にげうまメモ

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19/06/23 Czech Racing

*Pardubice 3.4 (dobrá / Good)

Cena Dostihového klubu

Proutky II.kat. - 3400 m, cena, 4letí a starší 120.000 Kč

https://www.youtube.com/watch?v=voVQvWni3kg

Fantasticadventureが淡々と逃げる展開も、残り2障害地点で一気に先頭に立ったSlivkaが後続を8馬身ほど突き放して勝利した。Yaraが2着。

SlivkaはこれでProutkyは3戦3勝とした。平地ではSlovenské OaksにてDylankaの4着のある馬で、ここまでは期待通りの走りを見せていると考えられる。若干飛越が低い点と、最終障害で後肢の動作をミスしていたが許容範囲だろう。一気に馬群に取りつくスピードはここでは抜けていた。Zlatý pohár (Stch L)では落馬に終わったYaraは今回は見せ場を作ったが、さすがに前走とは相手の水準が違いすぎる。

 

Červnová cross country Válečníka

Steeplechase crosscountry I.kat. - 3300 m, cena, 5letí a starší 150.000 Kč

https://www.youtube.com/watch?v=JUx8I661lX0

Tiara Manが引っ張る展開もDropでミス。代わって逃げたMedicがそのままTheophilosの追い上げを凌いで勝利した。Tiara Manは盛り返して3着。

Tiara Manは3000メートル級では実力のある逃げ馬で、今回もだいぶ厳しいペースを作りだしている。MedicはCena portálu Česko země příběhů a Cena ČASCH (Stcc NL)の勝ち馬だが、どうにもこの年の4歳世代の水準は微妙であったようで、その後は3000メートル級に距離を短縮することで結果を残し、Poplerův memoriál skupiny Profireal Group (Stcc I. kat.)ではTiara Manの2着に入っていた。Tiara ManがDropでミスをし、その後の水壕障害でもミスをしているように一旦リズムを崩している面はあるのだが、そこでペースを落とすことなく行き切ったことが今回の勝因だろう。Theophilosは久しぶりの3000メートル級のレースへの出走であったが力を見せた。おそらくVelká Pardubickáが大目標となるものと考えられるが、ここで短距離を使ってきたことがいい刺激になれば面白い存在となるだろう。Tiara Manはさすがに力を見せたが、Dropでのミスが大きかった。Starbuckもこの距離であれば安定して走るのだが、そろそろ4000メートルクラスを主軸に移した方がいいのかもしれない。Lad Inは着差だけ見れば4着のStarbuckから13馬身としょんぼりなのだが、単に平地の脚が遅いだけのように見えた。最終障害までは先頭集団に食らいついているだけに、こういうタイプは案外なにかのタイミングで浮上してくる可能性がある。

 

Cena společnosti Falcon security, s.r.o.

Steeplechase crosscountry II.kat. - 5200 m, cena, 5letí a starší 120.000 Kč

https://www.youtube.com/watch?v=By4Ar_Wk-FQ

Sottoventoが淡々と逃げる展開も、スタンド前の生垣障害にて落馬。代わってTemplářが先頭に立つも、最終障害を越えて迫ったAmadeonが前を差し切り勝利した。Marcus Aureliusが2着。

