にげうまメモ

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17/04/15 Japanese Racing

*中山 良

中山グランドジャンプ (JG1) 4250m

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2016年中山GJから、大障害を含む6連勝を掛けて挑んできたオジュウチョウサンが圧倒的な人気。これに2015の中山大障害のチャンピオンであるアップトゥデイト復権をかけて挑むという構図になっていた。その他、上がり馬メイショウヒデタダ、ルペールノエル、タイセイドリームと続いていた。

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メイショウヒデタダがハナを伺う構えも、第一障害の手前までルペールノエルとラステラが絡んできたためややペースは上がる。抜群のスタートを切ったオジュウチョウサンとは対照的に、やや出遅れたアップトゥデイトは手綱を押して番手を取りに行く。軽快に飛ばすメイショウヒデタダにより一時は隊列が長く伸びるが、少しずつペースは落ち馬群は凝縮。大生垣の手前ではすでにオジュウチョウサンが前を射程圏に入れる位置まで上がってくる。外回りコースのハードルの地点でオジュウチョウサンが外からアップトゥデイトに被せていき番手に。最終コーナーで先頭に立ったオジュウチョウサンだが、その後ろにいたサンレイデュークが最終障害で並びかける。しかし最後のフラットでオジュウチョウサンサンレイデュークを突き放して勝利した。アップトゥデイトは3着まで。

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最序盤でポジション取りのためにペースが上がり、大生垣の辺りで減速したのちに外回りに入ってから加速する二峰性のラップを刻むのはここのところの日本障害競馬の特色。日本障害馬は平地のスピード能力が世界的には図抜けて高い一方で騎手を含めて障害飛越能力には難があるため、難易度の高い障害においてはセーフティーに進め、そこから平地のストライドで押し切ることが出来る障害において勝負をかけようという発想かもしれない。比較的このようにシャープな二峰性のラップと刻むレースはオーストラリアに多く、欧州型のロングスパート合戦となるニュージーランドとは様相を異にしている。オジュウチョウサン以前の中山大障害の時に書いたように、このような展開に対しては無類の強さを誇る。飛越も安定しており、積極的に展開を変えていく馬がいない限り、現状のメンバーでこの馬を負かすのは困難だろう。パドックで見た馬の雰囲気、集中力、所作はイギリス障害馬のそれと共通するものがあった。海外遠征をという話も出るかもしれないが、例えばオーストラリアの5月末に行われるAustralian Steeplechase、8月に行われるGrand National Steeplechaseなどどうだろうか。馬場さえよければチャンスは大きい。フランスSteeplechaseであれば秋のAuteuilのPrix la Haye Jousselin (G1)があるが、フランスSteepleに対応できるかどうかはやや疑問が残る。フランスであれば最初にHaies (=Hurdle)を使う方が良いだろう。

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古豪サンレイデュークは自らの競馬で見せ場を作った。最後は平地のスピードの違いで突き放されてしまったが、ほぼ勝ちに等しい内容。やはり機動力という点では素晴らしいものを持っている。序盤はゆったり進み、後半からロングスパートをかける形はニュージーランド障害に近いものがある。一方でアップトゥデイト、タイセイドリーム、ルペールノエルといったワンペース型の馬は後半のペースアップについていけず、オジュウチョウサンを脅かすことが出来なかった。特にアップトゥデイトはポジションを取って満足し、外回りコースで早々に前に行ったオジュウチョウサンに前に入られるという散々なレース運び。同じようなレースでオジュウチョウサンには何度もやられているだけに、これはさすがに騎手の失態と言わざるを得ない。あまり否定的なことは言いたくないが、失敗から学ばぬ人間に未来はない。Jamie Mooreなど、加速をつけて飛越させリズムを作っていく腕っぷしに自信のある騎手が必要だろう。もったいなかったのがウインヤード。このような機動力を生かす展開にはもってこいの馬だと思うが、調子が万全ではなかったのだろうか。メイショウヒデタダは後半から再加速する余裕がなく大敗。距離短縮で見直せる一頭。

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それにしても、飛越の度に拍手が起こるなど、日本障害競馬はイギリスとは違った温かさがあった。各国の障害競馬は比べれば比べるほど面白いのだが、これは日本の良さとして誇っても良いのではないだろうか。