にげうまメモ

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19/11/02 National Hunt Racing

*Ascot Good to Soft (Soft in places)

Byrne Group Handicap Chase (Listed) 2m167y

https://www.attheraces.com/racecard/Ascot/02-November-2019/1410

例によってSperedekが逃げると思いきや、Caltex、Imperial Presenceと並んで走りさほどペースは上がらない。第7障害でImperial Presenceが落馬したため、途中から先頭に立ったHatcherが一旦は単騎逃げの格好になる。残り3障害辺りからDiego Du Charmil、Capelandが接近し2頭の叩き合いになるも、最終障害にて大きく左に斜行したDiego Du Charmilの煽りを食ってCapelandはコース外へつり出される格好となる。代わって追いこんできたのがClondaw CastleとChampagne Taraだが、これらを抑えてDiego Du Charmilが勝利した。Speredekは良いところなく大敗。

色々と議論を呼ぶレースになってしまった。ひとまずCapelandは諦めずに最後まで走ったのだが、最終障害にて障害と柵の間を通ったということで、飛越はしていないと判断されたのか失格となっている。Diego Du Charmilは失格にはならず1着と判断されたようだ。Diego Du Charmilは2018年のMughull Novices' Chase (G1)の勝ち馬だが、その後Altiorにはさっぱり歯が立たず、G1戦線の常連として名を連ねるも常に後塵を拝す結果に終わっていた。Wind Surgery明けのここで格好をつけたのはプラス材料だが、やはりG1クラスで戦えるかと言われると微妙なところ。CapelandはC2クラスで戦ってきた馬だが、ここではいいレースを見せた。進捗があるとすればこの馬も無視できない。

 

Sodexo Gold Cup Handicap Chase (G3) 2m7f180y

https://www.attheraces.com/racecard/Ascot/02-November-2019/1520

例によってGo Conquerが淡々と逃げる展開だが、残り3障害辺りから先頭に立ったVinndicationが追いかけてきたRegal EncoreとBlack Cortonを振り切り勝利した。On The Blind Sideが4着。Go Conquerは6着に遅れた。

途中で係員がぼんやりとコースに残っており、慌ててコース外に逃避するシーンが見られている。Vinndicationは昨シーズンのNoel Novices' Chase (G2)までは6戦無敗で来た馬だが、さすがにその後のG1路線ではスピード不足を露呈して敗れていた。Wind Surgeryを経たこれが休み明け初戦となるが、今後が楽しみになる勝ち方を見せた。スピードの絶対値というよりはスピードの持続力とパワーを武器にするようなタイプで、20f戦よりも24f戦に適性があるように思われる。Regal Encoreは例によってつかみどころのない馬なのだが、今回は久しぶりに好走した。Ascotのコースは比較的得意としている感もある。Black Cortonはやはり能力の絶対値が高いようで、ここでも終始安定したレースを見せた。Go Conquerは最後遅れたものの、昨シーズンの春にGrand National (G3)を使ったダメージはある程度回復しているように見える。

 

*Wetherby Soft

Bet365 Mares' Hurdle (Listed) 2m

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-02/wetherby/550068/bet365-mares-hurdle-listed

4歳牝馬Zambellaが軽快に逃げる展開だが、これを好位で追いかけたLady Buttonsが残り2障害で先頭に立つと、Indefatigableの追い上げを凌いで勝利した。

Lady Buttonsは9歳の牝馬。Chaseでも走ることが出来る飛越の上手さと、OLBG Mares' Hurdle (G1)にて4着に入るくらいのスピード能力の高さを併せ持つ馬で、さすがにここでは危なげのないレースを見せた。昨シーズンは牡馬・セン馬相手のRed Rum Handicap Chase (G3)にてMoon Over Germanyの2着に入る活躍も見せており、今シーズンもその走りが期待されるところ。

 

bet365 Hurdle (G2) 3m26y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-02/wetherby/550070/bet365-hurdle-grade-2-registered-as-the-west-yorkshire-hurdle

終始先頭を走ったThe Worlds Endがそのまま逃げ切り勝ち。Unowhatimeanharryが2着。

The Worlds EndはさかのぼればDoom Bar Sefton Novices' Hurdle (G1)の勝ち馬で、その後の24f HurdleのG1路線ではいまいち歯が立たず、Chaseに転向するも飛越が安定せずという経緯がある。昨シーズンの4月に久々にRyanair Stayers' Hurdle (G1)に参戦するも、9着と大敗していた。やはり飛越を見る限りではどちらかというとHurdleの方に適性があるように思えるが、今回は色々と問題を抱えたメンバーが相手であっただけに次走が正念場になるだろう。11歳馬Unowhatimeanharryは2着まで健闘した。5月のChampion Stayers' Hurdle (G1)を勝っており、大きく衰えはないのだが、さすがに全盛期の勢いを期待されると厳しいように感じる。おそらく一叩きであろうTwo Taffsはあわやのシーンまで作るも、最後は脚が上がった。Ballyandyは案外。

