にげうまメモ

障害競馬の個人用メモ ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

18/12/22 National Hunt Racing

*Ascot Soft

JLT Hurdle (Long Walk Hurdle) (G1) 3m97y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2018-12-22/ascot/503651/jlt-hurdle-grade-1-registered-as-the-long-walk-hurdle

例によってSam Spinnerが注文を付けて逃げるも、飛越が安定せず第2障害で早々に落馬。代わってAgrapartがやや後続を引き離しつつ逃げる展開だが、2周目の向こう正面辺りから馬群は密集。Top Notch、The Mighty Don、Call Me Lordなどが前を伺うも、ここから抜け出してきたPaisley ParkがWest Approachの追い上げを凌いで勝利した。Top Notchが3着。

Sam Spinnerは昨年のこの時期に果敢な逃げで出世した馬で、連覇がかかっていたこともありJoe Colliverは強引に出していこうとしたのだが、どうにも馬がHurdle飛越のイメージが変わっていたようで、結果的に騎手との飛越が合わずに落馬するに至った。Paisley Parkはこれで3連勝。前走のHaydockでBetfair Exchange Stayers' Handicap Hurdle (G3)を11st12lbを背負いながら強力な二枚腰で勝ってきた馬で、ここでもその能力の高さを見せた。今シーズンがNovice上りということで、このようなタイプは飛越さえ向上すれば一気にパフォーマンスを上げる可能性があるのだが、今回はそのパターンであったということだろう。West Approachはブービー人気であったが見せ場を作った。どうにもいつ走るのか全く予測がつかないのだが、持っている能力は非常に高い馬で、このような大駆けがあるのがこの馬の魅力でもある。Long Walk Hurdle (G1)に関しては2016年に見せ場を作ったという経歴もあり、Ascotのコースは合うのかもしれない。Top NotchはScilly Isles Novices' Chase (G1)の勝ち馬で、今シーズンはこれが初戦と、ローテーション的にはさっぱり勝負気配がなかったのだが好走した。Chaseに戻ればもう少し楽しめるだろう。

その他。The Mighty Donはこのクラスでも連下候補くらいの評価はできるかもしれない。Chaseに転向する可能性もそろそろ見えてくるのだが、そこでも面白い存在。Call Me Lordは人気になっていたが、残り2障害で大きな不利を受けていた。Unowhatimeanharryはもったいない落馬で、このような展開であればこの馬のしぶとい脚力は見てみたかった。フランスからの移籍馬で、2連勝で挑んできたSoul Emotionはその後馬運車で運ばれたということで、大事に至らないことを祈るのみである。

 

Garrard Silver Cup Handicap Chase (Listed) 2m7f180y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2018-12-22/ascot/503652/garrard-silver-cup-handicap-chase-listed

Minella Daddy、Thomas Patrickなどが逃げる展開も、これを好位で追いかけたValtorが第15障害辺りから抜け出すと、そのまま後続を突き放して8馬身差の勝利。Jammin Masters、Benatarと続いた。

Valtorはフランスからの移籍馬で、これが英国初戦となる。AuteuilやPauの重賞戦線を転戦してきた馬で、遡ればPrix Montgomery (Steeplechase / G3)勝ちのある馬。今年のGrand Steeplechase de Paris (G1)にも参戦している。とはいえ9歳と高齢での英国移籍であり、近年このようなタイプはVezelayやAlaryなどのフランスSteeplechaseにおける実績馬が、さほどイギリスでは結果を残すことが出来ずにフランスに再輸出されていたこと、Valtorはこのような馬と比較すると明らかに格下であったという背景もあり、単勝34倍と低評価であった。しかし、Minella DaddyやThomas PatrickなどがListedクラスとしてはやや早い流れを作り出す展開の中、好位の馬群の中で器用な飛越を繰り出し、そのまま抜け出すパフォーマンスはここでは力が上であることを示すものである。やや小柄な馬体は、前への推進力を必要とするフランス障害よりも飛越の高さを要求されるイギリス障害に対して適性を感じさせるものであり、イギリス障害に戸惑う場面はなく、ペースを上げる際の飛越の修正もまたスムーズに行っており、終始馬が自信を持って飛越に挑んでいることが印象的であった。着地動作におけるバランスのとり方も素晴らしく、飛越技術の面ではGrand Nationalを目指すといっても不思議ではないものを持っている馬だろう。この馬の飛越は障害競馬ファンであれば注視しておく価値があるものである。

Jammin Mastersは後方から追い上げ2着。とはいえ好位にいた組が悉く沈んだということは注意しなければいけない。Benatarはだいぶ引っかかって行く馬のようで、どうやらこのように後方から進めるレースが目立っているのだが、もしかするとライアンムーアファミリーの陣営のことであり、どこかで一気に先行させるレースを試してくる可能性がある。National SpecialistのThe Last SamuriはWind Surgery明けであったが5着まで来た。一度走って変わってくることを期待したい。Thomas Patrickは案外であったが、Ladbrokes Trophy Chase (G3)明けということで疲労でもあったのだろうか。