にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

23/10/22 Weekly National Hunt / Jump Racing

10/20(金)

Auteuil (FR) Collant (4.2)

Prix Magne (G3)

Haies Pour pouliches de 3 ans. 3600m (Replay)

1. La Spezia (FR) J: Christpher Riou T: Jérôme Delaunay

Sissi Du Mesnil、Maskaya、さらにTerra Bellaなどが前に行く展開も、じわじわと位置を上げてきたLa SpeziaがFunny Berryに7馬身差をつけて快勝した。

La SpeziaはCokorikoの産駒で、Haiesはこれが2勝目、重賞は初勝利とした。前走この馬の前にいたSissi Du Mesnil、Terra Bellaなどに対しては完勝の内容だが、どうにも今回は全体的に前に行った組が失速したというレース展開は注意した方がいいかもしれない。4月にListed勝のあるFunny Berryが2着。Beaumec De Houelleの産駒であるLa Pinsonniereが3着に入った。直線でやや進路を探すようなところがあり、2着との差は僅かだろう。Lady Ardoon、Sissi Mesnilといった実績馬は案外な結果に終わったが、Lady Ardoonはなにかトラブルでもあったかもしれない。

 

〇 Prix Adrien Besnouin (Classe 2)

Haies Pour chevaux entiers, hongres et juments de 4 et 5 ans, n'étant pas de race Pur Sang, n'ayant ni, en course de haies, reçu une allocation de 13.000, ni reçu une allocation en steeple-chase. 3600m (Replay)

1. Jeu De Thaix (FR) (AQPS) J: James Reveley T: Mlle Daniela Mele

AQPS限定競走。レースは途中から先頭に立ったJeu De Thaixがそのまま後続を突き放すと、後続に12馬身差をつけて快勝した。Jeu De ThaixはこれがHaiesデビュー戦であったが、全体的に隊列がかなり長くなる強い競馬を見せた。2着のJuste RaiseはここまでHaiesで5戦し、Classe3ではコンスタントに好走している馬だけになかなか楽しみな内容と言えるだろう。AQPS限定の平地G3競走を勝った実績のあるIle O Ventが2着に入った。

 

〇 Prix Petit Fontaine (Classe 2)

Haies Pour tous chevaux de 4 ans et au dessus, n'ayant pas, en courses à obstacles, couru trois fois. 3600m (Replay)

1. July Flower (FR) (AQPS) J: Kevin Nabet T: Mickaël Seror

途中から後続を大きく引き離して逃げたDream Messangerがそのまま逃げ込みを図るも、後方から猛然と追い込んだJuly Flowerがゴール前でこれを交わして勝利した。July FlowerはHaiesは2戦2勝とした。昨年11月にはAQPS限定の平地G1競走を勝利した馬で、最後の伸び脚はやたらと目立っていた。2着馬に対しては2kgの恩恵はあったが、とはいえ楽しみな一頭だろう。Haiesは2戦2勝で挑んできたDream Messangerが2着。3着のFaudaはそこから9馬身遅れての入線ということを考えると、このJuly Flowerの伸び脚が抜けていたことがわかるだろう。Myboycharlie産駒の牡馬Dixan Senoraは後方から進めるも5着。Nidor産駒でAQPS限定G1競走で3着にも入ったHempereurはこれが約1年半ぶりのレースであったが、あまりいいところはなく途中棄権に終わった。6歳になってようやくHaiesデビュー戦、さらに当時とは厩舎も変わっているようで、いまいち順調にレースに使うことができていないことが気がかりである。

 

10/21(土)

Far Hills (USA) Yielding (Replay) (Replay)

Gladstone Stakes

TO BE RUN OVER NATIONAL FENCES FOR THREE YEAR OLDS. Two And One Eighth Miles On The Hurdle $50,000

1. Kyogo (IRE) J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

この日のFar Hillsの中継は上記International Sound Corporation又はThe New York Racing AssociationのYoutubeチャンネルで視聴可能である。レースはLightning Ridgeが元気に引っ張るも、最終周で早々に後退。代わって前に出たOur Boy WesとKyogoとの叩き合いはKyogoに軍配が上がった。

