にげうまメモ

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23/07/16 Weekly National Hunt / Jump Racing

7/15(土)

Wellington RC @ Trentham (NZ) Heavy10

Hydra-Cell Pumps LTD Wellington Hurdle (PJR) OPN HDL 3400m (Replay)

1. Suliman J: Hamish McNeill T: Paul Nelson & Corrica McDougal

アイルランドから遠征中のJack PowerのNedwinが前に行く展開も、途中から出遅れたDes De Jeuが並んでいく。2周目の勝負所で前にいたNedwinがまさかの落馬。代わってBerry The Cashが前に出てくるも、直線の入り口で落馬。そのまま前に残ったSulimanがCarnaby以下の追い上げをしのいで勝利した。

この日のTrenthamの馬場は相当重かったようで、勝ち馬を含めてほぼ歩くように入線している。SulimanはHurdleは4勝目としたが、とはいえ前走のHawke's Bay Hurdle (PJR)でもHappy Starの4着に終わっており、やや今回は人気どころの落馬に助けられた感は否めなさそうだ。最終コーナーの地点でもまだ余力がありそうなBerry The Cashに対してこの馬はかなり気合をつけて追走している。CarnabyはどちらかというとSteeplechaseで実績のある馬で、おそらくこの後は昨年2着に終わったGrand National Steeplechaseに向かうものと思われる。Hurry Caneは人気の一角として評価されていたようだが、勝負所で脱落し、そこから盛り返すも3着に終わった。

 

Grant Plumbing Wellington Steeplechase (PJR) OPN STP 5500m (Replay)

1. West Coast J: Shaun Fannin T: Mark Oulaghan

Izymydaadが前に行く展開で、これを追いかけてArgyll。The Cossackはその後ろから。例によって手ごたえが怪しいTittletattleがやや遅れ気味に追走するが、2周目からIzymydaadが後続にかなり大きなリードを取って逃げる格好となる。このIzymydaadのリードはじわじわと縮まり3週目の後半から後続が接近し、最終コーナーに入る辺りでDonardoが前に出る。残り2障害でArgyllが落馬しThe Cossackが不利を受ける。再度Donardoを交わして前に出たIzymydaadが逃げ込みを図るも、内から抜けてきたWest Coastが前に出て勝利した。

残り2障害で落馬したArgyllはどうやら心疾患が原因で落馬の際には既に亡くなっていたそうで、レース自体は見ごたえのあるものであったが残念な結果となってしまった。ニュージーランド競馬公式もどうやら配慮しているようで、このArgyllの落馬による影響を映像から確認することはできない。West Coastは今シーズンはHawke's Bay Steeplechase (PJR)から連勝とした。The Cossackの受けた不利がどれほどのものかはよくわからないが、昨年出走馬の確保に苦労したRiccarton ParkのGrand National Steeplechase (PJR)勝ち馬がこれほどの活躍を見せているのは頼もしいことで、今年もこのような馬が現れるレースを期待したいところである。Izymydaadは積極的に引っ張って見せ場を作った。どうも飛越が怪しいところがあるようで、ある程度は飛越のリズムを作っていった方がいいような感がある。Jack Powerと初のコンビを組んだThe Cossackは3着までで、最後は差を詰めているだけにこの距離がダメということはなさそうだ。71.5kgを背負ってのこれだけのレースはさすがといったところで、引き続き希代のチャンピオンとしての競馬を期待したい。

 

7/16(日)

Le Pertre (FR) Bon Leger (2.8)

Grand Cross Du Pertre #9 TNC Haras Du Lion - Prix Rene Couetil

Cross Country Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 5000m (Replay)

1. Vif Ardent J: Thomas Beaurain T: P&C Peltier

途中にはダートコースの丘を多用したりとなかなか独特のLe PertreのCross Country。レースは牝馬Barcarolleが軽快に逃げるも、最終周から後方から出てきたChez Pedroが先頭に。そのままChez Pedroが逃げ込みを図るも、最後の直線でこれに並んでいったVif Ardentがこれを捉えて勝利した。

Vif ArdentはCross Countryは昨年のSegre以来の勝利とした。元々はPauを中心に使っていた馬だが、昨年のPauのGrand Crossののちは各地を転戦しているようで、2022-23のPauでの解散はあまり参戦せずに終わっている。2023年のTNCはこれが初参戦であったがいきなり結果を残した。ただしもともとClasse2辺りで勝ってきた馬ということを考えると、どうにも今回はやや極端な良馬場の影響も考慮に入れた方がよさそうな感もある。この路線ではお馴染みのChez Pedroが2着だが、とはいえ今年でこの馬も11歳、今年は昨年ほどの勢いがなさそうな感もある。RostrennenのGrand Crossで強い競馬を見せたBarcarolleは積極的に運んだが、今回は70kgのトップハンデの影響もあったようで、最後はやや脱落して3着に終わった。

 

Pakenham (AUS) Soft6

Brendan Drechsler Hurdle

Set Weights plus Penalties. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim 3500m (Replay)

1. Bedford J: Tom Ryan T: Anthony & Sam Freedman

この日のPakenhamは6レース全てが障害競争であった。日本でも大障害の日くらいはこのくらいやって欲しいのだが。レースは例によってSaunter Boyが逃げる展開も、馬群は密集して進行。Saunter Boyがそのまま前で頑張るも最終コーナーから後続が殺到。ここから外から抜けてきたBedfordが残り2障害で先頭に立つと、、叩き合いを続ける後続を振り切って勝利した。

BedfordはここにきてHurdleは3連勝とした。すでに9歳と年齢は重ねているがHurdleの経験はさほど多くはない。今回はPakenhamの平坦なコースで、かつSaunter Boyがゆったりと逃げたことで上がりの勝負となったうえ、好位の外から捲っていったTom Ryan騎手の騎乗が奏功した感がある。Instigatorが2着。逆に立ち回りをミスした感があるのがBell Ex Oneで、どうにも直線では狭いところに入って苦労するところがあった。人気のSaunter Boyは71kgを背負っての5着で、着順はあまり宜しくはないのだが着差はわずかで、十分巻き返しは可能なように思われる。ただしそろそろ年齢的なところもありそうな感もあり、トップハンデということを差し引いても昨年のような勢いはなさそうだ。

 

Mosstrooper Steeplechase

Set Weights plus Penalties. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 3500m (Replay)

1. Stern Idol J: William McCarthy T: Ciaron Maher & David Eustace

人気のStern Idolが今回は元気いっぱい逃げる展開で、そのまま後続に大きなリードを取って引っ張る形となる。後続はやや積極的にStern Idolを追いかけに行くもなかなかリードは縮まらず、結局苦しくなった後続を尻目にStern IdolがBee Tee Juniorを振り切って勝利した。

Stern IdolとBee Tee Juniorの着差は20馬身とかなりついているが、Stern Idolがゴールまで気合を付けたのに対して、Bee Tee Juniorは最後あっさりと諦めたことによるものである。Stern IdolはGrand Annual Steeplechaseでも期待されていたのだがどうにもうまくい適ったようで、今回はひとまず巻き返しの一戦となった。やはり例によってスピードの持続性能を生かした方がこの馬の良さは生きるようだが、とはいえ一方で距離的な限界は相変わらず払しょく出来ないところがありそうだ。古豪Bee Tee Juniorは頑張っての2着で、馬場条件次第ではまだチャンスがありそうだ。この中に入っても65kgの斤量で戦えるというのはかなり有利な材料だろう。Valacは残り2障害地点で大きなミスがあり、そこからはあまり無理をしなかったようだ。