にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

23/10/01 Weekly National Hunt / Jump Racing

9/25(月)

Roscommon (IRE) Heavy (Soft in places)

Kilbegnet Novice Chase (G3) 2m110y (Replay)

1. Hercule Du Seuil (FR) (AQPS) J: Mark Walsh T: Willie Mullins

生産国等を併記してみるテスト。なお、サラブレッド(PS)表記は省略する。レースはゆるゆると先頭を走ったHercule Du Seuilがそのまま後続を突き放し快勝した。Hercule Du SeuilはこれでChaseは5戦4勝とした。HurdleではFor Auction Novice Hurdle (G3)を勝った馬で、今年の5月からChaseに転向している。現時点ではひとまず能力の違いにより快進撃を続けているようだが、Royal Bond Novice Hurdle (G1)ではプレッシャーを受けるとあっさり脱落して途中棄権に終わっていたりと、まだ脆いところがある可能性は注意した方がよさそうだ。この日の重馬場もSaddler Maker産駒の同馬にプラスに働いたと考えた方がいいだろう。10st0lbの軽量馬で、Spanish Moon産駒のCalicoが2着に入った。

 

9/26(火)

Compiegne (FR) Tres Souple (4.1)

Prix De La Gascogne (G3)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au dessus 3800m (Replay)

1. Canichette (FR) J: Felix De Giles T: Louisa Carberry

Geelong Sportがやや押して前に出てくるも、早々に飛越をミスしてInedit De Cierguesが先頭に。残り3障害辺りでAlceが出てくるが、好位からスムーズに出てきたCanichetteがSpes Militurf以下を突き放して勝利した。

CanichetteはこれでAuteuilのClasse2から連勝とした。2021~2022年にSteeplechaseを使った際はAngersのClasse3を勝ったのが最高であまり結果は出なかったのだが、再度のSteeplechase挑戦でだいぶ進歩が認められている。Auteuilの重賞クラスでも勝負になるSpes Militurfに対して7馬身半というのはなかなか立派な結果だろう。春にはSteeplechaseの上がり馬として期待されていたSpes Militurfもいたのだが、今回も勝ち切れない結果に終わった。前走CompiegneのListedを勝った元イギリス調教馬のClondaw Castleが3着。2021年にはBowl Chase (G1)にてClan Des Obeauxの2着などの実績のある実力馬で、11歳となった今年においても新天地で頑張っているのは大したものである。

 

9/27(水)

Auteuil (FR) Tres Souple (4.0)

Prix De Chambly (G3)

Haies Pour pouliches de 3 ans 3600m (Replay)

1. Kara Diamond (FR) (AQPS) J: Angelo Zuliani T: Francois Nicolle

3歳牝馬限定Hurdle競走。フランスらしいほぼ隊列が決まった格好からのスタートで、Terra Belleがやや後続にリードを取って逃げる展開も、最終コーナー入り口からKara Diamondがこれと並走する格好で抜け出してくる。そのままKara DiamondがSissi Du Mesnil以下を振り切って勝利した。

Kara DiamondはこれでHaiesは6戦3勝とした。9月のListedではSissi du Mesnilの2着に終わっていたが、今回はその借りを返した格好となる。そのSissi Du Mesnilが2着に入り、上位勢としてはPrix Pelat (Listed)の1~2着がそのまま入った結果となった。初年度産駒がちらほらと走り出しているSeabhacの産駒であるTerra Belleはするすると逃げるも3着まで。Seabhacの産駒は現時点までにIrminaが1勝を挙げているが、稼ぎ頭は重賞競走で複数の入着歴のあるこのTerra Belleのようだ。

 

9/30(土)

Gowran Park (IRE) Heavy

PWC Champion Chase (G2) 2m4f (Replay)

1. Easy Game (FR) (AQPS) J: Paul Townend T: Willie Mullins

Envoi Allenの復帰戦ということで注目が集まっていたが、レースは前々で運んだEasy Gameが付いてきたGentlemansgameを振り切って勝利した。Envoi Allenは前の集団について行くも最後遅れて3着まで。

Easy Gameはこのレースは3勝目、昨年に続いての連覇とした。基本的には20f程度のG2辺りを集中的に使っている馬で、これでChaseでは27戦14勝という立派な成績である。ただしG1戦線に出走しているということはなく、夏にはGalway Plate (G3)に出走するも大敗と、基本的にはこのあたりの重賞クラスの大将役といった立ち位置を続けることになりそうだ。前走Beginners Chaseを勝ったばかりのGentlemansgameが2着。Stayers Hurdle (G1)ではKlassical Dreamの3着に入ったりと才能のありそうな馬で、この中で最も上がり目があるとしたらこの馬だろう。Envoi AllenはEasy Gameについて行くも、勝負所から遅れて3着に終わった。どうにも好走と大敗を繰り返したりと掴みどころのない馬なのだが、あまり見限らず期待しすぎずといったところで見ておきたい。