Yieldingの馬場に加えてLightning Ridgeがかなりきついペースで引っ張った影響で最後は完全にバテ合いになっている。Kyogoはアイルランド調教馬で、PerthのClass4を勝った実績がある。ひとまずここでは苦しくなった時の踏ん張りという点で押し切った格好だが、アイルランドではまだ強い相手と当たっているわけではなさそうで、このままアメリカに移籍する可能性もあるかもしれない。アイルランドからの移籍馬Our Boy Wesが2着。アメリカ生産馬として最上位に来たのがSouthpaw Mikeで、Hurdle初戦ということを考えれば上出来の内容だろう。アメリカ平地競争でデビューし、前走Kentucky DownsのMaidenを勝ったSt. John'sが人気になっていたようだが、早々に脱落し途中棄権に終わった。

 

Harry E. Harris Stakes

TO BE RUN OVER NATIONAL FENCES FOR FOUR YEAR OLDS. Two And One Eighth Miles On The Hurdle $50,000

1. Calico (FR) J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

Just Another Oneを制して前に行ったCalicoが後続をやや引き離して逃げると、ついてきたChosen Judge以下を振り切って快勝した。

Calicoはアイルランドでは既に22戦を経験した馬で、前走はKilbegnet Novice Chase (G3)にてHercule Du Seuilの2着に入っている。基本的にJuvenile路線のListedクラスまでであれば通用するといった立ち位置の馬だが、どうにも今回は飛越面でややスムーズさを欠くところが目立った。前走Shawan DownsでMaiden Hurdleを勝ったChosen Judgeが2着で、障害経験という観点ではなかなか期待できそうな一頭だろう。地元馬として期待されていたのがMaiden、Allowanceと連勝してきたアイルランド生産馬Total Joyだが、中盤で落馬に終わった。

 

Foxbrook Champion Hurdle Stakes

TO BE RUN OVER NATIONAL FENCES FOR FOUR YEAR OLDS AND UPWARD WHICH HAVE NOT WON OVER HURDLES PRIOR TO SEPTEMBER 1, 2022 OR WHICH HAVE NEVER WON THREE RACES, OTHER THAN THREE-YEAR-OLD Two And One Half Miles On The Hurdle $100,000

1. Abaan (USA) J: Dalton Bernard T: Kate Dalton

途中からCool Jetが前に行く展開も、最終周の途中から苦しくなって後退。代わって出てきたThe Hero Next DoorとAbaanの叩き合いはAbaanに軍配が上がった。

Abaanは元々アメリカで平地競争を走っていた馬で、W. L. McKnight Stakesという平地のG3競走の勝ち鞍がある。昨年はBelmont ParkのMan O'War StakesというG1競走にも挑戦し、5着に入っているようだ。Hurdleはこれが3戦目で、前走Maidenを勝ったばかりであるのだが、ここではなかなか今後に繋がる競馬を見せた。障害馬としては珍しくなかなかパワフルで立派な馬体の持ち主で、どこまでやれるか注目した方が良いだろう。The Hero Next DoorはGreen Pastures Stakesでは途中で落馬に終わっているもののそれ以外では2戦2勝と結果を残してきた馬で、勝ち馬とはあまり差はなさそうだ。元々はフランスでデビューした馬で、アメリカ平地競争ではFort Marcy StakesというG2競走の勝ち鞍もあるL'Imperatorもいたのだが、途中から脱落し3着。この馬自身、前走はLonesome Glory Handicap (G1)で3着に入っており、なかなかこのレースの水準は高そうな感がある。そのGreen Pastures Stakesを勝ったCool Jetは早々に脱落し、大きく離れた4着に終わった。

 

Peapack Stakes

TO BE RUN OVER NATIONAL FENCES FOR FILLIES AND MARES, FOUR YEARS OLD AND UPWARD. Two And One Eighth Miles On The Hurdle $75,000

1. Say Goodbye (IRE) J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

Bella Coolaが淡々と引っ張るも、勝負所からSay Goodbye、Right Tempoが接近。食い下がるRight Tempoを退けてSay Goodbyeが勝利した。3着以下は遅れた。

Gordon ElliottとJack Kennedyのコンビはこの日は3勝目とした。Say Goodbyeはアイルランド牝馬Hurdle戦線を使ってきた馬で、9月末のGawran ParkではListed競走にてMagical Zoeの2着に入っている。牝馬限定戦とはいえどG1クラスでは厳しいようで、基本的にはListedクラス程度までの馬といったところだろう。ただし、2着のRight Tempoに対しては20lbの斤量差があったようで、これだけの斤量を背負って勝利するというのも大したものである。Authorized産駒のRight Tempoは今年4月にMaidenを勝った馬で、前走はColonial DownsのLife's Illusion Stakesにて2着に入っていた。あまり戦前の評価は高くなかったようだが、この路線の新興勢力ということで期待できそうだ。Maiden、Randolph D. Rouse Stakesと連勝してきたGold Charmがアメリカ勢として期待されていたようだが、離れた3着に終わった。

