にげうまメモ

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24/08/04 Weekly National Hunt / Jump Racing

 

7/31(水)

Galway (IRE) Good (Good to Yielding in places)

Galway Plate Handicap Chase (G3) 2m6f111y (Replay)

1. Pinkerton (IRE) J: Donagh Meyler T: Noel Meade

アイルランドのSummer Jump Seasonの大一番。今年も22頭の多頭数となった。Ash Tree MeadowとAmiriteの激しい先行争いから始まったレースはそのままAsh Tree Meadowが後続をやや引き離して引っ張る形となる。ただしペースは早々に落ち着き1周目の終わりには番手のAmiriteは後続に追いつかれ馬群は密集。そのままAsh Tree Meadowはじわじわとペースを上げつつ引っ張るも、2連続障害の辺りからAuthrorized Artが接近。さらにコーナーを回って出てきたPinkertonがDuffle Coat、Zanahiyrを制して勝利した。

PinkertonはNovice上がりの馬で、今年の4月にBeginners Chaseを勝ったばかりである。前走は5月のPunchestownのFrontline Security Handicap Chaseという16fのListed競走を勝利しており、今回は一気の距離延長であった。ここに来て一気に力をつけてきた上がり馬といった立ち位置だが、10st4lbの斤量面での恩恵もだいぶありそうで、良馬場を得意とする夏馬という可能性もありそうだ。2020年にはデビューから4連勝でJCB Triumph Trial (G2)を制したDuffle Coatが2着。今年の5月にはMayo National Handicap Chase (Listed)を勝利したりとタフに頑張っているようで、なぜか平地競争に参戦して不振に陥っていた2021~2023年頃からだいぶ立ち直りつつあるようだ。Zanahiyr、Life In The Parkとあまり差のない入線となった。

 

8/1(木)

Galway (IRE) Good (Good to Yielding in places)

Guinness Open Gate Brewery Novice Chase (G3) 2m2f54y (Replay)

1. Ashdale Bob (IRE) J: Jack Kennedy T: Mrs Jessica Harrington

今年で9歳になったAshdale BobがMerlin Giantと並走しつつ前に行くと、2周目では後続を引き離し、最後追いかけてきたSaylaveeを凌いで勝利した。

Ashdale BobはHurdleでは複数の重賞勝ちがある馬で、2021年に一度Chaseに転向するもあまり上手くいかずHurdleに戻している。どうやらChaseは今年の6月から再度転向しているようで、これでChaseは2連勝とした。まだHurdleでもある程度勝負になりそうな気配はあるのだが、とはいえ重賞クラスでも上位争いを繰り広げていた2022年頃と比べるとやや年齢的な部分はありそうで、やはりこちらの路線でという判断になりそうだ。Chaseはこれが3戦目となる牝馬Saylaveeが2着。Legolas産駒のHorantzau D'Airyが3着に入った。Hurdleでは唯一挑戦したRoyal Bond Novice Hurdle (G1)では明らかな戦術ミスがあったりとあまり上手くは行かなかったようだが、Chaseではここまで4戦2勝と頑張っているようで、こちらの路線で期待したいところである。

 

Guinness Galway Hurdle Handicap (G3) 2m11y (Replay)

1. Nurburgring (IRE) J: James Joseph Slevin T: Joseph O'Brien

Galway FestivalとしてはGalway Plateに並ぶ主要な競走となる。Standing Startから飛び出したのがDanny MullinsのAnotherwayで、後続を引き離して積極的な逃げを打つ。しかし最終コーナー手前から好位にいたNurburgringが元気に出てくると、そのまま後続に7馬身差をつけて快勝した。Ndaawi、My Mate Mozzieと続いた。

NurburgringはJoseph O'Brien厩舎のex-flat horseで、2023年にはAscotの重賞にも参戦している。昨年はFairyhouseのJuvenile HurdleのG3競走を勝利し、CheltenhamやPunchestownのG1でも好走していた。まだ4歳と若い馬で10st10lbとそれなりの斤量を背負っての快勝ということで価値のありそうな内容だが、一方で厩舎的なことを考えると再度平地競争に出走してくるのか、もしくは16fのG1戦線に移行するのか、色々と読めないところがあることから今後の路線については注意した方がいいかもしれない。同じく4歳馬でex-flat horseのNadaawiが2着に入り、比較的フレッシュな馬が上位を占めるに至った。昨年のこのレースの3着馬My Mate Mozzieが3着に入った。人気を背負っていたのは5歳馬Daddy Long Legsだが、スタートで出遅れるとそのまま後方を付いそう、特段いいところなく大敗に終わったようだ。

