にげうまメモ

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19/11/30 National Hunt Racing

*Newbury Good to Soft (Soft in places)

John Francome Novices' Chase (G2) 2m7f86y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-30/newbury/550420/ladbrokes-john-francome-novices-chase-grade-2

人気を背負ったReserve Tankが先頭を走るも、どうにも飛越にもたつく場面が多く、途中からはDanny Whizzbangは先頭を切る展開に。逃げたDanny Whizzbangは軽快にレースを進め、そのままReserve Tank以下を凌いで勝利した。

Reserve Tankは昨シーズンのHurdleの活躍を考えれば人気になって当然であり、前走でもその能力の高さを感じさせる走りを見せていたのだが、残念ながら案外な結果に終わった。前走でも飛越において踏み切り地点が近すぎるようなところがあったのだが、どうにも今回はそれが解消されず、さすがに前走のメンバーであればその程度のビハインドは能力でカバーできる相手であったのだが、今回は重賞ということでそうもいかなかったようだ。Danny WhizzbangはChase初戦にていきなり重賞勝ちを収めた。Hurdleでは2戦2勝と無敗であった馬だが、内容としては比較的手薄なメンバーのNovice及び未勝利戦ということで、能力としては未知数といったところ。いきなりReserve Tankを完封した走りはやはり興味深いのだが、次走が試金石になるだろう。

 

Intermediate Hurdle (Listed) 2m69y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-30/newbury/550423/ladbrokes-where-the-nation-plays-intermediate-hurdle-listed-limited-handicap

好位から抜け出したEpatanteがFrench Crusaderを突き放して勝利した。Elusive Belleが3着に入り、Nicky Henderson厩舎の馬が1~3着を独占する結果となった。

Epatanteは例によってフランスからの移籍馬。昨シーズンはC4のNovice戦のみの勝ち星に留まり、Cheltenham Festivalの牝馬限定Novice Hurdleでは大敗していたのだが、ここでは楽しみな走りを見せた。ギアを上げてから一気に回転数を上げる走りは高い機動力を持つことを伺わせるものであり、牝馬限定戦であれば重賞を取れる器だろう。

 

Ladbrokes Trophy (G3) 3m1f214y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-30/newbury/550424/ladbrokes-trophy-chase-grade-3-handicap

例によってYala Enki、Dingo Dollarなどが逃げる展開だが、全体的に馬群は密集して進行。第15障害辺りでYala Enkiがミスをして後退、残り4障害辺りから抜け出してきたDe Rasher Counterが追いかけてきたThe Conditionalなどを抑えて勝利した。West Approachはなぜか一番人気になっていたが、ひっそりと第7障害で落馬していたようだ。

Conditional JockeyであるBen Jones騎手が派手なガッツポーズを見せている。いわゆる名手と呼ばれる人たちには大レースを勝ってもしれっとしている人もいるのだが、このくらい全身で喜びを表現する人の方が個人的には好きであるし、せっかくの大レースはそういう人に勝って欲しいと思う。De Rasher CounterはNovice上りの馬で、5月にはC2のNovice Chaseにて11st12lbを背負って勝利している。ここまでのレースでは後方から捲り上げていくレースをしていたようだが、今回はいままでとは打って変わっての先行策。Yala Enkiなどがひたすら緩みのないペースを作る中、前々で張り続けたレースは明らかにこの馬の新たな側面を引き出すものであった。Ben Jones騎手の素晴らしい騎乗を見ることが出来た好レースであった。The Conditionalは10st3lbの軽ハンデを利して2着まで来た。アイルランドのChaseでは勝利を挙げることはできなかったのだが、イギリスに移籍して馬が変わってきている。Elegant Escapeは例によって遅れて追いこんできて3着まで。この馬は距離が伸びた方がいいだろう。昨シーズンのUltima Handicap Chase (G3)の勝ち馬Beware The Bearはどうにも走らないときはさっぱりなのだが、とりあえず調子は良さそうだ。逃げたYala Enkiはやはり馬場はもう少し渋った方がいい。アイルランドのYorkhillは相変わらず難しい面を見せている。

 

*Newcastle Heavy

Fighting Fifth Hurdle (G1) 2m46y

https://www.attheraces.com/racecard/Newcastle/30-November-2019/1405

Buveur D'Airが圧倒的な人気になっていたのだが、逃げたCornerstone LadがそのままBuveur D'Airを抑えて勝利した。Silver Streak、Lady Buttonsと続いた。

Buveur D'Airは言うまでもなくここまでG1を8勝している名馬中の名馬なのだが、その武器は圧倒的なピッチの速さから繰り出されるスピード能力であり、行きたがる気性も相まってギリギリまで追い出しを我慢する必要があるという点、案外使える脚は長くはないことから、自ら積極的に動くことはできないという点、重馬場になると脚を取られて持ち前のスピード能力をフルに生かすことが出来ないという点、さらに飛越技術もHurdleに特化した独特のモノを持つため落馬のリスクがあるという点など、様々な弱点を抱えている。今回はモロにその弱点を露呈した格好であり、パワーのあるストライドを繰り出すことが出来る重馬場巧者であるCornerstone Ladの逃げ切りを許すことになった。Cornerstone Lad自身はHurdleのハンデ戦を勝ってきた程度で、本来であればC3からC2、Listedクラスでなんとかといったクラスの馬で、レースとしては完全にHenry Brooke騎手の積極策がハマった格好になった。Silver Streak、Lady Buttonsなども後方に構えていたため、このようなレースとなってはもはやどうしようもない。