 

Appleton Stakes

TO BE RUN OVER NATIONAL FENCES FOR FOUR YEAR OLDS AND UPWARD WHICH ARE RATED 130 OR LOWER. Two And Five Eighth Miles On The Hurdle $50,000

1. Zabeel Champion (GB) J: Bernard Dalton T: Jack Fisher

大きな流星が特徴的なGordon's Jetが逃げるも、最終周からSoviet Pimpernelなどが接近。しかし外から捲ってきたZabeel ChampionがFast Vision、Rediceanなどを振り切って勝利した。

Zabeel Championは元々長くイギリスで走っていた馬で、昨年4月にはHaydockでClass2のHandicap Hurdleも勝っている。アメリカデビュー戦となったFoxfieldのHandicap戦は上手くいかなかったようだが、今回は結果を残した。Hurdle転向前は平地競争での実績もあるようで、アメリカHurdleへの適性はなかなかありそうな感がある。元々はフランスでデビューしたFast Visionが惜しい2着で、勝ち馬とは3lbの斤量差の分もありそうだ。じわじわと後ろから差を詰めてきたのが156lbを背負ったRediceanで、もともとイギリスJuvenile Hurdleで活躍した馬だが、アメリカでは今年はTemple Gwathmey Hurdle (G2)の2着が最高と、どうにも今年は重賞戦線で上位争いを繰り広げた昨年までとはやや成績が下降気味だが、今回は見せ場を作ったようだ。

 

Grand National Stakes (G1)

TO BE RUN OVER NATIONAL FENCES FOR FOUR YEAR OLDS AND UPWARD. Two And Five Eighth Miles On The Hurdle $250,000

1. Noah And The Ark (IRE) J: Harrison Beswick T: Todd McKenna

要は"American Grand National"。昨年はアイルランドのHewickが快勝したレースだが、今年はHewickの参戦はなかったものの、イギリスのSeddon、アイルランドのSalvador Ziggyを迎えて行われた。レースはイギリスのSeddonが引っ張る展開で、やや隊列は長くなる。好位からJimmy P、Salvador Ziggy。その後ろからSnap Decision。そのままSeddonは淡々と引っ張るも、最終周からSalvador Ziggy、Merry Makerなどが接近。直線を向いて内からNoah And The Arkが抜け出すと、外から捲ってきたMerry Makerに5馬身ほどの差をつけて勝利した。Seddonは3着まで。

Noah And The Arkは昨年のLonesome Glory Handicap (G1)の勝ち馬で、その後のGrand National Hurdle Stakes (G1)でも2着に入っていた。今年はどうにもぱっとしない成績に終わっていたようだが、得意のコースで結果を残した。Seddonがある程度引っ張る展開で、かつ馬場も重くタフな条件であったが、Lonesome Gloryでも見せた終いの瞬発力は大したもので、血統背景も考えればこのような条件下で浮上するタイプである可能性もありそうだ。今年のLonesome Glory Handicap (G1)を制し、昨年はNoviceクラスで活躍した馬として上がり目のありそうなMerry Makerが2着に入り、アメリカHurdle路線においても世代交代を感じさせるレースとなった。イギリスのSeddonは今年の春にMagners Plate (Premier Handicap)などを勝った実績馬であるが、最後は捕まっての3着。とはいえこの展開で前々で張り続けたレースは大したもので、イギリスに戻っても期待できそうだ。Scorpion's Revengeは後ろからまくり上げていくいつもの競馬で4着。Salvador Ziggyは大敗に終わったが、これはSeddonを追いかけていった分だろう。Snap Decisionは全くいいところなく早々に脱落して途中棄権に終わったが、おそらくこのような馬場はダメなタイプと思われる。

 

10/22(日)

Limerick (IRE) Soft (Soft to Heavy in places)

JT McNamara Munster National Handicap Chase (G3) 3m (Replay)

1. Gevrey (FR) (AQPS) J: Ricky Doyle T: Gordon Elliott

Coko Beach、Defi Bleuなどが前を伺うも、これを制して同じ勝負服のFrontal Assaultが先頭に立ち淡々とレースは進行。最終コーナーの辺りでは後続が殺到し馬群は密集するも、好位から抜けてきたGevreyがLargy Debut以下を振り切って勝利した。

