にげうまメモ

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23/10/29 Weekly National Hunt / Jump Racing

10/23(月)

Plumpton (UK) Soft (Good to Soft in places)

〇 Novices' Hurdle (Class 4) 1m7f195y (Replay)

1. Western Soldier (GER) J: Jonathan Burke T: Milton Harris

前に行った人気のWestern SoldierがそのままFlidais以下を振り切って快勝した。Western Soldierは元々ドイツの平地競争を走っていた馬で、平地で計8勝、今年の4月のKalkmann-Frühjahrs-MeileというG3競走では2着に入っている。今年の秋から現厩舎に移籍し、Hurdleは2戦目で初勝利とした。ドイツでは主に1マイル戦を走ってきた馬のようで、厩舎から考えるとおそらく平地兼用馬として走るものと思われる。なお、At The Racesのデータベース上は未去勢となっているが、おそらくドイツ時代に去勢されたものと思われる。

 

10/27(金)

Cheltenham (UK) Good (Good to Soft in places)

Skybet Novices' Hurdle (G2) 2m87y (Replay)

1. Lookaway (IRE) J: Jack Quinlan T: Neil King

これがこの秋最初のCheltenham開催となる。レースは流星が目立つLookawayが前に行く展開で、Toto Tooなどの人気馬は中段から進行。Lookawayはそのまま淡々と逃げると、後ろから追い上げてきたKamsinas以下を振り切って勝利した。

LookawayはAskの産駒で、これでHurdleは3連勝とした。昨シーズンもHurdleは使っていたものの勝ち星を挙げることはできなかったようで、今シーズンは飛躍のシーズンとなっている。比較的大柄な馬体が目立つ馬だが、とりあえず現時点ではここまでレース経験があるアドバンテージが大きいような感があるが、どこまで本物であるかはこれから検討した方がいいだろう。前走WorcesterでHurdleデビュー戦を飾ったKamsinの産駒のKamsinasが2着。Noel Fehily Racing Syndicateの馬のようだ。好位で運んだIdy Woodが3着に入った。

 

10/28(土)

Cheltenham (UK) Good to Soft

〇 Novices' Chase (Class 2) 3m110y (Replay)

1. Flooring Porter (IRE) J: Keith Donoghue T: Gavin Cromwell

Broadway BoyとFlooring Porterが競っていく格好となるが、途中からFlooring Porterが先頭に。直線で追いかけてきたBroadway BoyをFlooring Porterが振り切って勝利した。Flooring PorterはChaseは初めてのレースとなる。Hurdleでは言うまでもなく素晴らしい戦績を残した馬だが、8歳の秋になってChase転向ということで楽しみな存在だろう。飛越としては全体的に許容範囲であったが、2周目に入ってどうにも飛越位置が覚束ないところがあった点は課題だろう。Hurdleでの戦法を考えるとある程度積極的に引っ張っていく形が想定され、飛越面での安定は重要になりそうだ。Broadway BoyはHurdleではClass2のハンデ戦を勝った実績もある馬で、Chaseはこれが2戦目であった。終いの脚力とハンデ差で最後は遅れたが、とはいえ十分な内容だろう。

 

Compiegne (FR) Tres Lourd (5.2)

Grand Steeplechase De Compiegne (G2)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 4100m (Replay)

1. Spes Militurf (FR) J: Kilian Duborg T: Lageneste & Macaire

Geelong Sportが前に行く展開も、どうにも飛越がいまいちで、Spes Militurf、Gloriceなどが先頭に代わる。さらにChampagne Mysteryが捲って来るも、直線を向いて前に出たSpes MiliturfがGold Tweetなどとの叩き合いを制して勝利した。

この日のCompiegneはTres Lourdと最も重い馬場で、勝ち時計としても5分31秒99かかっている。重馬場と言われた今年の中山グランドジャンプの勝ち時計が4分54秒1で、最下位のクリノオウジャですが5分2秒3で入線しているのだから、その馬場の重さは推して知るべしだろう。Spes Militurfは今年4月のCompiegneのHaies以来の勝利とした。今年の春は上がり馬として期待された馬だが、AuteuilのSteeplechaseの重賞クラスでは結局勝てず、秋はCompiegneを転戦している。ひとまずCompiegne最大のSteeplechaseを勝利したことになるが、再度Auteuilに行くかは注目した方が良いだろう。昨シーズンはイギリスでHurdleの重賞競走を勝利したGold Tweetは僅差の2着。AQPSのGloriceも僅差の3着に入った。

 

Slušovice (CZE) 3.7 (dobrá / Good)

Cena Flower of Lowe

Proutky I.kat. - 3200 m, cena, 4letí a starší 150.000 Kč (Replay)

1. La Salinero (GER) J: ž. Ondřej Velek T: Váňa st. Josef

レースはGrande De Thaixが前に行く展開も、向こう正面からDionisが先頭に。そのままDionisが押し切りを図るも、これを追いかけたLa SalineroがDionisを振り切って勝利した。

La SalineroはHurdleは3勝目とした。今年の7月にはドイツBad Harzburgでも勝利を収めており、前走のMeranoでは途中棄権に終わっていたようだが、今回は結果を残した。ひとまずまだ4歳と若い馬で、このままイタリアのSiepiを使うのかは不明であるが楽しみな存在だろう。Křišťálový pohár města Pardubic za podpory závodiště Wroclawを圧勝したDionisが2着で、この馬は昨年のCorsa Siepi Dei 4 Anni (G1)であることを考えると、勝ち馬はなかなか楽しみな馬と言えそうだ。フランスからの移籍初戦となったGrande De Thaixは途中から脱落して5着。オーストリア生産馬のWolfmasterはこれがHurdle初戦であったが、早々に落馬に終わった。