 

8/3(土)

Galway (IRE) Yielding

〇 Maiden Hurdle 2m175y ( Replay)

2. Hipop De Loire (FR) J: Paul Townend T: Willie Mullins

Blue Bresil産駒のApple's of Bresilが前に行くも、好位から進めたJackfinbarがHipop De Loireを下して勝利した。Hipop De Loireは元々ポーランドにいた馬で、ポーランドSt Legerの2着のほか、ドイツのListed競走を勝利した実績がある。どうやらこれがWillie Mullins厩舎への移籍後の初戦であったようで、同時にアイルランドHurdle戦線でのデビュー戦となった。どうやらYorkの平地競争に登録もあるようだが、ポーランドの平地競争で経験がある馬というのも珍しいもので、この路線でどこまで戦うことができるかは注目しておきたい。勝ったのはJackfinbarという馬で、この馬はフランスでG3競走勝ちのあるex-flat horseである。この馬もYorkの平地競争に登録があるようだが、Hipop De Loireが7歳である一方で既に9歳とかなり年齢は重ねているようで、この路線でどこまでやれるか楽しみにしておきたい。

 

Pardubice (CZE) stav dráhy: 3.4 (dobrá / Good)

CENA MĚSTA PARDUBIC – CENA REGISTANY

Steeplechase crosscountry II.kat. - 4200 m, cena, 4letí a starší - klisny 132.000 Kč 4200m (Replay)

1. Ztracenka (CZE) J: ž. Jan Odložil T: Stanislav Popelka

淡々と前に行ったZtracenkaがそのままついてきたBabilonia、Askerana以下を振り切って勝利した。Ztracenkaは今シーズンはWroclawで結果を残していた馬だが、ここに来てPardubiceに参戦したようだ。昨年のCena Laty Brandisovéでは1位に入線するも失格の憂き目にあっており、WroclawのSteeplechaseでもトップクラスの活躍が期待されるのだが、一方でCena Laty Brandisovéでのリベンジということも期待される。いずれにせよ現状の牝馬戦線において最も勢いの馬であることは確かであり、更に父はPop Rock、母はロシアで繋がってきた牝系の出身という血統的な背景を鑑みると、セカンドキャリアも含めて楽しみな馬である。11歳のBabiloniaがしぶとく走って2着。5歳馬のAskeranaは最後後方から追い込んでの3着で、まだCross Countryは3戦目とキャリアの浅さを考えると上積みに期待しておきたい。9歳となったCosmic Magicはどうにもリズムの悪さが目立っており、最後まで前に食らいつくも4着に終わった。

 

CENA FIRMY CHLÁDEK A TINTĚRA, PARDUBICE a. s. – III. KVALIFIKACE NA 134. VELKOU PARDUBICKOU SE SLAVIA POJIŠŤOVNOU

Steeplechase crosscountry NL - 5800 m, cena, 5letí a starší 500.000 Kč (Replay)

1. Chelmsford (FR) J: ž. Jan Kratochvíl T: Josef Váňa st.

例によってSexy Lordが先頭を伺うも、これを制してWell Absolutが前に出てくる。好位からMr Spex、Kaiserwalzer、Imphalなど。Well Absolutはそのままペースを緩めずに引っ張る形となり、隊列はだいぶ長くなる。早々に手ごたえが悪く遅れていたImphal、さらに少しずつ脱落したMr Spexはそのまま中盤で途中棄権。Water Jumpの辺りからSexy LordがWell Absolutに並んで行くも、Well Absolutはこれに抵抗。終盤の生垣障害でDel Reyが落馬。そのままSexy Lordに対して前に出たWell Absolutが逃げ込みを図るも、好位から進めたChelmsfordがSteeplechase Courseに入って抜け出すと、そのまま後続を突き放し2着に18馬身差をつけて圧勝した。

