にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

21/05/23 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2021/05/17-2021/05/23

5/19(水)

Bro Park (SWE) god

〇 NOVISSTEEPLECHASE 50.000 kr

Steeplechase För 4-åriga och äldre hästar som ej segrat mer än 2 gånger. 3500m (Replay)

1. Londonia J: Niklas Lovén T: Karen Kuszli 

リプレイはいつまで生きているかわかりませんが、Galopptips.seというホームページの"Lopprepriser"というタブから飛んでいます。

レースはHenrik EngblomのReinventが早々に飛ばす展開も、これについて行ったLondoniaがゴール前でこれを捉えて勝利した。Londoniaはもともとイギリス調教馬で、All-wheaterとHurdleを兼用で走っていた馬である。実績的にはClass4のハンデ戦で11st台を背負っての勝利がある程度で目立ったものはなく、父Paco Boyも平地ではGalileo Goldを輩出しているが障害種牡馬として実績のあるタイプではない。比較的スピードが生きるBro ParkのSteeplechaseにて早々に仕掛けていったReinventを追いかけたのが勝因だろう。飛越はHurdleの経歴が長い馬ということでやや拙い部分もあったが、慣れればこれくらいはこなせそうな印象がある。アイルランドのPTPからの移籍馬であるReinventが2着で、さすがにPTPの障害を飛んでいる馬だけあって、勝ち馬と比べると飛越の形は出来ていた。昨年このコースでMaiden Hurdle勝ちのあるFrench Warrior、2016年のSt Eriks Pris勝ちのあるJunglelandなど、比較的スウェーデンでの経歴の長い馬もいたのだが、いずれもやや離れた敗戦に終わった。

 

〇 JOCKEYKLUBBENS STORA PRIS 80.000 kr

Steeplechase För 4-åriga och äldre hästar. 3500m (Replay)

1. Mutadaffeq J: Niklas Lovén T: Karen Kuszli 

レースはCrin Au Ventが淡々と引っ張るも、最後抜けてきたMutadaffeqが接戦を制して勝利した。Mutadaffeqもアイルランドからの移籍馬で、アイルランドでは平地を5勝、Hurdle及びChaseで1勝ずつを上げている。移籍前最後となったレースではNewmarketのClass2のハンデ戦に参戦するも、Guinness Handicap Hurdle (Grade B)勝ちのあるGreat White Sharkから遥か離された25着に終わっていたようだ。これがスウェーデンへの移籍初戦であるがいきなり格好をつけた。おそらくSvenskt Grand Nationalへ向かうことになると思われるが、今回はやや展開一つといった印象は否めないところだろう。2018年に二頭立てとなったHM Konungens Prisを勝ったCrin Au Ventはこれが約2年ぶりのレースであったがいきなり2着に来た。

 

5/22(土)

Auteuil (FR) Tres Souple (4.1)

Grande Course De Haies D'Auteuil (G1)

Haies Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus 5100m (Replay)

1. L'Autonomie J: Angelo Zuliani T: Francois Nicolle

前哨戦を2連勝してきたL'Autonomieが人気になっていたが、昨年のこのレースは右への斜飛が酷くPaul's Sagaの2着、続くGrand Prix D'Automne (G1)はあえて抑える競馬を試みるも上手くいかずということで、そのレース運びが注目されていた。イギリス・アイルランドからはWillie Mullins厩舎が例によって大挙して参戦を予定していたが、直前で遠征は取りやめ。Ronald Pumpの1頭のみとなった。

レースは例によってGalop Marinが引っ張る展開だが、これにぴったりとL'Autonomieがついて行く。やや離れてPaul's Sagaだが、徐々に差は開いて行き隊列はかなり長くなる。2周目からL'Autonomieが前に出るが、再度ここからGalop Marinが抵抗し、もう一度前に出てくる。しかし最終コーナーの辺りからL'Autonomieが前に出ると、そのまま一頭のみ加速を続け、最後は30馬身の圧勝。2着にはPaul's Sagaが入った。Galop Marinは最後失速し4着に終わった。

