にげうまメモ

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19/11/17 National Hunt Racing

*Cheltenham Soft (Heavy in places)

Glenfarclas Cross Country Handicap Chase (C2) 3m6f37y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-17/cheltenham/552688/glenfarclas-cross-country-handicap-chase

例によってKingswell Theatreが逃げる展開だが、早々に脱落したSolstice Starを除いて馬群は密集。残り2障害辺りから馬群を縫って前に取りついてきたDiesel D'Allierが先頭に代わると、そのままUrgent De Gregaineを凌いで勝利した。Chic Nameが3着に入り、1、2着はフランス勢が独占する結果となった。

Diesel D'Allierはフランス調教馬。昨年の12月にかけてPauのCross Countryを中心に4連勝を飾った馬だが、やや距離を延長した今年は勝ち星からは見放されていた。今回はさらなる距離延長となったのだが、いきなり結果を残した。レース運びを見ていると、比較的競馬場が広く、かつスピードを殺されるタイプの少ないCheltenhamのCross Countryは向いていたようで、初見のコースでありながらも終始飛越に問題はなく安定したものを見せていた。また、ほぼ残り4障害辺りからの上り勝負となったため、10st4lbの軽量で挑めたことも味方しただろう。フランスのUrgent De Gregaineは11st12lbをトップハンデを背負いながらも見せ場を作った。故障のためVelká Pardubickáには向かわなかったようだが、見た感じでは特に故障の影響はなさそうで、Felix De Giles騎手の絶妙なコース取りと高い技術に裏打ちされた無駄のないレース運びを見せていた。イギリス勢はやや飛越技術の差を見せつけられる格好の敗戦。Chic Nameは久々のCross Countryであったが好走した。Rolling Dylanも初のCross Countryであったが見せ場を作った。最終障害での飛越の差だろう。Kingswell Theatreは最後のフラット部分での遅れであり、本来はもう少しペースを上げた方がよさそうな印象。Rathlin Roseは相変わらず失速するとそこからはあっさり後退する。こういうタイプはかえって逃げた方がいいのかもしれない。

 

Arkle Trophy Trial Novices' Chase (G2) 1m7f199y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-17/cheltenham/550414/racing-post-responsiblegambling-arkle-trophy-trial-novices-chase-grade-2

するすると逃げたPut The Kettle Onがそのまま勝利。Al Dancer、Gateway Trumpと続いた。

例によってAl DancerとGateway Trumpが人気になっていたのだが、まさかの最低人気の牝馬の勝利という結果になった。Put The Kettle OnはChaseは5戦4勝。今年の7月からChaseを使っている経験のある馬で、前走はTipperaryのLike A Butterfly Novice Chase (G3)にて2着に入っている。どちらかというと経験馬らしく飛越技術に長けたタイプといった印象で、まだ慎重に飛越している印象のある他馬と比べると、ペースアップした際の技術の面で一日の長があった印象。Al Dancerは期待されていたが2着まで。Gateway Trumpは残り2障害でミスがあった。この2頭はこれから良くなってくるだろう。Rouge Vifも差がない4着で、この馬もHurdleでの活躍を考えればこれからの馬である。

 

Shloer Chase (G2) 1m7f199y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-17/cheltenham/550415/shloer-chase-registered-as-the-cheltenham-chase-grade-2

Politologueがゆったりと逃げる展開だが、これを追いかけたDefi Du Seuilがゴール前でこれを捉えて勝利した。Simply Ned、Saint Calvadosは3、4着となった。

Defi Du Seuilは昨シーズンのJLT Novices' Chase (G1)の勝ち馬。もとはと言えば2016-17シーズンのJuvenile Hurdle路線で無敵を誇っていた経緯もある。どちらかというとゆったりとレースが進行した際に強力な機動力で抜け出してくるタイプの馬で、16fであったここでもどちらかというとワンペース型のPolitologueが逃げたことはこの馬にとっては有利な展開となった。展開次第では一気の大物食いまでやってのけるポテンシャルのある馬だが、今年のレース選択には注目した方がいいだろう。Politologueは自分のレースをやっての2着。Simply Nedは12歳となったここでも唸るような手応えでレースを進めている。アイルランドに戻ってどこまで。Saint Calvadosは控える競馬をしているようだが、どちらかというとスピードの持続力に長けたタイプなだけに、このような競馬は合わないように見える。

 

*Punchestown Soft (Soft to Heavy in places)

Risk of Thunder Chase 3m

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-17/punchestown/552215/ems-copiers-risk-of-thunder-chase

有名なPunchestownのCross Country。好位から進めたYanworthが逃げたBallyboker Bridge、抵抗してきたNeverushaconを抑えて勝利した。4着以下は大きく遅れた。

YanworthはHurdleではG1を2勝している馬で、CheltenhamのChampion Hurdle (G1)でも一番人気に押された経歴もある(7着)。その後Chaseに転向するもDipper Novice Chase (G2)のみと結果を残せず、Hurdleに戻すも全盛期の走りは取り戻せずに終わっていた。あえてCross Countryを選んできた経緯は不明だが、いずれにせよChaseでの飛越に怪しい部分があったのもまた事実であり、そのような馬が競走馬として活躍できる場があることは素晴らしいことである。やや飛越に怪しい部分はあったが許容範囲だろう。この週はCheltenhamに滞在していたために、やや移動の多い週となったようだが、Cross Country Horseとしての今後が楽しみになる走りであった。

 

Florida Perl Novice Chase (G2) 2m6f140y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-11-17/punchestown/552220/liam-and-valerie-brennan-memorial-florida-pearl-novice-chase-grade-2

Dandy Magが逃げる展開だが、どうにも飛越のリズムが悪くAny Second Nowと並走する格好になる。途中からAny Second Nowの単騎逃げとなるが、最終障害手前で前に出たBattleoverdoyenがそのままAny Second Nowを振り切って勝利した。

BattleoverdoyenはこれでChaseは2戦2勝とした。NaasのLawloer's of Naas Novice Hurdle (G1)勝ちがある馬で、どうにも走法を見ていると馬場によるスピードロスが大きいために重馬場よりも良馬場のようがいいタイプのように見える。とりあえずスピード能力の高さで格好はつけたが、最後はバテていないながらもやや末脚のロスが生じている辺り、馬場には不安が残る内容だろう。Any Second Now、Ex Patriotはなぜこの馬がNoviceを走れるのかよくわからないのだが、どちらかというと距離が伸びていいタイプのように見える。