AmadeonはまだCross自体は5戦目なのだが安定したレースを見せた。いくら何でも勝負所のSertash Ferhanov騎手の進路どりは少々無理があったように見えるのだが、進路を切り替えてからのスピードも目立っており、ここでは盤石の勝利といったところ。Velká Pardubickáには登録はないため、おそらく秋はCena Labe (Stcc L)が目標となるものと思われるが、おそらく有力馬として期待が出来る一頭となるだろう。9歳のMarcus Aureliusは安定したレースを見せた。スウェーデンポーランド、イタリアなどあちこちに遠征して頑張ってきた馬なのだが、案外このPardubiceのCross Countryが合うらしく、今年のPardubiceの2戦は3300m、5200mとだいぶ距離の異なるレースにおいていずれも好成績を収めている。2016年にCena města Pardubic – II. kvalifikace na 126. Velkou pardubickou s Českou pojišťovnou - Memoriál Mjr. Miloše Svobody (Stcc NL)を勝利したTemplářはさすがにベテランらしく安定したレースを見せていた。Velká Pardubckáはすでに4回も挑戦しており、トップクラス相手では歯が立たないことははっきりしているのだが、このクラスであれば持ち前の飛越技術で浮上してくることが可能である。タイガーカフェ産駒のValtzは期待されていたが案外。距離延長であっさりパフォーマンスを下げたことはやや今後に向けての懸念材料となるだろう。Meranoで実績のあるStar MakerはまだPardubiceの障害に慣れていないようだ。PardubiceはイタリアCrossよりも積極的な飛越が必要であり、どうにもペースが遅いこともあって飛越のリズムが悪いように感じる。

 

Cena města Pardubic – II. kvalifikace na 129. Velkou pardubickou steeplechase – Memoriál Mjr. M. Svobody

Steeplechase crosscountry NL - 5800 m, cena, 5letí a starší 400.000 Kč

https://www.youtube.com/watch?v=P959n5chV6A

例によってDelight My Fireが逃げる展開だが、Irish Bankの手前で馬が躊躇して後方に置かれる。代わって先頭に立ったのが12歳のZarif。さらにスタンド前の生垣障害辺りからSztormが先頭に立つも、残り2障害辺りから徐々に進出していたAnge Guardianが先頭に立つと、そのままSztormの追い上げを凌いで勝利した。Vandual、Zarifと続き、出走した8頭は全馬無事完走となった。

Ange Guardianは前走のCena města Pardubic - Úvodní Cross Country Koroka (Stcc I. kat.)から連勝とした。すでに11歳と年齢を重ねている古豪であり、もはやPardubiceのCross Countryへの対応は円熟の域に達している。良馬場でのスピード勝負となった昨年のVelká Pardubickáは少々気の毒であったのだが、飛越の上手さとSteeplechase Courseに入る前までに勝負を決めることが可能なポジションへと動き出していく機動力は非常に安定したものを持っている。後方から捲り上げていくスタイルの馬だけに脚の使いどころと馬群に入るリスクがつきものなのだが、おそらく年齢的にもラストチャンスに近いだろうVelká Pardubickáに向けて素晴らしいパフォーマンスを見せた。

昨年ポーランドのSteeplechaseを席巻したSztormも見せ場を作った。2017年にMeranoのGrande Steeplechase D'Europa (G1)にてフランスのStylineにまともについて行ったのは当時のイタリアSteeplechaseチャンピオンであったMazhilisとこの馬だけであったのだが、その後はポーランドにてレース終盤にかけてのロングスパートで他馬を圧倒するレースを続けていた。久々のPardubiceとなった前走はやや飛越でもたつく場面もあったのだが、一度レースを使って明らかに馬の状態がよくなってきたように見える。Velká Pardubickáに向けて侮れない一頭。今回はスパートを試みた直後の生垣障害で踏み切り位置をミスする場面があったのだが、脚の使いどころさえ間違えなければAnge Guardianに対して逆転も可能であることを思わせるパフォーマンスであった。

Vandualはいまいち人気がなかったが好走した。Velká Pardubickáは出走するのであれば昨年に次ぐ2回目なのだが、このメンバー相手の3着は価値のあるものであると思われる。古豪Zarifは安定したレースで4着まで。今年初戦ということを考えればこれで十分だろう。昨年のCena Labe (Stcc L)の勝ち馬Mahonyもこれで権利を得た。Dulcar De Sivolaは未勝利馬であり、少々上位と比べると差はありそうだが、もういくらか下のカテゴリーの5000mクラスであればチャンスはあるだろう。Delight My Fireはすでに権利は持っており、Irish Bankでのミスが響いて大敗。ワンペース型の馬だけにこのようなミスを挽回するのは少々苦しい。フランスからの移籍馬Tiep De L'estはどうにも細かいミスが目立った。