上記リンク先に"Rapport de Tracking"と称して、各馬の速度推移を記録したデータが存在する。レース映像から一目瞭然だが、これを見るとL'Autonomieのパフォーマンスが抜きんでたものであったことがデータにも裏付けられることがわかるだろう。レース序盤こそややゆったりと入りながらも、基本的に47~48 km/hの速度で推移し、残り1000メートル地点からも大きく減速することなく、むしろ加速を掛ける余力すら残っていたということをこのデータが示している。最後の45.4 km/hは直線で緩めた分であり、あまり気にする必要はないだろう。元々スピードを活かした先行策で結果を残してきた馬で、このようなタイプにとって5100メートルという距離は鬼門であったはずなのだが、今回のレース振りはその距離を克服するとともに、それ以上に卓越したスピードの持続性能を見せるフランスHaiesチャンピオンとして堂々たるものであった。一時は目立っていた斜飛も今回はさほど大きな問題にはならなかった感がある。

一方のGalop Marinはワンペース型のステイヤーで、基本的に先手を取ってペースを握るのがこの馬の戦術である。序盤こそこの馬のペースで走っているものの、途中からL'Autonomieが来たことでややオーバーペース気味となり、これが最後の失速に繋がっているのだが、それでも再度L’Autonomieの前に出てペースを取り戻そうという抵抗を見せている。最後はさすがに大きく減速しているものの、それでも極端にフォームが崩れることなく迫りくる後続に抵抗しており、この馬もこの馬の高い能力を見せるレース内容であった。ただし、やはり同じペースで走ったL'Autonomieと比べて大きな減速が発生してしまったことは、L'Autonomieの能力の高さを示す結果となってしまった。

2着のPaul's Sagaもこの馬のレースはしている。昨年のこのレースは右へ右へと斜飛を繰り返すL'Autonomieについて行っての勝利を上げており、前評判は低かったものの内容的には全くフロックでもなんでもないものであった。今回も比較的好位で前の2頭を追いかけるレースをしたのだが、さすがに前の2頭のペースがきつすぎた上に、勝った馬がいくらなんでも別格過ぎた。残り3障害以降から大きく減速することなく速度を保っているのだが、それでも加速を掛ける余力は残っていなかったようだ。人気薄のGexは後方から進め最後は脚を伸ばしての3着に入った。前走Grande Course De Haies De Printemps (G3)を勝って調子は良かったようで、ここまでレース経験は豊富なタイプではないだけに今後の活躍を楽しみにしたいところだが、勝ち馬を追いかけて行ったGalop Marinと比べるとややレース運びという面で利があったような印象もある。アイルランドのRonald Pumpは道中かなり追走に苦労しての5着。これが初のフランスHaiesへの挑戦で、障害飛越においてもかなり分が悪かった。最後はさすがにフランスHaiesにおいても格下の下位入線馬と比較すれば頑張って脚は伸ばしているのだが、上位とは大きく差をつけられるレースとなってしまった。

 

Waikato RC @ Te Rapa (NZ) Slow 8

Waikato Hurdle (PJR) OPN HDL 3200m (Replay)

1. The Cossack J: Aaron Kuru T: Paul Nelson & Corrina McDougal

レースはゆったりとBak Da MasterとLocharburnの2頭が引っ張る展開。残り600メートルほどからペースが上がり、そのままBak Da Masterが逃げ込みを図るが、内をすり抜けて進出してきたThe Cossackが最終障害でこれを捉えて勝利した。

