馬らしい爆発力を見せてくれることが出来た。レース振りを見る限りでは24fよりも20fの方がよさそうな印象で、今後のレース選択が楽しみである。昨シーズンの前半は圧勝に次ぐ圧勝を見せていたApple's Jadeだが、CheltenhamのChampion Hurdle (G1)で乱ペースに巻き込まれて大敗してからはどうにもリズムが狂ったままのようだ。20fの重馬場というのはこの馬にはうってつけの条件であり、ハナを切ったところまでは良かったのだが、どうにもそこからは飛越にリズムが悪かった。Grand National (G3)にてTiger Rollの2着に入ったMagic of Lightはさすがに最後は遅れたが、Grand National (G3)の疲れもなく元気そうだ。
Fortria Chawe (G2) 2m
https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-10/navan/551280/thetotecom-fortria-chase-grade-2
Ballyosinが逃げ切り勝ち。A Plus Tard、Hardlineと続いた。Duc Des Genievresは大敗。
Ballyosinは昨年に引き続きこのレースは連覇とした。昨シーズンは夏場にも使っていたせいかその後は12月のLeopardstownを使ったのち長期休養に入り、今年の8月に復帰している。G1クラスとなるとどうにも足りない印象があるのだが、今シーズンもすでに4戦を消化していることを考えると、G1路線を使ってくるかという意味では微妙なところ。今年のCheltenhamにてClose Brothers Novices' Handicap Chase (Listed)を圧勝したA Plus Tardは2着まで。距離を伸ばした方がいいだろう。今年のArkle Challenge Trophy (G1)にて目の覚めるような圧勝を見せたDuc Des Genievresはさっぱり走らなかった。今年の2月~3月の快進撃は一体何だったのだろうか。Doctor Phoenixはかつてはこのクラスで大威張りできた馬なのだが、今年ですでに11歳。かなり年齢的なものが出てきているように感じる。