にげうまメモ

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23/07/02 Weekly National Hunt / Jump Racing

6/27(火)

Auteuil (FR) Tres Souple (3.9)

Prix La Perichole (G3)

Steeplechase Pour tous poulains et pouliches de 4 ans, n'ayant pas, cette année, en steeple-chase, reçu une allocation de 100.000. 4400m (Replay)

1. Speed Emile J: Kilian Dubourg T: Lageneste & Macaire

5頭立てという少頭数もあってかゆったりとレースが進行する中、Speed EmileがLe Philosophe以下を突き放して勝利した。Speed Emileはこれで前走のListedを含めて3連勝とした。昨年9月のAuteuilのSteeplechaseデビュー戦を勝利してからしばらく勝利を挙げられていなかったのだが、今年5月のClasse1から3連勝と調子を上げている。全体的にのんびりとしたレースであったが、今年の上半期後半に調子を上げた馬として秋には注意した方がよさそうだ。Haiesでは昨年のPrix Cambaceres (G1)で4着のあるLe Philosopheが2着。Steeplechaseは5月にClassse2を勝ったのみであり、今年の春もHaiesと織り交ぜながら使っているのだが、経験は少なく上がり目はありそうだ。5月のPrix Ferdinand Dufaure (G1)で3着に入ったAQPSのJazz Manoucheが3着に入った。

 

7/1(土)

Hawke's Bay RI @ Hastings (NZ) Heavy10

Te Whangai Romneys Hawke's Bay Hurdles (PJR) OPN HDL 3100m (Replay)

1. Happy Star J: Shaun Fannin T: Kevin Myers

大きな流星が目立つHappy Starが軽快に逃げる展開だが、これに頑張って後続がついていく。しかしHappy StarはそのままついてきたThe Mighty Spar、Jakama Krystalなどを振り切ると、追い込んできたMizzenaに6馬身差をつけて快勝した。

Happy Starは今年はOpen HDLから2連勝とした。昨年のGrand National Hurdles (PJR)を勝った馬で、今年は平地のListedでも3着に入るなど結果を残していた。69kgと斤量を背負っての快勝で、再びGrand National Hurdles (PJR)に行くのであれば連覇の可能性も十分にありそうだ。Riccarton ParkのGrand National Meetingは昨年厳しい状況にあったが、そこを勝った馬がこのように活躍することは非常に喜ばしいことである。Mizzenaは人気薄ながら2着に来た。内容的にはHappy Starを追いかけていった組が苦しくなったのを利しての2着で、スパートをワンテンポ遅らせたNick Downs騎手の騎乗が光る結果となった。MDNを勝ったばかりのMark Walker厩舎のThe Mighty Sparは頑張ってHappy Starについていったが、最後は突き放されて3着に終わった。

 

Animal Health Hawke's Bay Steeplechase (PJR) OPN STP 4800m (Replay)

1. West Coast J: Shaun Fannin T: Mark Oulaghan

Tittletattleが盛大に出遅れるなか、Shackeltons EdgeがArgyllらとの先行争いを制して先頭に。そのままShackletons EdgeはDonardo、Izymydaadなどを引き連れて逃げるも、3週目からArgyllが先頭に。しかしさらに後ろから接近したWest CoastがArgyllを振り切ると、そのまま後続に大きなリードを取って快勝した。

West Coastは昨年のGrand National Steeplechase (PJR)の勝ち馬で、今年はこれが初のSteeplechaseとなる。なぜか5月にはMaiden Hurdleを使って勝利をあげていたようで、MDNを使った意図はよくわからないのだが、現時点でも7歳とフレッシュな馬で期待できそうだ。Mark Oulaghan調教師ということで日本人にも大いに馴染みがあるだろう。昨年のWellington Steeplechase (PJR)で大穴をあけた牝馬Tittletattleは道中の仕草を見ているとさっぱり走りそうにはないのだが、なぜじわじわと追い上げて2着まで来た。これがおそらくこの馬の芸風と思われるが、厳しい条件になったときこそ期待したいタイプの馬のようだ。連覇を狙ったArgyllは積極的に運んだが3着まで。同厩舎のShacketons Edgeは4着に終わった。

 

7/2(日)

Corlay (FR) Souple (3.7)

Grand Cross De Corlay #8 TNNC Haras Du Lion - Genybet

Cross Country Pour tous chevaux de 6 ans et au-dessus. 5600m (Replay)

1. Special Du Rocher J: Erwan Bureller T: Daniel Lenfant

道中には道のようなところを突っ切たり、畑の中のダートコースを走ったりと実に独特なコースが設定されているCorlayのGrand Cross。この素朴だが本格的な障害コースは一見の価値がある。レースはJames ReveleyのBarcarolleが元気に逃げるもコーナーで滑って転倒。代わってBelhom De Juilleyが前に出て、後ろから追い上げてきたEldorado De Kerserが一旦は先頭に立つも、やや遅れて出てきたSpecial Du RocherがExtragadorをしのいで勝利した。