Slow8と比較的馬場は良いにも関わらず慎重な展開となっている。The CossackはHDLは4勝目。昨年のGreat Northern Hurdle (PJR)の勝ち馬だが、なぜかここでは66.5kgとさほど斤量は背負っておらず、昨年のシーズン終盤は比較的良馬場で行われていたように、この馬場も得意としているのだろう。内でやや行きたがる仕草を見せていたり、勝負所でDelegateに一旦前に入られたりとレース運びはさほど良い物ではなかったが、それでも抜けてくるのだから大したものである。前走Waikato Hurdle PreludeというRST OPN競走を勝ってきたBak Da Masterは惜しい2着で、最終障害の大きなミスがなければ十分勝負圏内であった。2戦2勝で挑んできたLocharburnは3着だが、Bak Da Masterと比べるとやや飛越は見劣っていた感がある。昨年のこのレースの勝ち馬Tommyraもいたのだが、やや外を回すロスの多い競馬で、最後は失速して6着に終わった。

 

Waikato Steeplechase (PJR) OPN STP 3900m (Replay)

1. Mesmerize J: Shaun Fannin T: Raymond Connors

 例によってIt's a Wonderがハナに行く展開だが、これにZentangleが執拗に絡んでくる。It's a Wonderは2周目の途中からZentangleを振り切り逃げ込みを図るが、最終コーナーの辺りで後続が殺到。最終障害で前に出たMesmerizeがそのまま押し切り勝利した。

Mesmerizeは11歳のここに来てSteeplechaseは4連勝とした。ここまでも比較的崩れずコンスタントに走ってきた馬だが、比較的馬場の良い現在の環境も合っているようで、ここでも機動性の高さを存分に生かしたレースをしていた。69.5kgを背負ったIt's a Wonderは自分のレースをしての2着で、この馬はより馬場が悪くなったほうがいいだろう。Mr Enthusiasticは人気がなかったが3着に頑張った。やや昨年の時点で頭打ち気味の成績ではあったのだが、ここに来て調子を上げている感もある。Zentangleは人気を背負っていたが、ややIt's a Wonderに競り負ける形の4着。実績馬Shamalは70kgのトップハンデ、Slow8の良馬場と条件は厳しかったのだが、ややスピード能力の面で厳しくなってきている感もある。

 

5/23(日)

Auteuil (FR) Collant (4.2)

Prix Ferdinand Dufaure (G1)

Steeplechase Pour tous poulains et pouliches de 4 ans 4400m (Replay)

1. Le Listrac J: Lucas Zuliani T: Francois Nicolle

レースはHadesがハナに立って進めるも馬群は密集して進行。勝負所からも脱落する馬はなく、残り2障害辺りから馬群を縫って進出してきたLe ListracがL’Aubonniereを抑えて勝利した。

全体的に4歳戦ということで慎重なレース運びになったが、内容的にはほぼ実績通りの結果となった。Le Listracは前哨戦のPrix Jean Stern (G2)の勝ち馬。当時も2着のL'Aubonniereに対して1馬身差とさほど着差はつけていたわけではなかったのだが、内内を立ち回って抜けてくる機動性と、レース運びの巧さはここでは群を抜いていた。4歳のセン馬ということもあってここからどこまで距離延長に耐えられるかは不明だが、現時点での障害馬としての完成度は非常に高いものを持っている。同レースで2着のL'Aubonniereがまたもや2着。ハナに立ってリズムよく進めたHadesが3着で、ここまでPrix Congress (G2)の2着程度の実績しかなかったのだが、これは展開の綾だろう。

 

Grand Steeplechase De Paris (G1)

Steeplechase Pour tous Chevaux de 5 ans et au-dessus

1. Docteur De Ballon J: Bertrand Lestrade T: Louisa Carberry

Steeplechasseとしてはフランス障害競馬において最大のもの。昨年Grand Steeplechase de Paris (G1)とPrix La Haye Jousselin (G1)のダブル制覇を成し遂げ、今年連覇を目指すDocteur De Ballonに加え、アイルランドのRachael Blackmoreとコンビを組むことで話題を集めた上り馬Ajas、ここまでSteeplechasseは8連勝、昨年の4歳Steeplechase路線では無敵を誇った5歳馬Le Berryの3強ムードとなっていた。それ以外にも、2019年のこのレースの勝ち馬Carriacou、この路線の常連Feu FolletにFiguero、さらに勢いのある5歳馬Galleo Contiなど、なかなか多彩なメンバーを集めていた。イギリスからはLord Du Mesnilが参戦していたが、あまり前評判は高くなかったようだ。