 

bet365 Charlie Hall Chase (G2) 3m45y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-02/wetherby/550071/bet365-charlie-hall-chase-grade-2

Top Ville Benがゆったりと逃げる展開だが、残り3障害辺りからBallyopticとAsoが進出。一旦はAsoが前に出るも、残り2障害から脱落。さらに追いこんできたElegant Escapeを凌いでBallyopticが勝利した。人気のLa Bague Au Roiは途中棄権に終わった。

Soft表示だが雨が降り続いており、かなり馬場は悪くなっていたようだ。Ballyopticは今シーズンはC2から連勝とした。昨シーズンはどうにも飛越が安定せず勝ち星からは見放されていたが、Scottish Grand National (G3)にてJoe Farrellの2着に入る持久力は並大抵のものではない。昨年のWelsh Grand National (G3)の勝ち馬Elegant Escapeは早々に脱落しそうな手ごたえであったが、最後は復活して2着まで来た。24f超の距離の方がよさそうだが、いずれにせよスピードの面では微妙なところがあり、反応も悪いためこういうレースが続きそうだ。Asoは本来24fは守備範囲外のようにも思えるのだが、いいレースをmしえた。脚の使いどころが難しい感もあるので、最後遅れたのは仕方がないだろう。La Bague Au Roiは前半から細かいミスが続いており、第11障害で大きなミスがあった。このようなレースでリズムを崩すと厳しいものがある。

 

*Down Royal Soft (Heavy in places)

Maiden Hurdle 2m100y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-02/down-royal/550231/tayto-group-maiden-hurdle

終始先頭を走ったEnvoi Allenが後続に6馬身差をつける快勝。

Envoi AllenはHurdleは初勝利だが、NHFもいれると5戦5勝とした。さすがに能力の絶対値が数段上であったという印象で、ここまで楽にレースを進めたということもあり飛越も安定していた。3着のEntoucasは昨年の12月の未勝利戦にてKlassical Dreamの2着に入った馬で、本来このような未勝利戦にいてはいけない馬なのだが、これを10馬身ほど楽にぶっちぎったという時点で、勝ち馬はすでに重賞級という評価は越えているだろう。

 

Ladbrokes Champion Chase (G1) 3m

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-02/down-royal/547516/ladbrokes-champion-chase-grade-1

今シーズン初のG1レース。Alpha des Obeauxが淡々と引っ張る展開だが、これにぴったりとClan Des Obeauxがついて行き、他の3頭も離れずについて行く。残り3障害辺りから抜け出してきたClan Des ObeauxとRoad To Respectの叩き合いはRoad To RespectがClan Des Obeauxを4馬身ほど突き放して勝利した。後続はやや遅れた。

Road To RespectはこれでG1を4勝目とした。どうにもイギリス遠征で結果があまり出ていないところはあるのだが、20-24fにおけるスピード能力という点でやはり現役屈指のものを持っている。Kemboyが馬主のごたごたで順調に使えるかどうか怪しいこともあるのだが、ひとまず年末のLeopardstownで行われるLexus Chase (G1)も楽しみな一頭となるだろう。イギリス調教馬のClan Des Obeauxも惜しいレースを見せた。おそらくこちらはKemptonのKing George VI Chase (G1)が次走と思われる。Alpha des Obeauxは自分のレースを見せた。昨シーズンのNovice路線ではトップクラスの活躍を見せたDelta Workは案外な結果に終わったが、飛越にスムーズさを欠く場面があり、とりあえず次走に期待したい。

 

Daily Mirror Chase (G2) 2m3f120y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-02/down-royal/550233/daily-mirror-chase-grade-2

Secret Investorが逃げる展開も、後方から進めたReal Steelが残り2障害辺りから先頭に並びかけると、脚が上がった後続を尻目に14馬身差の圧勝。

Real SteelはPunchestownのEMS Copiers Novice Handicap Chase (Grades A)から連勝とした。昨シーズンのNovice ChaseのG1クラスでも十二分に戦うことが出来ていた馬で、細かいミスはいくつかあったものの、今シーズンが楽しみになる勝ち方であった。イギリスのSecret Investorはある程度前に行ってスピードを生かした方が良さを発揮するようだが、今回は少々相手が悪かった。Mengli Khanはどうにも精彩を欠く走りであった。昨シーズンのNovice Chaseでも期待されながら平場戦の1勝のみに留まっており、どうにも馬の状態が懸念される。