にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

24/01/28 Weekly National Hunt / Jump Racing

1/25(木)

Gowran Park (IRE) Heavy

John Mulhern Galmoy Hurdle (G2) 3m (Replay)

1. Monkfish (IRE) J: Paul Townend T: Willie Mullins

12歳馬Summerville Boyが逃げるも直線を向いて後続が殺到。ここから出てきたMonkfishがSummerville Boyを突き放して勝利した。

Monkfishは実に約3年ぶりの勝利とした。元々Novice Hurdle、Novice Chaseの時点では素質を高く評価されていた馬だが、2021年4月のPunchestownを最後に713日の休養に入り、昨年の4月にようやく復帰を果たしていた。今シーズンもこのレースが復帰戦とどうにも順調さという点では不安があり、かつメンバー的にもさほど強力で勝負気配のあるレースにはならなかったことを考えると、素質馬の復帰という点ではめでたい勝利ではあるが、どうにもまだ信頼しにくいところがあるのも正直なところである。2018年にはSupreme Novices' Hurdle (G1)を勝っているSummerville Boyが2着。昨年のこのレースでもTeahupooの2着に入っていたりと年齢の割に元気なようで、馬場が悪くなればまだチャンスはありそうだ。2022年のChampion Stayers Hurdle (G1)で2着のあるAshdale Bobは脱落して3着。人気のThedevilscoachmanもいいところなしと、どうにも最近不調の面々はここでも見せ場を作れずに終わった。

 

Thyestes Handicap Chase (G3) 3m1f (Replay)

1. Ain't That A Shame (IRE) J: Rachael Blackmore T: Henry de Bromhead

Paul TownendのGlengoulyが後続にややリードを取って前に出てくるも早々にペースは落ち着いて馬群は密集。途中からJack KennedyのDunboyneが前に出るも、残り2障害辺りから前に出たAin't That A ShameがGlengoulyを振り切って勝利した。

Ain't That A ShameはChaseは2勝目だが、2022年にはMunster National (Grade A)にてThe Big Dogの2着に入っている実績馬である。昨シーズンはAintreeのGrand National (Premier Handicap)にも参戦しており、今シーズンはKerry National (G3)、Troytown Chase (G3)と凡走続きであったが、今回は結果を残した。11st3lbとそれなりの斤量を背負っての勝利で、このままAintreeのGrand National (Premier Handicap)に向かう可能性もありそうだが、とはいえPaddy Power Chase (Grade B)、Munster National (Grade A)と好調であった昨シーズンと比べて今年はこの段階でいきなり好走となった経緯は気になるところである。Tim Duggan Memorial (Listed)にて2着に入ったNovice上がりのGlengoulyが2着で、比較的スムーズに運んだ組が上位を占めた。12歳馬Any Second Nowは後方から進めるも、そのままいいところなく大敗に終わった。

 

1/26(金)

Pau (FR) Tres Souple (4.1)

Prix John Henry Wright (Classe 1)

Cross Country Pour tous chevaux 6 ans et au-dessus. #1 TROPHEE NATIONAL DU CROSS HARAS DU LION - PMU 5000m (Replay)

1. Hip Hop Conti (FR) J: Clement Lefebvre T: Emmanuel Clayeux

今年のTrophée National du Cross第1戦となる。Trophée National du CrossはこのPauから始まり、12月のDurtalまでの計15戦のCross Country競走において獲得した合計ポイントを競うフランスCross Country Seriesであり、フランス各地の主要Cross Country競走が含まれている。この競走自体は2月にCrystal Cupの一環として行われるGrand Cross de Pauへの前哨戦的な立ち位置となる。レースはHip Hop Contiがゆったりと引っ張る展開で、番手からSaint Godefroyが追走。2回目のBanquette "de Bordeaux"の辺りからSaint Godefroyが前に出て引っ張るも、直線を向いて盛り返してきたHip Hop ContiがSaint Godefroyを退けて勝利した。

