にげうまメモ

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23/06/11 Weekly National Hunt / Jump Racing

6/5(月)

Hawke's Bay RI @ Hastings (NZ) Soft6

〇 Valley D Vine Restaurant Hurdle 0-1 WIN HDL 2500m (Replay)

1. Verry Flash J: Shaun Fannin T: Kevin Myers

途中から後続にリードを取ってInvisible Spiritが逃げるも、最終コーナーから捲っていったVerry FlashがThe Mighty Sparを振り切って勝利した。Verry Flashはこの路線では有名な良血馬で、おそらく名前から兄妹を予測することは容易だろう。昨年の9月にMaidenを勝利していた。これが今年に入って初のHurdle戦であったが、好位の内から飛越に特段の問題はなく、内容的には完勝のものであった。平地では10勝を挙げている馬で、まだ8歳と若いことを考えるとこの路線で頑張ってくれることを期待したい。5歳の未勝利馬The Mighty Sparが2着に入ったが、5月では平地のListedで6着に入っていることを考えると、0-1 WIN HDLとはいえ極端にメンバーが格落ちということではなかったように思える。

 

〇 Farewell Gayle Richardson Hurdle  0-1 WIN HDL 2500m (Replay)

1. English Gambler J: Dean Parker T: Lauren Brennan

English Gamblerが元気に逃げるも2周目からKhafeefが捲って先頭に。しかし早々にKhafeefは落馬すると、さらに捲ってきたJan's Giantに抵抗したEnglish GamblerがPassword以下を抑えて勝利した。English Gamblerはこの路線ではお馴染みの逃げ馬で、今回も例によって行きたがる素振りを見せていた。2000メートルクラスであればなんとか持つようだが、さらに馬場が悪くなったり距離が長くなると厳しいようで、ある程度抑えを効かせることができればといったところだろう。とりあえずKhafeefが捲っていったときに番手で我慢ができたことは収穫かと思われる。

 

〇 Mike King - I Am Hope Steeplechase 0-1 WIN STP 4000m (Replay)

1. Shackeltons Edge J: Hamish McNeill T: Paul Nelson & Corrina McDougal

早々にBak Da MasterとMagnanimous Manの2頭が落馬するアクシデント。Shackelton EdgeとZedmanが並んで逃げる展開だが、Zedmanを振り切ったShackleton Edgeが追いかけてきたThe Anarchist以下を退けて勝利した。Shackleton EdgeはSteeplechaseはこれが2勝目となる。2021年のWellington Steeplechase (PJR)で2着に入ってから随分と長い休養を経てきたようだが、ひとまず無事に帰ってきたことは喜ばしいことだろう。Thanoというアルゼンチン産馬の産駒で、南米由来の血統を有する馬が障害競馬を走るというのはなかなか世界的にも珍しいことである。昨年のGreat Northern Steeplechase (PJR)の3着馬The Anarchistが2着。経験豊富なZedmanが3着に入った。

 

6/10(土)

Auteuil (FR) Tres Souple (3.9)

Prix Questarabad (G3)

Haies Pour tous poulains et pouliches de 4 ans, n'ayant pas, cette année, en courses de haies, reçu une allocation de 110.000. 3900m (Replay)

1. Julenaland J: Angelo Zuliani T: Francois Nicolle

Lou Fast、さらにLe Philosopheが前に行く展開も馬群は密集して進行。ここから内を掬って出てきたJulenalandがLe Philosopheを突き放して勝利した。

5頭立てとやや寂しいメンバーであったが、2頭出走していたDoctor Dinoの産駒が上位を独占する結果となった。JulenalandはこれがHaies初勝利で、前走はListedのHandicap戦にてAmy Du Kiffの2着に入っていた。ただ、同馬を含めそれ以上の重賞戦線の実績はなく、どちらかというと新興勢力といったところだろう。2022年のPrix Cambaceres (G1)で4着に入ったLe Philosopheが2着だが、とはいえ今年春の4歳Haies路線ではどうにもいまいちな結果に終わっており、春の大一番が終わってからの重賞ということも考えると、ややレース自体の水準には疑問符が付くというのが正直なところである。

 

Prix La Barka (G2)

Haies Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus, n'ayant pas, cette année, en courses de haies, reçu une allocation de 150.000. 4300m (Replay)

1. Le Cheneviere J: Bertrand Lestrade T: Francois Nicolle

Roberta Hasが前に行く展開も、直線を向いてHeros D'Ainayが先頭に。しかし内から抜けてきたLa CheneviereがHeros D'Ainayとの叩き合いを制して勝利した。