Gevreyは2022年の中山グランドジャンプに予備登録のあった馬だが、結局出走はなくアイルランドでそのまま走っている。昨シーズンはIrish Grand National (Grade A)でI Am Maximusの2着に入っていた。前走のKerry National (G3)では良馬場で上手くいかなかったようだが、今回は馬場が重くなって結果を残した。まだやや引っかかり気味に走るなど若いところはありそうだが、とはいえ24f超の重馬場への適性は高いようで、引き続きこの路線での活躍を期待してよさそうだ。当然、大いに適性外と思われる中山グランドジャンプには来ないで欲しいものである。Largy DebutはChaseでは未勝利の馬だが、とはいえその殆どで崩れずに走っているようで、今回はHandicap Chaseで後方から押し上げるレースで結果を残したことはこの馬にとって収穫だろう。11st7lbのCoko Beachが惜しい3着。この馬もやはり重馬場の24f超Chase巧者で、8歳となった今シーズンも引き続き元気そうだ。

 

Saumur (FR) Souple (3.7)

Grand Cross De Saumur

Cross Country # 14 TROPHEE NATIONAL DU CROSS HARAS DU LION - GENYBET
Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 5300m (Replay)

1. Miss Laura (FR) J: Thomas Beaurain T: Camille et Philippe Peltier

森の中を走るSaumurのGrand Cross。レースは牝馬Barcarolleが引っ張る展開も、途中から牝馬Miss Lauraが先頭に。そのままMiss Lauraは淡々と進めると、ついてきたEspoirを振り切って勝利した。

ドローン映像は途中で馬群を見失ったりしていて可愛い。Miss LauraはCross Countryの経験自体は長い馬だが、8月からLe Pertre、Ploermel、SegreとClasse 3を3連勝しており、これで4連勝となった。上のクラスでどうこうという馬ではなかったことを考えるとこの連勝がどこまで本物かは注意した方がよさそうだが、ここにきて勢いのある馬という点では楽しみな存在だろう。2021年のこのレースの勝ち馬で、今年はAnjou-Loire Challengeで3着に入ったEspoirが2着。2022年はあまり順調に使えなかったようだが、今年は無事レースをこなすことができているようで、Saumurのスペシャリストとしては十分な結果だろう。Corlay、GranvilleのGrand Crossで2着に入ったExtragadorが3着に入った。

 

Wroclaw (POL) płotowy - elastyczny (3.8); przeszkodowy - elastyczny (3.9)

Nagroda Przewodniczącego Sejmiku Dolnośląskiego

Gonitwa pod patronatem Polskiego Klubu Wyścigów Konnych. Finał cyklu gonitw z płotami dla 3-letnich koni „Partynice-Służewiec”. Prawo startu mają konie, które ukończyły co najmniej jedną gonitwę z cyklu na torze we Wrocławiu lub w Warszawie.  40000 zł  3000m (Replay)

1. Runa (FR) J: Marek Stromský T: Grzegorz Wroblewski

レースは地元のEkwandorが引っ張るも、2周目からPerlios、さらにRunaが先頭に。さらにIt's Highestが最終コーナーから先頭に立ち逃げ込みを図るも、再度追い上げてきたRunaがIt's Highestとの叩き合いを制して勝利した。

Runaは元々フランス及びドイツで平地競争を走っていた馬で、前走はWarszawaのNagroda Generała Stanisława MaczkaでHurdleデビュー、Perliosの2着に入っていた。とりあえずHurdle2戦目ということで慣れてきた感もありそうだが、とはいえまだ飛越面では改善の余地がありそうだ。Nagroda Toru Wyścigowego W Pardubicach、Nagroda Tunisaと連勝してきたIt's Highestが2着。この路線では主役を張ってきた馬だが、ここにきて強力な相手が出てきたといったところで、とはいえ2頭の力量差はあまりなさそうで、引き続き来年以降の活躍を楽しみにしたい。

 

Nagroda Marszałka Województwa Dolnośląskiego

Gonitwa pod patronatem Polskiego Klubu Wyścigów Konnych. Międzynarodowa gonitwa z przeszkodami dla 4- i 5-letnich koni. 4000m 50000 zł (Replay)

1. Pretty King (FR) J: Jan Faltejsek T: Grzegorz Wroblewski

Impas、Roc'h Breizh、Premier Roiと出走取消が相次いだ影響で4頭立てとなってしまった。レースはPretty Kingがやや引っかかり気味に前に行く展開も、これにEt Tu Bruteが絡んでいき、途中から先頭に代わる。しかし池を渡る辺りで先頭に出たPretty Kingはそのまま後続を突き放すと、Et Tu Bruteに大差をつけて勝利した。