全体的にGrand Crossが目標の馬が殆どで、小頭数ということもあって慎重なレースとなった。Hip Hop Contiはこれで前走のPrix Montimer De Lassenceから連勝とした。昨年のGrand Cross de Pauの勝ち馬だが、当時は人気を集めていたGalcoflaurやSaint Godefroyが落馬した結果浮上した感もあり、実際に今年の冬の始動戦はSaint Godefroyに8馬身差の3着に終わっていた。70kgを背負って66kgのSaint GodefroyやHarmonie Roqueを退けたのは大したものだが、とはいえ展開的に恵まれた可能性もありそうで、昨年の12月からどこまで進捗があったかということは慎重に見た方がよさそうだ。人気を背負ったSaint Godefroyが2着。前走のPrix Montimer De Lassenceでは落馬に終わった牝馬Harmonie Roqueが僅差の3着で、この馬も引き続き上位争いが期待できそうだ。昨年はTNCを転戦してきたI'm Walkin'はここでも勝負に加われずの4着で、さすがにここの一線級が相手となると苦しそうだ。

 

1/28(土)

Cheltenham (UK) Good to Soft

JCB Triumph Trial Juvenile Hurdle (G2) 2m179y (Replay)

1. Sir Gino (FR) J: James Bowen T: Nicky Henderson

Royal Ascot勝ちのあるBurdett Roadが人気になっていたが、レースは前半からフランスのMilan Tinoが後続を大きく引き離して逃げる展開となる。しかしじわじわと後続が接近すると、最終障害前で先頭に出たSir GinoがBurdett Roadを10馬身ほど突き放して勝利した。Milan Tinoが3着に入った。

Sir Ginoがこれでイギリス移籍後2戦2勝とした。フランスではAuteuilのListed勝がある馬で、前走のKemptonでも強い競馬を見せていた。前回はCheltenhamとは逆回りで平坦なKemptonということもあったのだが、今回は直線だけでex-flat horseのBurdett Roadを大きく突き放す強い競馬を見せた。全体的に良馬場でスピードの生きる条件とはいえ、全体的に力を抜いて走ってのこのパフォーマンスはなかなか高く評価すべきだろう。Burdett Roadが2着。フランスでJigmeとも比較的いい勝負をしてきたMilan Tinoは積極的に運んでの3着。戦術としてはスローペースを嫌って前に行ったものと思われるが、馬場状態次第ではもう少しやれてもよさそうだ。道中大騒ぎをしていたExceleroが4着で、もう少し気性が落ち着いて来れば向上の余地はあるだろう。

 

Paddy Power Cheltenham Countdown Podcast Handicap Chase (Premier Handicap) 2m4f127y (Replay)

1. Ga Law (FR) (AQPS) J: Gavin Sheehan T: Jamie Snowden

第1障害で元気よく前に行ったGrandeur D'Ameが落馬。Bill Baxterなどが前に行くも、第10障害辺りから先頭に出たGa LawがLounge Lizard、Il Ridotoなどを振り切って勝利した。

Ga LawはCheltenhamのHandicap戦は一昨年のPaddy Power Gold Cup (Premier Handicap)に続き重賞2勝目とした。2022-23シーズンはその後G1戦線にも参戦しているが歯が立たず、昨年12月のCoral Gold Cup (Premier Handicap)でも大敗に終わっていた。11st8lbを背負っての勝利ということでなかなか頑張った内容だが、おそらくCheltenhamの20f戦である程度積極的に前に行きつつペースを操るレースを得意とするタイプで、もう少し我慢が出来れば24f戦でも対応はできそうなのだが、とはいえ現状はこのくらいの距離がいいようだ。前走はBecher Chase (Premier Handicap)にも挑戦したLounge Lizardが2着。このCheltenhamの20f戦ではすっかりお馴染みになったIl Ridotoが3着に入った。2022-23シーズン以降、全8戦のうち7戦をCheltenhamの20f戦に出走しているというCourse Specialistである。

 

Cotswold Chase (G2) 3m1f56y (Replay)

1. Capodanno (FR) J: Paul Townend T: Willie Mullins

例によって前に行くと思われたAhoy Senorを制してThe Real Whackerが前に行く展開。ふらふらと飛越したThe Real Whackerに早々に後続が殺到し、Royale Pagaille、Stay Away Fay、さらに内からAhoy Senorが迫るも、外から出てきたCapodannoが前に出ると、そのまま後続を突き放して勝利した。

