にげうまメモ

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18/02/03 National Hunt Racing

*Sandown Soft

Betfred 'Supporters Jack Berry House' Contenders Hurdle (Listed) 1m7f216y

http://www.thejockeyclub.co.uk/video/20180203/2761945/16493643

圧倒的人気を背負ったBuveur D'airがくらいついてきたJohn Constableを軽く突き放して勝利。

Buveur D'airは昨シーズンChampion Hurdle (G1)、Aintree Hurdle (G1)と勝利して16f Hurdle路線の頂点に立った馬だが、今シーズンはFighting Fifth Hurdle (G1)、Christmas Hurdle (G1)と全く危なげないレースを見せている。なぜここを使ったのかは不明だが、さすがに大きく格下のメンバー相手に貫禄の勝利を見せた。持ったままでゴールしようとしたら意外とJohn Constableが追いかけてきたのでもう一度追っていたりするのはご愛敬。John ConstableはPertemps Network Swinton Handicap Hurdle (G3)を勝った馬で、本来ならこのクラスのレースであれば大威張りできるはずなのだが、もはやこんなところに現役トップクラスの馬が出てきたこと自体が事故だろう。緩い流れになったのでそれなりに差を詰めてはいたのだが。

 

Scilly Isles Novices' Chase (G1) 2m4f10y

http://www.thejockeyclub.co.uk/video/20180203/2761929/16493710

逃げたTerrefortがCyrnameを抑えて勝利。3着以下は大きく離れた。

TerrefortはこれでC3から連勝。もともとはフランスのSteepleを走ってきた馬で、これが英国2戦目となる。フランスSteepleで長い馬はイギリス式Fenceに戸惑ったりすることが多いのだが、この馬に関して大きな問題は見受けられなかった。フランスからの移籍馬は英国障害さえこなすことが出来れば完成度は高いため、少なくとも今シーズンに関してはNovice離れした安定感を見せることが出来るだろう。Wayward Lad Novices' Chase (G2)を勝利したCyrnameは惜しい2着。初の20f戦となるが、16f Novice Chaseには一頭強力な馬がいるので、20f戦に活路を見出すことができたという意味でも収穫の大きいレース。C2を勝利して挑んできたKalondraは途中からついていけず。West Approachは馬が勝手にレースをやめたりしている。

 

*Musselburgh Soft (Good to Soft in places)

Edinburgh National Handicap Chase (C2) 4m176y

好位から進めたFull Jackが勝利。残り2障害辺りから抜け出してきたLooking Wellは最終障害で馬が逃避し競争中止。離れた2着にはMissed Approachが入った。

 

*Wetherby Heavy

Towton Novices' Chase (G2) 3m45y

Vintage CloudsとPearl Royaleが並んで逃げるも第9障害でPearl Royaleが落馬。残り3障害辺りから一気に抜け出したShades of Midnightだが残り2障害地点でミスをすると、代わって抜け出したBallyopticが食らいついてきたVintage Cloudsを抑えて勝利した。

Heavyの24f戦ということでなかなか厳しいレースになっている。Ballyopticは元をたどればBar Sefton Novices' Hurdle (G1)勝ちがある馬で、その後は24f Hurdleではいまいち芽が出ず、Fenceに転向するもC2勝ちのみに留まっていた。今回は24fを走り切る体力と若干のスピード能力がVintage Cloudsを上回っていたということだろう。一方のVintage CloudsはWelsh Grand National (G3)でも最後まで脚を伸ばして4着まで追い込んだ馬で、全く脚が速くないのでどうにも惜敗が多い。今回はDanny Cookが途中から追い通しだったが、それでもBallyopticのスピード能力の前に屈した印象。重馬場の超長距離戦であればどこかで大仕事をやってのける可能性はあるのだが。

 

*Leopardstown Soft

Nathaniel Lacy & Partners Solicitors Novice Hurdle (G1) 2m6f

http://www.attheraces.com/racecard/Leopardstown/3-February-2018/1310

Leopardstown Dublin Festival。2/3と2/4の2日間開催であり、その初日のレース。どうやら今年からG1に格上げされたようだ。

レースは人気のFabulous Sagaが後続を大きく引き離して逃げるも、直線に向くあたりであっさり捕まる。馬群を割って出てきたJetzを、さらに外から伸びたTower Bridgeが差し切って勝利した。3着にはCarter Mckay。

いきなり最低人気が勝利し大荒れの結果となった。Tower BridgeはこれがHurdle初勝利。NHFでは2勝を挙げているが、未勝利戦では人気薄で4着に入ったのが最高で、むしろなんでここに出てきたのかがよくわからない。コーナーでごちゃつくLeopardstownでスムーズに運べた利はあるのだが。Jetzは相変わらず道中難しい場面を見せており、そのためか馬群に突っ込むレースをするのだが、今回はよく抜けてきた。ただしこの馬自身Samcro、Next Destination辺りとは勝負付けは済まされている印象で、どこかで重賞の一つは勝てるだろう、くらいの格付けだろう。葦毛のCarter Mckayは前2頭からフラットのスピードで突き放されてしまった。Durtmund ParkはHeavyの方がよさそうな印象。重賞を連勝、特にKerry Group Stayers Novice Hurdle (G3)では70馬身差の圧勝を見せていたFabulous Sagaは捕まるとあっさり後退。どうにもムラっけがあるようで、あと馬場ももう少し悪くなって欲しかった。

