にげうまメモ

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23/06/18 Weekly National Hunt / Jump Racing

6/17(土)

Auteuil (FR) Tres Souple (3.9)

Prix Christian De Tredern (G3)

Haies Pour pouliches et juments de 4 et 5 ans, n'ayant pas, cette année, en course de haies, reçu une allocation de 100.000. 3600m (Replay)

1. Javanaise J: Johnny Charron T: Mille Isabelle Gallorini

葦毛の目立つIndian De Gascogneが前に行くも、向こう正面終わりからImpulse Precieuseが捲って先頭に。そのままImpulse Precieuseが逃げ込みを図るも、最後伸びてきたJavanaiseがこれを捉えて勝利した。

Javanaiseはわずかにアラブの血量を含有するAQPSで、HaiesはこれでToulouseのClasse2から2勝目とした。ここでは9頭中3頭出走していた4歳馬のうちの一頭で、ひとまずいきなり5歳馬相手にやれたというのはあるのだが、とはいえ比較的慎重なレース展開で、かつ軽量の恩恵もあったと考えるべきだろう。68.5kgのトップハンデを背負っていたImpulse Precieuseが2着。前走Listedを勝っていた分というのはあるのだが、一方でPrix Renaud Du Vivier (G1)では遥か後方に大敗していた馬で、若干メンバー的に疑問符が付きそうだ。

 

Strömsholm (SWE)  Steeplechase lätt, Häckbana lätt

Svenskt Champion Hurdle 160,000 kr 3700m

För 4-åriga och äldre hästar som har fullföljt minst en  häcklöpning eller en steeplechaselöpning vid viktdatum. (Replay)

1. Cabot Cliffs J: Kevin Parkin T: Christian von der Recke

ドイツからCabot Cliffs、Orkan Von Marlowの2頭、チェコからIvoを迎えて行われた。ポーランドのDominaは直前で回避。レースは地元のLast Referenceが前に行く展開も、これをぴったりと追いかけてIvo、Cabot Cliffs。早々に脱落したLast Referenceを残したCabot CliffsとIvoのマッチレースはCabot Cliffsに軍配が上がった。

Cabot Cliffsは現時点ではドイツHurdle戦線のトップホースといったところの馬で、昨年はMeranoのGran Corsa Siepi Di Merano (G1)にも参戦し3着に入っている。その後はフランスに遠征していたようで、Le TouquetのClasse3を勝利、CompiegneのGrande Course De Haies De Compiegne (G3)では5着と善戦したようだ。今年はフランスのListedに続き障害戦は2戦目であったがさすがの能力の高さを見せた。ただし、例によってスタート地点で嫌がる素振りを見せていたり、飛越にミスが散見されたのはやはり気になるところで、近年苦境が続くドイツの期待の星として頑張って欲しいところではあるが、同時に課題も残るレースとなった。チェコのIvoはイタリアSiepiの重賞級の馬で、さすがにここに入れば能力的には上のものを持っている。Cabot CliffsとIvoの2頭がここに出てきてはやや格的には上であった。昨年はこの開催のNovice Hurdleに出走していたOrkan Von Marlowは最後盛り返しての3着で、障害競馬の経験は少ない馬だけに上がり目はありそうだ。地元のLast Referenceは離れた4着で、Ivo、Cabot Cliffsの2頭に絡まれるのはだいぶ苦しかったように見える。

 

Svenskt Grand National 230,000 kr 4500m

För 5-åriga och äldre hästar hästar som har fullföljt minst en steeplechaselöpning vid viktdatum. (Replay)

1. Mutadaffeq J: Niklas Lovén T: Kuszli Karen

ドイツからWutzelmann、チェコからHer Him及びMolly Powerを迎えて行われた。レースは例によってWutzelmannが引っ張る展開も、馬群は番手に構えるThree is Companyを筆頭に密集して進行。勝負所からMolly Power、Mutadaffeqの2頭がWutzelmannを交わして前に出ると、MutadaffeqがMolly Powerを振り切って勝利した。