Capodannoは2022年のDooley Insurance Group Champion Novice Chase (G1)以来の勝利とした。昨シーズンはAintreeのGrand National (Premier Handicap)を目指すも結果は出ず、前走はSavills Chase (G1)でGalopin Des Champsからだいぶ遅れた3着に入っていた。そもそもCheltenham向きではないRoyale Pagaille、飛越が怪しいAhoy SenorやThe Real Whacker、ここで戦うにはやや完成度の足りないStay Away Fayが相手という中、完成度の高さとPaul Townend騎手らしい思い切った騎乗が結果を結んだといった印象で、そもそも翌週のLeopardstownのDublin Festivalではなくこちらに向かってきたということを考えると、ここからG1クラスでどうこうというのはやや強調しにくいというのが正直なところだろう。The Real Whackerは最後盛り返しての2着だが、さすがに今回は相当なスローペースでスパートをかけた時点で置いて行かれる場面があり、飛越もだいぶ怪しいところがあった。Novice馬として参戦したStay Away Fayも飛越にミスがあり、とりあえずこの馬は次に期待したい。Ahoy Senorは相変わらず飛越にミスが多く4着まで。Coral Gold Cup (Premier Handicap)を勝ったDatsalrightginoは早々に落馬に終わったが、残念ながら気の毒な結果となったそうだ。

 

Clarence House Chase (G1) 2m62y (Replay)

1. Elixir De Nutz (FR) (AQPS) J: Freddie Gingell T: Joe Tizzard

Ascot開催が中止になった影響でCheltenhamにて開催されることになったClarence House Chase (G1)であるが、Cheltenhamの開催は昨年から2年連続となった。レースは連覇を狙うEditeur Du Giteが元気に出てくるが、これにぴったりとElixir De Nutzがついて行く。Jonbonはその後ろから進めるが、残り4障害で落馬寸前のミス。このあたりからElixir De NutzがEditeur Du Giteを振り切って前に出るも、立て直してきたJonbonがこれに迫り最終障害前では先頭に出る。しかし最終障害で再度前に出たElixir De NutzがJonbonを振り切って勝利した。3着にはFugitifが入った。

Jonbonは前半から全体的に過剰に大きい飛越を繰り返すところが目立っていたのだが、残り4障害地点ではほぼ落馬寸前の大きなミスを生じている。そこから立て直して再度前に迫っているのだが、飛越のリズムの悪さが響いたのか最終障害地点でもやはりミスをしている。これだけのミスをしながら立て直してきたのはさすがだが、結果的にはElixir De Nutzに足下を掬われることになった。おそらくQueen Mother Champion Chase (G1)で当面の相手と思われるのは同じく母父Saint Des SaintsのEl Fabioloであるが、基本的にはJonbonと同様に航行能力の高さで押し切るタイプであるだけに、今回の飛越のリズムの悪さは今後に向けての懸念材料となった。

18歳のFreddie Gingell騎手はこれが初のG1勝利とした。16f ChaseのG1クラスとしては比較的平均的なペースを作りつつ、Cheltenhamの起伏を利用してペースを動かしていくEditeur Du Giteのペースを利用し、これを好位でリズムよく運ぶという素晴らしい騎乗であった。全体的にまずいレースとなったJonbonに対してこの馬のやるべきことはやり切った内容だろう。Cheltenhamの特殊な形態もあって再現性が高いレースとは考えにくいが、それでも千載一遇のチャンスをものにした素晴らしいレースであった。Handicap戦線で戦ってきたFugitifは最後盛り返しての3着で、20fで戦ってきた馬ということもあってややペースに戸惑うところはあったようだが、最後は力を見せてくれた。おそらくHandicapに戻るものと思われるが、今回のレースでレーティング的に過大評価され、過剰に斤量を背負わされないことを願いたい。ベテランNube Negraは最後脱落して4着。最近はやや力落ちを感じさせる負け方が続いており、全盛期であればもう少しやれたかもしれない。

 

Unibet Hurdle (G2) 2m179y (Replay)

1. Lossiemouth (FR) J: Paul Townend T: Willie Mullins

Harry CobdenのRubaudが軽快に引っ張り、それを好位からLove Envoiが追いかける展開も、最終障害前でこれに迫ったLossiemouthが持ったままで抜け出すと、Love Envoiに9馬身半差をつけて快勝した。