レースは例によってLe Berryが引っ張る展開。イギリスのLord Du Mesnilはぴったりと番手から。Ajasは好位、Docteur De Ballonは後方と、各馬それぞれいつものポジションからレースを進める。1周目は特段何もなく進行するが、Gros Open DitchにてイギリスのLord Du Mesnilが落馬。2回目のRivière des Tribunesで進路を外に切り替えたGeneral En Chefが先頭に立つと、そのままLe Berryに代わってレースを引っ張る。途中の障害でFiguero、Feu Folletの2頭が落馬。そのままGeneral En ChefはLe Berryを振り切り逃げ込みを図るが、残り2障害辺りからCarriacou、Docteur De Ballonの2頭が接近。一度は先頭に立ったCarriacouを交わしてDocteur De Ballonが先頭に立つと、そのままCarriacouを5馬身半突き放して勝利した。3着にはGalleo Contiが上がったようだ。

Docteur De BallonはこれでGrand Steeplechase De Parisは連覇とした。上り下りが存在するButte en Terreの付近を底としてそこからひたすらロングスパートをかけていくレース運びは昨年と同様なのだが、ほぼ馬場状態が変わらなかった昨年と比べると勝ち時計としては2秒近く遅く、かつ最終障害を越えても加速し続けた昨年と異なり、最後は速度を維持できず減速が発生している。今年ペースを作って逃げたLe Berryはある程度前向きに引っ張るタイプであり、かつGenedal En ChefのFelix De Giles騎手が馬を過度にエキサイトさせないように細心の注意を払いつつ、2周目からペースを握ることで早々に勝負を掛けている。これがおそらく最終的にタイムロスを発生させた要因だろう。しかし、それでも最後は46.1 km/hまで落ち込んだ2着のCarriacouに対して、48.7 km/hまでの落ち込みで耐えたそのロングスパート性能の高さは驚異的であり、まさにGrand Steeplechase de Parisを駆け抜けるだけの能力を持った馬が、Auteuil競馬場Steeplechase 6000メートルという世界最高のSteeplechasse Courseを走り切ったレースと言えるだろう。

2019年のこのレースの勝ち馬Carriacouは2着に入った。同レースを勝ってからはPauのHaiesのみの勝ち星に留まり、あまり良いところがないのだが、やはりこのような厳しい競馬になってこそ浮上してくる馬なのだろう。9歳とDocteur De Ballonと同い年であり、今回は最後の伸び脚の面で見劣ったのだが、それでも早々に勝負を掛けての5馬身半差の2着というのは、この馬がかつてのチャンピオンであることを示す何よりの証左である。驚きなのが5歳勢の2頭で、Silviniaco Contiの半弟Galleo Contiは最後しぶとく伸びて3着を確保した。Carriacouに対して3馬身半と勝負には加われなかったのだが、ここまでLe Berryに対して水をあけられていた馬が、このような厳しいレースになって浮上してきたことは今後に向けての何より楽しみになる結果である。

展開のカギを握ったGeneral En Chefは4着。Le Berryを交わしに行くにあたって、2回目のRivière des Tribunesで加速を掛けるタイミングを利用し、かつLe Berryを始め馬群から大きく距離を取ることで、馬を過度にエキサイトさせないように細心の注意を払っている。かつ、平地部分において加速を掛けるのではなく、障害飛越に際して馬を押して加速を掛けていくことで、スムーズでスタミナの消費を最小限に抑えた加速を実現している。これがFelix De Gilesという騎手が障害競走において芸術的なまでのレースを見せる技術の一端である。馬としてはここまでListed勝ちがある程度なのだが、いきなりここでここまでのレースを見せたこと、この馬もまたこの路線で注意しなければならない馬であることは間違いない。5歳勢の代表格Le Berryはペースを作ったが、最後は苦しくなっての5着。General En Chefに早々に来られて苦しい展開にもなったが、やはり初の6000メートルの距離ということで厳しかった。Rachael Blackmore騎乗のAjasも好位から進めるも、早々に後退して大敗に終わった。この馬も距離だろう。最近勢いのあるNo Risk At Allの産駒はあまり距離延長を歓迎しないような印象もある。この路線の常連Figuero、Feu Folletはもったいない落馬で、今後のこの路線を測るにあたって、この2頭が上位勢に対してどれだけやれるかは見てみたかった。

