にげうまメモ

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19/11/29 National Hunt Racing

*Newbury Soft (Good to Soft in places)

Ladbrokes 'Where the Nationa Plays' Novices' Chase (G2) 2m3f18y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-29/newbury/553902/ladbrokes-where-the-nation-plays-novices-chase-registered-as-the-berkshire-novices-chase-grade-2

颯爽と第一障害で落馬したDashel Drasherを残してBlack Opが逃げる展開。Champ、Deyrann de Carjacなどがこれを追いかける。残り2障害辺りからこの2頭がBlack Opに迫るが、最終障害を越えて内から抜けてきたChampがBlack Opを凌いで勝利した。

落馬したDashel Drasherがふらふらと先頭を走っており、障害手前で減速する仕草を見せていたために後続としてはやや走りにくいレースとなっている。特にChampは第4障害で空馬に前に入られることで着地地点で躓くトラブルがあり、かなり難しいレースを強いられている。さらにChampはゴール手前で水壕障害のある側へと馬が進路を誤って選択しており、強引にBarry Geraghty騎手が進路を変更するアクシデントも発生している。ChampはこれでChaseは2勝目とした。Novice HurdleではChallow Novices' Hurdle (G1)などG1を2勝している実力馬であり、負けたレースでも2着にきている辺り、その安定感は随一のものを誇っている。加速を掛けると一気にピッチの回転を上げて他馬を突き放す機動力の高さが武器の馬で、上記のような不利があったにも関わらずBlack Op以下を完封したレースは高く評価できる。おそらくNovice Chaseであればかなり良いところまでいく馬だろう。2度目のChase挑戦となるBlack Opは自分のレースをした。今回は勝ち馬の機動力に屈したが、Wind Surgeryを経てかなりパフォーマンスを上げている。スムーズなレースをしたという意味ではDeyrann de Carjacも挙げられるが、これは最後上位勢に遅れ3着に終わった。

 

Long Distance Hurdle (G2) 3m52y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-29/newbury/553903/ladbrokes-long-distance-hurdle-grade-2

過去4年の勝ち馬が出ていたということで話題になっていたレース。The Worlds Endが淡々と逃げる展開だが、最終コーナーを回ってUnowhatimeanharry、Thistlecrack、さらにPaisley Parkが接近。ここから抜け出してきたPaisley ParkがThistlecrackを抑えて勝利した。The Worlds End、Unowhatimeanharryと続いた。Beer Gogglesは故障を発生して途中棄権。

Paisley Parkはこれで昨シーズンから6連勝とした。その中にはAscotのLong Walk Hurdle (G1)、CheltenhamのStayers' Hurdle (G1)が含まれており、実質的にこの馬がイギリス24f Hurdle路線のトップである。瞬間的な加速力は高くないものの、ひたすらタフにトップスピードを持続することが出来る減衰性の低い脚力が武器の馬で、ここでも3着以下が完全に脚が上がっていた中、6stのハンデを貰っていたThistlecrack相手に最後まで脚を伸ばし続けていたパフォーマンスはまさにPaisley Parkの良さを遺憾なく発揮した内容である。今年で11歳になったThistlecrackは現役最強馬相手に善戦した。かつてはこの路線で無敵を誇った馬だが、ケガの影響もあり、かつての勢いはすっかりと影を潜めている。しかしやはり前向きな気性とスピードの持続力、それから持ち前の高い運動神経は健在のようで、ここでもPaisley Parkに肉薄するレースを見せた。このあとはKing George VI Chase (G1)に向かうとのことで、比較的Kemptonのスピードを要求されるトラックはこの馬向きであることを考えると、今シーズンも楽しみな馬だろう。The Worlds End、Unowhatimeanharryは自分のレースをしたがさすがに今回は相手が強い。2年前の勝ち馬Beer Gogglesは2年近い休養を挟んでの復帰戦であったのだが、予後不良という結果に終わった。相次ぐ転厩を繰り返しつつも、下級条件戦から叩き上げて重賞勝ちまで出世してきた馬で、ここに出ていた他の馬とは明らかに経歴が違うタイプであったのだが、残念な結果に終わってしまった。