Lossiemouthは昨シーズンのJuvenile Hurdleで強い競馬を見せていた馬で、唯一敗れたのはLeopardstownのDonohue Marquees Spring Juvenile Hurdle (G1)のみ、それも道中どん詰まりの競馬で同厩舎のGala Marceauに足下を掬われたのみという内容であった。今回はこれがシーズン初戦であったが強い競馬を見せた。16fのHurdle路線はどうしても一頭飛び抜けた馬が存在しており、今回のメンバーとしてはあくまでG2クラスの実力上位勢といったところであったが、とはいえLove Envoi以下を相手にほぼ持ったままで快勝する内容は圧巻であった。どうやらMares' Hurdle (G1)との両睨みとなるようだが、その動向は大いに注目すべき一頭だろう。牝馬相手であれば一線級の能力を持ったLove Envoiが2着だが、まさかここまであっさりと突き放されるとはやや想定外であった。Golden Horn産駒のFirst Street、Rubaud、Guard Your Dreamsと続いたが。このあたりはあくまで展開一つだろう。

 

Cleeve Hurdle (G2) 2m7f213y (Replay)

1. Noble Yeats (IRE) J: Harry Cobden T: Emmet Mullins

レースは例によってDashel Drasherが前に行くも、これにぴったりとBotox Hasがプレッシャーをかけていく。この2頭で最終コーナーから抜け出しを図るも、ここから追い込んでいたNoble Yeatsが並んで追い込んで来たPaisley Parkを凌いで勝利した。Strong Leaderが2着に入った。

Dashel Drasherは例によってRex Dingleとともに淡々としたペースを刻んでいるが、ここにCaoilin QuinnのBotox Hasが絡んでくることでやや早仕掛け気味のスパートとなったようだ。結果的に勝負所でやや置かれていたNoble YeatsPaisley Parkが再度復活してくるというレースとなっている。Noble Yeatsは2022年のMany Clouds Chase (G2)以来の勝利とした。Cheltenhamではどうしても勝負所で置いて行かれる面もあるのだが、とはいえそこからのしぶとさはさすがのものを持っており、これが昨年のCheltenham Gold Cup (G1)での4着といった結果に繋がっている。どうやらCheltenhamではStayers' Hurdle (G1)を狙うようで、基本的には今回と同じような展開待ちという形になるだろう。12歳馬Paisley Parkは今シーズンはこれで3戦連続の僅差の2着で、Noble Yeatsに対して6lbの負担があったことを考えると勿体ないレースとなった。おそらくこの馬も同じような展開を狙うものと考えられるが、Flooring PorterやKlassical Dreamといった快速タイプの先行馬がChaseに転向し、平均ペースの先行馬Dashel Drasherが展開を握ることになることが多いのはこの馬にとっては追い風と思われる。上がり馬Strong Leaderは距離延長でパフォーマンスを上げての3着に入った。

 

SSS Super Alloys Novices' Hurdle (G2) 2m4f56y (Replay)

1. Gidleigh Park (GB) J: Jonathan Burke T: Harry Fry

レースはIsaac Des ObeauxとGidleigh Parkが並んで逃げるも、勝負所から一気にLucky Placeが進出し先頭に。しかしここから抵抗したGidleigh ParkがLucky Placeとの叩き合いを制して勝利した。

Gidleigh ParkはこれでHurdleは3戦3勝とした。Walk In The Parkの産駒でそれらしいスピードの持続性能を持っている馬のようで、瞬発力で前に出てきたLucky Placeに対してこの馬は最後までしぶとく走って前に出るというレースを見せてくれた。やや引っかかり気味に走るところがあるようで、このあたりが解消すればより良くなってくるだろう。後方から一気に進出したPastorius産駒のLucky Placeが2着。ここまで5戦して2着4回と惜敗の多い馬だが、今回の場合は詰めが甘いというよりは勝ち馬のスピードの持続性能が高いものがあったと考えてよさそうだ。Cheltenhamの起伏を利用したレースはあっている馬のようで。脚の使い方次第では再度見せ場を作ってもおかしくないだろう。

 

Doncaster (UK) Good (Good to Soft in places)

Supreme Trial Rossington Main Novices' Hurdle (G2) 2m128y (Replay)

1. Jeriko Du Reponet (FR) (AQPS) J: Mark Walsh T: Nicky Henderson

ゆるゆると逃げたEl Elefanteを早々に捕まえに行ったJeriko Du Reponetだが、ここからFiercely Proudが抵抗。これらとの叩き合いをJeriko Du Reponetが制して勝利した。