 

Prix Alain Du Breil (G1)

Haies Pour tous poulains et pouliches de 4 ans 3900m (Replay)

1. Hermes Baie J: Bertrand Lestrade T: Francois Nicolle

好位から抜け出したHermes Baieがそのまま12馬身差の圧勝。Hermes BaieはこれでHaiesは3連勝とした。昨年のPrix Cambaceres (G1)こそ落馬に終わっているが、その後は危なげのない勝ちっぷりを見せている。今回もここまで下してきたメンバーということで、前評判通りの強い競馬であった。前走CompiegneのListedを勝ってきたMartatorが2着だが、この馬自身どちらかというと別路線組といったところだろう。Rachael BlackmoreはJeu De Paumeに騎乗があったが、あまり良いところはなく6着に大敗した。

 

Pardubice (CZE) 3.5 (dobrá / Good)

〇 Pohár BICZ Holding

Steeplechase crosscountry III.kat. - 4400 m, cena, 5letí a starší 90.000 Kč (Replay)

1. Night Moon J: ž. Jan Faltejsek T: Pavel Tůma 

Pardubice競馬場の5月頭のSeason Opening Meetingは新型コロナウイルス感染症の影響で中止となり、この日が今年のPardubice競馬場の最初の開催となった。例によってレースはBridgeurが引っ張る展開だが、Steeplechase Courseに入る前辺りから後続が殺到。好位から抜けてきたNight Moonが後続に8馬身差をつけ快勝した。

Night MoonはここまでイタリアのSiepi及びSteeplechaseではトップクラスの活躍を見せた馬で、2019年にはGran Criterium D'Autunno (G1)の勝利もある。昨年はなぜかMeranoのSiepiは使わず、PardubiceのProutky及びPisaのStreeplechaseを2戦し、前走はPisaのGran Corsa Siepi Nazionale (G1)にてEdinsonの2着に入っていた。MeranoのSiepiであればG1を狙える器なのだが、あえてPardubice競馬場のCross Countryに回ってきたという経緯は非常に興味深い。初のCross Countryながら飛越は非常に安定しており、III. kat.とはいえかなり骨っぽいメンバーを相手にここまでのパフォーマンスをめいたことは今後に向けて明るい材料だろう。
比較的人気のなかったSacamiroが2着。もともとポーランドSteeplechasseで実績のあるRekiはこれが5年ぶりのPardubiceのCross Countryであったが、いきなり3着に追いこんできた。Cena portálu Kudy z nudy – Cena ČASCH (Stcc NL)で3着もある実績馬で、この路線を使うのであれば無視できない存在になるだろう。古豪Mazhilisも安定したレースで4着。Apple's Kamikazeは好位を進むも最後後退して7着。Strettonは明らかに一叩きだろう。Bridgeurは距離的にはこのくらいがよさそうなのだが、今回は早々に捕まって試合終了した。

 

Cena Jockey Clubu ČR

Steeplechase I.kat. - 3900 m, cena, 5letí a starší 150.000 Kč (Replay)