Special Du RocherはCross Country自体は長い馬だが、とはいえ目立った実績があるわけではなく、前走もCorlayのClasse4で4着に終わっていた。今回もRostrenenのGrand Crossを勝ったBarcarolleのアクシデントに助けられた感もありそうで、かつワンテンポ遅らせて出てきたErwan Bureller騎手の好騎乗もあったように思われる。VichyのGrand CrossでBorn To Be A Queenから離れた5着に終わったExtragadorが2着というのもややレース水準としては疑問が残りそうだ。そのRostrenenのGrand Crossで3着に入ったBelhom De Juilleyが4着だが、とはいえRostrenenでも勝った馬からはだいぶ離された入着で、全体的にここで良績を残したメンバーは次回注意してみたいというのが現状だろう。

 

Warrnambool (AUS) Heavy10

〇 Baillie's Warrnambool Self Storage Maiden Hurdle

Set Weights. Three-Years-Old and Upwards, No sex restriction. Maiden. Apprentices can claim. 3200m (Replay)

1. Le Baol J: William McCarthy T: Ciaron Maher & David Eustace

SA州のWhat Revolutionが引っ張るも馬群は密集して進行。最終コーナーから外を回って出てきたLe Baolがそのまま直線だけで2着に25馬身差をつけて勝利した。Le BaolはこれがHurdle初戦であったが強い競馬を見せた。平地ではSydney Cupで5着に入ったこともある実績馬のようで、全体的に行きたがって走る場面も多かったのだが、直線でのスピードは圧倒的なものを見せていた。Hurdleではかなり期待できそうな一頭だろう。Maiden Hurdleでは実力上位のThinking Manが2着。さすがに経験のある馬だけ合って安定したレースを見せたが、さすがに相手が強すぎたようだ。イギリスでは平地重賞勝ちのあるDashing WilloughbyはこれがHurdle3戦目だったが、今回は前からだいぶ離れた5着。SA州のWhat RevolutionはLuke Dempseyを背に頑張って前に行ったが、最後はさすがに力尽きて6着。イギリスでNational Hunt Flatを勝ったMount Stewartは早々に脱落し大敗に終わった。

 

Carter Group Kevin Lafferty Hurdle

Quality. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 3200m (Replay)

1. Bell Ex One J: Will Gordon T: Andrew Bobbin

Circle The Sun、Inayforhay、Wil John、Bee Tee Juniorなど、なかなか多彩なメンバーの集まった一戦。レースはWil Johnが前に行くも、途中から例によってFabalotが先頭に。そのままFabalotが引っ張るも、最終コーナーから内を回ってBell Ex Oneが前に。そのままBell Ex Oneが追いかけてきたCircle The Sun以下を振り切って勝利した。Inayforhay、Bee Tee Juniorと続いた。

Bell Ex OneはFred Winter (G3)にてBrazilの3着に入った馬で、オーストラリア移籍後は昨年のJJ Houlahan Hurdleを勝利していた。今年はHurdleを2走するもいずれもいいところはなかったのだが、ここにきてようやく結果を残した。レース内容としてもなかなかいいもので、Fabalotが前に行ったことでやや前掛かりになるところ、内のスペースのないところから一気にスパートをかけて押し切るというもので、これはCheltenhamの多頭数のハンデ戦で結果を残してきた馬ならではのものだろう。今年2走の凡走の理由は不明だが、障害馬として本格的な能力を持った馬だけに引き続き期待したい。Australian Hurdleを勝ったCircle The Sunは正攻法での2着。今回はBell Ex Oneの立ち回りを褒めるしかなさそうだが、この馬も実力上位であるところを示した。2021年のGrand National Steeplechaseを勝ったInayforhayはその後順調に使えていないが、今回はじわじわと差を詰めての3着。順調に使えるのであれば実力は確かで、Steeplechaseでも期待したい。古豪Bee Tee Juniorは積極的に立ち回っての4着。だいぶうまくレースを運んだ感もあるが、重馬場であればまだこれだけやれるというのはこの馬にとって今後が楽しみになるものであった。2021年にGrand National Hurdleを勝ったWil Johnは最後力尽きての7着だが、とはいえ着差もさほどあるわけではなく、ここを叩いて変わってくることを期待したい。

 

Hammonds Paints Thackeray Steeplechase

Quality. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 3450m (Replay)

1. Mighty Oasis J: Tom Ryan T: Andrew Bobbin

レースは人気のRockstar Ronnieが軽快に引っ張る展開で、これにMighty Oassis、Tolemacなどがついていく。Rockstar Ronnieはそのまま元気に引っ張るも、これにぴったりとついてきたMighty Oasisがゴール直前でこれを捉えて勝利した。

Mighty OasisはSteeplehcaseはMaidenの馬で、ここでは高配当を演出して見せた。HurdleでもCasterton Hurdleの勝ち鞍くらいで目立った実績があるわけではないのだが、どうやらこのような重馬場とWarrnamboolの起伏のあるコースが良かったようだ。65kgという軽量による助けもあったとは思われるが、この馬にとっては自身の可能性を示す大きなステップアップとなったようだ。Grand Annual Steeplechaseを勝ったRockstar Ronnieは見せ場十分の2着で、3着以下には大きな差をつけているだけに内容としては十分なものだろう。69.5kgという斤量を考えると勝ちに等しい内容で、引き続き期待したい。Flying Agentはじわじわと後方から進出を試みたが、最後は突き放されての3着。Heavy10という条件自体はこの馬向きだったと思われるが、とはいえRockstar Ronnieをはじめ前2頭にここまで迫ることができないとはいうのはやや案外な結果となった。