Chelmsfordは5月のこのQualification RaceではGodfreyから僅差の2着に敗れていたが、今回はWell AbsolutとSexy Lordが激しく引っ張る展開において非常に強い競馬を見せた。しかしながらレース後にどうやら昨年の故障の再発かトラブルがあったようで、少なくとも今年いっぱいは全休となる見込みのようだ。ここまで高い能力を示しているSunday Breakの産駒であり、無事に復帰してくれることを願いたいものである。Pouvouir Absoluの産駒Well Absolutは積極的に運んでの2着に入った。2022年のCena Labeの勝ち馬だが、その後は1年半ほどの休養を経て今年の5月に復帰していた。本来3000メートルクラスのレースで連勝していた素質馬で、距離を伸ばしてさらにパフォーマンスを上げてきたことを考えると、持っている能力としては本番に向けて楽しみなものだろう。Sexy Lordは自分の形を作れずの3着だが、どうにもWell Absolutと競合するような戦術を得意とする馬で、本番での展開面では注意が必要だろう。

9歳馬のHer Himは珍しく前々で進むも、最後はSexy Lordから離れての4着に終わった。元々ズブいところがある馬でGran Premio Merano (G1)でも踏み遅れる形で敗れていた利もするのだが、今回は比較的積極的なレースを見せており、PardubiceのCross Countryが何らかの形で馬にとっての刺激になっていれば喜ばしいことであろう。ただし本番ではもう少し展開的な検討が必要である。Arganoは後方から進めるも最後はいっぱいになって5着まで。終盤の障害でJan Odložilが驚異的なリカバリーを見せていたLombargini、スロバキアのKaiserwalzerと続いた。このQualification Raceとしては珍しくNordstrandは最終障害の手前で疲労により途中棄権していたりとレースとしてはかなり激しいもので、上位勢のパフォーマンスの高さが目立つ内容となった。

 

Riccarton Park - Canterbury JC @ Riccarton Park (NZ) Heavy10

〇 Speights Summit Ultra On Tap Maiden Hurdle MDN HDL 3100m (Replay)

1. Zac Flash (NZ) J: Joshua Parker T: Dan O'Leary

Riccarton ParkのGrand National Meeting。スタートから人気を背負ったTreaty of Parisが出てくるも馬群は密集して進行。スタンド前から外にいたCholulaが前に出てくる。最終コーナーを回ってTeen Titanが前に出るも、馬群の中を抜けてきたZac Flashが前に出て勝利した。

Zac Flashは6月のTe ArohaのMaidenでCall Me Jackの2着に入った実績はあるのだが、その後のWaikatoやWellingtonでは大敗していたようで、今回は人気を落としていた。Joshua Parkerがかなりうまく抜けてきた印象はあるのだが、とはいえHeavy10の3100メートルの競走ということで、厳しい条件にて浮上してきた可能性もありそうで、馬の適性には注目しておきたい。オーストラリア生産馬Teen Titanは勝ち馬に足下を掬われる格好での2着。後方にいたMr Fabulousが3着に入り、Maidenとはいえそれなりに厳しいレースが展開されたものと想定される。Mark Walker陣営のTreaty of Parisは人気を集めていたようだが、終盤になって脱落、そのまま落馬に終わったようだ。

 

〇 Avon City Fort Sydenham Hurdles OPN HDL 3100m (Replay)

1. Berry The Cash (NZ) J: Portia Matthews T: Mark Oulaghan

大きな流星が目立つRun Jakko Runが馬場を気にしてかゆったりとしたペースで前に行く展開で、これにDictationが並走する格好となる。そのままDictationが抜け出して逃げ込みを図るも最終障害で落馬。残ったBerry The Cashが勝利した。

Berry The CashはGrand National Hurdleに向けての試走といったところだが、ひとまず今回はDictationの落馬に助けられた格好となった。とはいえ73kgと斤量的にはだいぶ厳しい内容で、Run Jakko Runがゆったりと運んだというレース展開も考えると、とりあえず本番に向けた叩き台のレースとしては十分であったと思われる。勿体なかったのがやはりDictationで、今回はMaidenを勝ったばかりの上がり馬といった立ち位置であったが、この馬自身の好調ぶりは示した一戦と言えるだろう。

 

〇 Racecourse Hotel & Motor Lodge Koral Steeplechase OPN STP 4250m (Replay)

1. West Coast (NZ) J: Shaun Fannin T: Mark Oulaghan

シャドーロールを付けたAl's Red Zedが前に行く展開で、人気のWest Coastは番手に構える。そのままAl's Red Zedがペースを上げて逃げ込みを図るも、最終コーナーを回ってWest Coastが接近。そのまま後続を振り切って勝利した。2着にはCountry Bumpkinが上がった。