1. Cheminée J: ž. Jan Faltejsek T: Pavel Tůma 

レースは好位から進めたCheminéeがそのまま後続を突き放し勝利した。Cheminéeは2019年のKřišťálový pohár města Pardubic (Proutky NL)の勝ち馬で、その後フランスAuteuilでの勝利もある。昨年はやや順調に使えないところがあり、今年の3月はAuteuilのListedクラスへの参戦もあったのだが、残念ながら結果を残せず終わっていた。チェコ国内での仕切り直しの一戦となったここではさすがに結果を残したが、どうにも道中お行儀の悪さを相変わらず見せていた点はやはり気になるところだろう。チェコ・イタリア辺りであれば馬の能力で押し切ることが出来るのだが、やはりフランス辺りに入るとこのお行儀の悪さの面で見劣る感がある。実績馬Dusigrosz、Aztekなどが上位を占めた。特にAztekは昨年はMeranoへの参戦はなかっただけに、そのレース選択には注目した方が良いだろう。

 

〇 Cena Viléma z Pernštejna

Steeplechase crosscountry II.kat. - 3300 m, cena, 5letí a starší 120.000 Kč (Replay)

1. Imphal J: ž. Marek Stromský T: Stanislav Popelka 

人気のChrystal Crossなどが前を伺う展開も、あまり飛越が安定せず後退。代わってレースを引っ張ったImphalがついてきたLad Inを振り切ると、そのまま後続に7馬身差をつけ快勝した。Imphal自身は2019年頃までは主に3000メートルクラスの競争で実績を残した馬だが、昨年は距離を延長し、7月の5200メートルの距離を走るCena vítězů Velké pardubické (Stcc II.kat.)を勝利するなど実績を残していた。これが久々の3000メートルクラスへの出走であったがいきなり実績を残した。どちらかというとスムーズにレースを進めた利もあったのだが、昨年はCena firmy Chládek a Tintěra, Pardubice, a.s. - Cena Labe (Stcc L)で4着もある馬だけに、その動向には注意しておきたい。人気の一角Mustamirはどうにも反応が鈍く2着まで。昨年のCena Nadace pro rozvoj města Pardubic (Stcc NL)の2着馬Lad Inが3着に入ったが、Medic、Chrystal Crossといい、全体的に本来この路線で実力上位と思われた馬の不振が目立つレースであった。

 

Velká cena města Pardubic - I. kval. na 131.Velkou pardubickou se Slavia pojišťovnou

Steeplechase crosscountry NL - 5800 m, cena, 5letí a starší 200.000 Kč (Replay)

1. No Time To Lose J: ž. Ondřej Velek T: Josef Váňa st. 

ここまでStccは8戦7勝と勢いのある上り馬Evženの参戦が話題を集めていた。過去のVelká Pardubická勝ち馬自体はNo Time To Lose、Theophilos、Tizgane Du Berlaisの3頭が出走していたが、いずれもやや近走成績から評判を落としており、対抗角としては昨年のVelká Pardubkcáで好走したPlayerが上がっていたようだ。

レースは前半からゆったりとPlayerが逃げる展開だが、スタンド前のDropを越えたあたりからペースをじわじわと上げていく。そのままPlayer、Sztorm辺りが引っ張り逃げ込みを図るが、最終障害を越えて接近してきたNo Time To LoseがSztormに4馬身差をつけ勝利した。3着にはやはり好位で頑張っていたCasperが入った。

Playerに騎乗したMarcel Novákはそれなりに強気な騎乗をするタイプで、Dropを越えた後の水壕障害に対応するためにペースを上げた勢いそのままにじわじわとスパートを掛けている。結果的にはややPlayerにとってこのタイミングは早すぎたようだが、このスパートについていけるかが勝負の分かれ目となった。No Time To Loseは2017年のVelká Pardubickáの勝ち馬でだが、2020年のCena časopisu Jezdectví (Stcc II.kat.)を最後に良績はなく、ここ2戦は落馬に終わっていた。これがOndřej Velek騎手との初コンビだったのだが、乗り替わりがいい方向に出た結果だろうか。ここのところはズブさも見せていたのだが、元々は強力なロングスパート能力を武器に戦っていたタイプであり、今回のパフォーマンスもかつてのこの馬の能力を考えれば不思議ではないものである。2着のSztormは驚きの好走で、2018年時点ではポーランドSteeplechasseで無敵を誇っていた馬だが、それ以降は勝ち星がなく、前走はMilanoのPremio Cossatoにて良いところなく終わっていた。Velká Pardubickáの6900メートルは本来長いのだが、5000メートルクラスであれば基本的に太刀打ちできる馬であり、2018年のWielka Wroclawskaを最後に勝ち星がないとはいえ、このようなロングスパート能力を要求するレースは基本的に向いているのだろう。2019年のII. kvalifikaceも2着に入っているようにこの条件に対応できないわけではなく、やや近走成績から人気の盲点となっていたようだ。