 

Coral Dublin Chase (G2) 2m1f

http://www.attheraces.com/racecard/Leopardstown/03-February-2018/1345/

Alisier D'Irelandeが先頭をうかがうもこれを制してSpecial Tiaraが前に。後続を大きく引き離す逃げを打つ。残り3障害からこれに接近したMinが最終障害でSpeicial Tiaraを交わすと、そのまま大きく引き離して勝利した。2着には追い上げたNimply Ned。

昨シーズンのArkleはスキップしたMinだが、ようやくここにきて前評判通りの走りを見せている。やや渋った馬場を持ったままで追走し、持久力のある粘り強い脚をもっているのは典型的なアイルランド障害馬のそれだろう。この類の馬は自身が対応できるぎりぎりのところまでペースが上がった方が高いパフォーマンスを発揮する。CheltenhamのQueen Mother Champion Chase (G1)ではおそらく人気を集めるだろうが、課題としては良馬場への対応だろうか。前走まさかのMinを下してきたSimply Nedはここでも力を見せたが、ハイペースへの対応という点でMinが一枚上手のようだ。前走のDesert Orchid Chase (G2)では落馬に終わったSpecial Tiaraはこの馬らしいレースを見せた。やや序盤から馬が行きたがっていたこと、乗り替わりもあり一部飛越にこの馬らしくないミスもあった。Cheltenhamでは良馬場に代わることが予想され、巻き返す可能性は残されているだろう。Ordinary Worldは最終障害で大きなミス。Ballycasey、Yorkhill、Alisier D'Irelandeはペースについていけず。

 

Arkle Novice Chase (G1) 2m1f

http://www.attheraces.com/racecard/Leopardstown/03-February-2018/1420/

Cheltenham Festivalで行われるのはArkle Challenge Trophy。ややこしい。レースは終始先頭を走ったFootpadがPetit Mouchoirを突き放して勝利。3着以下は大きく離れた。

FootpadはこれでChase転向後3戦3勝とした。Racing Post Novice Chase (G1)ではDeath Dutyなど強力なメンバー相手に圧勝劇を演じており、同様に素晴らしいパフォーマンスを見せたことになる。HurdleではG1を2勝した実績馬、Cheltenham FestivalのArkle Challenge Trophyではおそらく中心視されることになるだろう。ただし今回のレースで終始先頭を走らせたことがよかったのかどうかはよくわからない。最終障害でミスはあったが気にするほどのものではないだろう。パドックで暴れていたらしいPetit MouchoirもよくFootpadに食らいついた。Chaseは2戦目とFootpadに比べればやや経験は浅く、最後は勝ち馬をもう一度追いかけるようなシーンもあっただけにこれからの進歩が期待される。

 

Irish Champion Hurdle (G1) 2m

15:30 | Leopardstown | Saturday 3rd February 2018 | At The Races

このレースの前にはHurricane FlyやIstabraqも来ていたらしい。レースは圧倒的人気を背負ったFaugheenが逃げる展開だが、これにぴったりとついて行ったSupasundaeがゴール前でこれを退けて勝利。Faugheenは2着まで。

Faugheenは途中棄権を除けば完全に出し抜けを食らわれたMorgiana Hurdle (G1)に加えて、生涯2度目の敗戦という結果になった。Leopardstown Christmas FestivalのRyanair Hurdle (G1)では鞍上が何か異常を感じて途中棄権で終わっていたが、今回は特にそのようなことはなかったようだ。Paul Townendがかなり慎重に乗った面もあるようだが、この馬らしい正確で大きく、かつハイテンポの飛越はどうにも鳴りを潜め、どこかぎこちない飛越に終始していた。最終障害でもPaul Townendが全力で動かして飛越を試みているのだが、本来このような飛越をするような馬ではないだろう。気候が問題という話も出ているようだが、そういった諸々とは縁遠いほどの圧倒的なレースをしてきた馬だけに、どうにも春に向けての不安が拭えない。

SupasundaeはCheltenhamのCoral Cup (G3)の勝ち馬で、Stayers Liverpool Hurdle (G1)やChristmas Hurdle (G1)でも2着と好走している。どうにもこのような展開になると異様なまでのしぶとさを発揮する馬で、決して派手さはないのだが、Faugheenの一点マークというこのレースはこの馬にとって最高の条件となった。今後はStayers Hurdle (G1)を目標にするとのことで、おそらく前々で運ぶであろうSam Spinnerなどをマークするレースを行うことになるだろう。Faugheenが途中棄権に終わったRyanair Hurdle (G1)を勝ったMick Jazzは人気がなかったが3着に踏ん張った。むしろ上り馬の伏兵として注意しておくべきはこの馬か。Jezkiはどうにも16fであるとスピードが足りず、24fであると体力が足りずで難しい。Melonはどうにもこの辺りに入るとやや厳しい感。距離を伸ばした方がよいかもしれない。