West CoastはGrand National Steeplechaseに向けてよいステップレースとなった。今シーズンはHawke's Bay SteeplechaseにてTe Kahuに足下を掬われる格好となっていたが、改めてRiccarton Parkの大一番に向けて視界良好の内容となったと言えよう。Country BumpkinはここでSteeplechaseに戻してきた意図がよくわからないのだが、人気薄ながら2着に入った。ここのところはHurdleばかりを使っていたようだが、今回は最後じわじわと差をつけての2着と味のあるレースを見せた。Captains Runもやはりじわじわと差を詰めての3着と、本番に向けてなかなか不気味な馬が2~3着を占める結果となった。10歳のAl's Red ZedはMaidenを勝ったばかりの馬だが前々で運んであまり差のない4着。年齢のわりにあまりレースには出走していない馬のようで、まだMaidenを勝ったばかりとはいえ伸びしろはありそうだ。

 

8/4(日)

Merano (ITA) Tempo Vario Terreno Buono

〇 Premio Dominik Pastuszka Euro 25,000 TRIO

per cavalli di 4 anni ed oltre (Siepi - Debuttanti - Fantini) 3000m (Replay)

1. Afar King (ITA) J: Josef Bartos T: Josef Vana

先日イタリアでの落馬事故が原因で亡くなったポーランド出身のDominik Pastuszka騎手の名前を冠した競走。レース条件としてはSiepi初参戦の4歳以上の馬を対象としたものとなる。レースは好位で進めたAfar KingがFrozen Dayに6馬身差をつけて勝利した。Afar Kingは元々イタリアの平地競争を走っていた馬で、昨年の8月にMeranoでMaiden勝ちもある。今回は移籍初戦であったが結果を残した。平地では重賞競走での好走歴もあるイタリアRaffaele Romano陣営のFrozen Dayが2着。イタリアダービーでの入着歴もあるようで、現状のイタリアダービーの水準はともかくとして、このレース自体のレース水準としてはいいものとなったと言えよう。平地競争ではドイツ、フランスと渡り歩いてきたMythosが3着に入った。

 

〇 Premio Gilberto Giottoli Euro 27,500 TRIO

per cavalli di 3 anni (Siepi - Debuttanti - Fantini) 3000m (Replay)

1. Excellent Drago (ITA) J: Josef Bartos T: Josef Vana

好位から進めたExcellent Dragoが逃げ粘ったDancer Evolutionを捉えて勝利した。Excellent Dragoは日本のAlbert Dock産駒で、平地ではMilanoのMaidenを勝った馬のようだ。これがSiepiデビュー戦でレース内容としては最終障害を飛越してからのスプリント能力で差し切ったというものだが、Albert Dock産駒がイタリアSiepiでも結果を残したということは喜ばしい結果であろう。快調に飛ばしたイタリア生産馬Dancer Evolutionが2着が入った。道中のレース運びの点では勝ち馬に引けを取らない内容を見せており、もう少し落ち着いて走ることが出来れば勝ちあがることもできそうだ。

 

Sandown (AUS) Soft6

Crisp Steeplechase

Set Weights plus Penalties. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 4200m (Replay)

1. Stern Idol (IRE) J: Steven Pateman T: Ciaron Maher

SandownのGrand National Hurdle Day。レースは圧倒的な人気を背負ったStern Idolがいつも通り淡々と逃げる展開で、これにRockstar Ronnieがついて行く。そのままRockstar Ronnieを振り切って大きなリードをとったStern Idolが2着に10馬身差をつけて圧勝した。2着にはRockstar Ronnieが入った。

Stern Idolはいつも通りのこの馬の戦術で強い競馬を見せた。オーストラリア史上最高の一頭と評判も高いこの馬に対して、Grand Annual Steeplechaseなど極端に厳しい条件でなければ現時点のオーストラリアSteeplechaseの面々では手も足も出ないというのが現状で、今回も前評判通りのレースとなった。来年は国外遠征を検討しているとのことで、その挑戦を楽しみにしたい。2023年にGrand Annual Steeplechaseを勝利したRockstar Ronnieがしぶとく走っての2着で、もう少し距離的な条件が厳しくなれば逆転も可能かもしれないが、そのようなレースがオーストラリアには少ないというのもまた事実である。Tom Fooleryは中段から差を詰めて3着。ここまでコンスタントに走っているタフな馬で、そのうちいいことがあって欲しいものである。Australian Steeplechaseを勝ったBell Ex Oneは対抗角として期待されていたが、特にいいところなく勝ち馬から30馬身差の4着。ただしどうやら途中でトラブルがあったようだ。

 