Casperもあまり人気がなかったが3着に頑張った。昨年の段階でこのクラスではやや頭打ち感もあったのだが、勝負圏内に入る3着ということで今後が楽しみになる結果であった。Playerは上記の通り展開を作るも最後捕まって4着。2019年の勝ち馬Theophilosも前々でPlayerについて行っての5着ということで、さほど悲観するものではないだろう。2018年の勝ち馬Tzigane Du Berlaisも最後脚を伸ばして6着に入っており、年齢的にだいぶズブさが出てきてはいるが、展開次第でまた浮上してくる可能性は否めない。人気を背負ったEvženは何度か飛越に大きなミスがあり、リズムを崩して大敗に終わった。

 

Ladbrokes Park Lakeside (AUS) Good 4

Australian Hurdle 3900m (Replay)

Handicap. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 

1. Saunter Boy J: Steven Pateman T: Ciaron Maher

VIC州Hurdle競走としてはトップクラスの賞金額を誇るものだが、どちらかというとValac、Saunter Boy、Home By Midnightなどの上り馬が中心視されていた。レースはSaunter Boyが前半から軽快に逃げると、そのまま追いかけてきたThe Statesman以下を突き放し10馬身差の快勝とした。Saunter Boyは昨年の8月にMaidenを卒業した馬で、前走のGalleywood Hurdleではやや大事に乗りすぎた感もあっての4着だったのだが、今回はスピードを活かす競馬で一気の戴冠となった。初の3900メートルの距離もあったのだが、やはり前々で運んである程度ペースを刻んでいった方がいいタイプのようで、Good4という良馬場もこの馬向きであったようだ。そのGalleywood HurdleでBrett Scott調教師に劇的な勝利をプレゼントしたThe Statesmanが2着。昨年Maiden Hurdleを勝利し、平地でも活躍したHome By Midnightは3着に終わった。葦毛の上り馬Valacもいたのだが、こちらはどうにも飛越にミスがあり、最後後退して4着。どうやら飛越のミスのせいか、レース後に跛行が見つかったそうだ。

 

Australian Steeplechase 3900m (Replay)

Handicap. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 

1. Riding High J: Clayton Douglas T: Henry Dwyer

こちらもVIC州Steeplechase競走としては主要なものだが、先日のGrand Annual Steeplechaseと比較すると全体的に小粒なメンバー構成であった。レースは逃げると思われたBit of a Ladが出遅れると、前半からRexmontが積極的に逃げる展開。しかし好位から進めたRiding Highが残り600メートルほどからこれを捉えると、追いかけてきたMichelin以下を突き放して勝利した。Riding HighはHDLではHammonds Paints Novice Hurdle勝ちがある程度で、前走のDecron Dunroe BM120 Steeplechaseでは競争中止に終わっているのだが、ここでは一気の変わり身を見せた。とはいえ全体的に実績馬・好調馬が少ないメンバー構成といったところで、やや内容的には疑問符が残る。前走そのBM120 Steeplechaseを勝ってきたMichelinが2着。いちおうこの馬は昨年のVIC州Grand National Steeplechaseの3着馬だが、同レース自体超絶不良馬場で3着以下は道中の展開次第といった内容で、今回もメンバー構成から考えてこの馬が押し出された人気であったということは注意した方がいいだろう。Bit of a Ladは期待されていたが、スタートで大きく出遅れ早々に試合終了した。