にげうまメモ

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23/07/23 Weekly National Hunt / Jump Racing

7/19(水)

Saratoga (USA) Good

A.P. Smithwick Memorial Steeplechase (G1)

TO BE RUN OVER NATIONAL FENCES A HANDICAP HURDLE FOR FOUR YEAR OLDS AND UPWARD. Two And One Sixteenth Miles On The Hurdle $150,000 (Replay)

1. Belfast Banter J: Barry Foley T: Cyril Murphy

イギリスからSalvinoを迎えて行われた。レースはWest Newtonが逃げるも馬群は例によって密集して進行。最終障害を越えて最終コーナーを回って外に出したBelfast Banterがスムーズに出てくると、そのままHistoric Heartに6馬身差をつけて勝利した。

Belfast Banterは元々イギリスでAintreeのTop Novices' Hurdle (G1)を勝った馬で、2022年からは期待されてアメリカに移籍していた。ただアメリカではやや期待外れの戦績で、ここまでDavid Semmes Memorial Steeplechase (G2)の2着が最高であった。今回はアメリカでの初勝利となり、なかなかの高額な金額を払ってこの馬を購入した陣営にとっては嬉しい勝利であったようだ。ただし、メンバー的にはどうにも全体的にG1では2番手クラスの馬が多く、今回の快勝がどこまで本物であるかは注意しておきたい。2着のHistoric Heartもイギリスからの移籍馬で、もともとはJuvenile Hurdle路線で活躍した実績がある。ただアメリカでは昨年のこのレースでもやや離れた4着と微妙な露頃ではある。今年のQueen's Cup Steeplechase Hurdle Stakesの勝ち馬Freddy Flintshireが3着。イギリスのSalvinoはいいところなく大敗に終わったが、イギリスで目立った実績がある馬ではなく、イギリスでの実績を考えればこのくらいだろう。

 

7/22(土)

Bad Harzburg (GER) gut

Preis vom BLH Baustofflabor HarzGmbH und der IMF Ingenieursgesellschaft Meinhard Fulst 

Hürdenrennen Für 4-jährige und ältere Pferde. 3400m 8,888€ (Replay)

1. Cabot Cliffs J: Hakim Tabet T: Christian Freiherr von der Recke

この日から始まったドイツBad Harzburgの開催。WettstarのYoutubeでライブも行っており、この日のアーカイブこちらから視聴することができる。レースはOrkan Von Marlowが前に行く展開も、1周目の途中からCabot Cliffsが先頭に。追いかけてきたElegant Fighter以下を振り切ったCabot Cliffsが後続に10馬身ほどの差をつけて快勝した。

Cabot Cliffsは現時点ではドイツ障害競馬の最強馬と目される馬で、前走はSvenskt Champion HurdleにてチェコのIvoを破って勝利している。全体的に慎重なレースであったためか最後までElegant Fighterが付いてきてはいたのだが、ここでは貫録の勝利とした。むしろ頑張ったのが2着のElegant Fighterで、今回が初障害であったにも関わらずCabot Cliffsについていったのは褒めるべきだろう。イギリスで障害経験のあるVintage Valleyは早々に遅れるも頑張って3着に入ったようだ。イギリスではHurdle経験はそれなりにありそうだが、とはいえJuvenile Hurdleの下級条件戦を勝ったのみという馬で、62.0kgとかなり斤量的にも恵まれていたのだが、ややほろ苦いドイツ初戦となった。これまた障害初戦のSüdwindは早々に遅れ4着。Svenskt Champion Hurdleにも遠征していたOrkan Von Marlowもいたのだが、どうにも飛越がいまいちで勝負所で落馬に終わった。

 

Służewiec (POL) lekki(2,4)

Nagroda Majora Jerzego Sosnowskiego

Gonitwa płotowa międzynarodowa dla 4-letnich i starszych koni. 3200m (Replay)

1. Don Kasters J: am. P. Peprna T: Janusz Kozłowski

例によってToyamaが前に行く構えを見せるも、どうにも大騒ぎをしている間にPalm Clubが先頭に。好位からDon Kasters、Jadmirが構える。そのままPalm Clubが先頭を走るも、2周目の途中からJadmirが先頭に。しかしこれを追いかけたDon KastersがJadmirを振り切って勝利した。

Don KastersはHurdleは2戦目にして初勝利とした。6月のWarszawaのNagroda Rotmistrza Witolda PileckiegoではチェコのDominiqueの3着に終わっていたのだが、とはいえさすがに相手が強すぎたといったところで、この馬なりに進境はありそうな感がある。AQPSのJadmirはこれがポーランド3戦目であったが、比較的安定した飛越で結果を残した。昨年のWroclawでHurdle戦を2勝しているZpigallもいたのだが、いまいち前に迫ることはなく3着に終わった。例によって名前が気になるToyamaはWroclawでは恰好はつけたのだが、今回は道中大騒ぎをしており、スピードの面からも今回はやや厳しかったようだ。