 

40. Velká slušovická steeplechase společnosti K-K Metal

Steeplechase crosscountry I.kat. - 5200 m, cena, 5letí a starší 150.000 Kč (Replay)

1. Yara (CZE) J: ž. Jan Odložil T: Popelka Stanislav

レースはLetegerto、Averisなどがゆったりと前を走る展開も、途中からYaraが前に出てきてペースは上がる。Yaraは頑張って前を走ると、最後追い上げてきたZataroを振り切って勝利した。

Yaraは11歳となる牝馬で、今年に入ってCross Countryは2勝目とした。9月に3300メートルクラスのIV.katで勝利を挙げるとなにかを掴んだのか続くCena Labeでも3着に入っており、どうにも今年の秋にきて調子がいいようだ。元々どうにも気性的に難しいところがあったようで、今回もやや苦労する場面はあるようだが、とはいえ元々能力を持っていた馬がこの11歳の秋になって調子を上げているというのは面白い内容だろう。年齢的に来年も現役生活を続けるのかは不明だが、ひとまずこの馬がここにきてビッグタイトルを掴んだというのは喜ばしいことである。Zataroは最後じわじわと追い上げて2着。Pouvoir Absolu産駒のAverisが3着に入った。Prince D'orageは元々MeranoのSteeplechaseを走っていた馬で、あまりCross Countryの経験は多くはないのだが、やや勝ち馬からは離れた4着に入った。Aeneasは期待されていたようだが、途中で大きなミスもあってかそのまま脱落し、途中棄権に終わった。

 

Great Meadow (USA) Firm

David L. Zeke Furguson Memorial Hurdle Handicap (G2)

TO BE RUN OVER NATIONAL FENCES Handicap, for Four Year Olds and Upward Two And One Eighth Miles On The Hurdle $75,000 (Replay)

1. Snap Decision (USA) J: Graham Watters T: Jack Fisher

緑豊かなGreat MeadowのHurdle競走。レースはWest Newtonが元気よく引っ張るも、これにSnap Decisionがついて行く。残り2障害辺りから前に出たSnap DecisionがWest Newtonを振り切って勝利した。

Snap Decisionは言うまでもなくアメリカHurdle戦線のトップホースであるが、今年はTemple Gwathmey Hurdle (G2)勝ちのみに留まっており、Grand National Hurdle (G1)では途中棄権に終わっていた。どうしても実績から厳しい斤量を背負うことも多く、かつ馬場が渋るとあまりよくはないようなところもあるようで、年齢的なところも考えると状況としては難しくなっていくものと思われる。深いブリンカーを付けたイギリス生産馬のWest Newtonが頑張っての2着。今年の4月にはDaniel Vsan Clief Memorialを勝利しているようだが、その後のG1戦線ではさっぱりだったようで、とりあえず今回は積極的にレースを作っていくことで結果を残した。ただしSnap Decisionと比較して20lbの斤量差があったことはやはりSnap Decisionを褒めなければならないことである。

 

International Gold Cup Timper Stakes

TIMBER, FOR FOUR YEAR OLDS AND UPWARD. Three And One Half Miles On The Timber $75,000 (Replay)

1. Schoodic (USA) J: Graham Watters T: Jack Fisher

レースはElusive Exclusiveが前に行く展開も、これにSchoodicがぴったりとついて行く。残り3障害辺りから前に出たSchoodicがそのまま後続を突き放すと、Cracker Factoryに約6馬身差をつけて勝利した。

Schoodicは今年で13歳となるTiznowの産駒で、もはやこの路線ではすっかりおなじみのベテランである。今年は秋から始動し、National Sporting Library and Museum Cupに続き2勝目とした。このInternational Gold Cupは2019年に勝利しているが、今年になってもここまでフレッシュなレースを見せるというのは素晴らしいことだろう。飛越の安定感もここでは抜けており、来年も現役での活躍が期待される。昨年はこのレースでAndi'amuの2着に入り、National Sporting Library and Museum Cupでも2着に入っていたCracker Factoryがまたしても2着。Brown Advisory Timber StakesでCracker Factoryの僅差の2着に入ったElusive Exclusiveが3着に入り、このあたりのメンバーはさほど差はなさそうだ。

 

10/29(日)

Aintree (UK) Good to Soft (Soft in places)

Old Roan Limited Handicap Chase (G2) 2m3f200y (Replay)

1. Jetoile (IRE) J: Darryl Jacob T: Ryan Potter

レースはDo Your Job、Minella Dramaなどが引っ張る展開も、途中からMinella Dramaが先頭に。しかし中段から進出したJetoileがMinella Drama以下を抑えて勝利した。

Aintree恒例の重賞競走だが、どうやらスタンド前の障害全てがオミットされ、ほぼ最後はフラットでのスプリント勝負となっている。JetoileはこれでNoviceのClass3から3連勝とした。ここにきて力をつけてきた馬というところはありそうだが、とはいえHurdleでも重賞での好走歴があったわけではなさそうで、今回のレースの質も考えるとどこまで本物であるかは引き続き注意した方がよさそうだ。前に行ったMinella Dramがそのまま逃げ粘って2着。追い込んだAl Dancer、Tommy's Oscarと続き、勝ち馬の11st0lbという軽量を考えると、11st台の後半を背負っていたこれらの馬は引き続き見直すことはできそうだ。687日ぶりの実戦ということで注目されていたMy Dragoは特に勝負圏内には入れず。2021年にはMersey Novices' Hurdle (G1)を勝った実力馬で、Chaseでの経験は殆どなく、復帰戦を叩いて変わってくるようであれば面白い存在になれるかもしれない。