〇 Sportsbet Fast Form Hurdle

Handicap. Three-Years-Old and Upwards, No sex restriction. BenchMark 120. Apprentices can claim. 3400m (Replay)

1. The Cunning Fox (NZ) J: Will Gordon T: Patrick Payne

人気のHit The Road Jackが前に行くも外からTreasured Crownが競り掛けていき、一時は前に出る勢いでレースを運ぶ。しかし内からするすると抜けてきた芦毛のThe Cunning Foxがそのまま直線に入って前に出ると、Point Nepeanに12馬身差をつけて勝利した。

The Cunning FoxはPakenhamのMaidenから連勝とした。遡れば平地でもListedクラスでの好成績のある実績馬だが、Hurdle戦としてはかなり将来性豊かな馬が集まったここでの勝ち方はなかなかにインパクトのあるもので、Ballaratの開催への出走又は来年以降の走りが楽しみになるものであった。やはり平地の実績馬であるアイルランド生産馬のPoint Nepeanが2着に入ったが、こちらは全体的に馬群の中でのリズムがいまいちで、もう少し飛越面でも向上が欲しいというのが正直なところだろう。やはりMaidenを勝ったばかりのHit The Road Jackが3着。Hit The Road Jackに対してかなり大柄の馬体が目立ったTreasured Crownが4着に入った。Hit The Road Jackと比べると飛越面では全体的に上回っており、最後はスピード面で見劣ったようだが、適性次第ではもう少しやれるだろう。

 

Grand National Hurdle

Handicap. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 4200m (Replay)

1. Affluential (NZ) J: Will Gordon T: John Leek Jnr

Hurdle競走としてはオーストラリア最大のもの。昨年の上位馬は路線変更等で不在であったが、一方でAffluentialやPort Guillaume、さらにニュージーランドのLeaderboardなど、可能性のある馬が多く集まった。レースはFreddy The Eagleが前に行くも、早々に外から並んで行ったSky Heroが途中から前に出てくる。好位からAffluential、Leaderboardなど。コーナーを回って前に出てきたAffluentialがそのまま前で抵抗すると、追いかけてきたThe Good Fight以下を振り切って勝利した。外に切り替えて追い込んだLeaderboardが3着に入った。

AffluentialはVerry Elleegantの全弟で、これでHurdleは4戦無敗とした。今年のPakenhamからHurdleに参戦しており、今年の6月にはBM120 Hurdleを勝利していた。どうやらHurdle参戦時点では平地競争も未勝利であったようだが、その後は平地のMaidenやBM58 Highweightといった競走を勝利しているようで、6歳となったここに来て馬が良くなってきたという可能性はあるだろう。4200メートルという距離的な部分を警戒してか全体的にゆったりと流れつつじわじわと加速していく流れにより、飛越の巧拙により位置取りが大きく変わるレースであったが、そのようなレースを能力で押し切ったという印象の勝ち方であったことはやはり評価しなければならない内容である。まだ6歳と若い馬だがステイヤーとしての資質及び完成度としてはいいものを持っており、単なるex-flat horse以上の能力を示したというのは今後に向けて明るい材料であろう。

やはり上がり馬として浮上したのがThe Good Fightで、こちらは今年の6月にMaidenを勝利していた馬である。遡れば2021年5月にニュージーランドの平地G3を勝利していたようであるが、距離延長でさらにパフォーマンスを上げてきたというのは面白い内容で、Hurdle競争馬としては10歳と年齢はだいぶ重ねているものの、Steeplechase路線も含めて可能性のありそうな一頭だろう。ニュージーランドMark Walker厩舎のLeaderboardは操縦性の良さを武器にして浮上しての3着。内をうまく進みつつ外に切り替えて差し込みを図ったというレースはこの中ではレース運びの上手さの面では上位であり、やはり勝ち馬のレース振りについては褒めなければならない。一方で全体的にちぐはぐなレースとなったのがAustralian Hurdleの勝ち馬Port Guillaumeで、こちらは後方から運ぶもいまいちリズムに乗り切れなかったというところだろう。全体的に大騒ぎをしていたのがPakenhamでBrendan Drechslerを勝ったRight Nowで、今回は後方から進めたのだが終始引っかかるようなところを見せていた。おそらく距離的な面を考慮して後ろから行ったものと思われるが、さすがにこのようなレース運びではどうしようもない。Sky Heroは積極的に運ぶも最後は捕まって7着。Castertonでいい勝ち方を見せたFreddy The Eagleも見せ場なく大敗となった。