 

7/23(日)

Vittel (FR) Bon Souple (3.4)

Grand Cross De Vittel #10 TNC Haras Du Lion - Genybet - Prix Maurice Aubry

Cross Country Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 5200m (Replay)

1. C'Lartist Maulde J: James Reveley T: Adeline De Boisbrunet

France Galopのレース映像はほぼ美しい景色をお楽しみください状態なので、ドローンも利用したYoutubeの映像の方がいいかもしれない。途中で橋のような場所を渡ったり、ゴルフコースの中を走るようなVittelのGrand Crossのコースは一見の価値がある。レースはThiago Des Dunesが前に行く展開で、これを追いかけてGap Pierji、C'Lartist Mauldeなど。C'Lartist MauldeはGamine Apple'sを引き連れて前に出てくると、最後外を回って追い込んできたGap Pierji以下を振り切って勝利した。

C'Lartist Mauldeは11歳のAQPSで、アラブ血量が8.010%となる。Cross Countryでは2018年にCraonのGrand Crossを制した実績馬だが、2021年の9月からやや長い休養を挟んでおり、今回は復帰3戦目であった。ただ、休養にハウル直前でもLe DoratやCraonのCrossを勝利していたようで、11歳とは言えここにきて復調気配が認められるのは面白い存在だろう。チェコのGap Pierjiは見せ場を作った。最後騎手が馬を止めていた理由は不明だが、能力的にここで通用したことは今後に向けて大きな材料となった。Saddler Maker産駒のGamine Apple'sが3着に入り、上位3頭はAQPSが占める結果となった。

 

Bad Harzburg (GER) gut

Preis der Stadtwerke Bad Harzburg 

Seejagdrennen Für 4-jährige und ältere Pferde 3550m 8,888€ (Replay)

1. Guiri J: Sonja Daroszewski T: Christian Freiherr von der Recke

Bad Harzburg開催の目玉競争であるSeejagdrennen。レースは地元ドイツからWutzelmannを含む計4頭が集まった。レースはそのWutzelmannが逃げる展開で、早々に鞍が滑ったのか鐙を落としたEvanderが落馬。これに釣りだされる格好で池の手前でMaster Debonairが競争中止。Guiriが一旦は前に出るも、そこから再度前に出てきたWutzelmannが逃げ込みを図るが、ゴール手前でGuiriが前に出て勝利した。

Guiriは元々ドイツでデビューした馬で、2018年にはドイツダービーにも出走している(9着)。その後はアイルランドに移籍しHurdleを走るも、Handicap Hurdleを1勝したのみに留まっている。これがドイツへ戻っての初戦であったが、やや驚きの勝利を挙げた。ここのところはイギリスで走っていたようだがいいところはなかったようで、ドイツ移籍がこの馬にとっていい方向に出たことを願いたい。ただしWutzelmannがかなりゆったりとしたペースで運んだこと、Wutzelmannの71.5kgに対して63kgと、かなり斤量的には恵まれていたことに留意しておきたい。Evander、Master Debonairの移籍2頭は競争中止に終わったが、どちらも飛越技術の面で未完成であったというわけではなく、引き続き期待したいところである。

 

Casterton (AUS) Soft6

Two Rivers Steeplechase

Handicap. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 3800m $100,000 (Replay)

1. Elvison J: Aaron Kuru T: Symon Wilde

人気のあるCastertonのLive hedgeを利用したSteeplechase。レースはMighty Oasisが前を伺うも、これを制してトップハンデのElvisonが先頭に。Elvisonは軽快に引っ張ると、そのままついてきたRoland Garros以下を振り切って勝利した。

Castertonの障害はやはり映えるのでカメラワークも工夫しようという意図があるようだ。Elvisonは例によってKing of Castertonとの異名をとる馬で、Castertonに来るとなぜか俄然張り切る馬である。前走のThackeray Steeplechaseでは大敗しているのだが、得意のCastertonということでまたもや俄然張り切って結果を残した。72.5kgという厳しいトップハンデを背負っていたのだが大したものである。69kgのRoland Garrosが2着。前走のWarrnamboolのBM120 Steeplechaseを勝利していた馬で、このコースのSteeplechaseは初であったが安定したレースを見せていた。そのThackeray Steeplechaseを制したMighty Oasisが3着で、この馬はもっと馬場は渋った方がいいだろう。未勝利馬のRudimentalが4着だが、平地ではそれなりに実績のある馬、さらにMastercraftsmanの産駒ということで障害適性はありそうで、引き続き注意しておきたい。