Pretty KingはWroclawのSteeplechaseは6月以来の参戦となる。その後はフランス、イタリアのSteeplechaseなどを使い、Wielka SłużewieckaではMinister Wojnyの2着に入っていた。MeranoのSteeplechaseではあまり上手くはいかなかったようだが、やはり今回のレースを見ていると小回りの利く良質なスピードを武器としているタイプのようで、来年以降はこの路線で期待したいところである。Corsa Siepi Dei 4 Anni (G1)で3着に入るなどイタリアSiepiの重賞路線で好成績を残していたCosta Ricaも出走していたが、途中で雨で滑ったのか落馬に終わった。Siepiでは比較的コンスタントな活躍を見せていた馬で、今回は結果は伴わなかったが、この路線に来るのであれば楽しみな存在になりそうだ。

 

Crystal Cup

Gonitwa pod patronatem Polskiego Klubu Wyścigów Konnych. 172000 zł 5500m (Replay)

1. Her Him (FR) J: Niklas Lovén T: Ivana Porkátová

5500メートルとポーランドSteeplechaseでは最長距離を誇る競走。位置づけとしてはWielka Wrocławskaと並ぶ二大競争となる。レースは例によって馬群は固まって進行し、早々に手ごたえが悪くなって脱落したImphalを除けばのんびりと進行。途中からそろそろとGap Piejiが前に出てNickとともに逃げ込みを図るも、これに迫ったHer HimがMolly Powerを退けて勝利した。Gap Pierji、Nickと続いた。

Her Himは今年はWielka Wrocławskaに続き、ポーランドのSteeplechaseの主要競争を制覇したことになる。当時も早めに仕掛けたSanta Klaraを下しての勝利であったが、今回も似たような展開で、最後までしぶとく脚を伸ばすことを武器にしてのものであった。Gran Premio Merano (G1)でもスピードを生かしたFirst of Allに対して、後ろから足を伸ばして4着に入るという内容で、この馬としては距離はある程度あった方がいいのだろう。Pardubiceではあまり結果は残せていないのだが、もしかすると5000メートルを超える距離であれば適性を見出せるかもしれない。Molly Powerはスイスでタイトルのある馬で、Aarauでは結果は出なかったが今回は2着に食い込んだ。Velka Pardubickaを回避したGap Pierjiは馬をエキサイトさせないように慎重に運んでいたが、最後は捕まっての3着。騎手としてはやるべきことは十分にやっており、これでいいのだろう。ポーランドの古豪Nickはさすがの立ち回りの上手さを感じさせるレース運びであったが、最後はスプリント能力で遅れての4着。スロバキアから参戦したRoyal Ginoもいたが、最後はやや勝負圏内から遅れ5着に終わった。

 

Nagroda Masiniego

Gonitwa pod patronatem Polskiego Klubu Wyścigów Konnych. Międzynarodowa gonitwa z przeszkodami dla 5-letnich i starszych koni. 24000 zł 4000m (Replay)

1. Ztracenka (CZE) J: Jan Odložil T: Stanislav Popelka 

レースはDumon Roclayを制して前にいったZtracenkaが軽快に引っ張ると、そのままSophist以下に18馬身差をつけて勝利した。

Ztracenkaは先日のCena Laty Brandisovéで1位入線を果たした馬だが、走路を間違えたとして失格になっていた。WroclawのSteeplechaseは4月ぶりであったが、今回は前走も見せたその快速ぶりを発揮する快勝で、前走の鬱憤を晴らすようなものであった。 Wrocławska Trialで2着のあるSophistが2着に入ったが、この馬自身はほぼWroclawのSteeplechaseを中心に走っている馬で、Pardubiceでも通用するスピードを持った馬がこれだけ自身のレースをしてはどうしようもないだろう。Wielka Służewieckaを勝ったMinister Wojnyは4着まで。アイルランドからJet Fighterが参戦していたが、馬群には頑張ってついて行くも徐々に遅れ7着に終わった。アイルランドでもPtPのMaidenを勝ったのみの馬で、そもそも快速馬Ztracenkaが逃げたここではスピード面ではだいぶ厳しかった感がある。とはいえ初のWroclawであったが障害には対応しており、大陸系の障害に対する経験が浅い馬として、9月からここまで対応してきたことはやはりこの陣営にとっては収穫だろう。