Jeriko Du ReponetはChoeur Du Nordの産駒で、これでHurdleは3戦3勝とした。ここまで16fを使っているようだが内容的にはまだ追って伸びそうな印象もあり、おそらく今回のように瞬間的なスプリント能力ではなくスピードの持続性能で勝負をするようなタイプと思われる。Authorizedの産駒Lump Sumが2着で、こちらは後方から追い込んでのレースとなった。直線ではふらふらと内に切れ込むところがあったりと完成度的にはまだまだの馬のようで、能力的にはいいものがありそうだ。Fiercely Proudは人気馬に迫っての3着だが、National Hunt Flatの一線級相手ではさっぱりいいところがなかった馬で、レース水準的にどうかというところは少し考慮した方がいいかもしれない。

 

Yorkshire Rose Mares' Hurdle (G2) 2m128y (Replay)

1. Ashroe Diamond (IRE) J: Mr Patrick Mullins T: Willie Mullins

人気薄の10歳馬Stainsby Girlが健気に逃げるも、好位から進めたAshroe Diamondが持ったままで接近。そのままAshroe DiamondがUnder Control以下を振り切って勝利した。

Ashroe Diamondは昨シーズンはHoneysuckle Mares Novice Hurdle (G1)を勝っている馬で、前走はHatton's Grace Hurdle (G1)にて3着に入っていた。おそらくMares' Hurdle (G1)路線と思われるが、上記Lossiemouthも同じレースを目標にする可能性がありそうで、相手関係的なところが課題になりそうだ。イギリスのUnder Controlが2着。ひとまずGala Marceauは交わしたのだが、勝ち馬とはやや実力的な差異を感じさせる内容であった。2回のWind Surgeryを行っている馬ということもやや懸念の残る材料であろう。AuteuilのPrix Alain du Breil (G1)にてLosange Bleu以下を下してきたGala Marceauはこれがシーズン始動戦であったが、Under Controlに競り負ける格好の3着に終わった。

 

River Don Novices' Hurdle (G2) 3m84y (Replay)

1. Kerryhill (IRE) J: Brian Hughes T: Ruth Jefferson

Tom CannonのRangeが前に行くも馬群は固まって進行。直線を向いて外から出てきたKerryhillがWelcom To Cartries以下を振り切ると、そのまま7馬身半差をつけて快勝した。

KerryhillはこれでHurdleは2勝目とした。立場的にはex-pointerといったところで、Hurdle初戦からKelsoの22f戦を使ったりと距離的にはだいぶ長いところに適性を見出されているようだ。前走のCheltenhamではAlbert Bartlett Novices' Hurdle (G2)にてShanagh Bobの4着に入っているが、今回は進境を見せてのレースとなった。人気のWelcom To Cartriesが2着だが、こちらはややゴール前で脚が上がるような場面を見せていた。血統的にはとても分かりやすいThe Newest Oneはこの中では頭一つ抜けたレース経験を有している馬で、しぶとく走って最後は3着に来たようだ。Albert Bartlett Novices' Hurdle (G2)で好走したDestroytheevidenceは4着に終わった。

 

Great Yorkshire Handicap Chase (Premier Handicap) 2m7f214y (Replay)

1. Annual Invictus (IRE) J: Freddie Gordon T: Chris Gordon

Mister Cofferyが元気よく出てくるも、これを制してAnnual Invictusが前に出て単騎逃げの格好となる。そのまま元気よく引っ張ったAnnual Invictusが最後猛然と追い込んで来たForward Planを凌いで勝利した。

Conditional JockeyのFreddie Gordonがかなり積極的に飛ばしたことで隊列はだいぶ長くなっている。Annual Invictus自身も最後はだいぶ苦しくなっているようだが、とはいえ最後までぎりぎり持たせるという会心の騎乗となった。Annual Invictus自身は重賞は初勝利となった。昨シーズンはHurdle及びChaseのHandicap競走を走っていたようで、Fulke Walwyn Kim Muir Challenge Cupやbet365 Gold Cupに挑戦するも結果は出なかったようだ。基本的に勝ちパターンとしては今回のように先手を取って引っ張る形となりそうだが、とはいえ同型馬が多いだけになかなか難しい戦いとなりそうだ。10st6lbの軽量馬Forward Planが2着に入った。

 

Fairyhouse (IRE) Soft

Solerina Mares Novice Hurdle (G3) 2m2f (Replay)

1. Jade De Grugy (FR) (AQPS) J: Brian Hayes T: Willie Mullins

Rachael BlackmoreのLook Th The WestがJade De Grugy、A Penny A HundredなどのWillie Mullins調教馬を引き連れて逃げる展開も、残り2障害辺りから前に出たJade De GrugyがA Penny A Hundred以下を振り切って勝利した。