Mutadaffeqは地元の馬で、今年はBro ParkのHurdle及びSteeplechaseを含めて3連勝とした。このレースはこれで3度目の挑戦となるが、だいぶこのコースの障害にも慣れてきた感もあり、スウェーデンSteeplechaseの総大将として堂々たるレースであった。一昨年及び昨年はこのあとポーランドにも遠征していたのだが、今年は以前と比較するとだいぶ力をつけている感もあり、スウェーデン国外での活躍も含めて楽しみな馬である。いずれにせよ、地元の馬が地元出身のベテラン障害騎手Niklas Lovénを背にして勝利したということで、スウェーデン競馬にとっては大変嬉しい結果となった。スイスで結果を出してきたチェコのMolly Powerは前走がフロックではないことを示しての2着。どうにもスイスSteeplechaseの水準がよくわからないのだが、とはいえまだ若く可能性のある馬である。ドイツのベテランWutzelmannは惜しい3着で、コーナーで転倒した昨年の雪辱こそならなかったが、それにしてもこの年になるまでここまで安定したレースを見せるというのは大したものである。大きく縮小が進んでいた2010年代後半ですらこのような馬を輩出するのだからやはりドイツ障害競馬のポテンシャルというのは高いのであり、その復活が期待される。チェコのHer Himはさっぱり走らずの大敗で、最近はかなりズブさを見せるようになっている感がある。

 

〇 Familjen Perssons Minneslöpning 65,000 kr 3500m

För 4-åriga och äldre hästar. (Replay)

1. Evander J: Kevin Parkin T: Christian von der Recke 

Galopptips.seのレース映像にはしばしばあることだが、レース映像が途中で切れている。デンマーク産馬Junglelandが前に行くも、途中からEvanderがDon Diabloを引き連れて先頭に。そのままEvanderが後続を突き放して勝利したようだ。Evander自身は元々イギリスにいた馬で、イギリスではPoint-to-Pointを含め5勝を挙げている。ただ2021年から2023年にかけてかなり長い休養を経ていたようで、休養からの復帰後はさっぱりな結果に終わっていたようだ。今回はこれがChristian von der Recke厩舎への移籍初戦であったが結果を残した。元々イギリスでの実績を考えればここではなかなか上位争いをしていてもおかしくはない馬で、これがこの馬にとっていいきっかけになったことを願いたい。地元のDon Diabloが2着に入った。

 

Waikato RC @ Te Rapa (NZ) Heavy10

Fairview Motors Waikato Hurdle (PJR) OPN HDL 3200m (Replay)

1. Nedwin J: Aaron Kuru T: Paul Nelson & Corrina McDougal

例によってEnglish Gamblerが前に行くも2周目からはTweedledeeが先頭に。最終コーナーを回ってVerry Flashなどが外から捲ってくるも、内を掬って出てきたDysseusが前に出る。しかし外から伸びてきたNedwinがこれを捉えて勝利した。

Nedwinは昨年のWellington Hurdle (PJR)の勝ち馬で、Great Northern Hurdle (PJR)ではAbu Dhabiからやや遅れた4着に終わっている。今年はJMP HWTも含めた平地競争で2連勝をあげていたように調子もいいようで、今回は70kgの斤量も考えるとなかなか先行きが楽しみになる勝ち方であった。圧倒的最低人気のDysseusが2着。ここまでMaidenを勝ったのみの馬だが、Nedwin相手にこれだけ走れれば大したものだろう。Abu Dhabiはやや遅れたが、とりあえず恰好はつけての3着で、昨年のGreat Northern Hurdleの勝利がフロックではないことを引き続き示してくれることに期待したい。期待されたVerry Flashは早めに捲っていったが最後は息切れして4着。Leitrim Ladはどうにも飛越がいまいちで離れた6着に終わった。

 

Signature Homes Waikato Steeplechase (PJR) OPN STP 3900m (Replay)

1. The Cossack J: Aaron Kuru T: Paul Nelson & Corrina McDougal

レースはDes De Jeuが逃げる展開で、好位からThe Cossack、Suffice To Sayなど。そのままDes De Jeuが淡々と引っ張るも、最終コーナーから悠然と前に出てきたThe Cossackがしぶとく足を伸ばしてきたArgyllを8馬身ほど突き放して勝利した。

The CossackはSteeplechaseのPJRは初勝利とした。ニュージーランドHurdleではもはや手が付けられないほどの強さを誇った馬だが、今年はSteeplechaseに本格的に参戦している。前走はRating 75 Benchmarkの平地競争を勝利していたようで、9歳にもなって大した馬である。昨年は8月にオーストラリアに遠征しGrand National Hurdle及びSteeplechaseに参戦していたのだが、今年のローテーションには注目すべきだろう。昨年はこのWaikato Steeplechaseを含めPJRを2勝したArgyllが2着に入った。今年はこれが初戦であったようで、The Cossackに対して若干のローテーション的な不利はあったのだが、内容的にはやはり勝ち馬を褒めるしかなさそうだ。Des De Jeuは特に飛越のミスもなく3着。Argyllに対してここまで戦えるのだからやはり持っているものは一級品で、引き続きこの路線で期待したい。