 

Brno (CZE) stav dráhy: 2.5 (pevná / Firm)

〇 Podzimní brněnská steeplechase - Pohár statutárního města Brna

Steeplechase III.kat. - 4100 m, cena, 5letí a starší 80.000 Kč (Replay)

1. Forman (FR) (AQPS) J: am. Jan Ilík T: Ilíková Kateřina

なかなかに立派な生垣障害も設置されたBrnoのSteeplechase。小回りながらも馬群が固まって進行するためなかなかテクニカルな障害競争が展開される。全体的に馬群は固まって進行するも、Premier Lionを振り切ったFormanがKifaayaを抑えて勝利した。Formanは障害戦はこれが初勝利とした。最近はBratislavaのSteeplechaseを使っていたようだが結果は出ず、Pardubiceのkat. II.でも苦しかったようで、基本はこのような小回りのコースでということになりそうだ。古豪Kifaayaが最後追い込んで2着。Premier Lionは前々で運んだが、最後Formanに遅れて3着に終わった。6月にこのコースで勝ったFerinoもいたのだが、途中でトラブルがあったようで途中棄権に終わった。

 

Göteborg Galopp (SWE) Häckbana mjuk

Berthram Häcklöpning

Häck För 4-åriga och äldre hästar. 60,000kr 4800m (Replay)

1. Mutadaffeq (IRE) J: Niklas Lovén T: Kuszli Karen

葦毛のLeo The Lionがかなり後続に大きなリードを取って逃げるも、2周目には早々に捕まって失速。代わってThree Is Companyが前に出て一旦は後続にリードを取るも、じわじわと追い上げてきたMutadaffeqがこれを捉えると、Three Is Companyを振り切って勝利した。

Mutadaffeqは5月のBro Park以来のHurdle競走であったが結果を残した。4800メートルとスウェーデンHurdle競走としてはかなりの長距離であったのだが、やはりこの距離を走り切るだけの体力という点でもここでは一枚上手であったようだ。今年はSvenskt Grand Nationalを勝利するなど結果を残した年で、Gyllene Hästenでの凡走もあったのだが、スウェーデンのチャンピオンとして結果を残した。昨年はWroclawのCrystal Cupにも挑戦していたのだが、今年はどうするのだろうか。Three Is Companyは相変わらずの善戦ぶりで2着。アイルランドからの移籍馬Fortune Streetはスウェーデン移籍初戦となった前走は大敗に終わっていたのだが、今回はもう少し進境を見せての3着に入った。

 

Shawan Downs (USA) Yielding

Brown Advisory Timber Stakes

FOR FOUR YEAR OLDS AND UPWARD. Three And One Eighth Miles On The Timber $35,000 (Replay)

1. Cracker Factory (GB) J: Jamie Bargary T: Mark Beecher

アメリカの秋開催については基本的にNSAがリプレイを上げた段階で記載していく方針。レースはFlaming Swordが先頭を走る展開で、番手からAndi'amuが追走。途中からAndi'amuが先頭に代わり引っ張るも、勝負所からElusive Exclusiveが接近し先頭に。しかし直線を向いて遥か後方から追い上げてきたCracker FactoryがElusive Exclusiveを捉えて勝利した。

Cracker Factoryは昨年はNational Sporting Library and Museum Cupを勝利し、その後のInternational Gold CupでもAndi'amuの2着に入った馬だが、ここではやや驚きのレースを見せた。どうにも全体的に飛越面ではもたついているようなところが多く、これで最後間に合わせてくるというのはやや驚きであった。Elusive Exclusiveは5月のAllowanceでCracker Factoryを僅差で下して勝利してきた馬で、今回は積極的なレースで見せ場を作った。Andi'amuは最後遅れたが、とはいえ復帰初戦ということであまり悲観する必要はなさそうだ。5頭中唯一のアメリカ生産馬Storm TeamはAndi'amuと僅差の4着に入った。

 

10/1(日)

Tipperary (IRE) Yielding to Soft

Boylesports Novice Hurdle (G3) 2m50y (Replay)

1. Williamstowndancer (IRE) J: Danny Mullins T: Willie Mullins

Arctic Flyが前に行く展開も、スタンド前からBirdie of Bustが先頭に立つ。しかし2周目からこれに並んでいったWilliamstowndancerが最終コーナーで前に出ると、追い上げてきたBialystokを振り切って勝利した。