Jade De GrugyはDoctor Dino産駒のAQPSで、これでHurdleはMaidenから2戦2勝とした。今回はPaul Townendがイギリスに遠征しているため騎手は乗り替わっていたが、飛越にも特段問題はなくこの中では一枚抜けたパフォーマンスを見せていた。Jukebox Jury産駒のA Penny A HundredはLook To The Westを下して2着に入った。前走は牝馬限定Listed競走でJetaraの2着に入った馬で、Jetara自身もその後年末の牝馬限定戦で強い競馬を見せていたことを考えると、今回の勝ち馬はなかなか今後が楽しみになりそうだ。

 

1/28(日)

Doncaster (UK) Good (Good to Soft in places)

Warfield Mares' Hurdle (G2) 3m84y (Replay)

1. Marie's Rock (IRE) J: James Bowen T: Nicky Henderson

Robbie DunneのTweed SkirtがCoquelicotを引き連れてのんびりと引っ張る展開も、直線を向いて出てきたMarie's RockがYou Wear It Wellを振り切って勝利した。

レースとしてはほぼ直線のみのものとなった。Marie's Rockはここまで2022年のClose Brothers Mares' Hurdle (G1)を含め牝馬限定G1競走を2勝している馬だが、昨年の同競争は7着と大敗に終わっていた。今シーズンはLong Distance Hurdle (G2)を含めセン馬混合栓を使っていたようで、今回は久しぶりの牝馬限定戦となる。内容的にはさすがの勝利なのだが、とはいえ前日のCheltenhamではLossiemouthがかなり強い競馬を見せていた一方で、24fのHurdle路線はやや混戦模様であることを踏まえると、Cheltenhamでのレース選択は少し注意してみた方がいいかもしれない。今シーズンはFighting Fifth Hurdle (G1)にも参戦したYou Wear It Wellが2着だが、展開次第で逆転は可能だろう。

 

Naas (IRE) Soft (Soft to Heavy in places)

Limestone Lad Hurdle (G3) 1m7f112y (Replay)

1. Zarak The Brave (FR) J: Paul Townend T: Willie Mullins

9歳牝馬Banntown Girlが前に行くも、早々にこれを制して同じく9歳牝馬のTelmesomethinggirlが前に出てくる。しかし最終コーナーの辺りから元気に上がって来たZarak The BraveがTelmesomethinggirlとの叩き合いを制して勝利した。

Zarak The Braveは夏のGalway Hurdle (G3)から重賞は2勝目とした。昨シーズンはJuvenile Hurdleを使っていた馬でPunchestownのChampion Four Year Old Hurdle (G1)ではLossiemouthから僅差の2着もある。どうやらCheltenhamのChampion Hurdle (G1)に登録はあるようだが、現時点の立ち位置としてはWillie Mullins陣営の秘密兵器といったところで、どうにも一戦級と比較するとその力量は未知数である。今回は全体的にもたもたした飛越が前半に目立ったことはやや心配な材料だろう。今年の秋からはHurdleに戻してきたTelmesomethinggirlが2着に入った。

 

Finlay Ford At Naas Novice Chase (G3) 3m174y (Replay)

1. Embassy Gardens (GB) J: Paul Townend T: Willie Mullins

内を回って引っ張ったSandor Cleganeが逃げ込みを図るも、最終障害前で先頭に出たEmbassy GardensがSandor Cleganeを突き放して勝利した。

Embassy GardensはChaseは2戦2勝とした。HurdleではThurlesの23fのNovice戦のみと結果は出なかった馬だが、Chaseではいいレースを見せている。実績的には長い距離はお手のものといった馬のようで、飛越もChase2戦目にしては良いものを見せていた。HurdleではAlbert Bartlett Novices' Hurdle (G1)でStay Away Fayの3着のあるSandor Cleganeが2着。前走はFlorida Pearl Novice Chase (G2)で2着に入っているようで、やや飛越にもたつくところはあったようだが、この馬を物差しにすれば勝ち馬はなかなかいいレースを見せたと考えてよさそうだ。11月にIrish EBF Novice Chase (G3)を勝ったLetsbeclearaboutitもいたのだが、こちらは直線いまいち伸びを欠いて3着に終わった。