La CheneviereはCompiegneのListedから連勝とした。2022年にはSteeplechaseに挑戦していた馬だが、あまり結果は残せず昨年のPrix Renaud Du Vivier (G1)からHaiesに戻している。やや立て直すまでに苦労していた感もあるのだが、今回は結果を残した。とはいえ今回は64.5kgの軽量の恩恵もあった感もあり、手放しに喜べるかというと微妙なところもある。Heros D'Ainayはこれが長期の復帰2戦目であったが能力のあるところを見せた。内容的にはこちらを上に取るべきだろう。昨年のPrix Renaud Du Vivier (G1)の2着馬Ine Anjouが3着。アイルランドからAshdale Bobも遠征していたが、こちらはいいところなく5着。イギリスのRed Riskも大敗に終わった。

 

Prix Des Drags (G2)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus, n'ayant pas, cette année, en steeple-chase, reçu une allocation de 200.000. 4400m (Replay)

1. Motu Fareone J: Charlotte Prichard T: David Cottin

Motu Fareone、Ho La La Forezなどが前に行く展開で、Spes Militurf、Gran Dioseなどはその後ろから。Spes Militurfが最終コーナーから捲って前に出てくるも、内から盛り返してきたMotu FareoneがLa Maniganceを振り切って勝利した。

Motu Fareoneはどちらかというと上がり馬といったところで、ここまでAuteuilのSteeplechaseのListed競走を勝った実績はあるものの、CompiegneやCagnes-Sur-Merなどを転々としていた。昨年はWaregemにも遠征していた馬だが、ここでは64.5kgという軽量を生かして勝利をもぎ取った。なかなか堅実に走る馬のようで実績以上に能力を持っている可能性もありそうだが、とはいえ一方で今回は展開的にも穏やかなものであり、軽量による恩恵があったことも考慮に入れる必要がありそうだ。5歳牝馬のLa Maniganceが最後追い込んで2着。Gran Dioseはどうにも馬群の後ろからちぐはぐな競馬で、最後は伸びているだけにもう少し展開的になんとかならなかったものかという印象がある。Spes Militurfは好位から捲っていったが、最後の直線でのスプリント勝負で遅れての5着で、あまりこのような展開向きの馬ではなさそうな感もある。

 

6/11(日)

Warszawa (POL) lekko elastyczny(2,7)

Nagroda Rotmistrza Witolda Pileckiego

Gonitwa płotowa międzynarodowa dla 4-letnich i starszych koni 3200m (Replay)

1. Dominique J: Jan Odložil T: Pavel Tuma

終始先頭を走ったDominiqueがそのままEver Soleado以下を突き放して勝利した。Dominiqueは元々2021年のGran Corsa Siepi Di Milano (G1)の勝ち馬で、本来であればイタリアSiepiのG1クラスでも好勝負ができた馬なのだが、その後はイタリアやスロバキアポーランド等を転戦している。このWarszawaのコースは初めてであったが内容的には貫録の勝利であった。本来このポーランドHurdle路線では明らかに格上の馬で、この路線を走ってくるようであれば大将格となりそうな感もあるが、一方ですでに9歳とHurdleでは頭打ちが見えてくる年齢でもある。2021年のMerano以来となるEver Soleadoが2着。イタリアでの実績を考えればDominique相手に頑張った方だろう。昨年のポーランドダービーの6着馬Don Kastersはこれが初めての障害戦であったが頑張って3着に入った。

 

〇 Nagroda Generała Bolesława Wieniawy-Długoszowskiego

Gonitwa płotowa międzynarodowa dla 3-letnich koni. 2400m (Replay)

2. Star Dust J: T. Polesná T: Tomasz Pastuszka

珍しいリトアニア産馬のStar Dustが出走しており、じわじわと後方から差を詰めたがDon Hugoから離れた2着に終わった。Star Dustはここまで平地を2戦していたがいいところなく、これがHurdleデビュー戦となる。Star Dustはいつものサイトに登録されていないためわかりにくいのだが、父Balios (IRE)というKing Edward VII Stakesの勝ち馬、母Star AniseというAstronomer Royalの産駒のようだ*1。勝ったDon Hugoも未勝利馬だが、とはいえ名門Pavel Tuma厩舎の馬で、この馬相手に2着というのは立派な2着だろう。