WilliamstowndancerはこれでHurdleは4戦3勝とした。前走のGalwayのListedではArctic Flyからだいぶ離れた7着に敗れていたため人気を落としていたようだが、今回は結果を残した。全体的に飛越にはポカが多く認められ、とりあえず余力を残しての走りであったために落馬には至らなかったが、もう少し飛越技術の向上が欲しい。後方から追い上げたBialystokは2着まで。4月にMaiden勝ちのみの身ながらKillashee Hotel Handicap Hurdle (Grade B)を勝っている馬だが、Novice戦ではどうにも惜敗が多いようで、レース運びとしてももう少し距離があってもよさそうだ。

 

Horse & Jockey Hotel Hurdle (G3) 2m50y (Replay)

1. Fils D'Oudairies (FR) (AQPS) J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

Anna BuninaとParty Centralが出走取消で3頭立てとなった。Fils D'OudaririesとZarak The Braveが早々に並走する格好となるが、早々に騎手の手ごたえが悪くなったZarak The Braveは途中棄権。そのまま単走となったFils D'OudairiesがDeo Bellatorに大差をつけて勝利した。

レースとしてはZarak The Braveが中心視されていたようだが、そのZarak The Braveがアクシデントで離脱、残ったのは全く勝負気配のないDeo Bellatorということでこのようなレースとなった。Fils D'Oudaririesは7月にGrimes Hurdle (G3)を勝っている馬で、Joseph O'Brien、Enda Bolger、Nicky Hendersonと厩舎を転々としているのだが、昨年から現厩舎に所属している。Gordon Elliott厩舎ではしばしばある使い詰めのローテーションのようだが最近は調子はいいようで、ListowelのHandicap HurdleのListed競走は大敗しているようだが、今年の夏はこれが3勝目と元気そうだ。ただしさすがに2月から休まずに使っているということもあってあまり上がり目という点ではだいぶ微妙そうで、さらに上のクラスでというのもあまり期待はしにくそうだ。

 

O'dwyer Steel Dundrum Novice Chase (G3) 2m4f (Replay)

1. Sharjah (FR) J: Paul Townend T: Willie Mullins

Captain Conbyが前に行く展開も早々にSharjahが先頭に。そのままWatch House Crossを振り切って軽快に走ったSharjahがリードを開くと、Captain Conbyに12馬身差をつけて快勝した。

SharjahはこれでChaseは2戦2勝とした。HurdleではG1を6勝しているアイルランドの名馬で、どうしても同時代に走っていたHoneysuckleやState Manといった飛び抜けた強豪の存在もあったのだが、長らく16fのHurdle戦線で戦い続けたベテランである。どうやら10歳となった今年に入ってChaseを試しているようで、ひとまず今回は能力の違いで圧倒する内容であった。全体的に飛越にミスも認められていたようだが、これ程の馬が高齢になっても新たな舞台で戦えることを喜ばしく思う。日本でも産駒が走っているConduit産駒のCaptain Conbyが2着。前走Beginners Chaseを快勝した馬だが、さすがに今回は相手が悪かったようだ。

 

Warszawa (POL) lekki(3,1)

Wielka Służewiecka

Gonitwa płotowa międzynarodowa dla 3-letnich i starszych koni. 3200m (Replay)

1. Minister Wojny (POL) J: dż. Niklas Lovén T: Michał Borkowski

元々2015年までWarszawa競馬場で行われていた競走で、2021年に復活するも2022年には行われず、今年は無事に復活したようだ。Wielka Partynickaにも近い水準の賞金額が設定されていたことも喜ばしいことである。一時的に障害競争を行わなくなっていたWarszawa競馬場も近年はHurdle競走を開催するようになっており、Wroclawと違ってなかなか広くてスピードの生きるコースとなっているようで、このまま続いて欲しいところである。Wroclawは小回りで幅員も狭く、どちらかというと国外でも通用する水準のHurdle競走を開催するという観点ではWarszawaの方が適しているように思われる。

レースはDon KastersとMinister Wojnyが並んで引っ張る展開で、比較的馬群は密集して進行。ここからMinister Wojnyがじわじわとペースを上げると、ついてきたPretty King以下を振り切って勝利した。

Minister Wojnyはポーランドではお馴染みの障害馬で、前走はWroclawのSteeplechaseを勝利している。ただしSteeplechaseの一線級相手だとやや苦しいようで、昨年からPardubiceやMeranoのCross Countryに挑戦するも結果は残せずに終わっている。Wielka Służewieckaは2021年は5着に終わっているが、今回はだいぶメンバー的にも楽になった感はありそうだ。Pretty Kingはチェコ調教馬で、前走はPremio Piero E Franco Richard (G3)に出走するも離れた3着に終わっている。今年の夏にはフランスのSteeplechaseで2勝を挙げているが、そもそもHurdleでの実績はさほどなさそうだ。Nagroda Majora Jerzego Sosnowskiegoを快勝し、Wielka Partynickaで4着に入ったDon Kastersが3着。Palm Club、Lady GabiといったこのWarszawaの常連もいたのだが、あまりいいところはなく終わった。